Muv-Luv Alternative Preliminary Ideal   作:しゅーがく

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どうも、しゅーがくです。

最近、こっちに参上する事が多くなりました(汗)
朝は暇なんですよ。

ここで皆様に報告です!
この"Muv-Luv Alternative Preliminary Ideal "の総UA数が38000を突破し、40000に突入しようとしております!
これも、長らく応援してくださり、アドバイスをくださった皆様のお陰です。
ありがとうございます!

ですが、並行しているMuv-Luv Unlimited Base Shielders"は伸び悩んでいる現状です。どうにかしないとですね。


episode 20

 

 

 

 

「では、作戦の概要について説明する。」

 

武が夕呼から先に作戦指令書を受け取ってから2日後。連隊全体での作戦ミーティングが始まった。

流石に1つの部隊が連隊規模となると、ミーティングも大きくなり、会場も大きくなっていった。

『2回目の世界』でのミーティングは教室の様な小さな部屋に12人+2人程が集まり、説明を聞いていたが、今回は違う。体育館はあろうかと位に大きな部屋に、大きなモニタに、説明はマイクを通して聞こえる。それまで連隊の大きさを見誤っていたが、改めて連隊の大きさに度肝を抜かれていた。

 

「今回の作戦には、戦力が回復しつつある日本帝国軍、極東国連軍と、米軍戦力約3割を投入する。」

 

みちるが壇上に立ち、戦力構成図を表示させ、説明を始めた。その傍らには晃蔵とまりも、夕呼が佇む。

 

「先の桜花作戦によって指揮系統が瓦解したBETAは、これまでのセオリー通りの侵攻パターンを示すと思われる。だが、今回はその侵攻パターンを壊す要因を入れての作戦行動だ。これまで以上に警戒を怠るな。」

 

そう言い、みちるはマイクを切り、壇上を夕呼に譲った。

 

「連隊長の香月よ。作戦行動の概要を説明するわ。今回の作戦は国連軍主導・作戦立案を行っているから、気を引き締めて。」

 

そう言うとふぅと一息付き、夕呼は手元の紙の束を見た。

 

「甲20号作戦開始は5日後、 7月21日。今回の作戦は、甲22号、21号とは違い、ハイヴモニュメントの位置に艦砲射撃が届くのか不明な為、艦砲射撃による支援砲撃や、重金属雲を発生させる事による、光線級によるレーザー照射減衰効果を使用した作戦立案が困難とされているわ。」

 

夕呼がそう言うと、会場が一斉に騒がしくなった。

 

「静粛にっ!」

 

「では続きを。だけど私たちは重金属雲下での作戦行動をするわ。海岸線ギリギリまで侵入可能な日本帝国海軍が所持する重巡洋艦、ロケット支援艦を使用しての艦砲射撃とするわ。」

 

会場は静まり返り、視線が壇上の奥にある巨大なモニタに集中する。

 

「だけど、艦砲射撃を行う回数は戦艦による艦砲射撃よりも数は減るからよろしく。」

 

ここで奥のモニタに参加する重巡洋艦とロケット支援艦の参加艇数と、所属が表示される。

表示されたのは、日本帝国海軍。重巡洋艦最上、三隈、鈴谷、熊野、利根、筑摩、妙高、那智、足柄、羽黒。ロケット支援艦択捉、国後、淡路、天草、屋久、日間賀、佐久。重巡洋艦10隻、ロケット支援艦6隻だ。

 

「重巡洋艦隊とロケット支援艦隊の随伴に日本帝国海軍第2戦隊と補給支援艦隊も付いてくる事になっているわ。」

 

重巡洋艦とロケット支援艦の並びの下に支援艦隊が表示された。

 

「これは、先の甲21号作戦に参加した支援砲撃艦隊の艦数を遥かに上回っているわ。もっとも、戦艦じゃなくて、重巡洋艦だけどね。」

 

そういってフンと鼻を鳴らすと、夕呼は何処かのキーを押したのか、指示を出したのかで、モニタの画面が変わった。

 

「今回の作戦は、1つ特徴を加えさせてもらったわ。味方の参加部隊を一切公開しないわ。知らされるのはわたしたち、A−01のみ。他の参加部隊は支援部隊として公表されるわ。」

 

そういって再びモニタの画像を切り替える。

 

「だけど、私たちには参加部隊を知る義務があるわ。それがこれよ。」

 

そう言って夕呼はモニタに文字の羅列を表示させた。

 

それぞれの軍の基地所属のみ出しただけでも、軽く縦10列を埋め、更に、横に4列も出来た。

国連軍だけでも、かなりの数だ。

 

「見ての通り、参加部隊の所属を表示したわ。」

 

その場に居た全員が目を皿にしてその表を見る。

そして、その表に違和感を全員が持った。

それは、参加部隊に戦車部隊や砲兵部隊も混じっているのだからだ。

甲21号作戦にはそう言った3次元機動の出来ない兵器は一切参加しなかったのに、いきなりこれでもかというくらいの参加が見られた。

 

「先ずは戦車部隊と砲兵部隊の説明をするわ。」

 

そう言って、夕呼は紙を捲る。

 

「砲兵部隊から。これは、艦砲射撃望めない地域への飽和砲撃の為の部隊よ。だけど、展開するのは海岸線沿いのみに限定するわ。」

 

夕呼は再び紙を捲った。

 

「戦車部隊は凹凸の多い丘の上からほぼ固定砲台として使うわ。更に兵站に沿って進ませるわ。さっき言った参加部隊を公表しないのはこれが理由よ。」

 

まだ会場内はどよめいていた。

それを黙らせる様に晃蔵は咳払いをした。

 

「次に全体の動きについて説明するわ。」

 

夕呼は再び何かの指示を出して、モニタに大きく鉄原ハイヴ周辺の地図を表示させた。

 

「ハイヴ攻略のセオリーに則って、国連宇宙軍 装甲駆逐艦より反復軌道爆撃、直後に国連軍宇宙降下兵団約3個大隊が、鉄原ハイヴ東40km地点に降下、橋頭堡を確保。この時、降下地点半径15kmは反復軌道爆撃によって"計算上"BETAの掃討出来るわ。」

 

ピピッと音を鳴らし、地図に夕呼の言った通りにアイコンが進んだり消えたりする。

 

「ここまで作戦第一段階とするわ。」

 

そして、再びモニタの画像画像変わる。

 

「戦術機甲部隊は日本海側の金剛山から橋頭堡のある旧広徳山にNOEで向かってもらうわ。推進剤は日本海沿岸から貨物運搬砲弾によって射程ギリギリまで砲撃射出、着弾跡から推進剤を補給しながら前進。」

 

マップにアイコンが4つほど打たれた。どうやら補給コンテナの落着予測地点らしい。

 

「まぁ、推進剤は巡航速度のままNOEするなら余裕で戦闘出来る量が残る筈だから、これは保険よ。」

 

「橋頭堡に到着した部隊は隊を再編成。日米軍は橋頭堡に到着次第、橋頭堡前衛に配置、国連軍は日米軍の切り開いた突破口を全速力で通過し、ハイヴに接近する。」

 

会場がざわつきだした。

 

「ハイヴ突入とコアの破壊はA-01にやって貰うわ。だけど、斥候部隊を1個連隊用意して、先行突入して貰うから宜しく。」

 

そう言って夕呼はマイクを切り、コツコツと壇上を降りていった。

 

「A-01の作戦概要は以上だ。甲20号攻略はオリジナルハイヴ攻略の"ヴァルキリーズデータ"のJIVESよりも簡単な筈だ。」

 

そう言ってみちるも壇上を降りていき、ミーティングは終わった。只々夕呼が話すだけで質問も飛ばない。A-01の参加する作戦も、配置や任務だってたかが知れていた。それだけだった。

_________________________________

 

「甲20号作戦か......。」

 

武は身辺整理の為に、ミーティング後にPXに寄ってから自室に向かっていた。

 

(この作戦、ここに居た俺から注意を受ける程のものなのか?)

 

武は物思いに更けながら歩いていると、目の前から来る4人組に気付かなかった。

 

「おっとっと、ちゃんと前、見ろよな。」

 

ぶつかりそうになったのは、武の手紙に書かれていたトライアルの際、武を呼び出し、褒めちぎったベテラン衛士たちだった。

 

「すみません、考えて事をしていたものですから......。」

 

「次はちゃんと前見ろよっ!......ってか、お前、シロガネじゃんかよ!」

 

黒人で髪を細かく三つ編みにした男性衛士が武の肩を掴んだ。

 

「あっ、あの時の。どうも。」

 

「そいえばここ1ヶ月見てなかったけど、どこ行ってたんだ?」

 

次に話しかけてきたのは武の記憶に鮮明に残っている人物だった。

通称『メスゴリラ』そう呼ばれていた人だ。

 

「任務で少し。」

 

「ん?だが、A-01の奴らは居たぞ?」

 

「あぁ、すみません。自分だけ任務で隊を離れていたんです。」

 

「そうか。まぁ、生きていたならいいさ。」

 

「それは此方もですよ。」

 

「このクソガキぃぃ〜!」

 

そう言って冗談を言い会える程ならそこそこ仲を深めいたのだろうなと実感した武は少し呼吸を整え、聞いた。

 

「甲20号作戦に先輩方は参加されるのですか?」

 

「あぁ、さっきウチの隊の隊長から連絡を受けたよ。しかしおかしい作戦だな。」

 

武はそこで、夕呼の言っていた事を思い出していた。『味方の参加部隊を一切公開しないわ。』確かそんな事を言っていた。

 

「確かにな。参加部隊が公開されてないし。俺らの任務は『斥候部隊としてハイヴに先行突入せよ。』だからなぁ〜。」

 

「まぁ、それだけの公開でもシロガネ。お前の部隊の1番槍を務める事くらいは分かってたさ。」

 

そう言って通称『メスゴリラ』が武の肩を叩いた。

 

「朝鮮半島のアレを潰せば、人類の反抗が本格化する。派手にかましてくれよ。お前の部隊、極秘とか言われてるが、結構色々バレちまってるしさ。連隊にまで膨れ上がったんだろ?」

 

「はい......。」

 

「それだったらあの馬鹿でかい"要塞"なんてすぐにコアまで到達するからさ。」

 

そう言って武の横を通り過ぎていった。

 

(あの人たち、作戦中にハイヴ内で孤立するんだっけ......。)

 

そんな事を考えながら誰にもその事を相談できずにモヤモヤしながら自室に戻っていったのだった。




いやはや、最近文字数が低下しているのが難点ですな。
たち直す気は無いんですよねコレが......。

ご意見ご感想お待ちしております。

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