Muv-Luv Alternative Preliminary Ideal 作:しゅーがく
前回より、かなり近い日に次話を投稿させていただきます。最近、時間が取れたりしてたんで、ちょいちょい書いてたらこれですわ(笑)
今日、友人とこんな会話しました。
友人「マブラヴってさ、あの女の人が頭から食われてるやつ?」
作者「そうそう、何で?興味なかったじゃん。」
友人「いやぁ、友達に見せられてさぁ。ちょっと興味沸いた的な?」
作者「なんだそれ。」
これ以降、興味をもった様なので、いろいろ話してやりましたよ。1時間ノンストップで(笑)
こっちよりも本編読んでください!
「して、協力して欲しい事とは何だ?」
武は冥夜と朝食後、校舎裏の丘に来ていた。ここなら殆ど人は来ないし、聞かれる心配も無いからだ。霞のことを聞かれて咄嗟に夕呼に呼ばれてたなんて言って、記憶喪失という事になっている武に無い『この世界』の記憶を冥夜に聞こうと思ったのだ。
「俺が記憶喪失だと聞いているだろ?
「あぁ。特殊任務先で頭部を強打し、それが原因で記憶が無くなったんだったか?確か、私たちとの関係性は覚えてるが、何が起きたというような事は覚えてないとか。」
「それなんだが、記憶喪失というのは嘘だ。と、言いたいが、記憶喪失に陥る以前の問題なんだ。」
冥夜はポカーンと口を数秒開けて、いかにも唖然という言葉が当てはまる様な表情を数秒した後、武に質問をぶつけてきた。
「記憶喪失に陥る以前の問題とは?」
「幾ら治療を行っても記憶は戻らないんだ。俺の脳内ではその記憶だけ、無かったことになっている。思い出せないんじゃない、無いんだ。」
「で、その記憶喪失をどうするんだ?」
武は冥夜のその言葉を待っていた。武が冥夜に協力を頼んだのは、これを頼みたかったからだ。
「補完するんだ。補充するんだ。思い出せないなら、あとがきでいいだろ?」
武はそう言った。そうすれば、『この世界』で戦いながらでも、以前の記憶を冥夜から聞いて立ち回ればいいのだ。
だが、個人的なものの記憶は、それぞれから聞いて記憶しなきゃならないので、冥夜に手伝ってもらうのは、公になっている事。特に、2001年10月23日から2002年1月3日付近までの知りうる武関係の記憶を武に聞かせればいいのだ。
「頼めるか?記憶といっても、2001年の10月23日から桜花作戦までの戦闘とかの記憶だけだ。そこの記憶が無くて、夕呼先生にそこの記憶を誰かから聞いて来いって言われているんだ。」
「分かった。じゃあ、たまにこうやって集まって話すとしよう。」
「ありがとう、冥夜。」
「そなたの力になれて嬉しいぞ。」
「そうか。」
武は冥夜との話を終えて、冥夜と丘を去った。
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武は自分の機体を見に仮設格納庫に向かっていた。
90番格納庫は襲撃の際に最も被害の少なかった格納庫だが、現在は故障した戦術機の修理場や倉庫、集積場になっているらしく、戦術機で一杯とは言わないが物資で溢れていてまともに機能する機体は屋外に作られた仮設格納庫に収めていると聞いた。武の戦術機もそこに置いてあるというので、武は戦術機の調整に向かっていた。
(屋外に格納庫を作って大丈夫なのか?)
武はそう考えながら格納庫に向かっていた。
格納庫に向かう途中、第1滑走路を横切った時、まだ残っているBETAの死骸から発する嫌な硫黄臭はまだ残っていた。見渡せば要塞級の脚が地面に刺さっているが、よく見ると周辺には突撃級などの大きく重たい大型種のBETAは片付いていないようだった。基地内も未だに復旧が完了していないのを見れば、それは人の手が足りていないのが目に見えて分かる。内部を治さないとまともに動けないのだ。
そんなことを考えながら口元を袖で隠しながら格納庫に向かっていたが、想像よりもはるかに早く着いてしまった。
(確かA-01の格納庫は仮設14格納庫だったな。)
武は仮設格納庫の14番のプレートがある格納庫に入った。
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格納庫の中は機械油と汗の臭いが充満していて決していい匂いとは言えないが、外のBETAから発せられる硫黄臭よりかはマシなものだと思えた。
戦術機ハンガーには国連軍では異例の不知火が主機を落とした状態で整備を受けていた。総勢12機。中隊全機いる事になるが、12機だけ収めるにしては外観は余りにも大きかった。他の仮設格納庫も仮設14番格納庫と同じ大きさだが、隣にある仮設13番格納庫には大破しているF-4が18機とF-15が10機、米軍カラーのF-15が7機、F-15Eが10機、F-22Aが12機が大人数で修理が行われていた。一角ではオーバーホールまで行われている。だが、14番格納庫ではたった12機が整備されている。そんな状況に疑問を感じていた。米軍は近くの米空母で待機していたものだろうが、横浜基地の状況を鑑みた結果、独断で出撃させたものだろう。大破していれば空母までは持って帰れないので横浜基地が修理の場所を提供したのだろう。そんなことは簡単に想像できた。
だが、本当に何故、仮設14番格納庫には12機しか収められてないのか。それが気がかりだった。
「おっ、白銀少尉じゃないか。久しぶり。」
「お久しぶりです。整備班長さん。」
武が仮設14番格納庫に入っていこうとしたら後ろからA-01部隊の不知火を整備している整備班の班長が武を見かけて話しかけたようだ。
「何か考え事をしてるな?」
「はい。まぁ......。」
「仮設14番格納庫の事だろ?」
武は少し面を食らったが、すぐに聞き返した。
「何故分かったんです?」
「ここの格納庫を始めて見た奴は大概、『ここの格納庫は何故スカスカなのだ?』と聞いてくるからなぁ。」
整備班長は笑いながらそう言った。確かに、他の仮設格納庫は戦術機で一杯なのに、ここの仮設14番格納庫には全然戦術機が入っていなくて尚且つ、ある戦術機は全部修理も再塗装も何もかもが終わってる直ぐに稼動できる状態の戦術機しか入っていないからだ。
「香月博士から聞いてないのか?ここに帝国の最新型24機と不知火が12機入る予定になっているんだ。これは整備班長である俺とA-01のやつらしか知らない話だろ?それ以外には凄乃皇の部品を入れる為だと説明しろって言われててな。」
整備班長は苦笑いしながら言った。武は整備班長の言った言葉まだ耳に残っていた。『帝国の最新型24機と不知火12機が入る予定。』その言葉の真意は武は知っているが、整備班長もそこまで知らないだろうから話を合わせることにした。
「あぁ、それってここの格納庫に来るんですね。成る程......。」
少し、整備班長の顔色を伺いながらそう武は言った。
「そうさ。もうそろそろ来るらしいから、今までは暇だったが忙しくなるんだよ。じゃあ、俺は行かなくちゃいけないから。」
「はい。」
武は整備班長が用事があると言って離れていったのを見送った後、格納庫の奥に入った。
(帝国の最新型って、『古鷹』だよな。確かに運用思想的には間違ってはいないが、こんな早い時期に国連軍に貸与してもいいのか?)
武は少し戸惑ったが、国の考えている事だ。武では分からない事なので考えるのをやめる事にした。
気付けば、武は自分の不知火、肩に12の番号がある機体の前に立っていた。
(違う世界の俺が乗ってた不知火か......。前の富士教導団との模擬戦でも感じた違和感をどうにかしなくちゃな。)
武はそう考えながら自分の不知火の前に立ち尽くした。
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武は思う存分自分の不知火の前で今後の事を悩んだ後、今まで『この世界』で殆ど非番だなんて言葉がなかった程忙しかったのに突如与えられた非番を持て余していた。仮設14番格納庫の中も見飽きていてする事も無くただ呆然としている事が馬鹿らしくなり、仮設格納庫群を散歩する事にした。
仮設格納庫は全部で30あり、武たちのA-01が使っている仮設14番格納庫以外は生き残った衛士や整備兵が均等に配置されていて、非常時には仮設格納庫毎に部隊を編成して戦う事になっている。1つの格納庫を約4個中隊とし、それを1個部隊とする事になっている。
格納庫によっては全機が出れる状況でもないので、精々格納庫群で7個中隊出て来れればいいものだろうと、武は勝手に考えていた。武が仮設14番格納庫に向かう途中、中を覗いた仮設格納庫は1個小隊を用意出来ればマシだと思える程に大破している戦術機が残っていたので、そう思えてしまうのも無理は無かった。
(人手は足りてても戦術機の部品が足りてないんだ。所々作業も止まっている様だし。)
武はそう考えてしまった。
確かに覗く格納庫につき大体修理が止まっている戦術機が2、3機はあるのだ。戦術機の周りには整備兵がいるのだが作業をしていないので分かったのだ。
(襲われた集積場は確か戦術機の部品の備蓄場でもあったな。あそこの防衛線が突破されたとなると、部品は諸共木っ端微塵になっているはずだ。それじゃあ、新しく補給される部品をそのまま仮設格納庫に運び込んでいるのか。)
こんな事は、小学生でも状況を教えれば分かる事だ。きっと、国連軍の工廠もフル回転して部品や戦術機の製造をしているだろうが、こんな状況じゃあ何処の基地も補給が追いついていないのは分かる。しかも、米軍カラーの装甲板をUNカラーに塗り替えている状況も見れば直ぐに分かった。F-15系は米国から、F-4系は日本帝国から部品を買ったのだろう。そして、迷彩色が違うから色を塗り替えているというのも直ぐに分かった。そこまで損耗していたのだ。桜花作戦に投入された全部隊が武たちの帰還までにどれ程損耗したかは分からないが、確実に半分は殺されているのは確実だった。それらを鑑みれば、この横浜基地で起きている状況は全世界で起きているのだ。世界では戦術機が足りない状況だ。それを考えれば一刻も早く、戦力の建て直しが要求されていた。
(この世界の桜花作戦も各国軍最前線を総力を挙げて押し上げているはずだから、勢力図的には人類は土地を取り戻したのか?)
武はとてつも無く大きな仮設格納庫を横目に見ながらそう思った。
桜花作戦は第一段階で沿岸部のハイヴに注意の行くように仕向けている。その時点では全世界の戦力のほとんどが投入されていて、損耗も尋常じゃない量のはずだった。ハイヴを攻撃したのだから。
(そういえば、仮設14番格納庫に入る36機の戦術機はオルタネイティヴ第六計画戦術機甲特別攻撃部隊所属の部隊になるんだよな?でなければ、国連軍に不知火と古鷹が貸与される訳無いな。)
武はそう考えたが、36機だけ搬入されるという事に疑問を感じた。武の配属先には第1大隊第1中隊という事になっているという事は、最低限連隊規模の戦力になる事はわかったが、1個大隊分しか搬入されないのが不思議でたまらなかった。それだけしか用意出来なかったというのはまだ分かる。だが、生産効率のいい古鷹が24機搬入されるのがおかしいのだ。24機しか用意出来なかった以外の理由は、衛士が用意出来なかったというのが一番だった。それが最も現実的な理由だ。完全志願制の国連軍は定期的に安定した補充兵がくる訳では無いから、用意出来なかったというのも頷ける。そう考えていたその時、武の事を何度も呼ぶ声が遠くから聞こえてきていた。
「白銀少尉ぃ~!待ってくださいぃぃ!」
横浜基地訓練学校の制服に身を包んだ、まだ少し幼く見える少女が武の進行方向上を走っていた。
「お~う。......って。誰?」
武は遠めからでも訓練兵だと分かっていた。以前、自分も身に着けていたものだからだ。
「いやぁ、知らないのも当たり前ですかね?私は、白銀少尉の1こ下の訓練兵です。」
彼女は丁寧に挨拶をした。だが、こんな訓練兵の少女が武の事を知っている事が不思議だった。武は別に訓練所に任官してからも行ってはないし、桜花作戦の件も決戦部隊に関してはそこまでオープンになってないはずだからだ。
「それで?」
武はなぜか知らないが、少し高圧的な態度でその訓練兵に話した。
「神宮司教官から常に聞かされてて、一度お会いしてみたいと思っておりまして......。」
「っ!?」
武は神宮司という名前に過剰に反応してしまった。『この世界』に来てからというもの、その名前の事については記憶していたが、生きているという事を知らされてそれ以来、確認の為に会っていないのだ。言いたい事、聞きたい事がたくさんあるはずなのに、会えないでいたのだ。
「んんっ!......んで、神宮司軍曹が?」
「はい。教官は白銀少尉の事を、ことある毎に名前を出すんです。『白銀少尉のような奇怪な機動をする者は居ないか。』とか『貴様らの1期上に何でも出来て、副司令からも特別任務を与えられていた特別優秀な白銀という訓練兵が居たのだ。』とかおっしゃってたんです。私個人も少し興味がありましたので、ここを散歩していた時に神宮司教官がおっしゃっていた白銀少尉と人物像が告示していたので、ダメ元で声を掛けてしまいました。すみません。」
その訓練兵が申し訳なさそうに頭を下げた。武はすぐに頭を上げさせたが、その訓練兵の目は頭を下げる前からはうって変わり、目を輝かせていた。
「それで、白銀少尉が訓練兵時代に特別優秀だったっていうのは本当なんですか?」
多分、この訓練兵が声を掛けた真意はこれを聞くためだったのだろうかと武は思ってしまう程ハキハキとし、迫力のある言い方をした。
「そうだな、特別かどうか知らないが、人並みには出来たと思うぞ?」
武がそういって、その訓練兵から目を離した瞬間、今まで『この世界』で一度も見なかったある人物が目に入った。
「白銀少尉?」
その武の視界に入った人間はそう言った。武はその顔を確認した瞬間、なんともいえない悲しさや悔しさに襲われた。
前書きに私はなんてことを書いているんだ(笑)
それは置いといて、とりあえず、ここから色々起こしていきますよ!
マブラヴ布教活動は程々に.......。
ご意見・ご感想お待ちしております。