蒼空と茜空   作:tieck321

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第0局です。凄く短いです。

正直、読まなくてもあまり問題ありません。


第0局 「始まり」

-四年前・四月・長野県-

 

 

「ねえ、お姉ちゃん」

 

 

後ろ髪を二つに束ねた少女が、雀卓の向かいに座るもう一人の少女に話しかけた。その呼び方から恐らくは姉妹なのだろう。

この姉妹は身長こそ違うが顔の輪郭、ハネた前髪の形までそっくりである。姉妹でもここまで一緒なのはなかなかお目にかかれない。

 

 

「ん、何?」

 

 

パタンと本を閉じ、姉は妹に目を合わせる。返事は少し素っ気ないが、これは彼女にとっては普通なのだ。決して妹を嫌っているわけではない。むしろ姉妹の関係は良好と言ってもいい。

 

 

蒼空(そら)お姉ちゃん達ってまだ来ないの?」

 

 

まだ幼い妹は椅子に座っても足が届かない。裸足の足はブラブラと宙に浮いている。小学生の彼女にとって「待つ」ということは退屈なのだろう、さっきから暇潰しに牌を立てては倒すを繰り返している。

 

 

「さっき連絡があったし、三人ともすぐ来るよ」

 

 

姉の方はさすがはお姉ちゃん。妹よりは待つことに慣れているようだったが、それでも中学生だ。読書などで暇を潰さなければやはり退屈に感じてしまうらしく、数十秒間の無言で妹との会話は止まってしまった。

 

 

「…」

 

 

その空気に気まづくなった姉は読書をやめ、それ以外の暇潰しを探し始めた。部屋の中をキョロキョロと見回したまたま目に入った窓を開いた。椅子を窓際まで動かし、その窓枠に肘を置き頬ずえをつく。外を眺めながら来訪者を待つフリをすることにしたようだ。

姉の興味が外に向いたことで、妹も姉の後ろからひょっこりと顔を出し、姉と同じく外を眺め始めた。

 

 

「あっ…!」

 

 

しばらくして向こうから三つの人影が現れた。姉妹には見慣れた三つの人影、彼女達はそれらの持ち主達が誰なのかをすぐに理解できた。

 

 

「ヤッホー!」

 

 

三人の真ん中を歩く彼女の元気の良い声が、姉妹の耳に届いた。

薄い赤色の髪でショートカット。ヘアピンで誤魔化しているがバレバレの寝癖。私生活の乱れが見えるその髪は、いつも見ている側を心配にさせる。

まるでパジャマのような私服で大きく手を振る姿は、さながら寝起きの小学生。とても中学生の姿には見えなかった。

 

 

「噂をすれば影がさす、だね」

 

 

そう呟いた妹は、三人の姿に喜びを感じつつ未来の先輩のいつもの姿に苦笑した。

 

また姉の方も後輩のだらしない姿に深いため息をついた。

 

赤髪の少女は姉妹が気づいていないと思ったのか、依然として大声をあげながら手を振っている。

 

彼女の左側にいる帽子を被った少女は、子供っぽい自分の友を見て微笑んでいる。

 

そして右側にいる少女は、真ん中の少女と同い年とはとても思えないほど華麗に、優雅に歩いている。腰まで伸びた髪が歩くたびに揺れ、瞳と同じく空色の髪は、地上に広がる小さな蒼空のようだった。

 

 

 

 

物語の始まりを告げるかのように、春の暖かい風が、五人の間を吹き抜けた。

 

 

 

 

これは麻雀を愛する少女達の奇跡の物語である。

 

 

 




今回が初投稿です。麻雀は少ししか分からないので、闘牌描写はあまりありません。あってもほぼ能力者バトルで、心理戦、頭脳戦はないと思います。
原作は少し読んだだけです。なので基本アニメ中心です。
先ほど申し上げた通り、小説も麻雀も初心者なのでご指摘があればどんどん仰ってください。
どこぞのチャンピオンのように小説を重ねる度に上手くなれるよう頑張ります。

今回は第0局ということで全ての始まりの話です。赤髪ちゃんが登場しましたが彼女は主人公ではありません。原作主人公の咲さんも当分登場しません。
ちなみに、四年前というのは今を2050年とするなら2046年ということになります。
いろいろな考えがあるとは思いますが、この作品では原作2050年説を採用します。

今回は短めなのでこのくらいで。それではまた次の投稿まで。

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