ですから、それまでは少ししか投稿できません。
今回は題名通りメンバーを決めます。実はつい最近までメンバー決めのことすっかり忘れてたんですよね…
-水曜日・部室-
雀荘でのプチ団体戦が終わり早3日。あの戦いで、私達はそれぞれ自分自身の課題を見つけられたことだろう。それを踏まえた上で、当初の目的である団体戦のメンバーを決めなければならない。
各自にはこの3日間で自分の希望のポジションを考えてもらった。
「じゃあ、今からインターミドルのメンバー決めを始めるね」
「誰がメンバーに選ばれても文句は言わないこと」
阿知賀のメンバーにそんな人はいないとは思うが、一応言っておく。
「まずは皆の希望から。先鋒をやりたい人?」
「はい!」
玄ちゃんだけが勢い良く手を挙げた。
「玄ちゃんだけ?他の人はいないの?」
皆に確認をとる。それでも他の誰も手を挙げなかった。
これで玄ちゃんが先鋒に決定するわけではないが、ほぼ決定と言っていいだろう。
先鋒はチームのスタートを担う重要な存在。敵の勢いを殺し味方に勢いをつけるのが主な仕事だ。
そのため、先鋒戦には各校のエースがでることが多いのだとか。
玄ちゃんは防御の面に多少の不安があるものの、阿知賀のエースに相応しい実力を持っている。これなら安心して先鋒を任せられそうだ。
「クロはドラがいっぱい集まるし、相手チームの先鋒とうまく戦えると思うよ!」
どうやら茜ちゃんは賛成のようだ。というか、希望が被りでもしない限り、誰がどのポジションになろうが関係ないのだろうが。
茜ちゃんの言葉に続くように皆も賛成の声を上げた。
「それじゃあ次は次鋒をやりたい人?」
「…」
今度は誰も手を挙げない。立候補者はいないようだ。
次鋒というのは先鋒のリードを守ったり、先鋒の失敗をカバーしたりと柔軟なプレイが求められるポジションだ。
阿知賀で言えば和や灼ちゃんや宥さんが適任だろう。しかし残念ながら三人とも希望は違うようだ。
とりあえずこのままでは話が進まないと思い、次の中堅に移ろうと思った時、おそるおそる手が挙がった。
「みんながやらないなら私がやろうかな…」
手を挙げたのは宥さんだった。
「良いんですか宥さん?」
無理をしていないか心配になる。宥さんは自分から厄介事を引き受ける傾向があり、今回もそうなのではないかと疑ってしまう。
確かに宥さんなら次鋒に向いているに違いないが、宥さんにとっては最初で最後のインターミドルとなるわけなので、できれば自分の希望のポジションについて欲しい。
「他のが良ければ、私が次鋒やりますよ?」
元々は中堅希望だったのだが、そこまで思い入れが有るわけではない。次鋒でも問題ないだろう。
「ううん。大丈夫。最初から次鋒がやりたかったんだけど、誰か他の人がやりたければ遠慮するつもりだっただけだから…」
「それなら良いんですけど…」
どうやら希望通りではあったようで、とりあえずは安心した。
それにしても、他に次鋒に立候補する人がいなくて良かった。もし立候補者がいれば本当に遠慮していたに違いない。
「宥さんは最年長なんですから遠慮なんてしないで下さいね?」
「ありがとう蒼空ちゃん。これからは気をつけるね」
正直、また無理をするのではないかと心配でならないが、これ以上追及するのも悪い気がするので止めておく。
「次は中堅で立候補する人?」
私の希望は中堅なので、言いながら手を挙げる。
そろそろ被ってもいい頃だと思っていたが、意外にも他の誰も手を挙げなかった。
「中堅の立候補は私だけ?」
確認をとっても私一人のようだ。
自分で言うのもなんだが、中堅はチームの柱とも言える存在。折り返しの中堅戦は後半戦に多くの影響を与えるだろう。
部長として、チームを引っ張る存在として私はここにいるべきだと思い、中堅に決めることにした。
「次は、副将をやりたい人?」
「はい」
「はい」
灼ちゃんと和の二人の手が挙がる。ここで初めて希望が被った。
副将は次鋒と内容が似ている。次鋒が前のフォローなら、副将は後ろのフォローといった感じだろうか。
副将は大将にベストな形でバトンを渡すのが役割だ。大将に自分の力を存分に発揮できるように調整するとても難しいポジション。
ただ、二人ともそういう技術は十分にあるので、どちらも適任だろう。
「被っちゃったけど、二人ともどうする?」
二人に尋ねる。二人は顔を見合わせ少し困った表情をすると、こちらに向き直して言った。
「これは和のためのインターミドルだし副将は譲るよ」
「いえ、私よりも灼先輩の方が適任だと思います」
予想はしていたが、ポジションの譲り合いが始まる。自分の意見をぶつけて議論してくれる方が本当は良いのだが、これはどうしようもないのかもしれない。
このまま続けても譲り合うだけなので、仕方なく多数決を取る。
多数決の結果、4-3で和が副将に選ばれた。もちろん、お互いが相手に投票していたのは言うまでもない。
ここで、惜しくも選ばれなかった灼ちゃんに第二希望を聞いてみる。もしかしたら先鋒から中堅までに第二希望があるかもしれないからだ。
「第二希望なら、中堅」
今度は私と灼ちゃんが被ってしまった。
「じゃあ、また多数決で」
副将と同じく接戦になるかと期待したが、結果はなんと0-7で灼ちゃんの圧勝。誰か一票ぐらいならいれてくれると思ったが、全員が灼ちゃんを選んだらしい。
(そんなに中堅向いてないかなあ…)
しばらく立ち直れないぐらい心に重い一撃がきた。部長として自分は情けないのかなと人望の無さを心の中で嘆いていると、皆がこう言い始めた。
「やっぱり、みんな同じ考えだったか~」
「もちろんです、蒼空先輩が中堅なんてあり得ません」
「蒼空ちゃんのポジションはやっぱりね…」
(???)
みんな何を言っているのだろうか。私のポジションについて言っているのは分かるが…
「ねえ、皆どういうこと?」
仲間外れにされているようで不愉快だったので、少しばかり怒ったような口調になってしまった。
「やっぱね~、ソラは中堅じゃダメだよ…」
「ソラは絶対、大将じゃないと!」
「………えっ?」
「えええーーーー!!!私が大将!?」
茜ちゃんから告げられた驚きの一言。皆が話していたのは、私が大将になるべきだ、ということらしい。
大将が絶対に嫌というわけではないのだが、そうなると少し困ったことが起きる。
「でも、茜ちゃんと穏乃はどうするの?二人とも大将が良かったんじゃ…」
先鋒から副将まで、一切手を挙げなかった二人。てっきり大将をやりたいのだとばかり思っていた。
「違う違う。私達は元々何もやるつもりはなかったんだよ。ねえ、シズノ?」
「はい!確かに団体戦には出たいですけど、私なんかよりも蒼空さん達の方が強いですから、メンバーになるべきです!」
「遠慮する必要はない」そう二人に言おうとするも、二人の目に宿る固い決意が私にそれをさせなかった。彼女達の決意は相当な物にちがいない。
先日のプチ団体戦。きっと、そこで得た二人の答えがこれなのだろう。
(ありがとう。茜ちゃん、穏乃)
言葉に出さずとも、二人にこの想いが届いたと思いたい。
「改めてメンバーを確認するね」
「先鋒、松実玄」
「おまかせあれ!」
玄ちゃんお得意の敬礼のポーズ。
「次鋒、松実宥」
「が、がんばるよ~」
宥さんは震えながらも控えめにガッツポーズ。
「中堅、鷺森灼」
「中継ぎは任せて」
灼ちゃんはどこからともなくボーリング用のグローブを取り出す。
「副将、原村和」
「大将に繋ぐ役目、しっかりと果たさせてもらいます」
和は柔らかい微笑み。
「大将、羽暗蒼空」
「えっと、大将を任されたからには、精一杯頑張ります!」
改めて実感する。インターミドルへこのメンバー、そして茜ちゃんと穏乃と一緒に挑むのだと。
これからは今までの麻雀とは違う、勝つための麻雀が始まるに違いない。これまでとは比べ物にならないくらいの困難や強敵が現れるだろう。
しかし私達には大切な仲間がいる。仲間がいる限り私達は決して諦めないし負けたりしない。
周りを見渡すと皆がこちらを見て、私からの一言を待っていた。
大きく息を吸い、少し恥ずかしいが、手を突き上げて言う。
「ぜ、絶対優勝しよーー!!!」
「「「「「「おーーー!!!」」」」」」
私達の挑戦が始まった時だった。
-夜・落合家-
『From:フェザーダーク』
『To:のどっち』
『件名:挑戦』
『実はある大会に出場することになりました。勝つためにはもっと強くならなければなりません。ですから、これまで以上にどんな些細なことでも構いません。ご指摘頂けると有難いです。』
『From:のどっち』
『To:フェザーダーク』
『件名:Re:挑戦』
『大会…ですか。実は私もとある大会に出場することになりました。私の方もご指摘お願いいたします。』
(のどっちも大会に出るんだ)
どの麻雀大会かは分からないが、のどっち程の実力者となれば嫌でも噂を聞きそうだ。
(意外とインターミドルだったりして…)
だがもしそうなると、のどっちは敵ということになるかもしれない。そうならない事を祈るため、パソコンの前にカップ蕎麦をお供えし手を合わせる。
(もしインターミドルにのどっちが団体戦に出場していても、絶対に当たりませんように…)
(…でも、個人戦なら戦ってみたいかも…)
まだ見ぬ強敵に私は心踊らせた。
「さて、お蕎麦がのびる前に食べないと」
そしてお供え物は一瞬にして私の夜食へと変わったのだ。
インターミドル県予選まで後45日
メンバー決め終了です。みなさんの予想通りだったでしょうか?
もう一人の主人公?である茜が出ないことは意外だったかもしれませんね。