アフリカ戦線異常なし   作:おうどんつるつるの助

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第二話

アフリカの夜が明けた。どんなに暗い時代でも、この戦場でさえも平等に明るい朝は訪れるのを誰もが知っている。先輩、と呼ばれている男が夜明けを見つめながら、タバコの煙をくゆらせていた。

若い方の男はまだコックピットで夢を見ていた。砂だらけのブランケットを被って。

 

『おい、起きろ。移動命令だ』

「...ん...おはようございます...」

若い兵士はゆっくりと伸びをしながらあくびをした。

『本隊からの連絡がきた。観測ポイントを変更しろということだ。準備しとけよ』

「そうですか...どこで待ったって一緒なのに...」

『さあな、だが命令だ』

「先輩、顔洗ってからでいいですか?」

『構わんが、早くしろ』

 

アフリカの荒野を2機のモビルスーツが行く。

何もない、植物すらろくに生えない土地。

ジムの足裏が地面を踏みしめる度に砂埃が舞う。

空は、相変わらず晴れている。嫌になるくらい青い雲一つない空だ。

 

「先輩、俺、思ったんです」

『なんだ』

「昨日の話、あったじゃないですか、スフィンクスのやつ」

『ああ、』

「人間はたしかに2本足なんです」

『当たり前だ。だがそれがどうした?』

「それは旧世紀も宇宙世紀も変わりません。でも今や、年をとって足腰が悪くなっても杖をつく必要なんてないんです。ただ浮いてればいいんです。宇宙にでてしまえば」

『ふん...』

「何が言いたいかっていうと、常識なんて簡単に変わっちゃうんだなって」

『よくわからんな』

「僕はニュータイプなんてもの、未だに信じられませんよ。でも、それがいつか常識になる時代が来るんでしょ?」

『お前の話を聞いてると頭が痛くなる』

「...ただの独り言です、気にしないでください」

『まあこんなに暑くちゃあ、頭がおかしくなるのも仕方ない』

「暑いですね、とにかく。コクピットハッチ開けているというのに。」

 

移動中ずっと若い兵士はスフィンクスについて考えていた。もう一人の兵士といえば、今日二箱目のタバコを吸いながら、若い女性のピンナップを眺めていた。

 

『まいったな、移動したはいいが、景色が何も変わらないじゃねえか』

「指定された座標はここで合ってるんですよね?」

『そうだ。間違いはない』

「困りましたね」

『...飯にするか。今日も缶詰だがな』

「先輩、今日は人工肉開けちゃいましょうよ!」

『勝手にしろ』

「やったあ!久しぶりの肉だな!」

『呑気だなお前は。飯の前に定期報告しろよ』

「言われなくてもやりますよ。報告はどうしますか?」

『いつものでいいだろ』

「《アフリカ戦線異常なし》、と」

 

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