アフリカ戦線異常なし   作:おうどんつるつるの助

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第五話

夜になって雨が止んで、二人は星を眺めていた。

 

「...」

『...』

「...あの、」

『なんだ』

「...あの人たちは、なんで、死ななきゃいけなかったんですか...」

『...それが戦争だからだ』

「戦争は終わったじゃないですか!!」

『...』

「...っなんで...!」

『いくら人間が宇宙に出て、ニュータイプだなんだと言ったところで、人間は大して変われない。いつまでも愚かなままだ。』

「...」

『でも、俺は戦うのをやめない。一度戦争に足を踏み入れちまったから、何もかもが終わるまで見届ける義務がある。それに、食わなきゃならん。戦う理由がそんな簡単じゃだめか?』

「...いいえ...」

 

中年の兵士は、ため息のようにタバコの煙を吐き出した。

 

『吸うか?』

「...はい」

『ライター持ってるか?』

「いいえ」

『貸してやるよ』

「ありがとうございます...」

『おい、泣くな』

「星が...あんまりに綺麗だから...」

『綺麗だな。この宇宙であれだけの戦争が行われていたなんて嘘みたいだ』

二本の煙の筋が、アフリカの星空に上っていった。

 

 

 

《...省みろ!今回の事件は地球圏の静謐を夢想した、一部の楽観論者が招いたのだ!

デラーズフリートの決起などはその具体的一例にすぎぬ...

...地球、真の力を再びこの手に取り戻すため、

ティターンズは立つのだ!》

 

U.C.0083 ジオン軍残党デラーズフリートの反乱を受け、地球連邦軍内部組織ティターンズが組織された。

ティターンズは、ジャミトフ・ハイマン大将を筆頭とした対ジオン残党特殊部隊である。

一年戦争時に活躍した多くの部隊が、ティターンズへと編入された。

 

地球連邦軍本部ジャブローでは、サラミス級宇宙巡洋艦ガリバーが今まさに空へ飛び立とうとしていた。

多くの兵士がこの艦に乗り込むその中に、二人の男の姿もあった。

 

『久しぶりだな、ちょっと焼けたかお前?』

「先輩は逆に白くなりましたね」

『まあ基地勤務だったからな。でもこうやって偶然にも同じ艦で乗り合わせるなんてな』

「ところでこの黒い制服、なかなか慣れませんね」

『そうか? ところでお前、ライター持ってるか?』

「先輩、タバコならちゃんと喫煙室で吸ってくださいよ」

『お前も一本どうだ』

「いりません。それにしても、このティターンズとかいうのあんまり良い噂は聞きませんよ」

『おい!あんまりデカイ声で言うなよ、それ』

「でも仕方ないんですけどね。先輩は気にしないんですか?そういうこと」

『食ってくことが最優先だからな、そんな理由でいいじゃねえか』

 

『...地球とはお別れか、』

「さみしいんですか?」

若い兵士が窓を覗きながら言った。

『...当たり前だろうが』

「きっと、また戻って来れますよ。平和になれば」

『そうだな』

 

〔完〕

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