木葉の幻想郷日記   作:バスタオル

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古明地さとりと矢巾光輝③(終)

お燐「さとり様〜矢巾さ〜ん夕食が出来ましたよ〜」

 

さとり「あら、もうそんな時間なのね。じゃあ行きましょうか矢巾さん」

 

矢巾「はい」

 

スタスタスタ

矢巾とさとりは夕食を食べに行った。

 

こいし「あ、お兄さん!」

 

矢巾「こいしさん」

 

こいし「ねーねーお兄さん!お布団準備してるから今日は一緒に寝ようね!」

 

さとり「!?」

 

矢巾「は、はぁ…でも今日はさとりさんと…」

 

さとり「そ、そうよ!矢巾さんは私の部屋って決まってるのよ」

 

こいし「そんなの知ってるよ?だからお姉ちゃんの部屋に布団準備してるから一緒に寝ようねって言ったんだよ?」

 

さとり「あ、そ、そうなの」

 

矢巾「なら良いですよ」

 

こいし「わーい!」

 

さとり「はぁ…さ、夕食が冷めるから食べましょう」

 

矢巾「そうですね」

 

その後、矢巾たちは食事を楽しんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さとり「矢巾さん」

 

矢巾「はい。何ですか?」

 

さとり「そ…そろそろお風呂入りましょうか」

 

矢巾「そうですね。それではお先にどうぞ」

 

さとり「え?」

 

矢巾「…え?」

 

さとり「え、入らないんですか?」

 

矢巾「え、入りますよ?でもお先にどうぞ」

 

さとり「いえいえ矢巾さんが先に入ってください」

 

矢巾「いえいえ大丈夫ですよ!さとりさんが先に入ってください」

 

さとり「私も大丈夫ですのでお先にどうぞ」

 

矢巾「んー…」

 

さとり「…」

 

矢巾は少し考えて答えを出した。

 

矢巾「分かりました」

 

さとり「!!」

 

矢巾「じゃあ、お先に頂きますね」

 

さとり「はい!」

 

矢巾「よっと」

 

矢巾は立ち上がった。

 

矢巾「あ、お風呂ってどちらですか?」

 

さとり「あ、案内します」

 

矢巾「お願いしますね」

 

スタスタスタ

矢巾はさとりの案内でお風呂場に向かった。

 

さとり「こちらがお風呂場です」

 

矢巾 (ひ、広い…)

 

さとり「矢巾さん?」

 

矢巾「え、はい…何ですか?」

 

さとり「い、いえ…なんでもないです。それでなんですが」

 

コトッ

 

矢巾「?」

 

さとりはあるものを置いた。

 

さとり「髪を洗う時はこれを使ってください」

 

矢巾「あ、はい。分かりました」

 

さとり「それと…」

 

コトッ

 

さとり「身体を洗う時はこれで、髪を整える時はこれを使ってください」

 

矢巾「は、はい…分かりました…」

 

さとり「それではごゆっくり」

 

さとりはその場をあとにした。

 

矢巾 (結構色々あるんだな…)

 

矢巾は余計なことは考えず地霊殿の浴場を楽しんだ。

 

数分後…

 

バンッ!

 

矢巾「!?」

 

ドアが勢いよく開いた。

 

こいし「お兄さん!こいしが身体洗ってあげる!」

 

ドアを開けたのはこいしだった。

 

矢巾「ちょちょっと!何で普通に入ってきてるんですか!」

 

こいし「え?だってお姉ちゃんが…」

 

ー回想ー

 

こいし「ねぇ、お姉ちゃん」

 

さとり「あらこいし」

 

こいし「お兄さんは?」

 

さとり「矢巾さんなら今お風呂に入ってるわよ」

 

こいし「え?そうなの?」

 

さとり「邪魔しちゃダメよこいし」

 

こいし「分かった。でもお姉ちゃんは何でここにいるの?」

 

さとり「矢巾さんはここから私の部屋への道を知らないから待ってるのよ」

 

こいし「そっか、分かった」

 

スタスタスタ

こいしはその場を離れた。

 

こいし (なーんてそんな大チャンスを逃すわけないジャーン!)

 

こいしは能力を使ってさとりの前を堂々と歩いた。

 

こいし (じゃーねーお姉ちゃん!私がお兄さんの身体洗ってあげる)

 

ー回想終了ー

 

こいし「と、いうわけで今に至ります」

 

矢巾「いやいやいや!ちょちょっと待って!とりあえず出て!」

 

こいし「出たら身体洗えないじゃん。あ、もしかしてこいしの服を気にしてくれてる?なら大丈夫だよ。心配しないで」

 

矢巾「そういう問題じゃないですって!とにかく出てください!」

 

こいし「えーやだー!身体洗ってあげるから来てよー!」

 

矢巾「いやいやマズイですって!さとりさんに見つかったらどうするんですか!」

 

こいし「お姉ちゃんなら大丈夫だよ!気づいてないから!ほら早く!」

 

グイッグイッ!

こいしは矢巾の腕を引っ張る。

 

矢巾「いやいやほんとマズイですって!待って!あ!待って!」

 

こいし「はーやーくー!」

 

矢巾「身体なら自分で洗いました!なのでもう大丈夫ですって!」

 

こいし「私が洗いたいのー!」

 

矢巾「いや、ちょ!」

 

こいしが矢巾の腕を引っ張っていると1人の声が響いた。

 

さとり「こいし。何してるの」

 

矢巾「!!」

 

そこにはさとりがいた。

 

こいし「あ、お姉ちゃん…」

 

さとり「騒がしいから来てみたら…こいし。何してるの」

 

こいし「あ、いやーこれは…あはは…」

 

さとり「さっき言ったじゃない。邪魔しちゃダメよって」

 

こいし「あーそういえばそんなことも言ってたようなー…」

 

さとり「あなたには1度お説教が必要ね」

 

こいし「いやーあはは…こいしにはそれは必要ないかなー」

 

さとり「いいから来なさい!」

 

グイッ!

さとりはこいしの腕を握って引っ張った。

 

矢巾「うわっ!」

 

ザバァン!

矢巾はいきなり立ち上がった。

 

さとり「!!」

 

矢巾「あ…」

 

さとりがこいしの腕を握った時、こいしは矢巾の腕を握っていた。さとりがその腕を引っ張ったから結果的に矢巾は湯船から引っ張り出された。

 

さとり「あ…あ…」

 

ザバァン!

矢巾は恥ずかしくなって勢いよく湯船に浸かった。

 

さとり「あ…あの…その…」

 

矢巾「…///」

 

さとり「す…すみません…」

 

矢巾「い、良いですので…早く…出てもらえないでしょうか」

 

さとり「は、はい…すみません…こいし、行くわよ…あれ…こいし?」

 

矢巾「こいしさんならとっくに出ましたよ…」

 

さとり「は、はい…分かりました…」

 

さとりはその場をあとにした。

 

矢巾 (見られた見られた見られた見られた見られた…)

 

さとり (見てしまいました見てしまいました見てしまいました…)

 

お互い恥ずかしくなってしばらく頭から離れなかった。

 

その後、さとりやこいしもお風呂を済ませて部屋にいた。

 

さとり「あ、あの…矢巾さん…」

 

矢巾「はい。何ですか?」

 

さとり「そ、その…」

 

矢巾「?」

 

さとり「さ…さっきは…すみませんでした…」

 

矢巾「い…いいですよ…」

 

さとり「その…見てしまって…」

 

矢巾「!!」ボッ!

 

矢巾は顔が赤くなった。

 

矢巾「い…良いですよ…」フルフル

 

矢巾は恥ずかしさを必死で隠していた。

 

さとり「…」

 

矢巾「…」

 

二人の間にしばらく沈黙が訪れた。

 

矢巾「その…さとりさん」

 

さとり「はい。何ですか?」

 

矢巾「なぜ…ここまでしてくれるんですか?」

 

さとり「ここまで…とは?」

 

矢巾「僕に夕食をご馳走してお風呂に入れて寝るところまで用意してくれるなんて」

 

さとり「いや…まぁ…」

 

さとりは言葉が出なかった。

 

矢巾「…やっぱ聞かないでおきます」

 

さとり「!!」

 

矢巾「言いにくそうなので」

 

さとり「いえ…あの…」

 

矢巾「はい」

 

さとり「!!」

 

さとりが矢巾の顔を見た時、矢巾もまたさとりの顔を見ていた。お互いの顔はとても近かった。

 

さとり (あぁ…顔が…近い…)

 

矢巾「?」

 

さとり「その…矢巾さんは…今日…楽しかったですか?」

 

矢巾「今日ですか?」

 

さとり「はい」

 

矢巾「楽しかったですよ」

 

さとり「!!」

 

矢巾「さとりさんやこいしさん、お燐さんにお空さん。みんな仲が良くて見ていて飽きませんでした」

 

さとり「そ、そうですか…」

 

矢巾「さとりさん」

 

さとり「は、はい!何ですか?」

 

矢巾「今日はありがとうございます。とても楽しい一日でした」

 

さとり「い、いえ…そんな…」

 

矢巾「ここはいい所ですね。自然と心が落ち着きます」

 

さとり「そ、そうですか?」

 

矢巾「はい」

 

さとり (…そう言っていただけて何よりですよ。矢巾さん)

 

矢巾「…あ、さとりさん」

 

さとり「何ですか?」

 

矢巾「今日は月が綺麗ですね」

 

さとり「!!」

 

矢巾「あっちの世界とはまた違って見えます」

 

さとり「あ、あの…」

 

矢巾「?」

 

さとり「月はずっと…綺麗でしたよ…」

 

矢巾「そうなんですね」

 

さとり「…///」

 

さとりは顔を赤らめた。

 

矢巾「さとりさん?」

 

さとり「は、はい!」

 

矢巾「…そろそろ寝ましょうか」

 

さとり「そ、そうですね…」

 

そして2人は一緒に寝たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃こいしは…

 

ガシャンガシャン!

 

こいし「うぅ…お姉ちゃん…早くこれ解いてよ…これじゃあお兄さんと寝られないよ…」

 

こいしは自分のベッドに縛り付けられていた。

 

こいし「うぅ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日…

 

さとり「矢巾さん。起きてください。朝ですよ」

 

矢巾「ん…んぅ…」

 

さとり (ふふっ可愛い寝顔ですね)

 

矢巾「んー!」

 

矢巾は体を伸ばした。

 

矢巾「さとりさん。おはようございます」

 

さとり「はい、おはようございます」

 

お燐「さとり様〜矢巾さ〜ん。朝ごはんできてますよ〜」

 

お燐が部屋に入ってきた。

 

さとり「分かったわ。ありがとうお燐」

 

お燐「いえいえ〜」

 

さとり「あ、待ってお燐」

 

お燐「何ですか?」

 

さとり「こいしを起こしてきてちょうだい」

 

お燐「分かりました」

 

ガチャ…バタン

お燐はこいしを起こしに行った。

 

さとり「じゃあ私たちも行きましょうか」

 

矢巾「そうですね」

 

ガチャ…バタン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こいし「うぅ…酷い目にあったよ…」

 

矢巾「そういえばこいしさん昨日はどこ行ってたんですか?全然来ないから心配しましたよ」

 

こいし「うん…昨日は…ずっと縛られてたよ…」

 

矢巾「し…しば…?」

 

さとり「…」

 

矢巾は話についていけずそのまま朝食は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木葉「おーっす光輝!迎えに来たぞー!」

 

矢巾「光さん。昨日ぶりですね」

 

木葉「あぁ、どうだ?ここでの生活は」

 

矢巾「とても良かったです。みなさん優しくしてくれましたし」

 

木葉「そうかそうか!それは良かった!」

 

さとり「あら、木葉さん」

 

木葉「やぁさとり。元気してたか?」

 

さとり「はい。元気ですよ」

 

矢巾「さとりさん。昨日はお世話になりました」ペコッ

 

さとり「いえいえこちらこそ。楽しい時間をどうもありがとうございました」

 

矢巾「あの…さとりさん」

 

さとり「はい。何ですか?」

 

矢巾「また…ここに来てもいいですか?」

 

さとり「!!」

 

木葉「!!」

 

矢巾「ここはとても落ち着きます。僕は…ここが好きになりました」

 

さとり「…いいですよ」

 

矢巾「!」

 

さとり「いつでも来てくださいね」

 

矢巾「はい!」

 

木葉「さて…そろそろ行くか?」

 

矢巾「はい!」

 

スタスタスタ

木葉と矢巾がその場を後にしようとした時…

 

さとり「矢巾さん!」

 

矢巾「!!」

 

さとり「近いうちにまた来てください!待ってますから!」

 

矢巾「…はい!また来ます!」

 

こいし「お兄さーん!」

 

矢巾「!」

 

お燐「矢巾さーん!」

お空「矢巾さーん!」

 

地霊殿のみんなが矢巾を見送っていた。

 

矢巾「…光さん」

 

木葉「ん?」

 

矢巾「ここの人たちは…とても…温かいですね」

 

木葉「…あぁ」

 

矢巾はさとりたちに手を振って木葉と一緒に博麗神社に戻った。

 

お燐「行っちゃいましたね。さとり様」

 

さとり「えぇ…そうね…」

 

お燐「さとり様?どうしたんですか?」

 

さとり「何がですか?」

 

お燐「え…何がって…さとり様…今…泣いてますよ?」

 

さとりは涙を流していることに気付いていなかった。

 

さとり「え…あら、本当ね…何でかしら…」

 

さとりは自分の涙を拭った。

 

こいし「やっぱり寂しくなるね。昨日しかいなかったのに」

 

さとり「えぇ、そうね…」

 

さとりは帰っていく矢巾に向かって言葉を送った。

 

さとり (またいつか…あなたに会えますように)

 

 

 

 

 

 

 

 

スタッ

木葉と矢巾は博麗神社に着いた。

 

霊夢「あら、おかえりなさい」

 

木葉「ただいま」

 

矢巾「霊夢さん。昨日ぶりです」

 

霊夢「え、えぇ…そうね」

 

矢巾「では光さん。僕は帰りますね」

 

木葉「あぁ、分かった。はい、これ」

 

木葉は矢巾に結晶を渡した。

 

矢巾「ありがとうございます」

 

パキン!

矢巾はその結晶を使った。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……

白い光が矢巾を包む。

 

矢巾「それでは…」

 

木葉「あぁ」

 

ヒュッ!

矢巾は現代に戻った。

 

木葉 (光輝…心做しか顔が明るかったな。あんまり表情に出さない光輝が…照れたような顔を見せるなんてな…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日…

 

木葉「霊夢ー!お茶いるかー?」

 

霊夢「掃除終わったら頂くわー!」

 

木葉「分かったー!」

 

木葉はお茶を用意して縁側に座っていた。

 

木葉「!!」

 

木葉の前に一人の女性が立っていた。

 

木葉「…やぁ、昨日ぶりだね…さとり」

 

さとり「はい。木葉さんはお元気でしたか?」

 

木葉「あぁ、元気だよ」

 

さとり「それは良かったです」

 

木葉「今日はどうしたの?」

 

さとり「いえ、ちょっとお話が」

 

木葉「いいよ。そこに座って」

 

さとり「では、失礼しますね」

 

さとりは木葉の横に座った。

 

さとり「実はですね、矢巾さんの事なんですが」

 

木葉「うん。光輝がどうしたの?」

 

さとり「昨日、矢巾さんは地霊殿に泊まりましたよね」

 

木葉「あぁ」

 

さとり「私…その日は矢巾さんと一緒に寝たんですが、その時に矢巾さんに…その…」

 

木葉「?」

 

さとり「こ…告白されまして…」

 

木葉「………」

 

木葉は言葉が出なかった。

 

木葉「え?あの光輝が?」

 

さとり「…」コクコク

 

さとりは小さく頷いた。

 

木葉「ち、ちなみに…どんな風に…」

 

さとり「"月が綺麗ですね"って」

 

木葉「どぅぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

木葉は驚きのあまり変な声が出た。

 

さとり「でも矢巾さんがあの言葉の意味を知らずにただ月が綺麗だったからそう言ったのかも知れませんので断言はできませんが…」

 

木葉「や、やるな…光輝のやつ…」

 

さとり「でももし…その言葉の意味を知っていて…意図して言ってくれたなら…とても…嬉しいです」

 

木葉「ち、ちなみに…さとりはどう…返した?」

 

さとり「"月はずっと綺麗でしたよ"って言いました…」

 

木葉「ふぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

木葉は驚きのあまり変な声が出た。

 

木葉「はぁ…はぁ…や…やるな…光輝…」

 

さとり「木葉さん。あの時は楽しい時間をありがとうございました」

 

木葉「お、おう…俺はもう…満足…」

 

さとり「次会える時が楽しみで仕方ないです」

 

木葉「そっか、それは良かった」

 

さとり「お礼は後日お届けしますね」

 

木葉「あぁ、分かった」

 

さとり「それでは…」

 

スタスタスタ

さとりはその場をあとにした。

 

ザッザッザッ

 

霊夢「!!」

 

霊夢は鳥居を抜けるさとりに気付いた。

 

霊夢「なんでさとり妖怪がここに?」

 

ザッザッザッ

 

霊夢「ねぇ木葉、なんでさとりがここに…!!」

 

木葉「ふふっ…ふふふ…」

 

霊夢「ど、どうしたのよ…」

 

木葉は顔がニヤけていた。

 

木葉「いや…何も…ふふふ…」




〜物語メモ〜

矢巾は"月が綺麗ですね"の言葉の意味を理解しています。
なので"月はずっと綺麗でしたよ"と返された時は心臓バクバクでした。
でもそれを表に出さないよう必死で抑えていました。
でも、それが抑えきれなくて「もう寝ましょうか」と切り出した。
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