木葉の幻想郷日記   作:バスタオル

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十二宮会談①

ある日のこと…

 

ピピピ!ピピピ!ピピピ!

 

木葉「!」

 

長津から連絡があった。

 

長津「やぁ光。元気してるかい?」

 

木葉「智志か?どうした?」

 

長津「いやね、近々十二宮会談があるって事を伝えようと思ってね」

 

木葉「十二宮会談?あ〜あれか、年に一度のあれか」

 

長津「そうそうあれだよ。光は何か予定あるのかい?」

 

木葉「いや、ないと思う」

 

長津「じゃあお願いね。場所はいつものところで」

 

木葉「あぁ、分かった」

 

ピッ!

木葉は長津との通信を切断した。

 

木葉「十二宮会談か〜……はぁ……」

 

ザッザッザッ

 

木葉「!」

 

霊夢「どうしたのよ木葉。ため息なんかついちゃって」

 

木葉「ん〜いやね、近々十二宮会談があるんだ」

 

霊夢「何よそれ」

 

木葉「まぁ、話し合い?みたいな感じ」

 

霊夢「話し合うの?何を?」

 

木葉「さぁ?議題は向こうが提示するから分からないんだ」

 

霊夢「へぇ〜」

 

木葉「だからさ霊夢」

 

霊夢「何?」

 

木葉「俺が十二宮会談に出てる間、留守番お願いできる?」

 

霊夢「えぇ、構わないわ」

 

木葉「ありがと。じゃあ十二宮会談…行ってくるか」

 

霊夢「今から?」

 

木葉「いや、今じゃないよ。数日後だよ」

 

霊夢「そう」

 

数日後………

 

木葉「さて、そろそろ行こうかな」

 

霊夢「待って木葉!」

 

霊夢は神社から走ってきた。

 

木葉「何?」

 

霊夢「あ、いや、その…」

 

木葉「?」

 

霊夢「寂しくなるからギューってして」

 

木葉「ぎゅ…ギュー?」

 

霊夢「ん。ほら、早く」

 

木葉「はいはい…ほら…」

 

ギュッ!

木葉は霊夢を抱きしめた。

 

霊夢「んーーーーーーー!」

 

霊夢は木葉の身体に顔を近づけた。

 

木葉「これでいい?」

 

霊夢「えぇ、いいわ。行ってらっしゃい」

 

木葉「あぁ、行ってくるよ」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……

木葉は結晶を使って現代に戻った。

 

霊夢 (また…寂しくなるわね…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……

光は無事、現代に着いた。

 

光「…はぁ、嫌だなぁ…また言われるんだろうなぁ…」

 

光は渋々十二宮会談の開催される場所に行った。

そして、目的の場所に着いた。

 

光「はぁ…相変わらず立派な建物だ」

 

光はその建物の中に入った。

 

ウィィィィィィィン…ウィィィィィィィン

その扉は自動ドアになっているため、入るのが楽だった。

 

???「来たぞ」ヒソヒソ

 

???「ほんとね」ヒソヒソ

 

???「全く…あいつの親はどうなってるんだ」ヒソヒソ

 

???「1人は能力を失って1人は死んじゃったものね」ヒソヒソ

 

???「可哀想…」ヒソヒソ

 

光 (まただ…いつもこう言われる。可哀想とかあいつの親はどうなってんだとか…正直聞き飽きた。だから嫌なんだよ…こんなジジババがいる所に俺が行くなんて…)

 

???「あ、あの!天秤座さん!」

 

光「!」

 

光は声のした方を見た。

 

???「お久しぶりです!」

 

そこには小柄な女の子がいた。

 

光「…あぁ、久しぶりだね。早乙女さん」

 

???「もう!いつも言ってるじゃないですか!私のことは早乙女さんじゃなくて真冬(まふゆ)と呼んでくださいって!」

 

光「あはは…真冬さんはいつも元気だね」

 

真冬「天秤座さんは元気じゃないんですか?」

 

光「…その天秤座さんって言いずらくない?」

 

真冬「え、えぇ…まぁ、少し。でも名前が分からないんです。お姉ちゃんに聞いても教えてくれないし…」

 

光「天野 光 (あまの こう)」

 

真冬「え?」

 

光「天野 光。これが俺の名前だよ」

 

真冬「天野…光…」

 

光「そう」

 

真冬「じゃあ光さん!そう呼びますね!」

 

光「あぁ、分かった」

 

真冬「それで光さん!私ね!」

 

???「真冬ちゃん!」

 

真冬「!」

 

真冬は声のした方を見た。そこには早乙女 渚によく似た人物がいた。

 

真冬「お母さん!」

 

早乙女(母)「何してるのよこんな所で!探したわよ!」

 

真冬「光さんと話してたの!」

 

早乙女(母)「天野さんどうもすみません。うちの娘が」

 

光「構いませんよ」

 

早乙女(母)「ほら、行くわよ!」

 

ガシッ!

早乙女(母)は真冬の手を掴んで連れていった。

 

真冬「光さん!またお話ししましょーねー!」

 

光「…」

 

光は真冬に向かって小さく手を振った。

 

光 (やっぱり落ち着くな…早乙女家の人は…)

 

それから少し時間が経って会談が始まった。会談に参加しているのは先代の十二天星たち。

 

第一星座 牡羊座 長津 智昭 (ながつ ともあき)

長津 智志 (ながつ さとし)の父親。

 

第二星座 牡牛座 条乃 幸太郎 (じょうの こうたろう)

条乃 和人 (じょうの かずと)の父親。

 

第三星座 双子座 双葉 御幸 (ふたば みゆき)

双葉 宗司 (ふたば そうし)の父親。

 

第四星座 蟹座 立花 啓介 (たちばな けいすけ)

立花 悟 (たちばな さとる)の父親。

 

第五星座 獅子座 佐野守 雪 (さのもり ゆき)

佐野守 麗奈 (さのもり れな)の母親。

 

第六星座 乙女座 早乙女 千春 (さおとめ ちはる)

早乙女 渚 (さおとめ なぎさ)の母親。

 

第七星座 天秤座 天野 光 (あまの こう)

 

第八星座 蠍座 三室 颯太 (みむろ そうた)

三室 晃大 (みむろ こうだい)の父親。

 

第九星座 射手座 矢巾 和真 (やはば かずま)

矢巾 光輝 (やはば こうき)の父親。

 

第十星座 山羊座 風和瀬 真帆 (ふわせ まほ)

風和瀬 麻莉 (ふわせ まり)の母親。

 

第十一星座 水瓶座 本庄 真緒 (ほんじょう まお)

本庄 姫乃 (ほんじょう ひめの)の母親。

 

第十二星座 魚座 倉本 亮介 (くらもと りょうすけ)

倉本 結衣 (くらもと ゆい)の父親。

 

この計12人で行われた。

 

長津(父)「ところで、今回の議題なんですが…」

 

長津は1枚の紙を映した。

 

長津(父)「今回は現状の世界の傾き、そして、ドレインの話です」

 

光 (またか…何回やるんだよ。飽きねぇのか)

 

長津(父)「まずドレインの方から。今各所から取り寄せたドレインの出現状況を見ています。あの事件から現在まで、1度も出現しておらず、ドレインは消滅したのではないかと思われます」

 

光「してるって…もう何年前の話なんだよ」

 

長津(父)「ドレインは人の生命を吸い尽くす魔物だ。ここまで警戒しないと次また誰が殺られるか分からない」

 

光「だから…消滅してるからそれは大丈夫って言ってるの…」

 

長津(父)「その根拠は?」

 

光「潰したわ。十二天星たちで」

 

長津(父)「バカバカしい。ドレインが消滅するわけないでしょう!あの無尽蔵に出てくるあいつらはこの世界のどこかにいる」

 

光「どこに出てきたんだよ。その紙に書いてるのか?」

 

長津(父)「…」

 

光「そんな昔の話をしても先に進まないだろ。もし嘘と思うならあんたの息子さんにでも話してみたらどうだ?」

 

長津(父)「…」

 

光「正直うんざりしている。毎回毎回同じような話し合いをして。何で先に進もうとしないんだよ。なんでまだドレインの話をしてるんだよ。消滅したわドレインは」

 

長津(父)「…随分な口だね。第七星座」

 

光「みんなもそう思ってると思うけど」

 

長津(父)「…」

 

条乃(父)「なら次の議題に進みましょうや」

 

長津(父)「条乃さん…」

 

条乃(父)「私もそこの坊ちゃんと同じ意見だ。そろそろ先に進めてもいいと思っている」

 

長津(父)「…分かりました。なら次に進めます。次はこの世界の傾きについて、今のこの世界は最初のものと比べると大分傾いているようです。これは最近、色々な事が起きているからだと思われます」

 

本庄(母)「直近だと災害ですか?」

 

長津(父)「そうです。自然災害…これの修復が未だに終わっていません。このままだと被災地はいつになっても元に戻りません。ですので、十二天星の方々にその修復を手伝ってあげて欲しいのです」

 

光「…あぁ、分かった」

 

長津(父)「それともうひとつ…」

 

長津(父)はもう1枚紙を写した。

 

光「!」

 

先代十二天星「!!」

 

そこには霊夢たちが映っていた。

 

長津(父)「偵察の方々に聞きました。最近、妙な格好をした見知らぬ人物がこの世界を闊歩していると」

 

光「…」

 

長津(父)「これについて何か知ってる人はいませんか?」

 

全員無言だった。

 

長津(父)「ちなみに、これが普通の人なら別に問題はありません。だが、空を飛んだり、吸血鬼がいたり、背中に羽や頭に兎のような耳が生えていたりと、とても普通の人間には見えません」

 

光 (霊夢たちか…いつ撮られたんだ)

 

長津(父)「私のところの偵察の人は術を見破る術を持っています。いかなる術もその人の前では意味がありません。なので、その人たちがいかに普通の人間じゃないかが分かります」

 

光「…」

 

長津(父)「この人たちは十二天星…いや、あるいはそれ以上の力を持っています」

 

先代十二天星「!!」

 

長津(父)「こんな危険な人物を野放しにしておくとこの世界は傾き続けるでしょう!」

 

光「…」

 

長津(父)「ここで問います。この人たちを生かすか…それとも…殺しますか?」

 

光「!!」

 

長津(父)「私たち十二天星にとって世界の均衡が第一です。それを崩そうとする人は誰であろうと許されません!是非!みなさんの意見をお聞かせください!」

 

すると、みんなは各々考えて1つの結論を出した。

 

長津(父)「均衡を考えるなら…」

 

光「その人たちを殺すなら…俺はここを潰すぞ」

 

先代十二天星「!!」

 

光は長津(父)の言葉を遮って答えた。

 

長津(父)「それはどういう事ですか?第七星座。あなたは均衡を崩す人を優先するんですか?均衡を司っている天秤座が」

 

光「あのさ…そいつらはまだ何もしてねぇだろ。何かしてたなら別だが何もしていない。お前は…そんなやつを殺そうとするのか?」

 

長津(父)「均衡を崩される前に叩くのがいいのです。過去でもそうやってきました」

 

光「そうか…なら、俺はここを潰すとしよう」

 

先代十二天星「!?」

 

光「あの人たちは俺たちの友人だ。現十二天星のな」

 

長津(父)「!!」

 

光「だからな…俺たちの友人を殺そうとするなら…お前らを潰すぞ」

 

長津(父)「全く…あなたはつくづく私に歯向かいますね」

 

光「当たり前だろ。俺たち十二天星はその人たちの世話になったんだ。その恩がある。あんたの所の息子にでも話してみろ。恐らくあんたの意見には反対するぞ」

 

長津(父)「チッ…」

 

光「話はこれで終わりか?なら出ていくぞ」

 

ギィィィィィィィィ…バタン

光はその部屋を出た。

 

長津(父)「チッ…第七星座め…」

 

佐野守(母)「仕方ありませんよ。彼は彼なりにあなたに反発しているだけですので」

 

早乙女(母)「まぁ今はそっとしておきましょう。彼もいっぱいいっぱいでしょうから」

 

立花(父)「それにしてもあの子、この写真を見た時目の色を変えましたよ」

 

矢巾(父)「なにかあるんでしょうか?」

 

倉本(父)「むむむ…何も接点がないように見えますが…」

 

双葉(父)「私もそう見えますね」

 

三室(父)「んー…」

 

本庄(母)「あ、そう言えば…姫乃ちゃん言ってましたね。最近あの子に大切な人ができたと」

 

風和瀬(母)「と、言うことは…」

 

早乙女(母)「この子が…あの子の…大切な人?」

 

佐野守(母)「あーだからあんなに反発したんですね!自分の大切な人を殺されたくないからって!」

 

長津(父)「!!」

 

条乃(父)「なら、この話はこれで終わりだな」

 

立花(父)「ですね」

 

双葉(父)「天秤座は強い能力を持ってますからね。何かあったら本当にこの世界を壊しかねん…」

 

長津(父)「そうですね…なら、あの子のためにこの人たちはこのままでいさせましょう」

 

本庄(母)「それがいいですね」

 

早乙女(母)「そうですね」

 

長津(父)「さて、他に何かある人はいますか?」

 

誰も何も言わなかった。

 

長津(父)「ならこれで、十二宮会談を終了します」

 

そして、十二宮会談は終わった。

 

光「…ったく、相変わらず嫌な会議だ。二度と出たくない」

 

真冬「光さーん!」

 

光 (あ、真冬さん)

 

真冬「光さん!光さん!」

 

光「何ですか?」

 

真冬「何話してたんですか?」

 

光「んーそれはお母さんにでも聞いてくれ」

 

真冬「えー」

 

光「それじゃあ元気でね。真冬さん」

 

真冬「ぶぅ…分かりましたよ…」

 

ヒュッ!

光はそのままある場所に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒュッ!

 

光 (さて…ここなら…)

 

光は結晶を取り出した。

 

パキン!シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……

光はそのまま幻想郷に戻っていった。

 

???「…なるほど、どうりで世界が傾いているわけか」

 

???「ですね。これは智昭様に報告しましょう」

 

???「あぁ」




〜物語メモ〜

早乙女 真冬
真冬は渚の妹。渚とは4つ歳が離れている。
昔はよく渚に懐いていたが、渚が十二天星になり、会う機会が減ったので光に懐くようになった。
光と知り合ったのは最近。渚のパートナーが天秤座だということは知っていたので、誰なのか気になっていたところに光と会い、グイグイ来るようになった。

十二宮会談
世界の状況など色々な事について会議する。
主に先代の十二天星たちが行うが、光は母親が亡くなり、父親は能力を失っているのでいつも光が出席しなければならない。
だが光は、いつも同じ話ばかりするこの十二宮会談を嫌っている。
おまけにそこへ行くと決まって可哀想などと言った言葉を聞く。
光は何度もそれを聞いているので正直聞き飽きている。
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