木葉の幻想郷日記   作:バスタオル

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十二宮会談④(終)

光「…はぁ」

 

光は気分が上がらないため、その辺を歩いていた。

 

光「後藤さんたちは手伝ってくれるしまだなんとかなるかな。にしても誰だろ。優秀な天秤座って」

 

ピピピ!

 

光「!」

 

光の結晶が音を発した。光はその結晶を取り出す。

 

光「!」

 

そこには十二宮会談の日程が書かれていた。

 

光「…明日か」

 

次の十二宮会談の開催は明日だった。

 

光「てことは、俺の天秤座生活は今日で終わりかな」

 

スタスタスタ

光はそう思いながら歩を進める。すると、聞き覚えのある声が聞こえた。

 

???「あ、あの…あなたもしかして…天秤座の人ですか?」

 

光「!」

 

そこには見覚えのある2人がいた。

 

光「君たちは…」

 

桐谷「私は桐谷 鈴ですよ」

 

小野「俺は小野 裕也だよ。覚えてないか?」

 

桐谷 鈴(きりたに すず)

彼女は前の異変で光(こう)の真実の質問を受けたうちの一人。

篠澤の下で動いていたが、光によって救われた。

 

小野 裕也 (おの ゆうや)

彼は光の真実の質問を受けたうちの一人。

桐谷と同じで篠澤の下で動いていた。

 

(※二人とも東方三色花で登場しました)

 

光「あ、いや、覚えてはいるが…なぜ?」

 

小野「何故って?どういう事?」

 

光「あ、いや、なんでもない」

 

桐谷「私たちはあなたのおかげで今2人仲良く暮らせてますよ。平和に」

 

光「そっか。それは良かった」

 

桐谷「あの…さっき天秤座がどうとか言ってませんでした?」

 

光「あ、あぁ…言ったが」

 

小野「何かあったのか?」

 

光「あぁ、俺は今日限りで天秤座をおりることになりそうだよ」

 

桐谷「え?あなたが?」

 

光「あぁ」

 

小野「なんで?いいじゃん辞めなくても」

 

光「いやーまぁ、色々とあったんだ」

 

小野「んー…」

 

桐谷「良かったら私たちに聞かせて貰えませんか?」

 

光「え?」

 

桐谷「私たちはあなたのおかげで助かったので、今度は私たちがあなたを助ける番ですよ。いいよね裕也」

 

小野「あぁ。構わんぞ」

 

光「あはは…ありがとう。二人とも」

 

光は桐谷と小野の家に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早乙女「長津さん…」

 

長津「…なんだい」

 

早乙女「十二宮会談…明日ですね」

 

長津「…あぁ」

 

条乃「なぁよ?もういっそみんなで十二天星辞めないか?」

 

三室「…」

 

条乃「俺たちの元の目的はドレインの始末。だがもうドレインの存在は消滅した。今の俺たちに存在する意味はあるか?」

 

長津「…確かに。意味はなさそうだね」

 

条乃「ならもう…」

 

本庄「私は…もっとみんなといたいですよ…別れたくないです」

 

条乃「…」

 

長津「確かに…それもあるね」

 

条乃「どうするか…あ、ならさ」

 

長津「?」

 

条乃「親父たちを説得するのはどうだ?」

 

長津「…難しいよ」

 

条乃「何でだ?」

 

長津「うちの父親があーやって物事を決めるのは父の先代の十二天星たちからその命令を受けているからなんだ。だから、和人の父やみんなのご両親に言っても意味ないよ」

 

条乃「ちっ…」

 

矢巾「…手詰まり…ですね」

 

長津「せめて、父がその権力を失っていれば…」

 

早乙女「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桐谷「それで一体何があったんですか?」

 

光「…あぁ、実はな…」

 

光は何があったかを全て話した。

 

光「とまぁ…そんな所だ」

 

小野「なるほどな。つまりはその人を説得すればあなたが天秤座のままでいられると…そういうことですね?」

 

光「…あぁ」

 

小野「なぁ鈴。俺たちも力にならないか?」

 

光「!」

 

桐谷「うん!私もそう思ってたの!」

 

光「二人とも…」

 

桐谷「任せてください!私たちもその…何だっけ?」

 

光「十二宮会談?」

 

桐谷「そうですそれです!私たちも十二宮会談に出ましょう!」

 

小野「あぁ。天野さんの事を言えば許してくれるだろうし」

 

光「ありがとう。二人とも」

 

桐谷「任せてください!恩を返す時が来ましたよ!」

 

光「じゃあ…俺はもう行くね…」

 

小野「あぁ、任せてくれな」

 

光「はいよ」

 

ギィィィィィ…バタン

光は桐谷たちの家を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日……

 

光「はぁ…来ちまったか…この日が…」

 

光は十二宮会談が開催される場所に来ていた。

 

光「…入るか」

 

スタスタスタ

ウィィィィィィン…ウィィィィィィン…

 

???「来た…」ボソ

 

???「へぇーあれが…」ボソ

 

???「今まで均衡を崩していた人なんだ」ボソ

 

???「ほんと…何であんなのが天秤座なんだろ…」ボソ

 

光 (聞こえてるんだよなー…全部)

 

ギィィィィィ…

光は大きな扉を開け、中に入っていった。

 

長津(父)「やぁ、第七星座 天秤座の天野 光くん」

 

光「…」

 

長津(父)「まぁ、座りたまえ」

 

光「…」

 

ギシッ

光は椅子に座った。

 

長津(父)「さて、みなさん。昨日お伝えした通り、彼は天秤座の身でありながら自ら均衡を崩していました。これは、均衡を保つ天秤座からすれば大きな問題です。ここで問います。彼をこのまま天秤座でいさせることに賛成の者?」

 

誰も手を挙げなかった。

 

長津(父)「では、反対の者」

 

スッ…スッ…スッ…

全員が手を挙げた。

 

長津(父)「さて、満場一致であなたから天秤座の権利を剥奪します。今までご苦労様でした」

 

光 (はっ…だろうと思ったよ。みんな目が虚ろになってんじゃねぇか。催眠でもしたか?このおっさん)

 

長津(父)「さて、次の天秤座なんですが…次はうちの甥っ子に任せようと思っています。彼は知的で優しく、今の天秤座とは比べ物にならないほど良い子です。これに賛成の者?」

 

スッ…スッ…スッ…

全員が手を挙げた。

 

長津(父)「では、満場一致ということで、天野 光さん。あなたから天秤座の権限を剥奪し、私の甥っ子にその権限を譲渡しま…」

 

バンッ!

 

長津(父)「!!」

 

ドアが勢いよく開いた。

 

条乃「よぉおっさん。昨日ぶりだな」

 

長津(父)「おや?君は」

 

条乃「条乃 和人。現第二星座 牡牛座の十二天星だ」

 

長津(父)「何しに来たんだい?」

 

条乃「当然。光を辞めさせないためだ」

 

長津(父)「…十二宮会談は参加者しか場所を知らないはずだが?」

 

条乃「甘いなおっさん。今の時代、矢巾の能力で何とかなるんだわ」

 

長津(父)「…第九星座…射手座の能力ですか…」

 

条乃「せいかーい!正解したおっさんにはいいものをくれてやるぜ」

 

長津(父)「良いものとは?」

 

パサッ…

条乃は机に1枚の紙を広げた。

 

長津(父)「!?」

 

そこに書かれていたのは、十二天星全員が十二天星を辞めるといった内容だった。

 

長津(父)「な、なんだ…これは…」

 

条乃「見てわかるだろ?」

 

長津(父)「な、なぜ…」

 

条乃「当たり前だろ。仲間を見捨てるってのは俺の辞書には無いんだわ。それは俺だけじゃねぇ。他の連中もそうだ。みんな光がいなくなるのを反対してるんだわ」

 

長津(父)「だがこちらは11人!そちらも11人!これだと賛成か反対かを決められないが?」

 

条乃「ところがどっこい。まだいるんだわ」

 

長津(父)「なんだと?」

 

ぞろぞろぞろ

条乃の後ろから後藤さんたちや桐谷さん、小野くんがいた。

 

直樹「天野さんを辞めさせるなんて以ての外だ!撤回しなさい!」

 

長津(父)「な、なんだ…貴様らは!」

 

小夜「そうだそうだ!光さんを辞めさせるなー!」

 

美穂「私たちは光さんや早乙女さんに助けてもらったんです!そんな人を私たちは見捨てない!」

 

琴音「絶対に辞めさせない!こんな催眠を使ってでしか勝てないあなたとは違うんだから!」

 

長津(父)「!?」

 

条乃「え?催眠?誰が?」

 

琴音「ここにいる人たちですよ!」

 

条乃「何!?おい親父!聞こえてんだろ!返事しろ!」

 

条乃(父)「…」

 

条乃幸太郎は返事をしなかった。

 

条乃「な…」

 

琴音「ほらやっぱり!」

 

条乃「じょ、嬢ちゃんすげぇな…」

 

琴音「だってみんな目が変だよ!どこ向いてるのか分かんないし!」

 

長津(父)「…」

 

桐谷「そうよ!私たちは光さんのおかげで今を生きてるのよ!そんな人を辞めさせるなんてどうかしてるわ!」

 

小野「そうだそうだ!恩人をこのまま見捨てねぇよ!」

 

篠澤「そのふざけた結論を撤回しろ!」

 

長津(父)「チッ…野次馬が…」

 

条乃「で?どうだ?おっさん。そっちは11人。こっちは19人だ」

 

長津(父) (こうなったら…)

 

長津智昭はある手段に出た。

だが…

 

???「木葉!」

 

光「!」

 

???「木葉!助けに来たぜ!」

 

光「え…お前ら…どうやって…」

 

???「光。あなたが天秤座を辞めたら幻想郷はどうするのよ」

 

そこには霊夢や魔理沙、紫など幻想郷の人たちがいた。

 

長津(父)「な、なんだ貴様らは!」

 

霊夢「あんたがこの騒動の中心ね!覚悟しなさい!木葉を辞めさせたらどうなるか…」

 

魔理沙「私たちが身をもって体験させてやるぜ!」

 

長津(父)「くっ…」

 

紫「見たところあなた相当貧弱そうね?」

 

レミリア「この程度、私なら指一本で勝てるわ」

 

フラン「私なら動かなくても勝てるよ!」

 

霊夢「あんたの能力は危険だから使っちゃダメよ!」

 

フラン「えー!」

 

光「お前ら…みんな…」

 

長津(父)「全員!ここにいるやつらを始末しろ!」

 

光「!!」

 

全員身構えたが何も起きなかった。

 

長津(父)「おい!応答しろ!おい!」

 

長津「…無駄だよ父さん」

 

長津(父)「智志…」

 

長津「外の人たちは寝てるよ。ぐっすりね」

 

その頃外では…

 

本庄「光さんを辞めさせるなんて絶対させない!」

 

早乙女「でもこの人たち全然強くなかったね」

 

佐野守「そりゃあ能力者相手に普通の人間じゃあ太刀打ちできないよね…」

 

三室「今すぐにでもこの世とさよならさせてあげようか」

 

双葉「それ賛成。俺も手伝おう。なぁジェミ、ジェニ」

 

ジェミ「そうね」

ジェニ「ライブラさんを助けるためなら!」

 

そして場面は戻り…

 

長津(父)「なんでお前が…智志」

 

長津「さっき和人が言ってくれたよ。仲間を見捨てるのは俺たちの辞書にはないって」

 

長津(父)「くっ…」

 

長津「ねぇ、アリエス」

 

アリエス「ん?何?」

 

長津(父)「おぉ!アリエスじゃないか!」

 

アリエス「…」

 

長津(父)「アリエスは俺の意見に賛成だよな?」

 

アリエス「いや?全然」

 

長津(父)「な…」

 

アリエス「今の俺の主は智志だ。あんたじゃない。だからあんたの命令を聞く義務もない」

 

長津(父)「な、なんだと…」

 

アリエス「というか俺はあんたが主だった時代からあまり好きじゃなかったな。何でもかんでも言う事聞かせて。聞かなかったら罰を与えるなんてね。君の先代の十二天星たちは何故君にこの役を任せたんだろうね。つくづく馬鹿らしく思う」

 

長津(父)「なんだと…」

 

アリエス「君、一体何したんだい?もし俺が先代の十二天星がやったようにするなら俺は絶対君をその役に就かせなかったと思うよ」

 

長津(父)「…」

 

アリエス「それに…ライブラ」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

ライブラは光の身体から出てきた。

 

ライブラ「何?」

 

アリエス「ライブラはこいつの言うことに従うの?」

 

ライブラ「…」

 

アリエス「聞かなくてもいいんじゃない?」

 

ライブラ「…そうですね」

 

長津(父)「!?」

 

ライブラ「私は十二星座 第七星座の天秤座であってあなたと同じ第一星座 牡羊座ではないですものね」

 

アリエス「そうそう。君は君の先代の人の意見を聞いた方がいいよ」

 

ライブラ「分かったわ」

 

アリエス「それで、ライブラの主さん。君はどうしたいんだい?」

 

光「…俺は、辞めたくないな」

 

アリエス「…」

 

光「俺が天秤座を辞めればこの世界だけじゃなく幻想郷にまで影響が出る」

 

霊夢「!!」

 

光「俺が愛した人が悲しむ。俺は、俺が愛した人が悲しい顔を浮かべてるところを見たくない」

 

アリエス「決まりだね。そういう事だよ智昭。諦めな」

 

長津(父)「くっ…なら!」

 

カチャ!

 

光「!」

 

長津智昭は霊夢に向かって銃口を向けた。

 

長津(父)「こいつらを始末すれば幻想郷とやらはどうでも良くなる訳だ!」

 

バァン!

長津智昭は銃を放った。

 

キン!

 

長津(父)「!!」

 

光「…おい。何すんだお前」

 

長津(父)「な…銃だぞ…何故…」

 

光は浄穢で弾丸から霊夢を守った。

 

光「霊夢には指一本触れさせねぇぞ」

 

長津(父)「…」

 

光「…ライブラ。こいつはもう」

 

ライブラ「えぇ、違反ですね」

 

長津(父)「くっ…だが私には意味が無い!捕らえたところですぐにでも釈放されるだろう!」

 

ライブラ「無理ですね」

 

長津(父)「何?」

 

ライブラ「現時刻を以てあなたを危険人物と認識します」

 

ガシャン!

 

長津(父)「!?」

 

長津智昭は何かで拘束された。

 

ライブラ「あなたを第七星座 天秤座の名において拘束します」

 

長津(父)「な、離せ!」

 

ライブラ「さようなら元第一星座。しばらくは外の光を見ることはできないけど、まぁいいでしょ?今までのあなたの経緯を見れば」

 

長津(父)「な、アリエス!何とかしろ!」

 

アリエス「いやいや、今の俺の主は智志だから」

 

長津(父)「な!?ちょ、ちょっと待て!」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ……

長津智昭は光(ひかり)と共にどこかへ消えていった。

 

光「なぁライブラ。どこへ連れてったんだ?」

 

ライブラ「え?どこって…暗獄(あんごく)ですよ?あそこがいいと思って」

 

光「えげつ…」

 

ライブラ「まぁこれで主が天秤座を続けられるならいいでしょ?」

 

光「あ、あぁ…そうだな」

 

小夜「やったー!これで光さんはずっと天秤座だー!」

 

美穂「やったー!」

 

長津「…光」

 

光「…すまない智志。お前の親父を…」

 

長津「…いいよ。あとで二人で話すから」

 

光「…そうか」

 

霊夢「木葉ー!」

 

光「霊夢…」

 

霊夢「良かったぁ…ほんとに良かったぁ…」

 

光「すまないね。心配かけて」

 

霊夢「ほんとよ…」

 

紫「光」

 

光「紫…」

 

紫「良かったわね。これからも霊夢と一緒にいられて」

 

光「…あぁ」

 

長津「さてみなさん。そろそろ起きましょうか」

 

ライブラ「あ、なら私が」

 

ライブラは音の能力を使った。

 

〜♪〜♪〜♪

 

すると、さっきまで催眠にかかっていた人たちが目を覚ました。

 

条乃(父)「ん?あれ?何があったんだ?」

 

双葉(父)「何でここに?」

 

佐野守(母)「あら?あらあらあら…」

 

早乙女(母)「あら、長津さんは?」

 

長津「父さんは暗獄に送られましたよ」

 

倉本(父)「え!?暗獄に!?」

 

長津「はい」

 

三室(父)「何でまた…」

 

長津「ちょっと色々ありまして」

 

条乃(父)「…これ以上は野暮なようですね」

 

矢巾(父)「そうですね。やめましょうか」

 

本庄(母)「まぁ、長津さんに関しては私たちが何とかしましょう」

 

立花(父)「だな。さて、行きますか」

 

風和瀬(母)「そうですね」

 

スタスタスタ

先代の十二天星たちは暗獄へ向かった。

 

光「…ありがとうね。みんな」

 

条乃「何を今更!」

 

早乙女「そうだよ!これで光はいつも通りなんだから!」

 

本庄「これからも天秤座をよろしくお願いしますね!」

 

光「…あぁ、任せてくれ」

 

こうして、光は天秤座の権限を剥奪されずに済んだのだった。




〜物語メモ〜

暗獄(あんごく)
暗獄とは、ライブラが危険人物と認識した者が行くところ。
だが、それと同時に更生の余地ありと判断された場合もそこへ送られる。
そこは地上からとても深いところにあり、普通の人間では到底出ることはできない。
だが、ライブラが定めた日数をそこで暮らせば出られるようになっている。
今回はそこまで重い違反ではないため、日数も少ない。
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