霊夢「…木葉」
木葉は客室のベッドで寝ている。霊夢はずっと木葉のそばにいる。
永琳「!」
永琳が客室に来た。
永琳「あなた…まだ寝てないの…」
霊夢「…寝たくない。木葉のそばにいる」
現在、深夜を迎えようとしていた。霊夢は寝ずにずっと木葉が起きるのを待っている。
永琳「あなたが倒れたらこの子がどう思うか」
霊夢「いいの。私がこうしたいのよ。ずっと木葉の手を握って、ずっと木葉と時間を過ごして、ずっと木葉のそばにいるの」
永琳「…それはあなたが倒れたら叶わないでしょ?」
霊夢「…」
永琳「もしそうしたいならあなたが倒れないようにしなさい」
霊夢「…」
永琳「…」
霊夢「ねぇ」
永琳「…何?」
霊夢「木葉は…ほんとに治るのよね…」
永琳「…大丈夫よ。彼は強いんでしょ?なら待ってあげたらどう?」
霊夢「…うん」
永琳「…せいぜい体を壊さないようにね」
スタスタスタ
永琳はその場をあとにした。
霊夢「…木葉」
それから日が昇った。
木葉「…」
木葉はまだ目を覚まさない。
霊夢「…あ、寝ちゃったんだ私…」
霊夢は木葉の顔を見る。
霊夢 (まだ…起きない)
そこへうどんげが来た。
うどんげ「霊夢さん。起きてますか」
霊夢「あら…うどんげじゃない。どうしたの?」
うどんげ「…木葉さん。まだ起きませんか?」
霊夢「…えぇ」
うどんげ「…そうですか」
霊夢「…」
うどんげ「でも起きたら私たちが大丈夫なようにするので安心してくださいね!」
霊夢「…うん」
霊夢はいつにもなく声が小さかった。
うどんげ「一応お師匠様呼んできますね」
霊夢「…」
霊夢は声が出なかった。
うどんげ「…」
スタスタスタ
うどんげはその場をあとにした。
霊夢 (木葉…ねぇ、木葉。今日はいい天気よ。お日様が出てる。いつものように縁側でお茶しない?…ねぇ、木葉)
霊夢は頭の中で木葉に色々呼びかけた。
ポスッ
霊夢は疲れたのかベッドに顔を置く。
霊夢 (はぁ…ねぇ木葉。私…あんたがいないと…寂しいわ。お願いだから早く起きてよ…あんたの声…もっと聞きたいわ)
霊夢がそんな事を思っていると…
永琳「…どう?この子の調子は」
永琳が部屋に入ってきた。
永琳「…あまり変化がないようね」
霊夢「…」
永琳「今まで色々な人を見てきたけどただのストレスでここまで目を覚まさない人は珍しいわね」
霊夢「…」
永琳「…何かあったのね…この子に」
霊夢「…」
ピクッ
霊夢「!!」
突然木葉の指が動いた。それに気づいた霊夢はすぐに顔を起こし、木葉を見た。
霊夢「木葉!」
永琳「え…どうしたのよ」
霊夢「木葉の指が動いたのよ!ねぇ木葉!起きて!」
木葉「…」
木葉は返事をしなかった。
永琳「…返事がないわね」
霊夢「だ、だって…さっき指が動いたのよ…」
永琳「…」
ピクッ
霊夢「!」
先程と同じように木葉の指が少し動いた。
霊夢「ほらやっぱり!木葉!ねぇ木葉!」
木葉「…」
木葉は少しずつ目を開けた。
霊夢「木葉!」
永琳「!!」
うどんげ「!!」
やがて木葉は目を完全に開き、辺りを確認する。
木葉「こ…ゲホッゲホッ…」
木葉は喉が渇いているのか上手く話せない。
木葉「こ…」
霊夢「何?もう1回言って?」
霊夢は木葉の顔に耳を近づける。
木葉「こ…」
やはり上手く話せない。
永琳「うどんげ。なにか飲み物を持ってきて」
うどんげ「はい!」
タッタッタッ
うどんげは飲み物を取りに行った。
木葉「!」
木葉は永琳の存在に気づいた。
スタスタスタ
永琳は木葉に歩み寄る。
永琳「あなたどう?元気?元気なら首を縦に振って」
木葉「…」コクコク
木葉は首を縦に振った。
永琳「そう。それは良かったわ。今うどんげが飲み物を取りに行ってくれてるわ。少し待てる?」
木葉「…」コクコク
木葉は首を縦に振った。
タッタッタッ
すると、うどんげが飲み物を持って来た。
うどんげ「お師匠様!持ってきました!」
永琳「じゃあそれを飲ませて」
うどんげ「はい!」
霊夢「待って。それは私がやるわ」
うどんげ「あ、じゃあお願いしますね」
霊夢「分かったわ。木葉、起きれる?」
木葉は何とか体を起こした。
霊夢「木葉これ飲める?」
霊夢は飲み物を木葉に渡した。木葉はそれを受け取り、水分を含んだ。
木葉「あ…ぁ…あーあ…」
木葉は声が出るか試した。
木葉「ありがとう…霊夢」
霊夢「良かった…」
木葉「お二人も…ありがとうございます」
永琳「良かったわ。無事に目を覚まして」
うどんげ「ほんとですね!」
霊夢「木葉!ほんとに大丈夫なの!」
木葉「…あぁ、もう大丈夫だよ」
霊夢「そっか…」
木葉「随分長いこと寝てたんだな。朝日が見える」
霊夢「本当よ…ずっと寝てたんだから…」
永琳「お礼言っておきなさい。あなたのために色んな人が手を貸してくれたそうよ」
木葉「そっか…ありがとう」
永琳「さて、この子が起きたことだし…」
魔理沙「木葉!起きたか!?」
魔理沙が突然現れた。
魔理沙「お!良かった!起きてたんだな!」
木葉「あぁ、さっき起きたんだよ」
魔理沙「心配したぜ!でも良かった!」
木葉「心配してくれてありがとう魔理沙」
魔理沙「おう!」
永琳「さ、感動の再会はまたあとで。今から診察するから少し部屋を出て」
魔理沙「おう!」
霊夢「分かったわ」
スタスタスタ
霊夢と魔理沙は部屋を出た。
永琳「さて、そろそろ始めましょうか」
木葉「はいよ」
それから数分後…
永琳「もういいわよ2人とも」
魔理沙「失礼するぜ!」
外で待っていた霊夢と魔理沙が入ってきた。
魔理沙「で、木葉はどうだったんだ?」
永琳「んー…まぁ、私から何か言うとしたらしばらく休みなさいってことね」
魔理沙「それだけか?」
永琳「えぇ。とにかく安静にしておいて欲しいの」
霊夢「分かったわ」
永琳「じゃあ一応これを食後に飲ませて」
霊夢は永琳から薬を受け取った。
霊夢「食後ね。分かったわ」
永琳「さて、ちょっと博麗の巫女と話したいことがあるから2人は出ててもらえないかしら?」
魔理沙「分かったぜ!」
魔理沙と木葉は部屋を出た。
霊夢「…何よ、話って」
永琳「…そこに座って。あの子について少しだけ話があるわ」
霊夢は椅子に座った。
霊夢「何よそんな深刻そうな顔をして。木葉は治ったんでしょ?」
永琳「えぇ。もう大丈夫だと思うわ。でも、何かあったらまた来てちょうだい」
霊夢「分かったわ」
永琳「でも、話はそれだけじゃないわ」
霊夢「…なによ」
永琳「博麗の巫女。あの子と一緒にいたいなら、なるべくあの子のして欲しいことはしてあげてほしいの。どんな些細なことでもいいわ」
霊夢「どういう事よ…」
永琳「あの子…すごく重くなってるわよ。心が」
霊夢「心が重い?どういう事よ…」
永琳「昨日話したじゃない。ストレスが溜まってるって」
霊夢「言ってたわね。そんな事も」
永琳「あの子よく今まで壊れなかったわね。これもあなたがいたお陰かしら」
霊夢「どういう事よ…木葉はそんなにまずい状況なの?」
永琳「当たり前じゃない…倒れるまで自分の心に負荷をかけていたんだから…」
霊夢「…」
永琳「とにかく…全部とは言わないわ。でも、あの子の願いはなるべく聞いてあげて欲しいの…あの子があのままでいられるのはあなたがそばにいてくれたからかもしれないの。そして、あの子の心の負荷を取り除けるのはあなただけかもしれないの」
霊夢「私だけ…」
永琳「そうよ。私が考えているのはあなたがあの子の願いを聞いて心の負荷を少しずつ取り除いて結果的に幸せになるというものよ。お願いできる?」
霊夢「…分かったわ」
永琳「ありがとう。じゃあお願いね」
霊夢「えぇ、任せて」
霊夢はその場をあとにした。
永琳 (お願いね…博麗の巫女)
スタスタスタ
霊夢は2人を探す。
霊夢「魔理沙〜木葉〜」
魔理沙「霊夢こっちだぜ!」
霊夢は魔理沙の言う通りに進んだ。
霊夢「!」
そこにはレミリアたちがいた。
霊夢「レミリア」
レミリア「あら、遅かったわね」
霊夢「えぇ、まぁね」
レミリア「で、どうだったの?」
霊夢「…まぁ、今まで倒れなかったのが奇跡らしいわ」
レミリア「奇跡…」
霊夢「うん。今まで負荷をかけすぎたみたいなの」
レミリア「じゃあ木葉はまだ治ってないってことかしら?」
霊夢「ある程度は治ってるそうよ。でもまだちゃんと治ってないらしいの」
レミリア「どうするのよ。あの医者が治すって言ってたじゃない」
霊夢「レミリア。聞いて」
レミリア「なによ」
霊夢「これからは木葉がして欲しいと思ったことは積極的にしてあげてほしいの」
レミリア「…何言ってるのよ」
霊夢「今の木葉の心には大きな負荷があるのよ。ストレスが溜まってるらしいわ」
レミリア「で、そのストレスを軽くするために木葉の願いを叶えてあげるってことね」
霊夢「そういうことよ」
レミリア「分かったわ。フランや咲夜にも伝えておくわ」
霊夢「お願い」
レミリア「…さて、咲夜」
咲夜「はい」
レミリア「帰るわよ」
咲夜「よろしいんですか?」
レミリア「えぇ、木葉が目を覚ましたことを確認できて良かったわ」
木葉「レミリア、咲夜さん」
レミリア「何?」
木葉「ありがとう。あと、心配かけてごめんね」
レミリア「…いいわよ。もっと頼ってちょうだい」
木葉「じゃあ、これからも頼らせてもらおうかな」
レミリア「えぇ、待ってるわ。さ、帰りましょうか」
咲夜「はい」
パチン!
咲夜は能力を使った。
魔理沙「さて!私もそろそろ帰ろうかな!」
木葉「魔理沙もありがとうな」
魔理沙「あぁ!いいぜ!それじゃあな!」
木葉「はいよ」
ビューン!
魔理沙は箒に乗って帰っていった。
霊夢「ねぇ木葉」
木葉「ん?」
霊夢「一緒に帰ろ?」
木葉「…あぁ。帰ろう」
スッ…
霊夢「?」
木葉は霊夢に手を差し伸べた。
木葉「手…繋いで帰っても…いい?」
霊夢「!」
霊夢は急に恥ずかしくなった。
霊夢「い、いいわよ…」
ギュッ…
霊夢と木葉はそのまま手を繋いで神社まで帰った。
〜物語メモ〜
十二天星と十二星座のリンク
十二天星と十二星座はお互いにリンクされた状態にある。
そのため、十二天星に何かが起これば十二星座にも影響が出る。
今回、木葉は意識が無くなったため、ライブラ自身も意識を失った。
木葉が意識を失ったにも関わらずライブラが出てこなかったのはこれが原因。
たとえ体から出てきたとしても木葉の意識がなければライブラは力を発揮することができない。