木葉の幻想郷日記   作:バスタオル

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幻想郷に迷い込んだ外来人①

ある日の昼過ぎ…

 

 

 

木葉「なぁ霊夢」

 

霊夢「何?」

 

木葉「最近変わったことない?」

 

霊夢「変わったこと?」

 

木葉「うん」

 

霊夢「んー無いわね」

 

木葉「そっかそっか」

 

霊夢「どうしたのよ急に」

 

木葉「いやー平和だなーって」

 

霊夢「そうね。平和ね」

 

 

 

木葉と霊夢は朝の日課を終わらせて縁側で2人座っていた。

 

 

 

木葉「いつもなら誰か来るんだが今日はなさそうだね」

 

霊夢「まぁ来てもらった方が厄介だから私はこの方がいいかな」

 

木葉「そう?」

 

霊夢「うん」

 

木葉「…」

 

 

 

木葉は空を見た。

 

 

 

木葉 (みんなは元気に過ごしているだろうか)

 

霊夢「さて」

 

木葉「?」

 

 

 

霊夢は突然立ち上がった。

 

 

 

木葉「どうしたの?」

 

霊夢「え、どうしたって買い物に行くのよ」

 

木葉「買い物?」

 

霊夢「えぇ、そろそろ何か買わないとね」

 

木葉「あ、じゃあ俺も行く」

 

霊夢「そう。じゃあ行きましょうか」

 

木葉「おう」

 

 

 

霊夢と木葉はそれぞれ支度をして神社を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木葉「久しぶりだな。こうやって2人で歩くのは」

 

霊夢「歩くだけならいつもしてるじゃない」

 

木葉「うっ…まぁ、そうなんだが…」

 

霊夢「あ、ちょっと待って」

 

木葉「?」

 

 

 

霊夢はある店に入っていった。

 

 

 

木葉は少しの間待って、霊夢が出てきた。

 

 

 

霊夢「お待たせ」

 

木葉「何か買ったの?」

 

霊夢「えぇ、お団子をね」

 

木葉「いただきます」

 

霊夢「まだダメよ」

 

木葉「はい…」

 

 

 

木葉と霊夢は買い物を済ませ、神社に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木葉「さて、やっと着いた」

 

霊夢「こうやって一緒に買い物に行くのも良いわね」

 

木葉「だろ?最高だろ?」

 

霊夢「はいはいそうね」

 

 

 

霊夢は軽くスルーした。

 

 

 

木葉「むー…」

 

霊夢「!」

 

 

 

霊夢は突然足を止めた。

 

 

 

木葉「霊夢?」

 

霊夢「あれ…」

 

 

 

霊夢は前を指さした。

 

 

 

木葉「ん?」

 

 

 

そこには1人の男の子がいた。

 

 

 

木葉「誰だ?あれ」

 

霊夢「え、木葉知らないの?」

 

木葉「霊夢は知ってるのか?」

 

霊夢「知らないわよ」

 

木葉「なんだよ…」

 

霊夢「何?文句あるの?」

 

木葉「ありません。生まれてきてすみません」

 

 

 

霊夢は木葉の言葉をスルーしてため息をついた。

 

 

 

霊夢「はぁ…嫌な予感…」

 

木葉「何で?」

 

霊夢「外来人だったらどうしよ…」

 

木葉「外来人?何だそれ」

 

霊夢「あー木葉には説明してなかったっけ?」

 

木葉「え、うん」

 

霊夢「ここにいるんだからそれくらい知ってなさいよ」

 

木葉「…うん。すみません」

 

霊夢「はぁ…外来人ってのは木葉みたいに幻想郷の外から来た人の事を言うのよ。普段は無いんだけど紫がサボってたりすると稀に起こるのよ」

 

木葉「あっちの世界からこっちの世界に来るってことか?」

 

霊夢「そうよ」

 

木葉「その場合どうなるんだ?」

 

霊夢「当然元の世界に戻してあげなきゃダメでしょ」

 

木葉「え、じゃあ俺は?」

 

霊夢「あんたは…」

 

 

 

霊夢は少し間を置いて話した。

 

 

 

霊夢「…あんたは…ここにいなさい」

 

木葉「え、うん。分かった」

 

 

 

霊夢はそれだけ言うとその男の子の所へ行った。

 

 

 

霊夢「ちょっと君。ここで何してるの」

 

男の子「!!」

 

 

 

その子は突然声をかけられて驚いていた。

 

 

 

霊夢「何してるのよ」

 

男の子「え…えっと…」

 

 

 

その子は声が出なかった。

 

 

 

霊夢「あんた誰よ」

 

雄一「ぼ、僕は…雄一…佐藤 雄一(さとう ゆういち)です…」

 

霊夢「そう。どこから来たの」

 

雄一「分かりません…気づいたらここに…」

 

霊夢「はぁ…全く…」

 

木葉「ん?どうした?」

 

霊夢「外来人ね…嫌だわほんと…」

 

木葉「おいおい…本人を前にしてそれはひでぇぞ…」

 

雄一「あ、あの…僕はどうすれば…」

 

霊夢「当然帰ってもらうわ。あなたの家に」

 

雄一「え…家に…」

 

霊夢「当たり前じゃない。ここにいられると大変なことになるわよ?」

 

雄一「ど、どんなことに…」

 

霊夢「食べられちゃうわよ」

 

雄一「え…食べられ…」

 

木葉「霊夢。嘘言っちゃ悪いだろ」

 

霊夢「嘘じゃないわ。実際に人を食べる妖怪だっているわ」

 

木葉「あ、ソウナノネ」

 

雄一「あ、あの…」

 

霊夢「何?」

 

雄一「こ、怖いので…泊めてください」

 

木葉「!?」

 

霊夢「何でよ」

 

雄一「い、いや…だって…食べられちゃうんですよね?」

 

霊夢「えぇ、食べられるわね」

 

雄一「…食べられるの嫌なので…泊めてください」

 

 

 

その男の子は頭を下げた。

 

 

 

霊夢「…はぁ、だから嫌なのよ。外来人は」

 

雄一「…」

 

霊夢「いいわよ」

 

雄一「!」

 

木葉「!?」

 

霊夢「ただし、妙なことはしないこと。いいわね」

 

雄一「はい!」

 

木葉「…」

 

 

 

木葉は雄一が神社にいることに少し抵抗があった。

 

それから夜ご飯を一緒に食べ、お風呂は1人ずつ入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから少し時間が経った。

 

辺りは暗い。

 

ただ、空に浮かぶ月が綺麗だった。

 

木葉は鳥居の下の階段に座って月を見ていた。

 

 

 

木葉「…何でだよ」

 

 

 

木葉は独り言をこぼした。

 

 

 

木葉「…何で外来人が来るんだよ…しかも泊めてくれって…」

 

 

 

木葉は外来人の雄一の事を少し嫌っていた。

 

 

 

木葉「折角の霊夢との生活なのに…異分子…邪魔されたくないな…」

 

 

 

木葉は空に向かって独り言をこぼす。

 

 

 

木葉「霊夢もなんであいつを泊めたんだよ…俺がいるじゃんか…あいつを泊めなくてもいいじゃん…何ですぐに帰さなかったんだよ…」

 

 

 

木葉が愚痴をこぼしていると、ある声が聞こえた。

 

 

 

ライブラ「主」

 

 

 

ライブラだった。

 

 

 

木葉「…何?」

 

ライブラ「心配なんですか?霊夢さんが取られるのが」

 

木葉「…なぁライブラ」

 

ライブラ「はい」

 

木葉「…俺って…束縛激しいのかな…」

 

ライブラ「…」

 

木葉「霊夢があいつを泊めるって言った時…少なくとも焦りと怒りがあった…今もある。正直、泊めたくなかった」

 

ライブラ「…」

 

木葉「でも俺もあいつと同じ外来人…それにここは霊夢の神社…だから住まわせてもらってる立場の俺は霊夢の決定には従うべきだと思ってる…」

 

ライブラ「…」

 

木葉「しかも寝る時は俺と霊夢が隣同士で寝てたのにあいつは俺と霊夢の間で寝たいって言ってきた。腹立たしい…嫌な気持ちになる」

 

ライブラ「…」

 

木葉「ライブラはどう思うよ」

 

ライブラ「…それだけですか?」

 

木葉「?」

 

ライブラ「言いたいことはそれだけですか?」

 

木葉「…どういうこと」

 

ライブラ「人の思いは言葉にしないと軽くなりませんよ。今の主のように言葉にしないと人はいつか壊れます。私は主ではないのであの子がいようがいまいがどうも思いません。しかし、主があの子が原因で壊れそうになるのは嫌です」

 

木葉「…」

 

ライブラ「主の心が軽くなるのであればもっと聞かせてください。主の愚痴を」

 

 

 

木葉は少し考えて言葉を出した。

 

 

 

木葉「…いや、いいよ」

 

ライブラ「…」

 

木葉「ありがとうライブラ。少し落ち着いたよ」

 

ライブラ「…本当ですか?」

 

木葉「…あぁ、本当だ」

 

ライブラ「…」

 

木葉「…でも」

 

ライブラ「!」

 

木葉「俺はあの子を良いように見れない。外来人の分際で何言ってんだって感じだけど、俺はあいつにはここに住んで欲しくない。できれば明日の朝には…もしくは明日中には出てって欲しい」

 

ライブラ「…そうですか」

 

木葉「うん」

 

ライブラ「…それについては霊夢さんと相談してくださいね」

 

木葉「…あぁ」

 

ライブラ「主…寒くないですか?」

 

木葉「大丈夫」

 

ライブラ「そうですか」

 

木葉「…なぁライブラ」

 

ライブラ「はい」

 

木葉「ライブラは恋したことってあるのか?」

 

ライブラ「…ないですよ」

 

木葉「…そうか」

 

ライブラ「でも…」

 

木葉「…」

 

ライブラ「私が守りたいと思ったことは何度かありますよ」

 

木葉「…それは恋愛感情なのか?」

 

ライブラ「さぁ?どうでしょうね」

 

木葉「…ちなみに誰を守りたいって思ったんだ?」

 

ライブラ「…沙耶ですよ」

 

木葉「…そうか」

 

ライブラ「さ、主。もう遅いのでお休みしてください」

 

木葉「…あぁ」

 

 

 

木葉は立ち上がって神社に戻ろうとしたが立ち止まって振り返った。

 

 

 

木葉「なぁライブラ」

 

ライブラ「…なんですか?」

 

木葉「…俺はあいつにここにいて欲しくない」

 

ライブラ「…分かってますよ」

 

木葉「そっか…やっぱり少し休もうかな」

 

ライブラ「そうしてください。思い詰めすぎですよ」

 

木葉「うん。お休みライブラ」

 

ライブラ「はい。お休みなさい主」

 

 

 

スタスタスタ

 

 

 

木葉は神社に戻った。

 

 

 

ライブラ「…」

 

 

 

ライブラはその背中をじっと見ていた。

 

 

 

ライブラ「主…」

 

 

 

ライブラは月を見た。

 

 

 

ライブラ「沙耶…あなたはこの時…主にどんな言葉をかけますか?…私にはどうするべきか分かりません。あなたの知恵が…今、必要です」

 

 

 

そしてライブラは綺麗な月を見ながら姿を消した。




〜物語メモ〜

佐藤雄一
突然現れた外来人。
背丈は高校生くらい。
木葉は霊夢との生活に混じった異物として認識している。
まだ謎が多い男の子だが木葉は少なくとも早く帰って欲しいと思っている。
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