雄一「なっちゃん!」
千夏「雄一くん!」
雄一と千夏は近づき手を握った。
雄一「会いたかった…会えないかと思った…」
千夏「心配したんだよ…全然見ないしお家の人も知らないって言うから…」
雄一「ありがとう…やっぱり君は…優しいね…」
千夏「良かった…本当に…」
木葉は霊夢の隣に座った。
霊夢「木葉。あの子は誰なの?」
木葉「ん?新田千夏。彼の…佐藤雄一の友達?的存在」
霊夢「へぇーそうなの。でも何で?」
木葉「今朝雄一に『なっちゃんに会いたい』って言われたから連れてきた」
霊夢「そう…」
木葉と霊夢は雄一と千夏を見た。
木葉「…微笑ましいな」
霊夢「えぇ…そうね。ところで木葉」
木葉「ん?」
霊夢「雄一くんが言ってたわよ?あんた、雄一くんが泊まったのが気に入らないって言ったらしいじゃない」
木葉「…うん。言ったよ」
霊夢「なんでそんなこと言ったのよ」
木葉「…霊夢と一緒にいるのが嫌だったから」
霊夢「雄一くんが?」
木葉「うん」
霊夢「…そう。分かったわ」
木葉「…」
2人が話していると雄一と千夏が来た。
雄一「あ、あの…」
霊夢「何?」
雄一「その…」
木葉「?」
雄一「木葉さん…」
木葉「え?あれ?俺って名前言ったっけ?」
雄一「いえ…霊夢さんから聞きました」
木葉「あ、そう。それで?どうしたの?」
雄一「木葉さんって名前は博麗 木葉さんですよね?」
木葉「え、うん。そうだけど」
雄一「でもなっちゃんは天野 光って言ってたんですが、木葉さんの本当の名前ってなんですか?」
木葉「…天野 光だよ」
雄一「え、じゃあなんで博麗 木葉って名前なんですか?」
木葉「これは霊夢が付けてくれた名前だよ。ここに来た時は俺は記憶が飛んでてね。代わりの名前を付けてもらったんだ」
雄一「あ、そうなんですね!良かったです!」
木葉「ん?何が?」
雄一「いえ、木葉さんが霊夢さんの事が好きって言ってたのに苗字が同じだったのでてっきり結婚してるのかと…」
木葉「あーなるほどね。大丈夫。まだ付き合ってる段階だから」
雄一「そうなんですね!これでスッキリしました!」
千夏「あ、あの…」
木葉「ん?」
千夏「私たちは元いた世界に戻れるんでしょうか?」
木葉「…戻りたいなら戻すことはできるよ」
千夏「あ、じゃあ」
木葉「でも…それでもいいの?」
千夏「ど、どういう事でしょうか…」
木葉「雄一の事情は知ってるよ。今の状況もここに来る前のことも」
雄一「…」
木葉「今二人を戻すのは可能だけど、それだと前の生活と全く変わらないけどいい?」
千夏「…えっと…」
雄一「…」
木葉「…一度会ったのも何かの縁だからね。このまま帰すのもいいけどただ帰るだけだと全く状況は変わらないよ。それでもいい?」
千夏「雄一くん…」
雄一「…はい。いいですよ」
木葉「…」
雄一「僕にはなっちゃんがいます。二人で乗り越えていきます」
木葉「あはは…勇敢だね雄一」
雄一「あ、いやぁ…」
木葉「その意気や良し!」
雄一「!!」
木葉「よしっ!そうと決まれば帰す準備をしないとな」
雄一「あ、ありがとうございます!」
千夏「ありがとうございます!」
木葉「あー良いってことよ」
木葉は外に出て二人を帰す準備をし始めた。
雄一「あの…霊夢さん」
霊夢「何?」
雄一「木葉さん…いい人で良かったです…」
霊夢「でしょ?でもまぁ木葉は一応元々あなたたちの住む世界の住人だから何かあったら会ってみなさい。いつ帰るかは分からないけどね」
雄一「…はい」
千夏「あの…」
霊夢「何?」
千夏「霊夢さんは木葉さんのどこが好きなんですか?」
霊夢「え?好きなところ?」
千夏「はい!」
霊夢「そうねぇ…」
霊夢は木葉を見た。
霊夢「…なんだかんだ言ってちゃんと最後まで面倒見るところかしら」
千夏「へぇー!」
雄一「確かに…最初は僕のこと気に入らないとか言ってたのに今は僕たちに協力してる…僕もあんな人になりたいな…」
千夏「なれるよ!雄一くんなら!」
雄一「そ、そうかな…」
三人で話していると木葉が来た。
木葉「なぁ二人とも」
雄一「はい!」
千夏「なんですか?」
木葉「ちょっとマズイことが起きた」
雄一「え…マズイこと…」
千夏「それって…なんですか…?」
木葉「…さっき向こうの世界に帰るための準備をしてたんだが、結界が張り直されてた」
雄一「それって…」
千夏「どういう事ですか?」
木葉「…しばらく帰れなくなったってこと…」
雄一「…」
千夏「…」
二人は言葉の意味をやっと理解した。
雄一「えー!?」
千夏「えー!?」
そして、木葉と霊夢、雄一、千夏の四人の生活が始まった。
霊夢「木葉ー!」
木葉「えー?なにー?」
霊夢「ちょっとこれ手伝ってー!」
木葉「ちょっと待ってー!すぐ行くからー!」
木葉は結界の状態を監視していた。
雄一「あ、あの…霊夢さん」
霊夢「何?」
雄一「木葉さんは何をしてるんですか?」
霊夢「あーあれ?あれはこの幻想郷に張られている結界を見ているのよ」
雄一「なんでそんな事するんですか?」
霊夢「今この幻想郷があるのは私と木葉、紫とあと一人の力のおかげなのよ」
雄一「へぇーそうなんですね。あと一人って誰ですか?」
霊夢「さ?分からないわ。紫に聞いても答えてくれないし」
雄一「そうなんですね」
霊夢「まぁ今は木葉がやってくれてるわ」
雄一「ほうほう…」
霊夢「さて、そろそろ来て欲しいんだけど…」
すると、木葉が顔を出した。
木葉「何?霊夢」
霊夢「あ、やっと来た。ちょっとあれやってほしいのよ」
木葉「あれ?」
霊夢「ほら、あれよあれ」
木葉「ほら、俺だよ俺みたいな言い方だな」
霊夢「何よそれ」
木葉「いやいいんだ。こっちの話」
霊夢「ほら、能力見たいじゃない?」
木葉「あーなるほどね」
雄一「能力ってなんですか?」
霊夢「まぁ分かりやすく言うと特別な力よ。この世界の人はそれぞれ特別な力を持ってるのよ」
雄一「霊夢さんもですか?」
霊夢「私は空を飛ぶ程度の能力よ」
雄一「空飛べるんですか?」
霊夢「えぇ。飛べるわ」
雄一「じゃあ木葉さんも?」
木葉「あぁ。持ってるよ」
雄一「僕たちには?」
霊夢「それは今から見るのよ」
雄一「あーなるほど。なっちゃん!」
千夏「何?」
雄一「ちょっと来て!」
千夏「え、うん」
千夏は雄一の所へ行った。
千夏「何?」
雄一「今から能力見るんだって!」
千夏「…え?何の話?」
木葉「雄一…それだと唐突すぎて分からなくなるよ」
雄一「あ、そうですね」
千夏「え、で、何の話?」
木葉「今から二人に能力があるのか見るんだよ」
千夏「へぇー」
木葉「まぁ、物は試しでやってみるか」
木葉と雄一、千夏は外へ出た。
木葉「じゃあ二人ともそこに立ってて」
雄一「はい!」
千夏「?」
雄一と千夏は並んで立った。
木葉「ライブラ。力を使うよ」
ライブラ「…はい。分かりました」
木葉「十二門の鍵 解錠!」
木葉は十二門の鍵を使った。
木葉「天幻光后!」
雄一「!」
千夏「!」
ヒュォォォォォォォ……
木葉「…さて、やりますか」
木葉の姿が少し変わった。
雄一「す、すごい…」
千夏「凄いね…十二天星って…」
雄一「え、十二天星?どういう事?」
千夏「あれ?雄一くん知らないの?木葉さんって十二天星の第七星座 天秤座なんだよ?」
雄一「え!?」
千夏「え、名前聞いた時に知ってるのかと思ってた…」
雄一「え…全然知らなかった…」
千夏「あ、そうなんだ」
雄一「あれ、確か同じクラスの倉本 結衣って子も十二天星じゃ…」
千夏「あーそうだよ。結衣ちゃんも十二天星だよ」
雄一「おぉ…」
木葉「さ、始めるよ」
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……
木葉は透視の能力を使った。
木葉「…あら」
雄一「え、どうしたんですか?」
木葉「んー…能力無しって判定だね」
雄一「え?能力ないんですか?」
木葉「そうなるね…」
雄一「んー…」
千夏「残念だったね」
雄一「だね」
霊夢「あら、別にいいんじゃない?」
雄一「どういう事ですか?」
霊夢「木葉も元々能力なんて無かったし」
雄一「え!?そうなんですか!?」
木葉「え、まぁ、俺たち十二天星は十二星座がいないと能力が使えないんだよ。十二星座がいなかったら二人と同じただの人間だよ」
雄一「ほぇー」
千夏「そうなんですね!」
木葉「んー…能力が無いと色々と不便だからなぁ…」
雄一「そうなんですか?」
木葉「あぁ。厄介なことにもなる」
雄一「け、結構危ない世界なんですか?ここは」
木葉「まぁ、普通かな」
千夏「能力って発現するんですか?」
木葉「んーどうだろ。霊夢ー!能力って発現するのー?」
霊夢「知らないわよ。今まで見たことないし」
木葉「んー…」
雄一「まぁ、何かあったら僕がなっちゃんを守るから大丈夫ですよ!」
木葉「雄一。男だなぁ」
雄一「え、いや…」
木葉「なら、二人は俺たちで守ろうか」
霊夢「はいはい。分かったわよ」
雄一「ありがとうございます!」
千夏「よろしくお願いします!」
木葉「でもまぁ、結界が馴染んで帰れるようになるまでだけどね」
雄一「はい!」
千夏「お願いします!」
〜物語メモ〜
雄一と千夏、倉本の関係
雄一と千夏と倉本はクラスメイト。
倉本はあまりクラスに馴染めていないが、二人の存在は知っている。
倉本とは時々話すくらいの接点しかない。