本庄「あ、そうだ光さん!」
光「何…」
本庄「立花さんに聞きましょうよ!」
光「
本庄「私たちが初めて幻想郷に行った時は立花さんが結界の裂け目を見つけてそこから入ったんですよ!今回も同じようにすればもしかしたら…」
光「幻想郷に…行けるのか?」
本庄「恐らく!」
光「…分かった。行こう」
本庄「はい!」
光「ライブラ。ごめんね。少しだけ体の中で休んでて」
シュゥゥゥゥ…
ライブラは光の体の中に戻った。
本庄「アクエリアスさん!立花さんのところに行きますよ!」
アクエリアス「はいはい…分かったわよ…」
タッタッタッ!
本庄と光、アクエリアスは立花の家に向かった。
その頃幻想郷では…
霊夢「…」
霊夢は神社を出てから行くあてもなくずっと歩いていた。
霊夢「!」
霊夢はある場所で止まった。
それは、これまで散々振り回してきた吸血鬼姉妹が住んでいるところ。
そう。紅魔館だった。
霊夢「レミリアなら…手を貸してくれるかな…」
霊夢は門番を無視して紅魔館に入った。
ギィィィィィィ…
紅魔館の扉が音を立てて開いた。
咲夜「あら、あなたがここに来るなんてね」
パチン!
指を鳴らす音が聞こえたと同時に咲夜が目の前に現れた。
咲夜「今日は何の用なの?」
霊夢「…」
咲夜はこの時、霊夢の顔が曇っているのに気づいた。
咲夜「…どうしたのよ。元気ないわね」
霊夢「レミリアいる…」
咲夜「お嬢様なら自室に」
霊夢「…そう」
スタスタスタ
霊夢はそのままレミリアの部屋に向かった。
咲夜 (どうしたのよ…霊夢)
霊夢「…」
霊夢はレミリアの部屋の前に着いた。
霊夢「レミリア。いる?」
レミリア「霊夢?どうしたのよ」
霊夢「…話があるの」
レミリア「…そう。入って」
ギィィィィィィ…
霊夢はレミリアの部屋の扉をゆっくり開けた。
レミリア「!!」
レミリアはこの時、霊夢の顔が曇っているのに気づいた。
レミリア (どうしたのかしら)
霊夢「…」
ギィィィィィィ…バタン!
霊夢はレミリアの部屋の扉を閉めた。
レミリア「さ、そこに座って」
霊夢「…」
スタスタスタ
レミリアは霊夢を椅子に座らせた。
レミリア「で、話って何?」
霊夢「…」
霊夢は何も言わなかった。
レミリア「…ねぇ?」
霊夢「木葉が…」
レミリア「…木葉が何?」
霊夢「…木葉が…あっちの世界に行っちゃった…」
レミリアは一瞬質問の意味が理解できなかった。
レミリア「…え?その程度の事でそんな顔してるの?」
レミリアはもっと重い質問がくると思っていたため、拍子抜けだった。
レミリア「木葉があっちの世界に戻るなんてこと今まで何度もあったじゃない。何をそんなに悩む必要があるのよ」
霊夢「…違うのよ」
レミリア「?」
霊夢「今回は…違うのよ」
レミリア「何が違うのよ」
霊夢「…」
レミリア「霊夢?」
霊夢「…ねぇ…レミリア」
レミリア「…何よ」
霊夢「お願い…力を貸して…」
レミリア「え?何言ってるのよ。最後までちゃんと話して」
霊夢「…木葉があっちの世界に行っちゃったのよ」
レミリア「それは聞いたわよ。私が聞きたいのはいつもと違う部分よ」
霊夢「…木葉は…自分からあっちの世界に行ったわけじゃないの」
レミリア「どういう事よ」
霊夢「紫が…木葉をあっちの世界に戻したのよ」
レミリア「?」
霊夢「紫は木葉の事を危険人物って言ってたのよ…木葉がいたら幻想郷が危なくなるって…」
レミリア「…それで?」
霊夢「紫は…木葉がこっちに戻って来れないようにしたのよ」
レミリア「!?」
霊夢「だからもう…木葉は二度とこっちには戻って来れない…もう二度と…木葉に会えないのよ…」
レミリア「な…」
霊夢「ねぇレミリア…お願い…力を貸して…」
レミリア「…分かったわ。でも具体的にどうするのよ」
霊夢「紫を説得したいのよ…木葉は危険じゃない…だから今すぐ木葉をこっちに戻して欲しいって」
レミリア「…」
霊夢「ねぇ…お願い」
レミリア「咲夜」
咲夜「はい。何でしょうか」
レミリアが咲夜の名前を呼ぶと咲夜が一瞬にして現れた。
レミリア「あなたはどう思うかしら。木葉がこっちの世界に来れるようにあの妖怪を説得する?」
咲夜「そうですね。私にとってあの人は料理のライバルですし、お嬢様や妹様も懐いていますし、それに…」
レミリア「それに?」
咲夜「…木葉はまだ私に勝っていません。帰るなら勝ってから帰ってほしいものです」
レミリア「…そう。分かったわ」
咲夜「はい」
レミリア「霊夢」
霊夢「…何」
レミリア「良いわ。力を貸してあげる。あの妖怪を説得して木葉を連れ戻しましょ」
霊夢「ありがとう…レミリア」
レミリア「い、いいわよ…」
霊夢「じゃあ…私は行くわ」
レミリア「そう。分かったわ」
スッ…
スタスタスタ
霊夢は立ち、部屋を出た。
レミリア「木葉が…ねぇ」
咲夜「お嬢様?」
レミリア「…一体…何があったのかしら」
レミリアと話した霊夢はまた幻想郷を歩いていた。
霊夢「良かった…レミリアは協力してくれる…あと他には…」
魔理沙「霊夢ー!」
霊夢「!」
霊夢が歩いていると空から魔理沙が降りてきた。
霊夢「…魔理沙」
魔理沙「霊夢!もう大丈夫なのか?」
霊夢「大丈夫よ…」
魔理沙「…どうした?元気ないな」
霊夢「…うん」
魔理沙「どうした?聞いてやるぞ?」
霊夢「魔理沙…」
魔理沙「ん?なんだぜ」
霊夢「木葉をここに連れ戻す手伝いをしてほしいの」
魔理沙「…ん?どういう事だぜ。木葉は今、向こうの世界に戻ってるのか?」
霊夢「うん」
魔理沙「じゃあいつか帰ってくるだろ?わざわざ私たちが連れ戻さなくても」
霊夢「…」フリフリ
霊夢は首を横に振った。
魔理沙「?」
霊夢「違うのよ」
魔理沙「ん?何がだぜ」
霊夢「今回は違うのよ」
魔理沙「何が違うんだぜ」
霊夢「木葉は…もう二度と幻想郷には帰って来れないのよ」
魔理沙「!?」
霊夢「…」
魔理沙「え…どういう事だぜ…木葉がもう…二度と帰って来れないって…」
霊夢「…そのままの意味よ」
魔理沙「詳しく教えてくれ…」
霊夢「紫が木葉たちをここに来させないようにしたのよ」
魔理沙「なんでそんなことしたんだ?」
霊夢「木葉の知り合いがこっちに来て暴れたじゃない」
魔理沙「あぁ。暴れてたな」
霊夢「でね、私たちあいつに勝てなかったじゃない」
魔理沙「…うん。まぁな」
霊夢「それを聞いた紫がね、木葉を危険人物としてここから追い出したのよ」
魔理沙「何でだぜ!木葉は何も悪くないだろ!」
霊夢「うん。私もそう思う。でも紫はね、木葉がいるとあいつみたいな強いやつが来る可能性があるって言ってた」
魔理沙「でも…」
霊夢「だから私は紫を説得したいの」
魔理沙「任せろ!私も説得してやる!」
霊夢「…ありがとう魔理沙」
魔理沙「木葉を絶対連れ戻してやる!絶対にな!」
霊夢「うん…」
その頃現代では…
立花「…いや、無理だな」
本庄「え…何でですか…あの時はできたじゃないですか…」
立花「…結界の裂け目が見えないんだ。この世界の何処にもね」
本庄「そ…んな…」
光「…」
立花「そもそも何で光は本庄と一緒にいるんだ?」
本庄「それは…」
光「…幻想郷に行けなくなった」
立花「…で?」
光「幻想郷に帰りたいけど…紫から貰った結晶が反応しないんだ」
立花「え?あの結晶が?」
光「うん」
立花「ちょっと待ってて」
ガサゴソ…
立花は机の中に入れていた結晶を取り出した。
立花「あ、ほんとだ。全然光ってない」
光「な?」
立花「うーん…」
光「幻想郷に行く方法はこれしかないんだ。でもそれがなんの反応もしない。だから本庄に聞いて悟が前にやったように幻想郷に行けないかって思って…」
立花「…残念だけど、それは難しいな」
光「…そうか」
立花「すまないね」
光「いや、いいんだ…もう二度と帰ってくるなって言われた気がしたから」
本庄「光さん…」
光「…」
立花「…」
シュゥゥゥゥゥゥ…
光「!!」
本庄「!!」
立花「!!」
突然、光の体から誰かが出てきた。
シヴァ「…主。おはようございます」
光「…シヴァ?」
シヴァ「はい。そうです」
出てきたのは
シヴァだった。
光「他の奴らはどうした?」
シヴァ「…他の人はまだ傷が残っているので休んでいます」
光「そうか…で、シヴァはどうしたんだ?」
シヴァ「
光「!!」
本庄「!!」
光「教えてくれるのか?」
シヴァ「はい」
光「でも…何でシヴァだけ動けるんだ?」
シヴァ「私もやられましたが私は氷で威力を抑えていたので、結果的に皆さんよりも受けたダメージは少なかったんですよ」
光「そ、そうか…」
シヴァ「それで、何故私たち六門九門やライブラが傷を負っていたのかなんですが…」
シヴァは座って話し始めた。
シヴァ「幻想郷の管理者 八雲 紫と戦ったからです」
立花「!!」
本庄「…」
光「…やっぱりそうだったんだな」
シヴァ「…はい」
立花「え?でもなんで?」
シヴァ「主。幻想郷で何が起こったのか、この方にお話しましたか?」
光「あ、まだだった」
シヴァ「分かりました。では簡潔に言います」
立花「お、おう…」
シヴァ「主が住んでいる幻想郷に三柱の二刻神 太陽 サン・ソレイユ様が来ました」
立花「!」
シヴァ「あの方は幻想郷を案内してもらったあと、八雲紫の所に行きました。その間、主は霊夢さんと魔理沙さんに三柱について説明しました」
立花「ふむふむ」
シヴァ「ですがその時に三柱の三領保神 大陸 グランド・ボーガン様が幻想郷に来ました」
立花「!?」
シヴァ「あの方は幻想郷の大地を吸収して己の力を増幅させようと言いました」
立花「…」
シヴァ「主はそんなボーガン様に幻想郷が奪われないよう戦いました。もちろんライブラや私たち六門九門も戦いました。ですが、三柱は星座を作った人物。おまけに私たち六門九門はその星座から生まれた存在ですので、全く歯が立ちませんでした」
立花「なるほど…」
シヴァ「ですがその後に、八雲紫に会いに行ったサン様が戻ってきてボーガン様を止めました。サン様はボーガン様を強制的に連れて帰り、私たちは霊夢さんの神社で休みました」
立花「なるほど…そんな事が…」
シヴァ「まだ話は終わっていません。この後に起こったことが本題です」
立花「そ、そうか…」
シヴァ「はい。戦闘のあと、私たちは自分の傷を癒すため、少し休んでいました。ですが、八雲紫が神社に来て言ったんです。『…光。ごめんなさいね。こうするしかないのよ』と」
立花「で…どうなった…」
シヴァ「…1番傷が浅かった私はずっと寝たフリをしていました。そしてあの言葉から危険を察知して私はあの人と戦いました。案の定、あの人は私たちを幻想郷から追放しようとしていたんです」
光「…」
シヴァ「私が1番傷が浅かったとはいえ、戦った後でしたので体が思うように動きませんでした」
立花「…なるほど」
シヴァ「私が戦っている間に他のみんなの傷が癒えて、みんなは徐々に起きてきました。そして、私は起きた仲間に戦いながら事情を話しました。そしたらみんなが私に協力してくれて一緒に八雲紫を止めようとしました」
光「…」
シヴァ「ちなみにその時は主と霊夢さんは寝ていたので分からないと思います」
光「…あぁ。初耳だな」
シヴァ「そして、傷が癒えたライブラと私たちは八雲紫を止めようと戦いました。ですが、ライブラや私たちは主が起きていないと本来の力が出せません。おまけにボーガン様との戦闘の後で傷は癒えていましたが、疲弊していました。私たちは10人で戦いました。でも八雲紫を止めることができず、さらに傷を増やしてしまい、挙句の果てに私たちはこの世界に連れ戻されました」
光「…そうか。そうだったのか」
シヴァ「はい」
立花「…すげぇな。そんな事があったのか…」
光「でもシヴァ」
シヴァ「はい」
光「何でシヴァは全部知ってるんだ?」
シヴァ「…先程も言いましたが私は氷を使って相手の攻撃をある程度抑えていました。なので、他のみんなよりも受けたダメージは少なかったんです」
光「いや、それもそうだが、戦う前のことだよ。六門九門は俺が発動するまで眠っているはずだが…」
シヴァ「あーその事ですか。以前、ライブラとみんなで話し合った時に眠っていると状況判断が遅れるということで常に起きていようという話になったんです。なので、戦う前も全て知っていました」
光「なるほどね」
本庄「でもそうなるとますます幻想郷には行けなくなりましたね…」
光「…だな」
アクエリアス「ちょっと待って」
ヒュォォォォォ…
本庄の体からアクエリアスが出てきた。
本庄「アクエリアスさん?」
アクエリアス「それっておかしくない?やったのはそこの坊ちゃんじゃなくて私たちの
シヴァ「…それに関しては主が持っていた石に問題があるそうなんです」
アクエリアス「石?」
光「あ、これか」
光は懐からサン・ソレイユに貰った石を取り出した。
アクエリアス「何これ」
光「俺があの人からもらったもの。俺とあの人を繋ぐものらしい」
アクエリアス「なんでこれに問題があるのよ」
シヴァ「八雲紫曰く、『それがあるからあんなやつが来て幻想郷が危険な目に遭うのよ。だからそれを始末するのよ』と」
アクエリアス「…なるほどね」
光「…」
キャンサー「なんだ?どっちにしろこの子は悪くないじゃん」
アクエリアス「…キャンサー」
ヒュォォォォォ…
立花の体からキャンサーが出てきた。
キャンサー「やぁアクエリアス」
アクエリアス「はいはい」
キャンサー「んで?結局のところその石さえ無ければ良いわけじゃん。なんでこの子まで追い出されるわけ?」
シヴァ「それは…」
キャンサー「折角
本庄「…ですよね。折角守ったのに追い出されるなんて…」
アクエリアス「…」
シヴァ「…」
立花「キャンサー。今一度、結界の裂け目がないか見てくれないか?」
キャンサー「ん?いいぞ?」
キャンサーは能力で結界の裂け目を探した。
立花「…どう?」
キャンサー「…ダメだ。無いな」
立花「…そうか」
キャンサー「少しでもあったら広げて入れるようになるが…」
立花「うん…」
光「…もう諦めようかな」
シヴァ「!!」
立花「!!」
本庄「え…諦めるって…」
光「こっちには手段がない。おまけにこれじゃあ幻想郷に戻ってもまた追い出される。もう…いいかなって…」
ペシッ!
光「!!」
立花「!!」
キャンサー「!!」
シヴァ「!!」
アクエリアス「…」
本庄が光の頬を叩いた。
その音は静かな部屋に響いた。
本庄「…なんで…諦めるんですか…」
光「…本庄」
ガシッ!
本庄は光の胸ぐらを掴んだ。
本庄「なんで諦めるんですか!光さんには霊夢さんがいるでしょ!幻想郷にはあなたの大事な霊夢さんがいるんでしょ!なんで諦めるんですか!光さんは霊夢さんと一緒に暮らしたくないんですか!」
光「…暮らしたいよ…でも…どうにもできないじゃん…俺は紫に許可を得て幻想郷に住まわせてもらってる…そんな立場の俺に…何ができるんだよ…」
本庄「私は…光さんには幸せになって欲しいですよ…いつもの光さんで…いつもの生活で…ありったけの幸せを掴んで欲しいんですよ…なのに!ちょっと手段が無いからって簡単に諦めるんですか!これじゃあ私が報われないじゃないですか!」
光「本庄…何言って…」
本庄「光さんは霊夢さんと幸せになるべきなんです!ちょっと言われた程度で落ち込んでどうするんですか!男なら言い返してみてくださいよ!」
本庄は涙を浮かべていた。
光「…」
ポスッ
本庄は光の胸に顔を押し付けた。
本庄「…お願いです…諦めないでください…私たちも手を尽くしますので…霊夢さんのためにも…諦めないでください…」
光「…」
アクエリアス (…姫乃)
〜物語メモ〜
キャンサーの能力
キャンサーは結界を操る能力を持っている。
これはただ結界を操るだけではなく、結界の残り香や裂け目を見つけることもできる。
東方十二想ではこの能力のおかげで十二天星たちは幻想郷に行くことができた。
本庄と光の関係
本庄と光は昔、同じ学校に通っていた。
第三星座 双子座の双葉宗司も同じ学校に通っていて、よく3人で一緒に過ごしていた。
3人は元々友達ではないが、親が十二天星だった事もあって何回か顔を合わせるようになり、次第に友達として接していた。
そんな中、通っている学校が同じということもあり、3人はずっと一緒に過ごしてきた。
※現在「失うは人の命」という小説を投稿しています。
時系列的には「東方十二想」よりも前の話で、光と本庄と宗司が同じ学校に通っているので読んでいただけたらと思います。