ー翌日ー
長津「光。そろそろ行くのか?」
光「あぁ」
長津「また来てくれよな」
光「あぁ、またいつか」
本庄「美羽ちゃんバイバイ」
本庄は手を振った。
美羽「…」
美羽もそれを返すように手を振った。
光「それじゃあ、また」
長津「あぁ、行ってらっしゃい」
光は結晶を使い、幻想郷に戻った。
ー幻想郷ー
霊夢「今日くらい…かな」
魔理沙「確か、3日か4日だったよな?」
霊夢「えぇそうよ」
魔理沙「じゃあ早ければ今日。遅ければ明日か」
霊夢「そうね」
魔理沙「早く帰ってきてほしそうだな」
霊夢「当たり前よ。1人は寂しいもの」
魔理沙「素直だな」
霊夢「悪い?」
魔理沙「いや悪くないけど張り合いが…」
霊夢「いいじゃない別に」
シューーーーーーッ
霊夢「!!」
魔理沙「!!」
霊夢と魔理沙の前に魔法陣が展開された。
霊夢「これ…」
魔理沙「木葉か?」
シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…
音とともに現れたのは木葉だった。
木葉「ただいま。霊夢」
霊夢「お、おかえり…」
魔理沙「おっす木葉!」
木葉「よっ!魔理沙!」
魔理沙「霊夢1人で寂しがってたぞ?」
木葉「そうかそうか」
霊夢「…ねぇ、木葉」
木葉「ん?」
霊夢「…その子は?」
木葉「ん?あぁ、この子ね。向こうの世界に帰った時に会ったんだ。目が見えないし耳も聞こえない子でね、危ないから保護したの」
霊夢「目が見えない…」
魔理沙「耳も聞こえないって…」
木葉「それに加えて話すこともできなかったんだ。でも今は少しなら話せるし、目も見えている。耳だけは聞こえないままだけどね」
霊夢「…そう」
魔理沙「ふーん。で?その子はどうするんだ?」
木葉「当然一緒に暮らすよ?この子は何故か向こうの世界では俺にしか懐かなかったし」
霊夢「そ、そうなのね…」
魔理沙「なんか…大変だな」
木葉「いや、子守りは好きだから苦じゃないよ」
魔理沙「よっと」
タッスタスタスタ
魔理沙は美羽に向かって歩いた。
魔理沙「んー……」
魔理沙がまじまじと美羽を見ていると
美羽「光…」
美羽は少し怖がった。
木葉「魔理沙。あんまり近いと怖がるよ」
魔理沙「あ、そうか。悪いな」
木葉「この子は元々目が見えなかったし耳も聞こえなかったから突然のことに凄く敏感なんだ。だからこの子と話す時はゆっくりお願いな」
魔理沙「分かったぜ!」
木葉「さ、とりあえず……休憩だな」
木葉は美羽の手に文字を書いた。
木葉(と・り・あ・え・ず・や・す・も・う・か)
美羽「…」コクコク
美羽は頷いた。
木葉「じゃあ少しだけ休ませてもらうよ」
霊夢「分かったわ」
その後、木葉と美羽は少しの間だけ休憩を取った。しばらく休んだ木葉は魔理沙と霊夢に美羽の事を話していた。
木葉「この子の名前は美羽。美しい羽と書いて美羽だ」
魔理沙「いい名前だな」
木葉「あぁ、ありがとうな」
霊夢「それで、この子は耳が聞こえないのよね」
木葉「あぁ、聞こえないよ。だからこの子と話をする時は手に文字を書いて伝えるんだ」
魔理沙「ほうほう」
木葉「今は少しなら話せるし目も見えている。でも、耳が聞こえないからいきなり姿を見せると驚いちゃうんだ」
霊夢「じゃあどうすればいいの?」
木葉「基本この子の後ろからじゃなく前から来て欲しいんだ。後ろからだと驚かせてしまうかもしれないからな」
霊夢「分かったわ」
木葉「あと、無いとは思うけどこの子に何かあったら真っ先に俺に伝えて欲しい」
魔理沙「なぜだ?」
木葉「一応この子の耳を治すために向こうの世界に行くかもしれない。そうなると美羽はここに置いていかないといけないからどうしても離れちゃうんだよ。付きっきりで面倒見てあげたいけど耳を治すためだから多少はね…」
魔理沙「つまり、木葉がいない時に何かあったら伝えて欲しいってことか?」
木葉「そういう事だ」
霊夢「でも向こうの世界に行ったら連絡できないわよ?」
木葉「それは大丈夫だ。これを」
魔理沙「?」
霊夢「?」
ガサゴソ…
木葉はあるものを取りだした。
コトッ
魔理沙「なんだ?これは」
それは水色に光る結晶だった。
木葉「これは連絡用のちょっと特殊なものでな、これを首にかけると俺の頭に直接語りかけることができるんだ。これがあれば場所は違えどその人にちゃんと届く。その代わり使う前に誰に送るのかを申告しなければならない」
魔理沙「ほうほう。面白そうだな」
木葉「一応これに回数制限はないから何度でも使えるよ」
魔理沙「ほー!」
霊夢「これって誰に送るのかを言わなかったらどうなるの?」
木葉「もちろん機能しないよ。ただの綺麗な結晶のままだよ」
霊夢「なるほどね」
魔理沙「木葉!私もこれ欲しいぜ!」
木葉「いやーまぁ、それは構わんが」
魔理沙「やったぜ!」
木葉「また作ってあげる」
魔理沙「約束だぜ!木葉!」
木葉「はいはい。まぁ、これを使うのは俺が向こうに行った時なんだけどね」
霊夢「分かったわ」
木葉「一応美羽は俺が面倒見るから」
霊夢「じゃあご飯は私が作るわね」
木葉「あぁ、助かる。掃除とかの家事は俺がやろう」
霊夢「え、でも美羽ちゃんは?」
木葉「もちろん面倒見るよ。でも家事全てを任せるのは気が引けるんだ。だから少しでもいいからできるものをやりたい」
霊夢「分かったわ。じゃあ私も手伝うわね」
木葉「あぁ、分かった」
魔理沙「おーい?私を置いてけぼりにしないでくれなんだぜ?」
木葉「魔理沙にはあとであの結晶を作ってあげる」
魔理沙「助かるぜ!あ、でもあれって誰にでも使えるのか?」
木葉「あぁ、使う前に誰に送るかを申告すればな」
魔理沙「分かったぜ!」
木葉「じゃあ今日から美羽の事、よろしくね」
霊夢「分かったわ」
トテトテトテ
美羽が木葉の元に歩いてきた。
木葉「どうした?」
木葉はそう言いながら首を傾げた。すると美羽は察したのか声に出して答えた。
美羽「光…ここはどこ?」
木葉「あぁそっか。美羽には伝えてなかったんだっけ。ここは…あ!」
木葉は何かを思いついたのか美羽に少し待つよう身振り手振りをし、先程出した結晶を手に取った。
木葉「霊夢。魔理沙。今からこれを使うからよく見ててね」
そう言って木葉は結晶についてる紐を首にかけ、結晶に向かって言葉を発した。
木葉「言葉を美羽へ」
ポワ〜ン
するとその結晶は優しい光を発した。
魔理沙「おぉ!」
木葉「こんな感じで光ったらあとはこれに向かって言葉を発するだけだよ」
魔理沙「なるほどな!」
木葉「じゃあ見てて」
そう言って木葉はその結晶に向かって言葉を発した。
木葉「美羽?聞こえる?」
美羽「!!」
美羽はとても驚いていた。
美羽(え?今…声が…声が聞こえた…今の声が…この人の…声?)
美羽は驚きつつも言葉を返した。
美羽「き、聞こえるよ…」
木葉「ほらね、聞こえてたでしょ?」
魔理沙「すげぇ!」
霊夢「へぇーやるじゃない」
木葉「美羽。ここは博麗神社って言ってこの世界での俺の家だよ」
美羽「博麗…神社?」
木葉「そう。博麗神社」
美羽「じゃあ…この人たちは?」
木葉「この人たちは俺の大事な人たちで、こっちの赤い服を着た人が霊夢」
美羽「霊…夢?」
木葉「それで、こっちの白黒の服を着た人が魔理沙」
美羽「魔…理沙?」
木葉「そうそう。霊夢と魔理沙」
美羽「霊夢…魔理沙」
木葉「ここは霊夢の神社だよ。俺はここで一緒に暮らしてるんだ」
美羽「一緒に…暮らしている…じゃあ、付き合ってるってこと?」
木葉「あぁ、そうだよ」
美羽「…」
美羽は少し落ち込んだ顔をした。
木葉「どうしたの?美羽」
美羽「なんでも…ない…」
木葉「あ、あとこれから美羽はここで一緒に暮らすんだよ」
美羽「!!」
木葉「美羽は俺が面倒見るからな」
美羽「…///」
魔理沙「なぁ、顔赤くなってんぞ?」
木葉「あ、あぁ、そうだな」
トテトテトテ…ギュッ
美羽は木葉に抱きついた。
木葉「美羽。これからよろしくね」
美羽「…うん」
霊夢「それ凄いわね」
魔理沙「だな」
木葉「だろ?これは音の能力と言霊の能力を掛け合わせて作ったものなんだ」
魔理沙「どうやってだ?」
木葉「言霊で結晶を作ってから音の能力を使って音をこの中に入れたんだ。だからこの結晶の中にはいくつもの音があるんだよ」
魔理沙「それって割れたらどうなるんだ?」
木葉「んー基本割れることはないと思うけど、もし割れたらこの中から色んな音が出てきて周囲に響き渡るよ。これは元々離れたところにいる人に言葉を伝えるために作ったものだから相手に言葉が届くように音を大きめにして保存してあるんだ」
魔理沙「ほぇー細かいな」
霊夢「それで、その結晶に名前ってあるの?」
木葉「あぁこれか?あるぞ?」
霊夢「へぇーなんて名前なの?」
木葉「んー?こいつの名前はなー」
木葉はその結晶を首から外しながら答えた。
木葉「相手に言葉と想いを届けて自分と相手を結び合わせるって意味合いから…」
コトッ
木葉はその結晶を置いて言葉を続けた。
木葉「