しばらく永遠亭を歩いているとみんなの声が聞こえた。
木葉「ここにいるのか?」
スーッ
木葉は襖を開けた。
条乃「お、光。何してんだ?こっち来て飲めよ!」
木葉「…何やってんの。お前」
条乃「あー?何って?そりゃおめぇ…飲んでんだろ?」
木葉「はぁ…ここは俺らで言う病院なんだぞ。そんなもの飲むなよ」
条乃「あぁー?ケチケチすんなって」
木葉「はぁ…それで、他のみんなは」
条乃「他の奴らなら外だぜ?」
木葉「あらそ」
木葉はそのまま外へ出た。霊夢も木葉についていく。
ガヤガヤ…ガヤガヤ…
木葉「ほんとに外みたいだな」
霊夢「えぇ、そうね」
木葉と霊夢は永遠亭の庭に出た。
魔理沙「お!霊夢!もういいのか?」
霊夢「魔理沙。えぇ、もう大丈夫よ」
早苗「無理してませんか?」
霊夢「してないわよ」
木葉「魔理沙。早苗。霊夢はもう大丈夫だよ」
魔理沙「そうか!分かったぜ!」
早苗「木葉さんは大丈夫なんですか?」
木葉「え?俺?なんで?」
早苗「だって…食べられたって…」
木葉「あぁ、その事なら大丈夫だよ。俺以外の人もこうしてここにいるんだし」
早苗「そうですね。杞憂でしたね」
立花「おっ光じゃねぇか。どうだ?お姫様は元気にしてたか?」
霊夢「お、お姫様…」
木葉「あぁ、もう体は大丈夫みたいだ」
立花「おぉ、そうかそうか!それは良かった!」
木葉「ところで、みんなで何やってるんだ?」
立花「いや?何もしとらんぞ?ただ、前にここに来た時に助けてもらった人と話をしてたんだ」
木葉「助けてもらった人?」
立花「あぁ。ほら、覚えてるだろ?小夜ちゃん美穂ちゃん琴音ちゃんの時の事件。俺たち光の結晶でここに来ただろ?その時、みんな離散しちまったじゃん」
木葉「あぁ、あの時か」
立花「その時に俺たちはここの人たちの世話になったんだ。俺の場合は光輝と一緒にさとりさんって人に世話になった」
木葉「ほーん。で、その世話になった人たちと談笑してるわけね」
立花「そうそう。そゆことそゆこと」
木葉「ほーん」
木葉は周りを見渡した。
さとり「矢巾さん。体の方は大丈夫ですか?」
矢巾「はい!大丈夫ですよ!さとりさんもあの時、寝るところを貸していただきありがとうございます」
さとり「いいえ、かまいませんよ。でもあの時、人の侵入を許してしまったのは反省点ですね」
矢巾「いいんですよ!こうしてみんな揃っているので」
さとり「そうですか」
長津「お二人も怪我大丈夫ですか?」
慧音「はい。もう大丈夫ですよ」
妹紅「私も大丈夫だ」
倉本「すいません。私たちがもっと警戒していたらこんな事には…」
慧音「大丈夫ですよ。怪我も浅いのですぐ治りますよ」
倉本「そうですか…」
妹紅「あぁ。それに、あんたらはあの子を疑わなくて当然だ。ずっと一緒にいたんだ。警戒心が薄れるのはよく分かる」
倉本「…はい」
本庄「レミリアさんも紅茶好きなんですか?」
レミリア「えぇ、好きよ」
本庄「あ、じゃあこっちの世界の紅茶も飲んでみませんか?」
レミリア「あなたたちの?」
本庄「はい!私も紅茶が好きなのでよく1人で飲んでるんですよ!良かったら今度一緒に頂きませんか?」
レミリア「そうね。1度試してみるのもいいかもしれないわね」
本庄「じゃあ今度持ってきますね!」
レミリア「えぇ、お願いするわ」
うどんげ「双葉さん。風和瀬さんお久しぶりですね」
風和瀬「お久しぶりです!」
双葉「まぁ、俺は最近会ったんだけどね」
うどんげ「夜遅くにですね」
風和瀬「まさか…双葉さん…夜這い…」
双葉「ちがーーーーーう!」
永琳「大丈夫よ。うどんげも私も襲われてないわ」
風和瀬「そ、そうですか?」
双葉「いや襲うってなんだよ…」
うどんげ「まぁ、お師匠様には可能性が無いにしても私にも無かったのは驚きでしたね」
永琳「…あら?うどんげ。お仕置きされたいの?」
うどんげ「いえいえ!滅相も!」
早乙女「アリスさん。あの時はありがとうございました」
アリス「いいのよ。通りかかったから助けただけよ」
早乙女「しかしなんでこうも私たちは事件に巻き込まれるんでしょうか」
アリス「ほんとね」
早乙女「はぁ…」
アリス「そういえばあの子は元気かしら?」
早乙女「小夜ちゃんの事ですか?元気ですよ!あっちの世界に住んでるので、私は時々遊びに行かせてもらってます!」
アリス「そう。元気なら良かったわ。大事にしてあげてくださいね」
早乙女「はい!任せてください!」
木葉「…なるほど、みんながここの人たちと面識があって嬉しいな」
立花「そうか?」
木葉「あぁ、人の縁だからな。こうして輪が広がっていくのはとても心地いい」
立花「なるほど…光らしいな。その考え」
木葉「そうか?」
立花「あぁ、いい考えだ」
木葉「…ありがとう」
木葉たちがみんなと話してしている時…
???「やっとみんな動けるようになったのね。待ちくたびれたわ」
全員「!!」
突如としてその声はその場に響いた。特に大きな声だった訳でもない。だがその人の声は一瞬にしてその場を支配した。みんな一斉にその声の主を見る。
???「あら、ちょっと喋っただけで大注目ね」
レミリア「…あなた。この世界の人じゃないわね?」
???「正解。この世界の人じゃないです」
レミリア「じゃあ誰よ」
エクス・マキナ「私はエクス・マキナ。大罪の天使たちを総括する者です」
長津(大罪…天使…)
レミリア「それで?その総括してるあなたが何の用?」
エクス・マキナ「…ひとつ話があって来たんです。とても面白いゲームの話です」
双葉「ゲームだとぉ!?それはどんなゲームだぁ!?」
風和瀬「双葉さん…」
永琳「ど、どうしたのよ双葉」
風和瀬「永琳さん…双葉さんはゲームの誘惑には弱いんですよ」
永琳「え…それでこうなる?」
風和瀬「この人はゲームの話になると異常なまでに興奮するんですよ」
永琳「そ、そうなのね…」
双葉「それどぅえ!ゲームとうわぁ!どぅぉんなゲームどぅあーーー!」
永琳「…相当重症みたいね…」
風和瀬「…はい。すみません」
エクス・マキナ「いたって単純なゲームですよ。対戦ゲームです」
双葉「たいせーん!ふぉーーーー!」
永琳「…あとで薬でも出しておきましょうか?」
風和瀬「お願いします…この人に効く薬を…」
三室(大罪だと?やっぱりそうゆうことだったのか。やっと分かったわ。何故俺たちに無い記憶がここで起きていたのかを…)
条乃「うぃー…ヒック…」
1人酒を楽しんでた条乃。盃にお酒を入れた時、感じ慣れないある気配を察知した。
コトッ
気配を感じたと同時に条乃は酒と盃を置いた。
条乃「…この気配は…ようやく出てきたか?あの子が言ってた"私たち"って言ってたやつが」
エクス・マキナ「それで?どうします?受けますか?」
双葉「そりゃおめぇ!受けるに…」
長津「ちょっと待って」
双葉「何だよ長津さん!止めないでくれ!ゲームなら得意だ!俺にやらせてくれー!」
長津「ちょっと待って。確認したいことがある」
双葉「確認したいこと?」
長津「あぁ。だからちょっと待って」
双葉「わ、分かった…」
長津「それで聞きたいことなんだが」
エクス・マキナ「…」
長津「さっき大罪を総括してる者と言ってましたがあなたは大罪となんの関係が?」
エクス・マキナ「…」
長津「私は大罪の事を記された書物を読んだことがあります。何百年か前に私たちの住んでる世界から追放されたあの"7人の天使"のことでしょう。今は亡き大罪たちとあなたはどんな関係があるんです!」
エクス・マキナ「…へぇ、私たちのことを知ってる人がいるんですね。これは誤算でした。あなたのような人がいなければそこの頭の悪い人が簡単にこのゲームに参加してたでしょうね」
双葉「あ、頭の悪い…」
風和瀬「反省してくださいね。双葉さん」
双葉「…はい」
長津「それで、あなたはどんな関係があるんです!」
エクス・マキナ「…じゃあ逆に聞きますが、あなたはその書物で何を見ましたか?」
長津「書物で見たもの…」
エクス・マキナ「はい。もしあなたが本当にその書物を読んだなら答えてください。大罪の名前と私の事」
長津「大罪は憤怒、嫉妬、暴食、強欲、色欲、怠惰、傲慢…この7つの力の事…そして…あなたは…」
エクス・マキナ「…」
木葉「どうした。智志」
長津「…分からない」
木葉「え?」
長津「分からないんだ…エクス・マキナがどんな人だったか」
エクス・マキナ「…それが正解ですよ」
長津「!!」
エクス・マキナ「当然です。私は大罪の天使を総括してるだけで大罪の人間ではないんですから」
長津「どういう事…」
エクス・マキナ「じゃあ質問を変えましょう。何故大罪の力を持つ7人が追放されたのか。そして、誰が追放したのか」
長津「その7人が自分たちの力を使ったから。元々大罪の力は然るべき時にしか発動させてはならない決まりで、その決まりを破ったから…そして、それを追放したのは…」
エクス・マキナ「…それが私ですよ」
長津「!!」
エクス・マキナ「私が大罪の天使たちを追放しました」
木葉「ならなんでそいつらといるんだ?追放したやつらと」
エクス・マキナ「まぁ、元々大罪の力は私が使ってあげようと思ってましてね。大罪の力はとても強力です。この力があれば色んなことができます。例えば…」
エクス・マキナは悪い笑みを浮かべた。
エクス・マキナ「異世界に"ドレイン"を放ったり、ある3人の女の子に能力を与えたり…ね」
十二天星「!!」
十二天星たちは驚いていた。
長津「な…」
木葉「ドレイン…だと」
早乙女「それに…3人の女の子って…」
エクス・マキナ「そう。あなたたちが小夜、美穂、琴音と呼んでた子たちですね」
早乙女「くっ」
ビュン!
早乙女はエクス・マキナに接近した。
早乙女「はぁー!」
ドゴォン!
早乙女は目一杯拳に力を込めて殴った。
早乙女「…え」
エクス・マキナ「…」
だが、エクス・マキナは無傷だった。確かに早乙女の拳は当たっている。いや、"当たってるように"見えている。
シュッ
早乙女は距離を置いた。
エクス・マキナ「やはり好戦的ですね。第六星座 乙女座のヴァルゴ」
早乙女「な…あなた…ヴァルゴを知ってるの」
エクス・マキナ「それくらい知ってますよ。他の星座も知ってますよ?アリエスにタウラス、ジェミニ、キャンサー、レオ、ライブラ、スコーピオ、サジタリウス、カプリコーン、アクエリアス、ピスケス」
長津「…」
早乙女「…」
エクス・マキナ「それだけじゃなく能力も知ってます。当然です」
早乙女「でも…何故…」
エクス・マキナ「当たり前じゃないですか。ドレインを異世界に放ったのは私ですよ?故にドレインが受けた攻撃とかは全て私に保存されます」
木葉「…」
エクス・マキナ「そんな十二星座の能力や大罪の事を知っている私ですが、2つほどミスをしました。それは、強欲の天使 アヴァリス・ゴードン。暴食の天使 ロスト・グラ・イースが殺されたことです」
長津「な!?」
木葉「ゴードン…だと…」
エクス・マキナ「えぇ、あの人は強欲ですからあなたたちの能力を他の大罪の天使たちに取らせないために1人突っ走りましたよ。あなたたちの世界に。その世界である人間を取り込んだと言ってましたが、その2年後、突然気配が消えました」
長津「…」
木葉「…」
エクス・マキナ「そしてまたその気配が復活したと思ったらまたすぐに消えてしまった」
早乙女「…」
エクス・マキナ「そして今回、暴食の天使 ロスト・グラ・イースまでも気配を消した」
木葉「!!」
長津「な…それって…」
早乙女「…美羽ちゃんの事」
エクス・マキナ「はい。そうです」
木葉「!!」
エクス・マキナ「彼女は美羽なんかじゃありません。暴食の天使 ロスト・グラ・イースです」
木葉「…」
エクス・マキナ「それで、長話はこれくらいにして本題です。私たちはあなたたち十二天星の能力が欲しいわけです。でも直接言っても応じないだろうと思い、戦って負けた方が言うことを聞くという単純なゲームを提案したわけです」
長津「…で、勝ったらどうなるんだ」
エクス・マキナ「もちろん私たちが勝てばあなたたち十二天星の力をいただきます」
長津「こちらが勝てば?」
エクス・マキナ「それはあなたたちが決めてください。さっきも言いましたが負ければ言うことを聞くことになってます。どんな事もね」
木葉「それはそっちの大罪には話をつけてんのか?」
エクス・マキナ「えぇ、承諾を得てここに来てます」
長津「…そうか。私たちがあなたたちに願うものは無い。この戦いは受けな…」
エクス・マキナ「ちなみに、この戦いを受けないなら…ここの人たちの能力をいただき、ついでにこの世界も破壊させていただきます」
全員「!!」
エクス・マキナ「ちなみに今、憤怒の天使が私の護衛に来てくれてます。彼なら能力は奪えませんが、この世界を破壊することくらいならできますよ」
長津「くっ…」
エクス・マキナ「さぁ…どうしますか?受けますか?それとも…破壊される方を望みますか?」
全員が固まった。幻想郷の人たちはエクス・マキナの発言に混乱している。すると木葉が口を開いた。
木葉「…いいよ。受けよう」
全員「!!」
長津「光!正気なのか!?負ければ力を取られるんだぞ!」
木葉「じゃあ智志はこの世界を破壊される方を望むのか?」
長津「…」
木葉「俺はその考えに賛成できない。ここには霊夢やその友人たちがいる。守るべき理由がここにある。それに、お前たちへの願いも今決まった」
エクス・マキナ「ほう。その願いとは何ですか?」
木葉「お前らを永遠に消し去ることだ」
エクス・マキナ「あははははは!面白い事を言いますねあなた!分かりました。では、この戦いは受けるということでいいんですね?」
木葉「…あぁ」
エクス・マキナ「分かりました。それでは日時は後日お伝えします。それでは…」
シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…
エクス・マキナは姿を消した。
霊夢「…木葉」
木葉「…霊夢。任せて。霊夢には手を出させないから」
霊夢「…うん」
長津「…」