木葉の幻想郷日記   作:バスタオル

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私たちの目的

エクス・マキナ「さて、次に進みましょうか」

 

エクス・マキナはルーレットを回した。

 

エクス・マキナ「次の対戦は…大罪側 怠惰の天使 アセディ・クレイハート!十二天星側 第十二星座 魚座 倉本 結衣!」

 

倉本「…私ですか」

 

本庄「結衣ちゃん!結衣ちゃんなら勝てるよ!」

 

倉本「う、うん…」

 

条乃「なんだ?怖いのか?」

 

倉本「いや、そうじゃなく」

 

佐野守「じゃあどうしたの?」

 

倉本「…」

 

光「…大丈夫だ。何かあったら俺たちが何とかする」

 

倉本「…うん。分かった」

 

トコトコトコ

倉本は舞台に上がった。

 

アセディ「…僕だね」

 

オルグイユ「…あぁ」

 

アセディ「オルグ。最後は頼んだよ」

 

オルグイユ「…あぁ、分かった」

 

アンヴィ「アセディ…」

 

アセディ「…ん?なに?」

 

アンヴィ「その…」

 

アセディ「?」

 

アンヴィ「…やっぱなんでもない…」

 

アセディ「…そっか。じゃあ行ってくる」

 

オルグイユ「…あぁ」

 

スタスタスタ 

アセディ・クレイハートは舞台に上がった。

 

エクス・マキナ「それでは…始め!」

 

アセディ「…ねぇ」

 

倉本「な、なんですか」

 

アセディ「君は…疲れない?…こんなことして」

 

倉本「…どういう事ですか」

 

アセディ「そのままの意味だよ。僕は怠惰の天使…だから何をしても疲れる。君はどうだい?」

 

倉本「私は大丈夫です」

 

アセディ「…言葉が綺麗ですね」

 

倉本「ありがとうございます」

 

アセディ「さて…」

 

倉本「!!」

  

ジリッ 

倉本は身構えた。

  

アセディ「…僕は戦いたくないから…君の方から退場してもらおうかな」

 

倉本「それは…どういう…」

 

アセディ「ん?…そりゃあ…こういう事だよ」

 

アセディ「…はぁ」

 

アセディはため息をついた。 

 

ドクン!

  

倉本「!!」

  

倉本はなにか異変に気づいた。

  

倉本(なんだろ…急に力が…)

 

アセディ「どう?疲れてきた?」

 

倉本(なるほど…この人の能力ですか…)

 

アセディ「どう?」

 

倉本「…確かに、少し疲れましたね」

 

アセディ「でしょ?僕はいつもそんな感じだよ」

 

倉本「…そうですか」 

 

倉本は何故か脱力し始めた。

  

倉本(あぁ…なんか…疲れてきたな…)

 

倉本は何もする気がなくなった。 

 

ドサッ

倉本はそのまま地面に座り込んだ。

 

アセディ(ようやくだね…)

 

早乙女「結衣ちゃん!」

 

佐野守「どうしたんだろ…結衣ちゃん…」

 

条乃「また状態異常系の能力か?」

 

風和瀬「ん…んん…ん?あれ?みんな…どうしたの?」

 

嫉妬の天使 アンヴィ・ディ・コルにやられた風和瀬が起きた。

 

佐野守「麻莉ちゃん!」

 

本庄「起きたんですね。傷の方は大丈夫ですか?」

 

風和瀬「うん…大丈夫…もう平気だよ」

 

双葉「風和瀬…ほんとに大丈夫か?」

 

風和瀬「双葉さん…大丈夫ですよ…元気ですよ」

 

双葉「…そうか」

 

アセディ「はぁ…ねぇ…まだなの?」

 

倉本(…)

 

倉本は脱力していて立ち上がることができない。

 

アセディ(長いな…普通ならこんなに時間がかからないんだけどな…)

 

倉本「…ふぅ」

 

アセディ「!!」

 

スッ

さっきまで座り込んでいた倉本はいつの間にか立ち上がっていた。

 

アセディ(なぜ?確かに能力は効いてるよね?)

 

倉本「…突然だったので遅くなりましたね」

 

アセディ「…」

 

倉本「もう…動けます」

 

アセディ「どういう事…能力が効いてない?」

 

倉本「…効いてますよ…ですが、こちらがその環境に"適応"しただけです」

 

アセディ「…適応」

 

倉本「…はい。私の能力は適応を操るので」

 

アセディ「つまり、その能力で僕の能力を上回ったと…そういう事?」

 

倉本「そういう事です」

 

アセディ「…すごいね。その能力」

 

倉本「…そうですね」

 

条乃「…どうやら大丈夫みたいだな」

 

長津「あぁ、ヒヤヒヤしたが大丈夫なようだ」

 

早乙女「結衣ちゃん…」

 

オルグイユ「…まさか能力が効いてないとは」

 

アンヴィ(十二天星…すごい)

 

オルグイユ「なぁ、アンヴィ」

 

アンヴィ「…なに」

 

オルグイユ「お前さっき何言おうとしたんだ?」

 

アンヴィ「え…」

 

オルグイユ「アセディが舞台に行こうとした時だ」

 

アンヴィ「あぁ…あの時…」

 

オルグイユ「何か言いたげだったな?」

 

アンヴィ「うん…」

 

アンヴィ(言ってもいいのかな…言ったら…何されるんだろ…)

 

オルグイユ「で?どうなんだ?」

 

アンヴィ「あ…あの…」

 

オルグイユ「ん?」

 

アンヴィ「私はもう…この戦いに…参加したくない」

 

オルグイユ「!!」

 

アンヴィ「私たちの目的は力を"貸してもらうこと"だよ。奪いたい訳じゃない…それに…」

 

アンヴィは風和瀬を見た。

 

アンヴィ「私は…私を助けてくれたあの人を…傷つけたくない」

 

オルグイユ「アンヴィ…お前…」

 

アンヴィ「ごめん…なさい…一大事なのは分かるけど…それでも…私は…私は…」

 

オルグイユ「それで、お前はどうするんだ?」

 

アンヴィ「え…」

 

オルグイユ「お前がこの戦いに参加しないと言ったら、あの女はどうすると思う」

 

アンヴィ「エクス・マキナの…こと?」

 

オルグイユ「あぁ、やつは俺たちを束ねる言わば上司みたいなもんだ。あいつが1番責任を感じてる。敵に襲撃されたあの時…俺たちは酷く傷を負った。奴はそんな俺たちを見てあいつらに見返そうとしている」

 

アンヴィ「…」

 

オルグイユ「だが、その策は…十二天星の力を奪うこと…その力であいつらを滅ぼそうとしている」

 

アンヴィ「…」

 

オルグイユ「俺はな、アンヴィ。別に戦って能力を奪わなくても十二天星のやつらに助けを求めればいいと思っている」

 

アンヴィ「!!」

 

オルグイユ「俺だって戦いたくねぇよ。こんな意味の無い戦い。だがな、あの女が言うんだ。従うしかない」

 

アンヴィ「オルグ…」

 

オルグイユ「…俺はあいつにバレないように手を抜いて戦う。ここで負ければ俺はあいつらの能力を奪わなくて済む」

 

アンヴィ「…」

 

オルグイユ「アヴァリスとグラ…あの二人はエクス・マキナに忠実だった。だから1人で突っ走ってもある程度は上手くいった。だが、結局は負けた。アヴァリスに関しては2度も殺された。エクス・マキナも動揺してたんだろうな。正常な判断ができていない」

 

アンヴィ「…」

 

オルグイユ「それがこのザマ…戦わなくてもいい俺たちが戦わされている」

 

アンヴィ「…」

 

オルグイユ「なぁ、アンヴィ」

 

アンヴィ「?」

 

オルグイユ「お前は…あいつらと仲良くしたいか?」

 

アンヴィ「!!」

 

オルグイユ「どうだ?」

 

アンヴィ「…そりゃあ…したいよ…できるなら穏便に済ませたいし、仲良くなって一緒にお話できたらなって」

 

オルグイユ「…そうか。俺もだ」

 

アンヴィ「!!」

 

倉本「さて、そろそろ覚悟してくださいね」

 

アセディ「はぁ…分かったよ。来な」

 

倉本「では…お言葉に甘えて…」

 

ビュン!

 

アセディ「!?」

 

倉本は速度を操る能力で瞬時にアセディの元へ飛んだ。

 

倉本「はぁぁぁぁぁ!」

 

シュッ!ドン!

 

アセディ「くっ…」

 

アセディはなんとかガードした。

 

アセディ「…速いね」

 

倉本「それが私の能力です!」

 

シュッ!シュッ!シュッ!

倉本は次々と蹴りを入れていく。

 

アセディ「ほっ、はっ、よっと」

 

アセディはそれを避ける。

 

倉本「…あなた、ほんとに怠惰?私の動きに追い付くなんて」

 

アセディ「そりゃあ…まぁ…ね?」

 

倉本「え…いや…ね?って言われても…」

 

アセディ「ほら、早く攻撃したら?終わらないよ?」

 

倉本「そうです…ね!」

 

ビュン!

倉本は再びアセディに攻撃を仕掛けた。

 

倉本「はっ!やっ!とぉ!」

 

倉本は鋭い蹴りを入れていく。

 

アセディ「ほいっ!よっ!はいよっ!」

 

アセディはそれを避ける。

 

倉本「はぁ!やぁ!そりゃあ!」

 

アセディ「ほっ!ほっ!おっと…」

 

グラッ…

アセディは着地に失敗し、バランスを崩した。

 

倉本「!!」

 

ジリッ

倉本はその隙を見逃さず、すかさず攻撃した。

 

倉本「はぁぁぁぁぁ!」

 

ドゴォン!

 

アセディ「ぐっ…」

 

倉本の蹴りはアセディに当たった。

 

アセディ「くっ…中々痛いね…」

 

倉本「そりゃあまぁね!スピードに乗せて攻撃してるからね!」

 

アセディ「なら、僕もちょっと本気出そうかな」

 

アセディは呼吸を整えた。

 

アセディ「…いくよ」

 

グッ…

倉本は身構えた。

 

アセディ「…」

 

スタスタスタ

 

倉本「!!」

 

アセディはさっきまでの素早い動きからは想像もつかない程に動きが遅かった。

 

倉本(え…遅っ…)

 

アセディ「…」

 

倉本(…何この遅さ…これじゃあ攻撃してくださいって言ってるようなもんじゃ…)

 

アセディ「…」

 

アセディはゆっくりではあるが倉本に近づいている。 

 

倉本(なら…)

 

ビュン! 

倉本はアセディに攻撃を仕掛けた。 

 

アセディ(あ、あっちから近づいてくれた)

 

ドゴォン!ヒュゥゥゥゥゥ!ズサァァァ!

倉本の蹴りはアセディに当たり、アセディは後方へ大きく吹っ飛ばされた。

 

倉本「…え、ほんとに当たった…」

 

アセディ「…あーいてて…やっぱり痛いな…」 

 

スッ 

アセディは立ち上がった。

 

アセディ「さて、僕も頑張るかな」

 

倉本(立った…なら…)

 

倉本は再びアセディに攻撃を仕掛けた。

 

ドクン!

 

倉本「!!」

 

倉本は異変に気づいた。

 

倉本(また…この感覚…マズイ…)

  

倉本は脱力し始めた。

 

倉本(あ…待って…このままじゃ…) 

 

倉本は為す術なく倒れた。

 

アセディ(どうやら…上手くいったみたいだね)

 

トコトコトコ

アセディは今度は普通の速度で歩いた。 

 

アセディ「どう?僕の能力」

 

倉本「…」

 

アセディ「すごいでしょ」

 

倉本「…」

 

アセディ「僕の能力はね、戦意喪失させる能力なんだ。だから君は今その場に倒れている。この能力は周囲に拡散することができるし攻撃してきた人に直接与えることもできる」

 

倉本(な…)

 

アセディ「もう能力で上書きはできないね。これでおしまい。さようなら」

  

アセディは倉本の頭に触れ、能力を発動した。

  

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

  

倉本「あ…ま…だ…私…は…」

  

倉本はそのまま意識を失った。

 

アセディ「運が悪かったね。これが怠惰の力だよ」

 

エクス・マキナ「勝者 怠惰の天使 アセディ・クレイハート!」

 

条乃「なんだ…奴の能力は…」

 

立花「んー戦いが始まってすぐに倉本は座り込んだよな」

 

三室「しかもさっきも倒れた。抵抗することなく」

 

長津「…」

光「…」

 

早乙女「…これが、怠惰の能力…」

 

アンヴィ「アセディ…勝っちゃったね」

 

オルグイユ「…あぁ」

 

アンヴィ「次はオルグだよ」

 

オルグイユ「…あぁ」

 

アンヴィ「頑張って…」

 

オルグイユ「…あぁ、任せろ」

 

 

十二天星 第十二星座 魚座 倉本 結衣

 

VS

 

怠惰の天使 アセディ・クレイハート

 

 

勝者 怠惰の天使 アセディ・クレイハート

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