木葉の幻想郷日記   作:バスタオル

184 / 296
契約

ライブラ「ジェミ…」

 

ジェミニ「…」

 

ロンギヌス「お前…何故生きてる」

 

ジェミニ「私は死んでません」

 

ロンギヌス「なんだと?」

 

ジェミニ「私は最初から死んでませんよ。ロンギヌス」

 

ロンギヌス「あ?言ってる意味が分からねぇな?」

 

ジェミニ「あなた…何百年か経ったせいか頭が悪くなったんですね」

 

ロンギヌス「あ?」

 

ジェミニ「まだ分からないんですか?あなたを瀕死に追いやった私を」

 

ロンギヌス「!?」

 

ロンギヌスはこの時、古い記憶からジェミニを割り出した。

 

ロンギヌス「じゃあ…お前はあの…」

 

ジェミニ「えぇ、多分考えてる通りですよ」

 

ロンギヌス「!?」

 

ライブラ「ど、どういう事…」

 

アクエリアス「分からない…私たちですら覚えていない…」

 

ジェミニ「ライブラさんやアクエリアスさんが覚えてないのは当然ですよ。だって私…あの時、消滅の能力を使ってましたから」

 

ライブラ「え…どういう…」

 

ジェミニ「私はあの時…こいつを封印した時…みなさんの記憶を一部消しました。消滅の能力で」

 

アクエリアス「え…そうなの?」

 

ジェミニ「はい。でなきゃ私がジェミとジェニに分かれてませんよ。私が記憶を消したからみなさん気づいてないんです」

 

ライブラ「じゃあ…今のあなたが…本当の…あなたなの?」

 

ジェミニ「はい」

 

アクエリアス「そう…だったんだ…」

 

スコーピオ(驚いた…あの時…俺たちは記憶を消されてたのか…)

 

ライブラ「でもそれだとジェミニ自体の記憶も消えるはず!なのになぜ…」

 

ジェミニ「…変換の能力ですよ」

 

ライブラ「!!」

 

ジェミニ「私は消滅の能力で記憶を消して変換の能力で別の記憶にすり替えました」

 

アクエリアス「!!」

 

ジェミニ「だからみなさんは私がジェミとジェニに分かれてからも普通に接していたんですよ」

 

スコーピオ「俺たちに知られずそんな事を…」

 

ジェミニ「えぇ、まぁ、そうですね」

 

スコーピオ「なるほど…」

 

ジェミニ「ロンギヌスが私のことを思い出したのはロンギヌスの記憶から私を消してないからです。なので、今のロンギヌスの頭には当時の私が写し出されてるはずです」

 

ロンギヌス「!!」

 

ジェミニ「さ、話はここまで…覚悟は出来ましたか?ロンギヌス」

 

ロンギヌス「くっ…」

 

 

条乃「なぁ…誰かあの部屋への道覚えてるやつはいるか?」

 

本庄「私は覚えてません」

 

矢巾「僕もです」

 

光「俺もだ」

 

長津「…すまない」

 

条乃「おぉい!誰も覚えてねぇんじゃ戻れねぇじゃねぇか!」

 

風和瀬「で、でも…そこはこう…なんとなくで…」

 

条乃「それで帰れたら苦労しねぇよーー!」

 

倉本「うるさいです。条乃さん」

 

早乙女「でもこれじゃあほんとに帰れないね」

 

佐野守「確かに…」

 

立花「あーほんと…どうし…」

 

十二天星たちは異変に気づいた。

 

条乃「なぁよ。景色が動いてねぇか?」

 

倉本「…確かに」

 

三室「お前薬物でもやってんのか?」

 

条乃「やってねぇよ!じゃあお前にはどう見えてんだよ!」

 

三室「…景色が動いて見える」

 

条乃「おめぇもじゃねぇか!」

 

本庄「はぁ…条乃さんが薬物やってる話は置いといて…」

 

条乃「だからやってねぇって!」

 

本庄「これ…私たち…浮いてません?」

 

倉本「え?」

 

十二天星たちは足元を見た。

すると、みんな少し浮いていた。

 

本庄「これって…景色が動いてるんじゃなく…」

 

倉本「私たちが…移動してるってこと?」

 

本庄「そういう…事ですよね?」

 

十二天星「…」

 

佐野守「え?つまり?」

 

長津「私たちはどこかへ移動させられてるんだよ」

 

佐野守「へぇー…で、どこに?」

 

三室「どこかに…だろ?」

 

十二天星たちが会話をしていると急に辺りが暗くなった。

 

佐野守「きゃー三室さん!暗いです!怖いです!」

 

三室「だぁーもう!くっつくな!離れろ!」

 

佐野守「嫌です!嫌です!」

 

三室「うるせぇー!」

 

少しして、明るくなった。

 

佐野守「あ、明るくなった…」

 

三室「離れろバカタレが」

 

佐野守「な!?私はバカじゃないです!」

 

三室「やかましいわ!」

 

条乃「おーおー三室ぉ?イチャイチャしてるなー?」

 

三室(あとでこいつぶっ殺す)

 

???「やっと来たね。随分待ったよ」

 

早乙女「あ、あなたは…」

 

ウリン「哀の烙印を持つ者 ウリンです」

 

長津「なぜあなたが私たちを待ってたんですか?」

 

ウリン「…それは、メギストスに聞いてない?」

 

長津「…というと、あなたもメギストスと同じ意見だと?」

 

ウリン「えぇ、まぁ」

 

条乃「じゃあ丁度いい。俺が殺してやるぜ!」

 

本庄「ちょっと条乃さん…」

 

ウリン「…嫌です」

 

条乃「あ!?」

 

ウリン「私…あなたに殺されるの…嫌です」

 

条乃「四の五の言ってんじゃねぇよ!」

 

ウリン「そうですね…そこのあなた…」

 

ウリンは本庄を指した。

 

本庄「え…私?」

 

ウリン「そう。あなた。あなたが私をメギストスの元へ送ってください」

 

本庄「わ…私が…」

 

ウリン「あなたになら殺されたいです」

 

本庄「あ、あの…」

 

ウリン「?」

 

本庄「なんで…そんなに…死にたがるんですか」

 

ウリン「?」

 

本庄「メギストスさんの時もそうです。なんでそう…死にたがるんですか…あなたも…」

 

ウリン「…事前に話し合ってたからだよ」

 

本庄「話し…合ってた…」

 

ウリン「私たちがこの世界を奪ってから何年か経ちました。喜怒哀楽の烙印を持つ私たちはそれぞれが持つ感情について心得ています。それを4人で話し、今後どうするかを決めていました」

 

本庄「…」

 

ウリン「それが…死です」

 

本庄「…」

 

ウリン「罪悪感を持ち生きてきた私たちは…もう限界です。行き着いた答えは…死ぬことです。でも半端な人では私たちは殺せません。なので、あなたたちが来るとわかった時、私たちは歓喜しました。これで、この世とさよならできると」

 

本庄「でも…」

 

ウリン「私たちはもう生きたくないです。人を殺し、世界を奪い、今までのうのうと生きてきました。もう私たちは罪を償うために死ななければなりません。…それが、"契約"です」

 

本庄「契約って…なんですか」

 

ウリン「私たちは…ある者によって生み出されました」

 

条乃「ロンギヌスってやつだろ?」

 

ウリン「…」フリフリ

 

ウリンは首を横に振った。

 

ウリン「…厳密には違います。確かに私たちはあいつ…ロンギヌスの体から生まれました」

 

条乃「厳密には違うだと?」

 

ウリン「はい。違います」

 

条乃「じゃあ誰がやったんだ」

 

ウリン「…第三星座 双子座 ジェミニ」

 

十二天星「!?」

 

十二天星たちは驚いていた。

 

双葉「ジェミニが…」

 

ウリン「はい」

 

条乃「ジェミニがやったとして…契約ってなんだ」

 

ウリン「契約…それは…ジェミニが戻る時…私たちがこの世から消えるということです」

 

条乃「消えるだと?」

 

ウリン「…はい。私たちはそれを予期していました。だからメギストスは覚悟を決めました。私同様に」

 

条乃「…死ぬ覚悟か?」

 

ウリン「はい…」

 

本庄「でも…なぜジェミニが戻った時に死ななくちゃいけないんですか!」

 

ウリン「…それは、ジェミニの持つ能力が原因です」

 

双葉「ジェミニの…能力…」

 

ウリン「はい。ジェミニの器さん。ジェミニの能力はご存知ですか?」

 

双葉「ジェミが融合と変換…ジェニが分離と消滅」

 

ウリン「そうです。私たちはジェミニの分離によりロンギヌスから生まれました。そして…ジェミニは2つに分離し、力を失いました」

 

双葉「でもそれが契約となんの関係が…」

 

ウリン「…ジェミニに戻ればジェミニ本来の力を発揮することができます。それが契約の終わりです」

 

条乃「もっと分かりやすく説明してくれ!」

 

ウリン「…分かりました。つまりですね、私たちがロンギヌスから分離した時、ひとつだけ契約を結びました。それは"私が戻るまで、誰も殺さないこと"です。ジェミニは私たちにそう契約を結ばせました」

 

矢巾「でも待ってください!メギストスはこの世界を奪う前からロンギヌスにより生み出されたと言ってました!」

 

ウリン「えぇ、そうですよ」

 

矢巾「じゃあ話が合わない!メギストスが言ったこととあなたが言ってること!」

 

ウリン「いえ、合ってます。私たちが分離したのは星座たちに封印された時ですので」

 

矢巾「!!」

 

ウリン「私たちはその時に殺さない契約を結びました。ですが、私たちはその契約を無視しました。いえ、"無視させられました"」

 

本庄「無視…させられた…」

 

ウリン「はい。契約を無視した私たちには"死"しかないんです。これが、契約の終わりです」

 

本庄「でも!あなたたちは誰も殺してない!」

 

ウリン「…殺してますよ。この世界の人たちを」

 

本庄「!!」

 

ウリン「契約を無視した私たちをジェミニは許さないでしょう。ジェミニが元に戻れば私たち喜怒哀楽は…消滅の能力により、死んでしまいます」

 

本庄「そんな…」

 

ウリン「……悲しかや……悲しかや……」

 

本庄「…」

 

ウリン「さぁ、早く送ってください。メギストスの元へ」

 

本庄「…思い残すことは無いんですか…あなたには…」

 

ウリン「…ないです。あるのは…哀しみだけです」

 

本庄「…分かりました」

 

条乃「本庄…」

 

本庄「…あなたの…願いを叶えます…それが、私たち十二天星の役目ですから」

 

光「!!」

 

本庄は能力を使った。

 

本庄「冥界の能力を使います」

 

ウリン「…そう。あなた…第十一星座 アクエリアスの器だったんですね」

 

本庄「…はい」

 

ウリン「あなたを選んで正解でした」

 

本庄「…さようならです」

 

ウリン「…はい」

 

本庄は冥界の能力を使い、ウリンに回復をかけた。

 

ウリン「…」

 

冥界の能力により、回復は逆転し、ダメージとなりウリンを蝕んでいった。

 

ウリン「あり…がとうね…第十一星座 アクエリアスの器…本庄さん…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ウリンはそのままメギストスの元へ送られた。

 

本庄「…長津さん」

 

長津「…」

 

本庄「私のこの行いは…正しいんでしょうか」

 

長津「そう…だといいね」

 

ルーフ(ウリン…逝っちゃった。メギストスも…レヴィリーも…みんな…みんな…逝っちゃった…私が最後…覚悟を…決めないと…)

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。