木葉の幻想郷日記   作:バスタオル

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未来を紡ぎし泡沫のまほろば

アンヴィ「ゲホッゲホッ…何…さっきの煙は…」

 

オルグイユ「さぁ…分からん」

 

イラ「吸うと体が動かなくなる…厄介だ」

 

ルフリア「エクス・マキナさん…」

 

アセディ「…」 

ルーフ「…」

  

スタッスタッスタッ 

十二天星たちは大罪の人たちの前に降り立った。 

 

長津「みなさん」

 

ルフリア「あなたは…」

 

長津「ロンギヌスは消えたそうですよ」

 

ルーフ「!!」

 

イラ「そうか…」

 

オルグイユ「…」

 

ルーフ「じゃあ…私は…私はどうすれば…」

 

アセディ「どうにもできないと思うよ」

 

ルーフ「私は…独り…」

 

長津「…」

 

沈黙が訪れる。だが、その沈黙を終わらせるかのように1人の声が響いた。 

 

アンヴィ「早く死んでよ」

 

ルーフ「!!」

 

アンヴィ「ねぇ…早く死んでよ」

 

アンヴィの声だった。

 

ルーフ「え…あの…」

 

アンヴィ「早く死んでよ!」

 

ルーフ「ご、ごめんなさい…」

 

アンヴィ「ごめんなさいじゃないでしょ!私たちの世界を奪った挙句この世界の人を殺して…許されるわけないでしょ!」

 

ルーフ「で、でも…殺したのは私だけじゃ…」

 

アンヴィ「そんなの知ってるわよ!あとの3人にも責任がある!でもその3人は責任逃れのために命を絶った!殺したのは私だけじゃない?だから何よ!それであなたも責任逃れするつもり?」

 

ルーフ「ち、違うよ…」

 

アンヴィ「違わないでしょ!現にさっき残りの3人に責任を押し付けようとしたでしょ!」

 

ルーフ「ご、ごめ…」

 

アンヴィ「どうするのよ!ねぇ、どうするのよ!」

 

ルーフ「そ…その…」

 

ルーフはアンヴィから色々言われて傷ついていた。

  

ルーフ「私は…」

 

アンヴィ「決められないなら私があんたを殺してやる!」

 

ルーフ「え…」

 

アンヴィ「でも普通には殺さない…今まで貴方がしてきたことをそっくりそのまま返してやる…」

 

ルーフ「す…すみません…」

 

ルフリア「アンヴィちゃん…」

 

アセディ「…どうするの?ここにはあなたの仲間はいないよ。ここで戦闘するなら100死ぬけど」

 

ルーフ「…戦いたく…ないです…」

 

アンヴィ「じゃあどうするのよ!ねぇ!」

 

ルーフ「わ…分かりません…ごめんなさい…ごめんなさい…」

 

アンヴィ「だから!謝って済むほど事は小さくないの!いい加減理解してよ!」

 

ルーフ「そ…その…」

 

光「…」

  

ギュッ…

  

十二天星「!!」

十二星座「!!」

大罪「!!」

ルーフ「!!」

  

ルーフは突然優しく抱きしめられた。

 

ルーフ「…え」

 

風和瀬「…少し待ってください」

 

ルーフを優しく抱きしめたのは第十星座 山羊座の風和瀬麻莉だった。

 

アンヴィ「なんで!こいつは私たちの世界を…」

 

風和瀬「アンヴィちゃん。少し待って」

 

アンヴィ「う…」

 

風和瀬「話すなら1対1で話してください。こんな10人、20人が1人を問い詰めたら1人の子が話せなくなります」

 

イラ「なんだ…てめぇ…そいつに肩入れするのか…」

 

イラは怒りを込めた声で話した。

  

風和瀬「…」

 

イラ「そいつは人を殺したんだ。俺たちの親や兄弟、友人とかな。そんな奴をお前は…庇うのか?」

 

風和瀬「…」

 

イラ「おい…なんか言えよ。先に言っとくぞ…俺はな、俺の大事な人がこいつらに殺されたんだ。今殺した相手を目の前にして冷静じゃない。今すぐにでも殴り殺したい気分だ。だが、それを庇うお前もその対象になる。今すぐ庇うのをやめろ。今やめればお前には何もしない」

 

風和瀬「…庇ってません」

 

イラ「庇ってるだろうが」

 

風和瀬「…庇ってません」

 

イラ「チッ…腹立たしい…腹立たしい…今すぐにでもあの世に送りてぇ気分だ」

 

風和瀬「…」

 

風和瀬はイラを睨んだ。

 

イラ「あぁイライラするな…その顔…」

 

風和瀬「…」

 

イラ「腹立つなぁ!その顔!」

 

グググ… 

イラは拳を握った。

 

ガシッ

 

イラ「!!」

  

殴ろうとしていたイラの攻撃は誰かによって防がれた。

 

双葉「…俺のパートナーを悪く言うなよ」

 

イラ「チッ…」

 

双葉だった。イラは双葉の腕を振り払った。

 

双葉「風和瀬…」

 

風和瀬「双葉さん…」

 

双葉「…君はどうしたいんだ」

 

ルーフ「!!」

 

双葉「今君は何をしたいんだ。大罪の人たちは君を殺したがっている。風和瀬は君の話を聞こうとしている。俺たちは君がどうなろうが関係ない。だがこのままだと君は何もしないまま殺されるよ。大罪の人たちじゃなく俺の星座 双子座のジェミニに」

 

ルーフ「!!」

 

ジェミニ「…」

 

ジェミニはルーフを見ていた。

 

ルーフ「私が…何をしたいか…」

 

双葉「そうだ。君がしたいことはなんだ。言葉にして。そうでないと何も伝わらない」

 

ルーフ「…大罪のみなさんに…謝りたいです…」

 

アンヴィ「だから!謝って済む問題じゃないでしょ!」

 

風和瀬「待ってアンヴィちゃん」

 

アンヴィ「…」

 

ルーフ「もちろん分かってますよ…謝って済む問題じゃない…今まで私たちがしてきたことは命を絶ったとしても償えない…」

 

イラ「よく分かってるじゃねぇか」

 

オルグイユ「イラ」

 

イラ「…チッ」

 

ルーフ「私は…みんなと…他の3人と一緒に…この世界を元に戻します」

 

アンヴィ「!!」

 

双葉「…できる?ほんとに」

 

ルーフ「…はい」

 

双葉「嘘じゃない?」

 

ルーフ「…はい。できます」

 

双葉「そっか…」

 

ギュッ…

  

ルーフ「!!」

 

双葉はルーフを抱きしめた。

 

双葉「…じゃあ、お願い」

 

ルーフ「でも…他の3人は…もう…」

 

双葉「大丈夫。他の3人なら俺が何とかする」

 

ルーフ「ほ…ほんとですか…」

 

双葉「あぁ、ほんとだ。その代わり、この世界を元に戻して。できる?」

 

ルーフ「…はい。できます」

 

双葉「よしっ、じゃあ待ってて。風和瀬」

 

風和瀬「はい」

 

双葉「ルーフさんのそばにいてあげて」

 

風和瀬「…はい」

 

双葉「ジェミニ」

 

ジェミニ「…はい」

 

双葉「奥義…使うよ」

 

ジェミニ「…分かりました」

 

ザッザッザッ…

双葉はみんなから少し距離を取った。

 

双葉「…やるよ。ジェミニ」

 

ジェミニ「ほんとにするんですか?あの人たちは私の契約も無視したんですよ」

 

双葉「あぁ、約束したからな」

 

ジェミニ「…」

 

双葉「光も同じことをするだろうから」

 

ジェミニ「…そうですか」

 

双葉「じゃあ、やるよ」

 

ジェミニ「…はい」

 

ヒュォォォォォォォォ………

 

双葉「十二天星 第三星座 双子座 融核双合」

  

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ………

双葉は力を増幅させた。

 

ジェミニ「…はぁ」

 

双葉「堕落 不滅新化」

  

キィィィィィィィィィィィ……バゴォン!

 

ミーナス「…」

  

双葉は堕落を使い、ジェミニと融合し姿を変えた。

  

ルーフ「あ…あれは…」

 

風和瀬「あれは双葉さんの堕落ですよ」

 

ルーフ「だ、堕落…」

 

風和瀬「はい。名前は不滅の心核 ミーナス」

 

ルーフ「ミーナス…」

 

ミーナス「十二天星 第三星座 双子座 奥義」 

 

ゴゴゴ…ジジジ…

 

ミーナス「理想 未来を紡ぎし泡沫のまほろば」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……

ミーナスの元に光が集まる。やがて集まった光は周囲に散布された。

 

条乃「これがあいつの奥義か」

 

佐野守「綺麗ですよね」

 

矢巾「確かに綺麗ですね」

 

アンヴィ「なに…この光…」

 

イラ「…綺麗だな」

 

オルグイユ「…あぁ、とても」

 

ルーフ「綺麗…」

 

風和瀬「ですね」

 

ルーフ「みんなにも見せたかっ…」

ルーフ「…え?」

 

ルーフはある気配を感じた。ルーフは周囲を見渡す。

 

ルーフ「!!」

 

すると、ルーフが見た先にメギストス、ウリン、レヴィリーがいた。

 

ルーフ「え…みんな…」

 

メギストス「!」

ウリン「!」

レヴィリー「!」

 

メギストスたちもルーフを視認できた。

  

レヴィリー「ル…ルーフ…ルーフ!」

  

ダッ! 

レヴィリーはルーフの元へ走った。 

 

ルーフ「レヴィリーちゃん!あ、あの…離してもらえないでしょうか」

 

風和瀬「いいですよ」

 

スッ… 

風和瀬はルーフを解放した。

 

ダッ!

ルーフはレヴィリーに向かって走った。

 

イラ「おい!あいつを逃がしてどうする!」

 

風和瀬「大丈夫ですよ」

 

イラ「なんだと…」

 

レヴィリー「ルーフ!」

 

ルーフ「レヴィリーちゃん!」

 

ガシッ! 

ルーフとレヴィリーはお互いを抱きしめた。

  

ルーフ「レヴィリーちゃん…」

 

レヴィリー「全く…ほんとあなたって感情に左右されやすいわね」

 

メギストス「ルーフ」

 

ルーフ「メギストス…ウリンちゃんも…」

 

ウリン「やぁ、ルーフ」

 

イラ「あれは…烙印のやつらか…」

 

オルグイユ「ということはあの人は死んだ人を蘇らせたのか」

 

ルフリア「そんな事…できるんですね」

 

アセディ「すごいね…」

 

アンヴィ「!!」

  

アンヴィはある気配を感じた。アンヴィは周囲を見渡す。

 

アンヴィ「!!」

  

アンヴィが見た先には死んだはずのエクス・マキナとアヴァリス・ゴードン、ロスト・グラ・イースがいた。

 

アンヴィ「エクス・マキナ!みんな!」

 

イラ「!!」

オルグイユ「!!」

ルフリア「!!」

アセディ「!!」

 

イラたちはアンヴィの声に反応した。

 

アンヴィ「エクス・マキナ!」 

 

ダッ! 

アンヴィはエクス・マキナたちの元へ走った。

 

イラ「おい…あいつらは…」

 

オルグイユ「あぁ、エクス・マキナとアヴァリス…グラだな」

 

ルフリア「グラちゃーん!」

 

アセディ「アヴァリス…生き返ったのか?」

 

イラ「俺たちも行こうぜ」

 

オルグイユ「あぁ、そうだな」

  

ダッ! 

イラたちもエクス・マキナの元へ走った。

 

風和瀬「双葉さん…今まで死んじゃった人たちを生き返らせている…」

 

風和瀬は双葉を見た。

 

風和瀬「優しいですね…双葉さん」

 

コォォォォォォォォォ…………

 

ミーナス「…」

  

シュッ! 

ミーナスの体から力が消えていった。

 

双葉「…ふぅ、これでいいだろ」

 

ジェミニ「…全く」

 

双葉「ん?」

 

ジェミニ「まさか、あの人も生き返らせるなんて」

 

双葉「まぁ、いいだろ?別に」

 

ジェミニ「まぁ、構いませんが」

 

アンヴィ「エクス・マキナ!」

 

エクス・マキナ「アンヴィ!」 

 

ギュッ! 

エクス・マキナとアンヴィはお互いを抱きしめた。

 

アンヴィ「良かった!良かった!」

 

エクス・マキナ「アンヴィ…」

 

イラ「よぉ、アヴァリス」

 

アヴァリス「…イラ」

 

オルグイユ「なんとも無さそうだな。アヴァリス」

 

アヴァリス「…あぁ」

 

ルフリア「グラちゃん!」

 

ギュッ!

  

グラ「ルフリア?」

 

ルフリア「良かったです!グラちゃんも生き返って!」

 

グラ「え…どうしたのよ」

 

アセディ「やぁグラ。久しぶりだね」

 

グラ「アセディ…」

 

エクス・マキナ「私たちは死んだはずですが…」

 

アンヴィ「あの人が生き返らせたの!」

 

アンヴィは双葉を指さした。 

 

エクス・マキナ「十二天星…」

 

アヴァリス「…」

 

条乃「まさかゴードンのやつまで生き返らせるなんてな」

 

長津「正直驚いてるよ」

 

アリエス「でも主。ゴードンは以前ほどの力はありませんよ」

 

長津「そうなのかい?」

 

アリエス「はい。今なら大丈夫かと」

 

長津「そうか。ならいいかな」

 

ザッザッザッ…

双葉はルーフの元へ歩を進めた。

 

ルーフ「あ、あの…みんなを生き返らせていただいてありがとうございます」

 

双葉「…約束は果たしましたよ。次は、あなたたちの番です」

 

ルーフ「はい!」

 

メギストス「どういう事だ?」

 

ルーフ「みんなを生き返らせる代わりにこの世界を元に戻すよう約束しました」

 

レヴィリー「いいよ!やろう!」

 

ウリン「えぇ、私も」

 

双葉「あと1人、あそこにいるから連れてきて」

 

ルーフ「!!」

 

ルーフが見た先にはこの世界を奪った張本人、ロンギヌスがいた。

 

ルーフ「ロンギヌス…」

 

双葉「大丈夫。彼はもうこの世界を奪うことは無いから」

 

ルーフ「ほんとですか…」

 

双葉「あぁ、ほんとだ」

 

ルーフ「…」

 

ルーフはロンギヌスの元へ歩を進めた。 

 

ルーフ「…ロンギヌス」

 

ロンギヌス「…あぁ、ルーフか」

 

ルーフ「双葉さんに生き返らせていただいた恩…忘れないでください」

 

ロンギヌス「…あぁ」

 

ルーフ「もうこんな事はやめましょうね」

 

ロンギヌス「…あぁ」

 

ルーフ「じゃあこっちに来てください」

 

ロンギヌス「!!」

 

ルーフ「双葉さんと約束しました。みんなを生き返らせる代わりにこの世界を元に戻してって」

 

ロンギヌス「…」

 

ルーフ「ロンギヌスも手伝って。お願い」

 

ロンギヌス「…あぁ、分かった」

 

ルーフ「じゃあ行こ!」

 

グイッグイッ!

ルーフはロンギヌスを引っ張ってきた。

 

ルーフ「双葉さん!私たちに任せてください!」

 

双葉「…あぁ」

 

ルーフ「じゃあみなさん!やりましょう!」

 

メギストス「あぁ、任せろ」

 

ウリン「私も頑張る」

 

レヴィリー「私もやるぞー!」

 

そしてルーフたちは配置についた。

 

ルーフ「じゃあ…いきます…」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ………… 

突然、空気の流れが変わった。

  

ルーフ「喜びの気持ちよ」

メギストス「怒りの力よ」 

ウリン「哀しみの涙よ」 

レヴィリー「楽しみの時よ」 

ロンギヌス「総括せし4つの感情よ」

 

ルーフ「この世界に…恵みを届け給え」

メギストス「この世界に…恵みを届け給え」

ウリン「この世界に…恵みを届け給え」

レヴィリー「この世界に…恵みを届け給え」

ロンギヌス「この世界に…恵みを届け給え」

  

ヒュォォォォォォォォ……キィィィィィィィィィィィン! 

5人の力が1点に集中する。

 

バァァァァァァァァン!

そしてその力は光線となって空高く放たれた。

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