木葉の幻想郷日記   作:バスタオル

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十二天星

俺は夢の中にいた。

辺りは真っ白に包まれていて何も見えなかった。

だが、俺は一度見たことがある。 

この真っ白い世界を見たことがある。 

あの時は誰かもわからない人に「起きて!」と言われた。 

結局その時に起きてしまい誰なのかを聞きそびれた。 

色々考えていると後ろから気配を感じた。 

後ろを振り返ったが誰もいなかった。 

そして、どこからともなく声が聞こえた。

 

???「お願い…私を…ここから出して…お願い」

  

俺はここで目が覚めた。記憶がないはずなのに夢で聞いた声に聞き覚えがあった。俺は起き上がり、周囲を確認した。

   

木葉「ここ…は…」

  

俺以外に誰もいなかった。ただ、別のところから人の声が聞こえた。

   

木葉「あっちから声…」

  

俺は部屋を出てそこへ行くことにした。

  

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…紅魔館の一室

 

木葉 (誰かの声…この部屋かな)

  

ガチャ…

俺は扉を開けた。そこには目を見張る光景があった。ローブを着た背の高い男に霊夢たちを傷つけた女。そしてその仲間たちがレミリアたちと話をしていた。

   

木葉「お前…!」  

 

俺は敵意むき出しで声を発した。

   

長津「やっと起きたのかい。光」

  

木葉「俺をその名で呼ぶな…俺は博麗木葉だ!」 

 

長津「…そうかい」 

 

木葉「お前らまだいたのか…今度は何するつもりだ…これ以上何かしたら許さんぞ」 

 

ググッ…

木葉は手に力を込め始めた。 

 

霊夢「ちょっと待って木葉!この人たちは何もしないわよ!」 

 

木葉「…霊夢」

  

スッ…

木葉は手の力を緩め始めた。

 

霊夢「木葉。とりあえずこの人たちの話を聞いて。お願い」

  

木葉「…分かった」

   

木葉は霊夢の言うことを聞き入れた。

  

長津「ではまず自己紹介から。私は十二天星 第一星座 牡羊座の長津(ながつ) 智志(さとし)。こっちは酸化と還元を操る天宮 アリエス」

  

アリエス「よろしくお願いします」

  

条乃「俺ぁ十二天星 第二星座 牡牛座の条乃(じょうの) 和人(かずと)だ。こいつは大地と振動を操る天宮 タウラスだ」

  

タウラス「よろしく」 

 

双葉「俺は十二天星 第三星座 双子座の双葉(ふたば) 宗司(そうし)。こっちは分離と融合を操る天宮 ジェミニ。ジェミニは二人で一人なんだ」

 

ジェミ「よろしく」

ジェニ「よろしくお願いします」

 

立花「俺は十二天星 第四星座 蟹座の立花(たちばな) (さとる)。こっちは硬化と結界を操る天宮 キャンサー」

 

キャンサー「初めまして」

 

佐野守「私は十二天星 第五星座 獅子座の佐野守(さのもり) 麗奈(れな)と言います。こっちは熱と解放を操る天宮 レオと言います」

 

レオ「レオだ。よろしく」

 

早乙女「私は十二天星 第六星座 乙女座の早乙女(さおとめ) (なぎさ)って言います。こっちは妖艶と剛力を操る天宮 ヴァルゴです」

 

ヴァルゴ「よろしくね」

 

三室「俺は十二天星 第八星座 蠍座の三室(みむろ) 晃大(こうだい)だ。こいつは毒と洗脳を操る天宮 スコーピオ」

 

スコーピオ「…」

 

矢巾「僕は十二天星 第九星座 射手座の矢巾(やはば) 光輝(こうき)です。こっちは千里眼と妨害を操る天宮 サジタリウス」

 

サジタリウス「よろしくお願いします」

 

風和瀬「私は十二天星 第十星座 山羊座の風和瀬(ふわせ) 麻莉(まり)って言います。こっちは重力と精神を操る天宮 カプリコーンです」

 

カプリコーン「よろしくね」

 

本庄「私は十二天星 第十一星座 水瓶座の本庄(ほんじょう) 姫乃(ひめの)です。こちらは水と治癒を操る天宮 アクエリアスさんです」

 

アクエリアス「…」

 

倉本「私は十二天星 第十二星座 魚座の倉本(くらもと) 結衣(ゆい)です。こっちは速度と適応を操る天宮 ピスケスです」

 

ピスケス「…よろしく」

 

長津「以上が我々十二天星です」

 

レミリア「私はレミリア・スカーレット。ここ紅魔館の主にして誇り高き吸血鬼よ」

 

霊夢「私は博麗霊夢。ここ幻想郷にある博麗神社の巫女よ」

 

妖夢「私は魂魄妖夢です。白玉楼で庭師をしている半人半霊です」

 

うどんげ「私は鈴仙・優曇華院・イナバと言います。普段は薬を売ったりしています」

 

早苗「私は東風谷早苗と言います。妖怪の山にある守矢神社の現人神です」

 

長津「さ、これでお互い自己紹介が終わったってことでそろそろ本題に入りましょう」

 

レミリア「そうね」

 

長津「まず、私たちが光を連れ戻そうとしているのは、世界の均衡が崩れているからです」

 

霊夢「光って誰のこと。木葉のこと?」

 

長津「はい。その通りです。彼は元々天野あまの 光こうと言う名前でした。彼は私たちと同じ十二天星の第七星座 天秤座の力を使う人間でした。彼は天秤座の能力で世界の均衡を保つ役割を担っていました。ですがある時、パッとその存在が消えました。その影響でこちらの世界の均衡が崩れ、現実世界に"ドレイン"と呼ばれる人の命を吸い取る魔物が現れるようになりました」

 

霊夢「そのドレインってのは真っ黒いドロドロしたやつの事かしら?」

 

長津「そうです。そのドロドロしたのがドレインです。ドレインは最初はとても弱いです。ですがドレインは他者の命を吸い取る事で成長します。ドレインが他者の命を吸い取ることができるのは、一個体につき一人だけ。そして、ドレインは吸い取った人の容姿に姿が変わります」

 

レミリア「吸い取られた人はどうなるの?」

 

長津「朽ち果てます」

 

レミリア「!?」

 

長津「ドレインは"他者の命を吸い取る魔物"です。それゆえに吸われた人はみな朽ち果てます。ですが、本当に朽ち果てるのはドレイン自体が死んだ時です。ドレインがドロドロの液状の場合ドレインが死んでもなんら問題はありませんが、人の形をしたドレインはまた別です。人の形をしたドレインは他者の命を吸い取ったドレインです。そして、吸われた人は意識は残ったままドレインとして生き続け、ドレインが死ねば共に滅びます」

 

霊夢「つまりは、吸われた人とドレインは命を共有しているってこと?」

 

長津「そうです。私たちは現実世界の人たちがドレインによって命を吸い取られるのを防ぐためにドレインを退治しています。でもドレイン退治の大半は光が行っているんです」

 

レミリア「どうゆう事?」

 

長津「光は世界の均衡を保つ役割を担っています。それゆえに他者の命を吸い取るドレインは世界の均衡を崩しかねないのです。光は均衡を保ちつつドレインを退治しています。そうなると時々ドレインを見落としてしまうことがあるんです。その見落としたドレインを退治するのが他の十二天星の…私たちの役目なんです」

 

レミリア「なるほどね」

 

霊夢「ひとつ疑問があるのだけど」

 

長津「何でしょう」

 

霊夢「他者の命を吸うドレインはレミリアのような吸血鬼や永遠の命を持つ人間を吸った場合どうなるのかしら?」

 

長津「ドレインの強さは吸われた人の残りの命と比例しています。残りの命が長ければ長いほどドレインは強くなります」

 

霊夢「なら不老不死の人ならどうかしら?老いることも死ぬこともない人間がいた場合ドレインは吸い続けるのかしら?」

 

長津「ドレインにも一応吸う限界はあります。どれくらいなのかは分かりませんがドレインが吸うのを止めた時、それは成長しきったことを表します。成長しきったドレインはその人を取り込むことで永遠に力を補充しています。そうなればいくらダメージを与えたとしてもすぐに回復、再生し、無傷となります」

 

霊夢「なるほどね…」

 

妖夢「すいません。ひとついいですか?」

 

長津「はい。何でしょう」

 

妖夢「こんなことを聞くのは失礼だと承知ですが、皆さんは一体おいくつなのですか?」

 

長津「私たちは大体10代20代ですよ」

 

妖夢「ですよね」

 

霊夢「どういう事妖夢」

 

妖夢「霊夢さん考えてみてください。なぜ10代20代の方たちが不老不死の人が吸われた時のことを話せるのですか?おかしくありません?」

 

霊夢「…?」

 

妖夢「この幻想郷で言う永遠亭の輝夜さんが吸われたことを10代20代の人が言っているようなものですよ?」

 

霊夢「えっと…つまり…?」

 

レミリア「つまりは大昔に生きていた人の死をなぜ10代20代の人が確信を持って話せるのかそこが疑問なのよね?」

 

妖夢「そう言うことです」

 

長津「それは…私たち十二人がそれを目の当たりにしたからです」

 

妖夢「現代にも不老不死の方がいるんですか?」

 

長津「はい。"いました"。ほんの二年前に」

 

妖夢「二年前にはいたということは今は…」

 

長津「はい。その人はもう人として生きてはいません。今もどうしているのか分かりません」

 

妖夢「それは一体…誰なんですか…?」

 

長津はその問いに答える前に木葉に一度目をやり、そして答えた。

  

長津「天野(あまの) 沙耶(さや)様。光の…木葉の…お母さんです」

 

霊夢「…え?」

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