俺は考えていた。やつの言う天野沙耶が俺の母親だとしたらそいつはどこにいる。なぜ俺はそいつのことを知らない。手がかりがない。あるのは夢の中で聞こえた言葉。あまりにも情報が少なすぎる。あいつに聞くべきなんだろうけど気が進まない。どうするべきか。そう考えていると誰か来た。
フラン「どうしたの木葉」
木葉「フラン…」
フラン「なんか暗いね」
木葉「いや、ちょっと考え事してたんだ」
フラン「ふーんどんなこと?」
木葉「俺の母親について」
フラン「お母さんのこと?」
木葉「あぁ。でも分からないんだ。俺の母親がどんなやつか今どこで何をしているのかも分からない」
フラン「ふーん。とりあえず分からないなら考えるのをやめてみたら?少し頭を休ませてあげようよ」
木葉「…それもそうだな」
フラン「あ、そうだ咲夜がご飯できたって言ってたよ。木葉も食べよ?」
木葉「あぁ、そうしよう」
スタスタスタスタ
俺とフランはみんながいる所に行った。でも少し違った。いつもの雰囲気はなく、空気も重かった。その後の夕食はいつもより大勢いたけどなぜか居心地が悪かった。
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場所…紅魔館 ベランダ
食事後、俺は紅魔館のベランダにいた。夜風が気持ちよかった。少しの間、風に当たってると後ろから誰かが来た。
霊夢「木葉?」
霊夢だった。霊夢はいつもの元気な感じではなく少し悲しそうな寂しそうな顔をしていた。
木葉「霊夢。どうしたのその顔」
ビクッ!
霊夢は驚いたのか体をビクッとさせた。
木葉「夕食の時からずっとその顔だったな。霊夢だけじゃなくみんな同じ顔だった。なんかあった?」
霊夢「…」
霊夢は少しの間黙っていたが口を開いた。
霊夢「ねぇ…木葉」
木葉「ん?」
霊夢「木葉は…私から離れたりしないよね…」
木葉「え、どうゆうこと?」
霊夢「私のこと忘れたりしないよね…」
木葉「どうしたの霊夢。らしくないよ?」
霊夢「答えて」
霊夢は真剣な顔をして言葉を放った。俺は少し怖く見えた。
木葉「…そりゃ離れたり忘れたりしないよ。俺をいさせてくれたんだから」
霊夢「ほんと?嘘じゃない?」
木葉「うん。嘘じゃない。忘れないから。大丈夫」
霊夢「じゃあ…約束。私から離れないで。私を忘れないで」
スッ…
すると霊夢は小指を出してきた。
木葉「うん…いいよ…約束」
俺は小指を出して霊夢と約束した。
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ー翌日ー
早苗「霊夢さん霊夢さん!ちょっといいですか?」
霊夢「何?」
早苗「ひとつ聞きたいことがありまして…」
そうして早苗は霊夢の耳で小さく囁いた。
早苗「霊夢さん。昨日木葉さんと何話してたんですか?指切りまでしちゃって〜」
霊夢は一瞬ドキッとしたが、すぐに顔を切り替えた。
霊夢「別に。何もしてないわよ」
早苗「またまた〜愛の契りでも交わしてたんでしょ〜妖夢さんと鈴仙さんと三人で見てたんですからね」
霊夢「そんなことしてないわよ!」
早苗「ふふーん隠さなくてもいいんですよ?もっと正直になって…」
ゴキッ!
鈍い音が響いたあと早苗は倒れてしまった。
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その頃十二天星たちは…
長津「どうだい光輝。ライブラは見つかったかい?」
矢巾「いえ、見つかりません」
長津「そっか」
矢巾「こういうのは僕たちじゃなくサジタリウスたちでやったほうがいいんじゃ…」
長津「いや、それもあるけど今は星座を離す訳にはいかないかな。いつドレインが来るかわからないからね」
早乙女「長津さん。本当に光をここに置くんですか?」
長津「そうですね。それが私に出来る償いだからね」
早乙女「そうですか…」
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ー倉本サイドー
倉本「フランちゃん!これあげる!」
フラン「花冠!綺麗!良いの?」
倉本「うん!いいよ」
フラン「ありがとう!」
フサッ
倉本はフランに花冠を被せた。
フラン「ど、どうかな?」
倉本「うん!やっぱり思ってた通りの可愛さ!」
フラン「えへへありがと…」
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ー条乃&本庄サイドー
本庄「結衣ちゃん器用ですね。私はあんなの作れませんよ」
条乃「ちなみに俺はあれくらいなら作れるぜ!」
本庄「もう!条乃さんそれは嫌味ですか!」
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ー風和瀬&双葉サイドー
風和瀬「双葉さん。光さんのこと。どう思います?」
双葉「どうって?」
風和瀬「光さんはこっちの世界で暮らした方が幸せなのでしょうか」
双葉「分からん。だが、俺があいつの立場なら俺はここに残るだろう」
風和瀬「そう…ですか」
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ー立花&早乙女サイドー
立花「早乙女。どうした暗い顔して」
早乙女「立花さん…」
立花「悩みなら乗るぞ。なんでも話してくれ」
早乙女「私は…今の私の気持ちが分かりません。長津さんは光をこの世界にいさせると言いました。光の立場からするとそっちの方がいいと思うんです。ですが、そうなると私はどうなるんでしょう。今まで光と一緒に戦ってきたパートナーなのにこんな事で光を手放さなければならないのは嫌です。私は光には幸せになって欲しいです。でも、私は…できるならこれから先も現実世界で光と一緒に戦いたいです」
立花「それは俺も思う」
早乙女「光は昔連れ去られそうになっていた私を助けてくれました。私はその背中に憧れを抱きました。その時私はこれから先、光に何かあった時は自分が光を助けようと思いました。光に救われた日から私はたくさん努力をしました。光を守れるくらいに強くなろうと頑張りました。そして私は十二天星になりました。ですがどうでしょう。光は記憶と能力を無くし、私たちのことは覚えていませんでした。何かあった時は助けようと思っていましたが、何もできませんでした」
立花「…」
早乙女「私は光の幸せを願っています。ですが、それと同時に光の隣に立っていたいと、肩を並べたいと思っています。私が憧れた光は木葉なんかじゃありません。いくら優しさがなくても十二天星 第七星座 天秤座として生きている光が私の憧れた光なんです…立花さん。私は光の幸せか、十二天星としての光。どちらを取るべきなのでしょうか」
立花「…その答えは…光自身が出すと思うよ」
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ー佐野守&三室サイドー
佐野守「三室さん。皆さんはどういう答えを求めているんでしょうか。光の幸せを願う反面、十二天星として戻ってきて欲しいと思っていると思います。私は…どちらを選ぶべきか分かりません」
三室「少なくともそれを選ぶのは光だ。あいつがどう決断するかは分からないが俺はあいつにとって悔いのない決断をして欲しいと思う。光は今までそれができなかったからな」
佐野守「そうですか…」
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ー倉本サイドー
倉本「あれ?フランちゃーん!どこにいるのー?フランちゃーん!」
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ー条乃&本庄サイドー
条乃「おい。あいつあの娘を見失ってるぞ」
本庄「まぁ、結衣ちゃんは器用だけど周りが見えていないから…」
条乃「全く何やってんだよ…」
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ーフランサイドー
スタスタスタスタ
フランは庭を歩いていた。倉本に作ってもらった花冠を被って。そこで魔理沙が顔を出した。
魔理沙「…」
フラン「あ!魔理沙!数日ぶり!どうしたの?霊夢や木葉は来てるのになんで魔理沙は来なかったの?」
魔理沙「…」
魔理沙は返事をしなかった。
魔理沙「…」
カチッ…
それどころか紅魔館に向かってマスパを撃った。