ー翌日ー
条乃「っあぁ〜…」
条乃が起きた。
条乃「んぁ…起きた…」
長津「やぁ和人。おはよう」
条乃「智志…」
長津「みんなまだ寝てるから静かにね」
条乃「…あぁ」
すると条乃はまた眠ってしまった。
長津「…」
長津は外を見ていた。
長津 (雪さん…一緒に来れたら良かったのに…)
長津は篠崎 雪の事を考えていた。
長津 (いや、またいつか僕が連れてくれば…)
本庄「長津さん」
長津「!」
長津が声のした方を見ると、そこに本庄がいた。
本庄「考え事ですか?」
長津「やぁ本庄。おはよう」
本庄「おはようございます」
スタスタスタ…スッ…
本庄は長津の前の椅子に座った。
本庄「それで、何か考え事ですか?」
長津「うーん…まぁ、ひとつ」
本庄「どのような考え事ですか?」
長津「…雪さんのことだよ」
本庄「雪さん…ですか」
長津「えぇ」
本庄「それは何故です?」
長津「…最近会えてないから久しぶりに会いたくなりました」
本庄「!」
長津「やっぱり好いた人を想うと寂しく感じますね」
本庄「ふふっ…」
長津「?」
本庄「長津さんもそういう事言うんですね」
長津「そういう事?」
本庄「なんでもありませんよ。そうですかぁ長津さんは寂しいんですか」
長津「えぇ…まぁ…」
本庄「この温泉旅行が終わったら会いに行ってみてはどうでしょうか?」
長津「うーん…」
本庄「丁度甘いものをお土産として持って行ってみては?」
長津「そうですね。そうしましょうか」
本庄「喜びますよ。雪さん」
長津「そうだといいですね」
三室「がぁー…がっ…」
変な声が聞こえたと思ったら三室が起きてきた。
三室「がっ…んぐぁ…」
長津「す、すごいな晃大は…」
本庄「で、ですね…」
三室「んー…」
三室は目を擦りながら立ち上がった。
スタスタスタ
そのまま長津たちのいる方へ歩いてきた。
三室「日…日…」
三室は目を擦りながら日の当たるところに来た。
三室「んー!」
三室は背を伸ばした。
その時、背中からポキポキと音が鳴った。
三室「っんはぁ…あーやっと目が覚め…ん?」
三室は長津と本庄に気づいた。
三室「2人とももう起きてたのか?」
長津「あぁ」
本庄「はい」
三室「やるなぁ…」
長津「でも晃大よりも和人の方が早かったよ?」
三室「何!?」
長津「ちょっと起きてすぐ寝ちゃったけどね。ほら、あそこに」
長津が指さすとそこには二度寝している条乃がいた。
三室「な…くっそ…あいつより遅かったのか…」
長津「まぁまぁ」
本庄「おはようございます三室さん」
三室「んぁ…おう」
すると、みんな順番に起きてきた。
立花「んー…」
立花は背を伸ばす。
長津「おはよう悟」
立花「ん…おはよ…」
倉本「ふぁ〜…」
本庄「結衣ちゃんも。おはようございます」
倉本「う〜ん…」
佐野守「ん…」
風和瀬「ん…」
双葉「んぁ…ふぁ〜」
早乙女「ん〜…」
長津「みんな起きてきたみたいだね」
本庄「ですね」
三室「ったく。和人のやつ。さっさと起きろよ」
長津「まぁまぁ。この中では結構早めに起きたんだから」
三室「それが許せねぇ…俺の方が早かったと証明してやる」
本庄「血気盛んですね全く…」
スーッ…
すると、部屋の襖が開いた。
銀神「おや、あなた方も起きたんですね」
長津「おはようございます」
銀神「おはようございます」
長津「まさかあなたが一番早かったんですか?」
銀神「一番かどうかは分かりませんが、誰も起きてなかったので外に行ってましたよ」
長津「じゃああなたが一番ですね」
銀神「…そうですか」
銀神は他の六門九門たちを見た。
銀神「私たちは全滅みたいですね」
長津「あはは…確かに誰も起きてませんね」
銀神「まぁ、無理もないでしょう。みんなこういう行事には参加しなかったので疲れたのでしょう」
長津「そうですか」
風神「ん〜…雷神…」
本庄「仲間思いですね」
銀神「ですね」
アクア「…」
ギュッ…
アクアは風神を抱き寄せた。
銀神「…確かに…これは仲間思いですね…」
刹那「…」
刹那が目を覚ました。
刹那「…」
刹那は辺りを見渡す。
すると、左側に雷神、右側にオスカーがくっついていた。
刹那「…暑い…」
銀神「お、刹那が起きたようですね」
本庄「せ、刹那さん…」
長津「2人にくっつかれて暑そうですね」
銀神「はぁ…全く…モテすぎるのも困ったものですね」
銀神は刹那のところに行った。
銀神「やぁ刹那。おはよう」
刹那「銀神か。これどうにかしてくれ」
銀神「ん〜難しいな」
刹那「何?」
銀神「動かすと起きちゃうよ。寝かせてあげて」
刹那「はぁ…勘弁してくれよ…」
銀神「あはは…」
炎天「…っ」
炎天は起きたと同時に飛び上がった。
長津「!」
本庄「!」
炎天「はぁ…あ〜よく寝た」
炎天は天井に張り付いたままそう言った。
銀神「すみません2人とも。炎天は少し特殊な起き方でして…」
長津「と、特殊…」
本庄「確かに…初めて見た起き方です…」
炎天「ん?よぅ銀神」
銀神「よぅじゃないよ。朝起きたらおはようでしょ」
炎天「わりぃわりぃ」
銀神「全く…」
炎天「なんだ?他の連中は起きてないのか?」
銀神「もう少しで起きると思うよ」
炎天「ふぅーん」
銀神「起こしちゃダメだよ。炎天」
炎天「分かってるって」
そう言って炎天は手を前に出した。
炎天「…やっぱ起こすわ」
銀神「え、ちょまっ…」
パチッ…ドォォォォン!
十二天星「!?」
六門九門「!!」
炎天は指を鳴らして爆発音を出した。
すると、大部屋にいる全員がその音に反応して起きた。
双葉「な、なんだなんだ!?」
早乙女「う…うるさかったぁ…」
佐野守「え…え…」
風和瀬「いきなりびっくりしましたよぉ…」
風神「いたた…耳が痛い…」
アクア「大丈夫!?風神!」
風神「うん…でも…耳が痛い…」
シヴァ「…?」
ルグレ「炎天てめぇ…」
キル「はぁ…寝起きが悪い…」
雷神「刹那…」
刹那「ん?」
雷神「耳が痛い…」
刹那「こっちに来な」
雷神「うん…」
刹那は雷神の耳に手を当てて痛みを取った。
刹那「どうだ」
雷神「うん…治った…」
オスカー「びっくりしたぁ…あなたたちっていつもこんな感じに起きてるのね…」
刹那「いや、俺たちも初めてだ」
オスカー「あら…そうなの…」
刹那「おい炎天。人のこと考えろよ。雷神が耳を痛がってたぞ」
風神「アクア…」
アクア「大丈夫よ大丈夫。炎天。あなた殺されたいのかしら?私の風神が嫌がってるじゃない」
炎天「ん?みんな寝てたから起こしただけだぜ?」
刹那「仮にそうしたかったとして、やり方に問題があるだろ」
炎天「これくらいしねぇと起きないだろお前ら」
刹那「起きるわ。とにかくやめろ。ほら、主のお仲間の方も驚いてるだろ」
炎天「あ、すまんな」
アクア「反省の色が見えないわね?炎天」
炎天「ん?ん!?」
炎天がアクアの方を見た時、アクアは酷く怒っていて身体の周囲に水を展開していた。
炎天「いやちょっと待てよアクア…ちょっとしたイタズラだろ?」
アクア「イタズラにも…限度があるでしょーが!」
ザバァーン!
アクアは纏った水を炎天に向けて放った。
炎天「ちょ待てって!水はガチでやば…」
ザバァーン!
炎天は水に押し流されて外に放り出された。
炎天「ちょぉぉぉぉぉぉ!」
アクア「はぁ…全く」
刹那「よくやったアクア」
アクア「えぇ」
刹那「全く…炎天のやつは…」
アクア「風神大丈夫?」
風神「まだ耳がキンキンする…」
刹那「待ってろ。俺が治す」
スッ…スタスタスタ
刹那は風神のところに行った。
刹那「じっとしてろ」
刹那は風神の耳に手を当てた。
刹那「…どうだ」
風神「あ、すごい。痛みがない」
刹那「そうか。それはよかった」
銀神「みなさんすみません。うちの者がご迷惑を…」
双葉「まぁ確かにビビったが、それでも起きられたからいいわ」
銀神「そうですか…」
スーッ
みんなが話していると別室で寝ていた光たちが入ってきた。
光「お、みんな起きてるのか」
霊夢「早いわね」
長津「やぁ光。おはよう」
光「あぁ。おはよう」
光「ん?どうしたみんな」
双葉「いやぁ…あはは…」
光「?」
トガミヒメ「おや、主。お目覚めになられたのですね」
光の横からトガミヒメが浮遊しながら近づいた。
光「やぁトガミヒメ。おはよう」
トガミヒメ「はい。おはようございます」
刹那「主」
光「どしたの?」
刹那「炎天のことなんだが…」
光「炎天?」
光は辺りを見渡した。
すると、炎天の姿がなかった。
光「そういえばいないね。どこ行ったの?」
刹那「外だ」
光「ふーん。外か」
刹那「アクアが外に放り出した」
光「え!?放り出した!?」
刹那「あぁ。実は…」
刹那は事の経緯を話した。
光「な、なるほど…」
刹那「だからアクアが水を使って放り出した」
光「わ、分かった…ごめんなみんな。炎天がやっちゃったみたいで…」
双葉「いやいいよ。おかげで目が覚めたし」
早乙女「確かにそれは言えるね」
光「そうか…」
アクア「光。今後炎天にはこういう事をしないよう言っておいて」
光「あぁ。分かったよ。風神と雷神は耳は大丈夫か?」
風神「うん。大丈夫だよ」
雷神「刹那が治してくれた!」
光「そっか。刹那、ありがとう」
刹那「…あぁ」
光「じゃあ俺は炎天のところに行くから朝ごはん来たら先に食べてて」
長津「分かったよ」
その後光は炎天が落ちたところに向かったのだった。
場所…旅館裏側の川
光「アクアに聞いて来てみたけどすごい所まで飛ばしたなぁ…」
光がちょっと先に進むと白い煙が上がっているのが見えた。
光「げっ…嫌な予感…」
光は嫌な予感を感じながらそこへ行くと、炎天が顔から川に突き刺さっていた。
光「あぁ…やっぱり…」
炎天は火を司る六門九門のため、水が身体につくと火傷に似た状態になる。
それが進行すると、身体から煙が出てくるようになる。
光は炎天を川から引っ張り出して火を与えた。
炎天「っはぁ!」
炎天は火を補給し、元に戻った。
光「やぁ炎天」
炎天「ん?光か」
光「もうあんなことしちゃダメだぞ」
炎天「なんだ、聞いたのか?」
光「まぁね」
炎天「はぁ…分かったよ…もうやらねぇよ」
光「それでよし。さ、行くぞ」
炎天「飯か?」
光「もうすぐその時間になるよ」
炎天「おう!」
光と炎天は大部屋に戻った。
場所…大部屋
スーッ
襖が開いた。
長津「やぁ光。丁度朝ごはんが届いたよ」
光「おう。分かった」
光と炎天はそれぞれ自分の席に座った。
光「いただきます」
炎天「いただきます」
そして、全員揃って食事を始めた。
長津「あ、そうだ。泊まるのは今日が最後だよ。みんな温泉とか近くのお店とかに行ってみるといいよ」
条乃「っしゃあ!晃大!今日もスイーツだ!」
三室「当たり前だろ?」
早乙女「相変わらずだね」
長津「明日の朝にここを出るからね」
双葉「朝ごはんはどうなるんですか?」
長津「これが最後だよ。明日の早朝にここを出るよ」
双葉「じゃあこれが最後の朝食って訳だ」
魔理沙「案外早かったな」
霊夢「そうね」
魔理沙「またこういうのにも参加したいものだ」
霊夢「あんたはもういいでしょ」
魔理沙「何をー!?」
妖夢「あはは…魔理沙さんたちは元気ですね…」
うどんげ「だね」
さとり「矢巾さん。これどうですか?」
矢巾「あ、頂きます」
さとり「じゃあお口を開けてください」
矢巾「あ、あー…」
パクッ!
矢巾「ん…美味しいです」
さとり「それはよかったです」
矢巾「あ、じゃあさとりさんも」
さとり「え?私もですか?」
矢巾「はい。口を開けてください」
さとり「は、はい…あー…」
パクッ…
さとり「ん、美味しいですね」
矢巾「よかったです」
その後、食事を終えた一行はそれぞれ自由な時間を過ごしたのだった。
ある者はスイーツを求め
ある者は静かな場所を求め
ある者はお酒を見に行き
ある者は旅の記念を残すことにした。
それぞれ自由な時間を過ごした一行はその日を楽しめたようだった。
そしてその夜…
条乃「晃大!今日は生クリームだ!」
三室「何を言ってる!今日はカスタードだろ!」
条乃「いいや!生クリームの方が優しい食感だ!」
三室「カスタードの方が味がしっかりしてるぞ!」
条乃「なにをー!」
三室「なにをー!」
本庄「お二人は相変わらず甘いものが好きなんですね」
長津「まぁ、甘いものは美味しいからね。僕もその気持ち分かるよ」
本庄「あの2人のようにはならないでくださいね」
長津「大丈夫だよ」
条乃「お前生クリームの美味しさを忘れたのか!ショートケーキを食べてこいよ!」
三室「お前こそ!カスタードの美味しさを忘れたのか!プリン好きなら忘れねぇだろ!」
条乃「なにをー!」
三室「やんのかこらぁ!」
倉本「あの二人っていつも喧嘩してますよね」
長津「でも好きなもので言い合うのは楽しいものですよ」
倉本「長津さんもあるんですか?喧嘩した経験」
長津「ありますよ。お互いに好きなものを主張して決着がつかなかったら双方の好きなものを食べる。そうすれば相手が言ってたことがある程度理解出来る。それがある事でお互いの絆が深まるもんですよ」
倉本「あれ…深まりますかね…」
長津「あの二人に関しては…分からないね…」
条乃「生クリィィィィィィィィム!」
三室「カスタァァァァァァァァド!」
条乃「生クリィィィィィィィィム!」
三室「カスタァァァァァァァァド!」
条乃「生クリィィィィィィィィム!」
三室「カスタァァァァァァァァド!」
条乃「生クリィィィィィィィィム!」
三室「カスタァァァァァァァァド!」
本庄「はぁ…全く…」
長津「あはは…賑やかでいいね…」
その後、生クリームカスタード論争は双方の味を楽しみ、引き分けとなった。
〜物語メモ〜
朝の出来事
炎天が爆発音で起こした時、それに反応したのは同じ部屋にいた人たちだけ。
別室で寝ていた光たちはその音すら聞いておらず、いつも通りの朝を迎えた。
そのため、朝からげっそりしている十二天星や六門九門たちを見て、最初は何が起こったのか分からなかった。
あとで事情を聞いて、その時別室で寝ていて良かったなと思ったのだった。