木葉の幻想郷日記   作:バスタオル

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十二天星の力

キィン!ドゴォン!

魔理沙のマスパは紅魔館に命中し、轟音と共に紅魔館の一部が崩れた。

 

フラン「え、ねぇ魔理沙!何やってるの!」

 

魔理沙「…」

 

フラン「あそこには皆が…」

 

ガシッ!

魔理沙は何も言わずにフランの首を掴み持ち上げた。

 

フラン「がっ…あっ…」

 

タッタッタッタッタッ!

そうしてるとみんなが次々と庭に出てきた。

 

霊夢「魔理沙!何やってるのよ!最近見ないと思ったら!」

 

魔理沙「…」

 

霊夢「いい加減にしなさい!」

 

霊夢は魔理沙に向かって飛ぼうとしたが止められた。

  

霊夢「何するのよ!」

 

長津「待ってください。あの人の目」

 

魔理沙の目は赤くなっていた。

 

長津「赤くなっています」

 

霊夢「それが何よ!」

 

長津「…ドレインに取り込まれた人と同じ症状です」

 

霊夢「え…」

 

長津「昨日の話忘れた訳ではありませんよね。ドレインに取り込まれた人はドレインとして生き、ドレインが死ねば共に滅びる」

 

霊夢「そんな…」

 

長津「無闇に手を出して殺してしまったら、あの人も死んでしまいますよ」

 

霊夢「じゃあ…助かる方法は…」

 

長津「あるにはありますが、それをしていたのは光です」

 

霊夢「!!」 

 

長津「ですが光は記憶がありません。故にあの人を救う手立てがありません」

 

霊夢「そ…んな…」

 

タッタッタッタッタッ!

すると倉本が遅れて登場した。 

 

倉本「フランちゃん!」

 

フラン「結…衣…ちゃん…」

 

倉本「フランちゃんを離してください!ピスケス!力を貸して!」

 

ピスケス「いいわよ。存分に使いなさい」

 

倉本「(ゆう)穿(せん)喰破(ぐは)!」

 

長津「!?」

 

気づいた時には倉本は発動していた。

  

長津「待って倉本!その力は!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ… 

倉本の姿は大きく変貌していた。

  

長津「あの子…」

 

霊夢「何あれ…魚?それにあの目…」

 

倉本は全身が魚のような鱗に包まれ、体は水色になっていた。おまけにおしりの部分には尻尾のような魚の尾が着いていた。 

 

長津「そうです。私たち十二天星は星座の力を取り込むことで能力が覚醒し、人ならざる力と姿を得ることが出来ます。その証拠に右目には数字。左目には星座の紋章が刻まれます。元々の倉本の能力は速度と適応。その覚醒した能力は神速と全適応。今の倉本は十二天星の中で最も速いです。そして、どんな環境でもすぐに順応することができます」

 

霊夢「そんなことが…」

 

長津「そして今の倉本は倉本ではありません。あの子は…天聖(てんせい)鏡鱗(きょうりん) アレンです」

 

アレン「スゥー」

 

ビュン!

アレンは息を大きく吸い、魔理沙に向かって飛んだ。

 

ガシッ!

アレンは魔理沙の横を通るついでにフランを取り戻した。

 

フラン「!!」 

 

霊夢「なにあの速さ…なにも見えなかった」

 

長津「あれがピスケスの神速という能力です。十二天星のメンバーでも時々目で追えない時があります」

 

アレン「フランちゃん。大丈夫?」

 

フラン「ケホッケホッ。結衣ちゃん…ありがとう…え、どうしたの?その姿」

 

アレン「この姿は気にしないで。あとで姫乃ちゃんに喉元見てもらお?」

 

フラン「うん…」

 

長津「あの女の子は救いましたが、まだ一人救えてません。どうするか」

 

タッタッタッタッタッ!

そうしてると木葉が来た。

 

木葉「魔理沙!何してるの!」

 

長津「光!」

 

木葉「最近全然見ないから心配してたんだよ!?やっと会えたかと思ったらこれはどうゆうこと!」

 

魔理沙「…」

 

長津「光。あの人はドレインだ。何を言っても返事はない」

 

木葉「ドレインってなに。そんなの知らない。魔理沙は魔理沙だ。ドレインなんかじゃない」

 

霊夢「待って木葉!今の魔理沙を倒すと本当の魔理沙も死んじゃう!」

 

木葉「え…それはどういう…」

 

キィン!ドゴォン!

そうこうしていると魔理沙がマスタースパークを撃った。

 

霊夢「木葉!危ない!」

 

ドゴォォォォン!

魔理沙のマスタースパークは木葉に命中した。

 

はずだった。 

 

木葉「あれ?痛くない」

 

長津「全く…世話のかかる…」

 

長津の姿は大きく変貌していた。頭には羊の角が生えており、全身が白く、目の黒目の部分が黄色になっていた。

 

条乃「久しぶりに見たな。あの人の堕落」

 

本庄「そうですね。久しぶりです」

 

霊夢「堕落ってなに?」

 

条乃「さっきあの人が説明してただろ?人ならざる力と姿を得ることが出来るって。さっきの倉本と同じだよ。んであの人の堕落は知識の奏 フォレスってんだ」

 

霊夢「堕落…」

 

フォレス「あの人は魔法使いなんだと思う。なら、私が適任ですね」

 

条乃「まぁそうだな」

 

フォレス「なら、傷つけずに相手の手を奪いましょうか」

 

霊夢「手を奪う!?手を切るってこと!?」

 

条乃「そうゆう訳じゃねぇよ。手を奪うってのは攻撃手段を奪うってこと」

 

霊夢「そ、そうなのね」

 

フォレス「アリエス。力を使うよ」

 

アリエス「あぁ、分かった」

 

フォレス「アンチマジック!」

 

パキパキパキ!

フォレスが唱えた途端、紅魔館全体を水色の結界が覆った。

 

霊夢「何これ。水色の結界…」

 

条乃「これがあの人の能力。アンチマジック。この結界の範囲内では魔法は使えなくなる。今のこの状況ではうってつけだな」

 

すると魔理沙はフォレスに殴りかかった。

 

ガシッ!

だが、木葉がそれを止めた。

 

木葉「魔理沙!何してるの!」

 

フォレス「!!」

 

魔理沙「…」

 

木葉「全く…こうなったら」

 

霊夢「木葉ダメ!魔理沙を倒しちゃ!」

 

キィン!バゴォン!

木葉は弾幕を纏わせ魔理沙を殴った。

 

木葉「!?」

 

魔理沙に結界が施されていた。

 

木葉「な!?」

 

バッ!ドゴォン!

魔理沙は木葉の手を払いのけ、木葉を殴った。

 

木葉「ぐっ…」

 

ヒュゥゥゥゥゥ…ドゴォン!

木葉はそのまま飛ばされ紅魔館の壁に激突した。

 

木葉「ぐぁ…」

 

ドサッ!

木葉は戻ろうとしたが意識が飛んでその場に倒れ込んでしまった。

 

霊夢「木葉!」

 

霊夢の声は聞こえるが木葉は声が出なかった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…???

 

俺は夢の中にいた。またあの真っ白い空間だ。また来たのかと思いつつその場に立っていると。

 

???「やっと会えたね。光」

 

木葉「君は誰?俺はここに二度来たことがある。その二回とも声が聞こえた。だがそれは同じ声じゃなかった。君はどっちの声?」

 

???「二回目の方だよ」

 

木葉「そうか。で、君は誰?」

 

???「光。私を忘れたの?」

 

木葉「生憎、俺は光じゃない。俺は木葉。博麗木葉だ」

 

???「そう…何でもいいわ。あなたあの白黒の子を助けたいんだよね?」

 

木葉「…」

 

???「でもあの子は普通なら助からない。ドレインに取り込まれた人はドレインとして生き、ドレインが滅べば共に滅びる」

 

木葉「助ける方法は無いのか」

 

???「あるにはある。私の力を使えばいい」

 

木葉「本当だな。本当に君の力を使えば魔理沙を元に戻せるんだな?」

 

???「嘘じゃない。現に私はあなたとそれをずっとしてきたからね。二年前より前まではね」

 

木葉「二年前だと?俺がここに来たのは数日前だ。何言ってるんだ」

 

???「なるほどねそうゆうこと…とりあえずどうする?助ける?助けない?」

 

木葉「そんなの…助けるに決まってんだろ?」

 

???「だよね。あなたはいつもそうだった。あの時と同じ」

 

木葉「何言ってるか分からんが早くしてくれ」

 

???「分かったわ」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

すると木葉は目を覚まして起き上がった。

 

霊夢「木葉…?」

 

タッタッタッタッタッ!

そして木葉は外に出た。

 

霊夢「木葉!」

 

ピピピッ!ピピピッ!ピピピッ!

矢巾が展開していた術式センサーが反応し警告音が鳴り響いた。

 

矢巾 (な!?センサーが反応してるってことはどこかにライブラが…)

 

すると矢巾は魔理沙に向かって飛んでいる木葉を見た。

 

矢巾 (光さん…まさか…)

 

ブゥン…

矢巾は能力で木葉を見た。明らかに姿が変わっていた。白い服に背中には天秤があり、右目には数字の七、左目には天秤の紋章が刻まれていた。

 

矢巾「長津さん!後ろ!ライブラです!」

 

フォレス「な!」

 

タッタッタッタッタッ!

木葉は長津の横を通り過ぎ魔理沙に近づいた。

 

フォレス「な…光…まさか…」

 

魔理沙「!」

 

木葉「辛かったろうに…あなたを助けてあげます」

 

ぽわ…

すると光の手から光の粒が出てきた。

 

ガシッ!

フォレスは魔理沙から木葉を引き剥がそうとした。

 

フォレス「待って光!その人に手を出しちゃダメ!」

 

木葉「…邪魔。失せろ」

 

ビリビリ…

すると木葉は言霊の能力を使った。

 

木葉「"衝撃波"」

 

ズシャシャシャシャシャ!

すると途端に衝撃波が出現し、フォレスを襲った。

 

フォレス「な!?」

 

ヒュゥゥゥゥゥ!

フォレスは大きく後ろに飛ばさた。

 

矢巾「長津さん!光さんの中からライブラの反応があります!」

 

フォレス「や、やっぱり…」

 

矢巾「今のは光さんの言霊を操る能力!だから何も無いところからいきなり衝撃波が出たんです!」

 

フォレス「そういうことだったのか」

 

霊夢「ちょっと待ってよ!じゃあ木葉はどうなるのよ…木葉の記憶は復元されてるの…」

 

その場にいた人は黙っていた。十二天星も幻想郷の人たちも。

 

霊夢「じゃあ今の木葉は以前の木葉なの…私たちのことはもう忘れているの…」

 

フォレス「…」

 

風和瀬「それは大丈夫だと思いますよ」

  

風和瀬が声を出した。全員一斉にそちらを見る。

 

風和瀬「あの時の光さんには心はありませんでした。でも今は人を助けたいという心を持っています。今はライブラさんが中にいるかもしれませんが、今の光さんの行動は光さん自身が決めたことだと思うんです。なのでおそらく一時的なものだと思います」 

 

霊夢「それは、本当…」

 

風和瀬「分かりません。ですが、私はそう思いますよ」

 

霊夢「そっか…」

 

バッ!

そうこうしていると木葉が魔理沙に手を出した。そして唱えた。

 

木葉「気炎(きえん)光楼(こうろう)…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ!

唱えた途端辺りは光の粒で覆われた。そして、その光の粒は魔理沙に入った。

 

魔理沙「がっ…がぁぁぁぁ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

しばらくするとそれは止まり魔理沙はドレインから開放された。

 

霊夢「魔理沙!」

 

タッタッタッタッタッ!

霊夢は魔理沙に駆け寄った。

 

霊夢「魔理沙!魔理沙!しっかりして!」

 

タッタッタッタッタッ!

その後十二天星たちも駆け寄ってきた。

 

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本庄「ドレインのせいで体力が減っています」

 

霊夢「え、どうすれば…」

 

本庄「任せてください」

 

ポワァァァァァァ…

本庄は魔理沙に向かって能力を発動した。すると魔理沙の傷は治癒され、目覚めた。

  

魔理沙「あれ…ここは」

 

霊夢「魔理沙…良かった…」

 

魔理沙「霊夢?どうしたんだぜ」

 

霊夢「…なんでもないわ」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

すると木葉は力を使ったのか背中の天秤は消え、服も戻り、姿も戻った。それと同時にライブラの反応は消えた。

 

矢巾「ライブラの反応が消失しました」

 

フォレス「じゃあ今の光の中には」

 

矢巾「今の光さんの中にはライブラの反応は無いです」

 

霊夢「そっか…良かった」

 

フォレス「もう少しで以前の光に戻るところだった…」

 

矢巾「だけど、なぜライブラの反応がしたのかは不明です。サジタリウスに聞いても分かりませんでした」

 

フォレス「そっか…」

 

ドサッ… 

木葉は倒れた。

 

霊夢「木葉!」

 

タッタッタッタッタッ!ギュッ!

霊夢は木葉に駆け寄り木葉を抱きしめた。

  

長津「…さっきの技を見るのは久しぶりだったな」

 

矢巾「…そうですね」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ー同時刻ー 

 

???「あら、戻っちゃったわね。あのままなら幻想郷は救われたのに。やっぱり能力を返すだけじゃ足りなかったのかしら。仕方ないわね。じゃあ今度は"この天秤の魂"ごとあなたの体に返してあげる」

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