霊葉との弾幕ごっこを終えた木葉は少し疲れていた。
木葉「…ふぅ」
霊夢「あら、ため息なんて久しぶりね」
木葉「あぁ。まぁね」
霊夢「霊葉。そんなに強かった?」
木葉「うん。まぁね」
霊夢「どんな感じだったの?」
木葉「戦い方は霊夢に似てたかな。スペルカードも使ってたし大分ここの戦い方に慣れてるんだなって思った」
霊夢「私に似てるの?」
木葉「うん。それに、俺の弱点も知られてた」
霊夢「木葉の弱点?」
木葉「うん」
霊夢「どんな弱点?」
木葉「いや、言ったら霊夢そればっかり狙ってくるから言わないよ」
霊夢 (流石に言わないか…)
木葉「でも良かった。能力は制御できてないけどちゃんと弾幕は使えてた」
霊夢「そう。それは良かったわ」
霊葉「お父さーん!」
木葉「ん?」
霊葉が木葉を呼びながら近づいてきた。
木葉「なんだ?」
霊葉「お父さん私アレ食べたい!」
木葉「アレ?」
霊葉「うん!あの輪っかのやつ!」
木葉「?」
霊夢「?」
霊夢と木葉は全然分かっていなかった。
木葉「えっと…その輪っかのやつって名前はなんて言うの?」
霊葉「え、分からない…でも輪っかのやつだった気がする!」
木葉「う〜ん…」
霊夢「木葉分かる?」
木葉「ねぇ霊夢」
霊夢「何?」
木葉「この世界に輪っかの食べ物ってある?」
霊夢「え、輪っかの食べ物…う〜ん…」
木葉「分からない?」
霊夢「わ、分からないわね…」
木葉「じゃあちょっと聞いてこようかな」
霊夢「誰に?」
木葉「本庄と和人と晃大に」
霊夢「あ、木葉の仲間の人?」
木葉「うん。本庄は料理の事ならなんでも知ってるし残りの2人は甘いものが好きだから何か知ってるかも」
霊夢「その輪っかの食べ物って甘味ものなの?」
木葉「いや、分からない。だから3人に聞いてみる」
霊夢「そう。分かったわ」
木葉「んじゃちょっと行ってくるわ」
霊夢「分かったわ」
霊葉「どこ行くの?お父さん」
木葉「ちょっと外の世界に行ってくる」
霊葉「私も行く!」
木葉「霊葉は待ってて」
霊葉「えー!」
霊夢「仕方ないわ。待ってましょ」
霊葉「ぶー!」
木葉「ちゃんと持ってきてやるから待ってな」
霊夢「ご飯はどうするの?」
木葉「お昼までに帰ってこなかったらあっちで食べるよ。流石に夜までには帰ってこられると思うけど…」
霊夢「そう。分かったわ。いってらっしゃい」
木葉「あぁ。いってきます」
シュゥゥゥゥゥゥ…
そうして木葉は元の世界に戻った。
霊葉「ねぇお母さん」
霊夢「何?」
霊葉「あっちの世界って何があるの?」
霊夢「そうね。ここには無いものが沢山あったわね」
霊葉「その話聞きたい!」
霊夢「分かったわ。少し話しましょうか」
霊葉「うん!」
場所…十二天星の家
光は十二天星たちが暮らす家に着いた。
光「久しぶりだな。この家に帰ってくるのは」
ガチャ!
光は勢いよくドアを開けた。
光「ただいまー!」
光は大きな声でただいまと言った。
光「…」
でも、返事が返ってくることは無かった。
光「…あれ?」
スタスタスタ
光はリビングに向かった。
光「ただいまー」
光はリビングに着くと同時にただいまと言った。
光「…え」
その瞬間、光は声が出なかった。
光「あれ…なんで…」
そのリビングには何も無かった。
光「え…あれ?」
光は二階にある十二天星たちの部屋に向かった。
コンコン
光は本庄の部屋をノックした。
光「本庄。入ってもいいか?」
だが、返事は返ってこなかった。
光「入るぞー」
ガチャ
光は本庄の部屋のドアを開けた。
光「え!?」
光は本庄の部屋を見て驚いていた。
光「え…何も無い…」
そう。本庄の部屋には何も無かった。
光「もしかして…」
光は他のメンバーたちの部屋を見て回った。
その結果、全員の荷物や家具が全て無くなっていた。
光「え…あれ…俺家間違えたのか?」
ガチャ
光「!!」
そうこうしていると、玄関が開く音がした。
光 (誰か来た)
光は静かにリビングに向かった。
場所…リビング
長津「さて、これで荷物は全部片付いたかな」
光 (智志!)
そこにいたのは十二天星 第一星座 牡羊座の長津 智志だった。
長津「そういえばさっき光の靴があったけど…来てるのかな?」
スタスタスタ
長津が二階に繋がる階段へと歩を進めた。
光「智志!」
長津「!!」
光は見つかる前に自分から姿を見せた。
長津「やぁ光。やっぱりいたんだね」
光「これはどういう事だ!?みんなの部屋がもぬけの殻だったぞ!」
長津「あーこれから言おうと思ってたんだけどね」
光「?」
長津「これからはみんな各々の家で暮らすことになったんだ」
光「えぇ!?」
長津「言うのが遅れてごめんね。でも光の荷物は全部あっちにあるからいいかなって」
光「え、じゃあみんながこの家に住むってことは…」
長津「うーん…もう無いかなーって思ってる」
光「えぇ…俺その事について全然聞いてないぞ…」
長津「ごめんね」
光「じゃあみんなはそれぞれの家にいるんだな?」
長津「あぁ。そうだよ」
光「じゃあ本庄は自分の家にいるんだな?」
長津「うん。いると思うよ」
光「じゃあ行ってくるわ」
長津「何かあったの?」
光「あぁ。霊葉がある物を欲しがってたからな」
長津「霊葉?誰のこと?」
光 (あ、そっか…智志たちは知らなかったんだな)
光「霊葉は俺と霊夢の娘だよ」
長津「…」
長津「え!?光って子どもいたの!?」
光「いや、まぁね」
長津「それを早く言ってよ!今からお祝いしないと!」
光「あ、いや、今はお祝いよりも欲しい物が…」
長津「今すぐみんなに知らせないと!」
光「あちょ!」
長津は腕輪から十二天星全員に通達した。
長津「みんな聞いて!光に子どもがいたよ!お祝いしたいからみんなあとで集まってね!」
光「あー…言っちゃった…」
長津「よしっ!今日は飲んで食べよう光!」
光「いや…そんなことよりも…」
ドタドタドタ!
扉の向こうから大きな足音が聞こえた。
ガチャ!
扉が勢いよく開いた。
条乃「おい光!聞いたぞ!」
三室「なんで今まで隠してたんだ!」
2人は走ってきたのだろう。
汗をかいている。
条乃「今からケーキとか揃えるから待ってろよ!」
三室「俺もだ!」
光「あ!待ってくれ2人とも!」
条乃「んぁ?なんだ?」
光「2人に聞きたいことがあるんだ」
三室「聞きたいこと?」
光「あぁ。輪っかの食べ物って知ってるか?」
条乃「輪っかの食べ物だと?」
光「あぁ」
長津「輪っかの食べ物…」
三室「俺が最初に思いつくものとしてはドーナツだな」
光「ドーナツ…あぁ!ドーナツか!」
三室「それがどうしたんだ?」
光「いや、霊葉が輪っかの食べ物が食べたいって言ってたんだが俺はよく知らないから2人と本庄に輪っかの食べ物について聞こうかと」
条乃「なるほど。だから俺たちにか」
光「うん」
三室「まぁ俺たちなら甘いものはよく知ってるしな」
光「だから聞いたんだ」
三室「なるほどね」
条乃「だがそれがほんとにドーナツなのかが気になるな」
光「う〜ん…」
条乃「まぁ本庄に聞いてみるといいな。あいつなら料理についてはよく知っているだろう」
光「あぁ。そうするよ」
三室「じゃあ行くぞ和人。ホールのケーキだ」
条乃「おい忘れるなよ。プリンも買うぞ」
三室「当たり前だ。忘れねぇよ」
ガチャ
条乃と三室はケーキとプリンを買いに行った。
長津「あはは…2人は相変わらず甘いものが好きだね」
光「でもそのお陰で一歩前進できたわ。あとは本庄だけ」
長津「行ってきたら?今家にいると思うけど」
光「あぁ。行ってくる」
長津「うん」
光は本庄の家に向かった。
場所…本庄の家
光 (相変わらずでっけぇ建物だな)
本庄は十二天星の中で一番のお金持ち。
そのため、お屋敷も大きく、メイドや執事の方もいるんだとか。
お金持ちは違うなぁ。
付き人「天野様。なにか御用でもありますか?」
光「ん?」
付き人「御用を伺わないと入れませんので」
光「あ、忘れてた。本庄に聞きたいことがあるんだ。通してくれ」
付き人「はい。分かりました」
その人はすぐに俺を通して部屋に案内してくれた。
場所…本庄の部屋
コンコン
付き人はノックした。
付き人「お嬢様。天野様がお見えです」
本庄「光さんが?分かりました。入ってもいいですよ」
付き人「では…失礼します」
ガチャ
付き人と光は部屋に入った。
本庄「おはようございます光さん」
光「あぁ。おはよう」
本庄「なにか御用ですか?」
光「あぁ。本庄に聞きたいことがある」
本庄「何ですか?」
光「輪っかの食べ物って何か知ってるか?」
本庄「輪っかの食べ物…?」
光「あぁ」
本庄「うーん…イカリングとか…そんなものですか?」
光「いや、名前は分からない。ただ輪っかの食べ物としか…」
本庄「ふむふむ…」
光「分かる?」
本庄「…いくつかは何とか…ですが」
光「?」
本庄「光さんはそれを聞いてどうするんですか?」
光「いや、霊葉が食べたいって言ったから」
本庄「霊葉?霊夢さんの親戚ですか?」
光「いや、親戚じゃなくて俺と霊夢の娘なんだ」
本庄「え!?」
光「んでその霊葉が輪っかの食べ物が食べたいって」
本庄「なるほど!分かりました!つまりその子に食べさせたいんですね!?」
光「まぁ、そういうことだな」
本庄「分かりました!この本庄!腕によりをかけて作りますね!」
光「ありがとう…本庄」
本庄「いえいえ。作ったら持っていきますね」
光「あぁ。頼む」
光はその後、本庄の家を出て幻想郷に戻ったのだった。
場所…博麗神社
霊夢「霊葉ー!お昼ご飯食べるわよー!」
霊葉「はーい」
シュゥゥゥゥゥゥ…
霊葉「!」
霊葉が移動しようとした時、光が幻想郷に戻ってきた。
木葉「ふぅ…」
霊葉「お父さん!」
ギュッ!
霊葉は木葉に抱きついた。
木葉「お、霊葉。ただいま」
霊葉「おかえりお父さん!」
霊夢「霊葉〜。ご飯冷めるわよ〜って木葉!?」
霊葉「あ、お母さん!お父さん帰ってきた!」
霊夢「どう?見つかったの?」
木葉「えっと…その事なんだけど…」
霊夢「?」
とりあえず霊夢と霊葉は先にお昼を食べた。
その後、木葉は霊夢たちに話をした。
霊夢「それで?どうだったの?」
木葉「えっとな。俺が向こうに帰った時に霊葉がいることを言っちゃってな…俺の仲間がこっちでお祝いするかもしれないんだ」
霊夢「お祝い?」
木葉「あぁ。あいつらは霊葉の事を知らないからな。娘だって言ったらお祝いだー!なんて言ってたからな。用意ができ次第こっちに来るだろうね」
霊夢「それとなんの関係があるの?」
木葉「俺の仲間に条乃と三室、本庄って名前の人がいるんだがな、その内条乃と三室は甘いものに詳しいから輪っかの食べ物について聞いてみたらドーナツかもしれないから買ってくるわって言ってくれたんだ」
霊夢「へぇ〜そうなの」
木葉「んで本庄には甘いもの以外の輪っかの食べ物について聞いたら後で作って持ってくるってさ」
霊夢「頼りになるわね」
木葉「あぁ」
霊葉「なになに?何かするの?」
木葉「ん?俺と霊夢の娘である霊葉のためのお祝いだよ」
霊葉「お祝い!?そんな…恥ずかしい…」
木葉 (意外…そんな反応するんだ…)
霊夢「良かったわね霊葉。今日は美味しいものが食べられるわよ」
霊葉「やったぁ!」
それから数時間後…
長津「おーい光ー!」
木葉「ん?」
霊夢「木葉の仲間じゃない?」
木葉「あ、そっか」
木葉は外に出た。
木葉「なんだ?お!智志じゃないか」
長津「やぁ。色々持ってきたよ」
条乃「おう光!」
三室「ドーナツ色んな種類があったから5個ずつ買ってきたぞ!」
木葉「そんなに食べられるかな…」
本庄「光さん!私も色々と作ってきましたので!」
木葉「本庄もありがとう」
早乙女「しっかしまぁ光に娘がねぇ…」
倉本「ほんとですよ!」
双葉「光。いつの間に子どもなんか作ってたんだ?」
立花「おめでとう。光」
木葉 (いや…実際には違うけどとりあえずそういうことにしとこうかな)
風和瀬「ところで光さん」
木葉「ん?」
風和瀬「光さんの娘さんってどこにいるんですか?」
木葉「あ、ちょっと待ってな」
風和瀬「はーい」
木葉「霊葉ー!」
霊葉「なにー?」
木葉は霊葉を呼びに行った。
佐野守「どんな子なんだろ!」
風和瀬「楽しみだね!」
すると中から木葉と霊葉が出てきた。
風和瀬「…え?」
佐野守「…え?」
木葉「この子が俺と霊夢の娘。名前は博麗 霊葉だ」
十二天星「えぇぇぇぇぇぇぇ!」
十二天星たちは赤ちゃんくらいの子を想像していた。
だが、実際に出てきたのは自分たちと年齢が近そうな女性だった。
霊葉「博麗 霊葉です。みなさん。初めまして」
風和瀬「え、え?光さん…これはどういう…」
木葉「…?」
佐野守「あ、赤ちゃんじゃないんですか?」
木葉「あ、いや、この子は未来から来た俺たちの娘だ」
本庄「み、未来…」
風和瀬「あ、あの…今おいくつですか?」
霊葉「17歳です!」
風和瀬「17!?」
佐野守「17!?」
倉本 (私の1個年上…)
長津「こ…これは意外…」
条乃「あぁ…俺はてっきり拾った子かと思った…」
木葉「だから…この子は未来から来たんだから何歳でも驚かんだろ…」
三室「いや…十分に驚くぞ」
早乙女「私も驚きましたよ…」
霊葉「…?」
霊夢「木葉ー!準備できたわよー!」
木葉「お、準備出来らしいぞ」
本庄「あ!私作ってきたもの盛り付けますね!」
倉本「わ、私も!」
本庄と倉本は料理の盛り付けに行った。
条乃「光。一応俺たちが買ってきたものは保管しておくぞ」
木葉「あぁ。ありがとう」
霊葉「輪っかの食べ物?」
条乃「あぁ。輪っかの食べ物だ。甘いやつな」
霊葉「楽しみ!」
条乃「おう。楽しみにしてな」
残りのメンバーたちも神社に入っていった。
その後、みんなでお皿などを並べたり運んだりした。
長津「よしっこれで全部かな」
霊葉「うわ…めっちゃ豪華…」
条乃「なんだ嬢ちゃん。こういうのは初めてか?」
霊葉「は、はい…初めてですね」
条乃「そうか!ならいっぱい食べろよ!こういうのは楽しんだもん勝ちだぜ!」
霊葉「は、はい!」
長津「じゃあ早速…」
長津は立ち上がって言葉を綴った。
長津「えーっと。本日はお集まりいただきありがとうございます。私たちの光に娘さんができたと聞き、このような宴会を催させていただきました。今夜は飲んで食べて楽しんで頂けたらと思います!それでは、乾杯!」
全員「かんぱーい!」
そしてみんな料理を食べ始めた。
霊夢「ねぇ木葉。この輪っかの食べ物って何?」
木葉「あぁ、それはイカリングって言ってイカを揚げた食べ物だよ」
霊夢「…」
霊夢はじっとそれを見た。
霊夢「と、とりあえず食べてみるわ」
パクッ
霊夢はイカリングを口に含んだ。
霊夢「あ、意外…美味しいわね。これ」
木葉「まぁな」
霊葉「お父さん!見たことない食べ物ばかり!教えて!」
木葉「えーっと…何を?」
霊葉「これとかこれとかこれとか!」
霊葉は色々な食べ物を見せてきた。
木葉「えーっとこれはな…」
霊夢「…」
霊夢は食べ物を教えている木葉を見ていた。
霊夢 (いいなぁ…)
霊葉「へー!これ美味しい!」
木葉「まぁな。本庄が作ったものはどれも美味しいから味わいな。あまりこんな機会ないからな」
霊葉「うん!」
本庄「光さん」
木葉「ん?」
本庄「嬉しいこと言ってくれますね」
木葉「あ、いや」
本庄「ありがとうございます」
木葉「あ、はい」
霊夢「…」
霊夢はお酒を飲んだ。
紫「霊夢〜?」
霊夢「!!」
するとスキマから紫が顔を出していた。
霊夢「ちょ!何よあんた!いきなり出てきて!」
紫「何か面白いことしてるじゃない?私も混ぜて〜」
霊夢「何言ってるのよ!」
長津「あ、紫さん」
紫「あら、今日はみんないるのね」
長津「はい。紫さんもどうですか?」
紫「あら、いいの?」
長津「いいですよ!料理は沢山あるので!」
紫「あら〜じゃあお言葉に甘えようかしら?」
霊夢「…」
霊夢は紫を睨んだ。
紫「残念だったわね〜霊夢〜」
霊夢「な!?」
紫「あら!あなたは」
霊葉「!」
紫は霊葉がいることに気づいた。
紫「霊葉ちゃーん!」
霊葉「紫お姉さーん!」
ギュッ!
紫は霊葉に抱きついた。
紫「あらあら随分大きくなって!もう大人の女性ねー!」
霊葉「えっへへへ!」
紫「あ、これって霊葉ちゃんの歓迎会?」
木葉「えっと…こいつら霊葉の事知らなくてな。俺と霊夢の娘って言ったらお祝いだー!って言って宴会になったんだ」
紫「あらー!じゃあ私も参加しないとね!」
霊葉「やったー!」
紫「あ、この子はお酒飲めるの?」
木葉「まだ飲めないよ」
紫「ならちゃんとジュース飲ませないとね!」
木葉「頼むから暴れるなよ…」
紫「任せなさい!」
こうして紫も加わって宴会は盛り上がった。
木葉「ふぅ…お腹いっぱい」
長津「やぁ光」
木葉「ん?」
今俺は外にいる。
夜風に当たりたかったからだ。
長津「霊葉ちゃん。いい子だね」
木葉「まぁな」
長津「2人に似て強く優しく育ちそうだ」
木葉「…そうだといいな」
長津「何か心配事でもあるのかい?」
木葉「まぁ、ひとつだけ」
長津「聞かせて」
木葉「…霊葉ってな。霊夢たちと同じで程度の能力を持ってるんだ」
長津「ほうほう」
木葉「でも霊葉は昔、ある事がキッカケで能力の制御ができなくなったんだ」
長津「ふむ…」
木葉「俺と霊夢がいれば霊葉は普通の子と同じように能力を使えるけど俺たちがいなかったら能力が暴走しちゃうんだ」
長津「…」
木葉「それだけが一番の心配事かな」
長津「…そっか。光は光なりにちゃんと向き合ってるんだね」
木葉「…まぁな。今じゃないけど未来では霊葉は俺たちの娘だからな」
長津「…なら心配ないね」
木葉「?」
長津「光と霊夢さんがあの子に愛情を注げばいつか報われるよ」
木葉「…なんだ?占いか?」
長津「ううん。そんな気がするだけだよ」
木葉「なんだそれ…」
長津「でも僕は自信を持って君たちが幸せな人生を送れると言えるよ」
木葉「そっか…」
長津「さ、和人と晃大がケーキとかドーナツとか買ってくれてるから食べよ」
木葉「そうだな」
木葉と長津は神社に入った。
条乃「しゃあお前ら!まだ食い足りねぇだろ?」
三室「俺たちが買ってきたスイーツだ!遠慮なく食ってくれ!」
ゴトッゴトッゴトッ
条乃と三室は自分たちが買ってきたケーキやプリン、ドーナツなどの甘いものを出してきた。
霊夢「す、凄いわね…この人たち…」
紫「えぇ。あちらの世界には色々なものがあるのね」
霊葉「!!」
霊葉はある物を見た。
霊葉「…」
霊葉は何も考えずそれを手に取った。
霊葉「…これ」
条乃「お、嬢ちゃん。それはドーナツってやつだ。食ってみな。飛ぶぞ」
三室「飛ばねぇよ」
霊葉「…」
パクッ
霊葉はドーナツを口にした。
霊葉「!!」
霊葉は目を見開いた。
霊葉「お母さん!お母さん!」
霊夢「何?どうしたのよ」
霊葉「これ!これ!これだよ!」
霊夢「?」
霊葉「これ!お父さんが家に帰ってきた時に食べた輪っかの食べ物!」
霊夢「これの事だったの?」
霊葉「うん!」
木葉「あ、やっぱりドーナツの事だったか」
条乃「どうだ嬢ちゃん。美味いか?」
霊葉「美味しい!」
条乃「そうか!それは良かった!」
三室「和人」
条乃「ん?」
三室「…迷いながら選んだ甲斐があったな」
条乃「…?」
三室「あの子、すげぇ喜んでるわ」
条乃は霊葉の顔を見た。
霊葉はとても笑顔だった。
条乃「…あぁ。だな」
条乃はその顔を見て心が温かくなった。
木葉「霊夢も食べてみな。美味しいぞ」
霊夢「え、えぇ」
木葉「紫も」
紫「えぇ。頂くわ」
パクッ
霊夢はドーナツを口に含んだ。
霊夢「あらほんと…すごく美味しいわね」
木葉「だろ?俺の好きな食べ物だ」
霊夢「そう。なら美味しくて当然ね」
木葉「あっははは!やっぱり?」
その後、みんなで条乃と三室が買ってきたスイーツを食べたのだった。
その日は夜も遅いので神社に泊まることにした。
霊葉は自分が探していた食べ物に出会えて満足している様子だった。
〜物語メモ〜
霊葉の好物
霊葉は生まれも育ちも幻想郷のため、外の世界に存在する食べ物は食べたことがなかった。
だが、木葉が時々家を空ける時に決まってお土産があった。
その中でドーナツが一番美味しかったらしく、霊葉の好物となった。
ちなみに、そのドーナツは条乃と三室に選んでもらったものと木葉が自分で選んだものがあった。