木葉の幻想郷日記   作:バスタオル

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ここでちょっとお知らせです。

※今回、今までとは違う点がいくつかあります。
①会話文と会話文の行間を無くしています。(いつもは1行空けていました)
②会話文とそれ以外の文の行間を1行にしました。(いつもは2行空けていました)
③場面が切り替わるところに線を引きました。
なのでいつもとは違って見えますので、お気をつけください。

お知らせは以上です。


お父さん!私!外に出たい!

ある日…

 

霊葉「お父さん!私!外に出たい!」

木葉「…え?外?」

霊葉「うん!」

木葉「…え?外ならほら、そこにあるじゃん…」

霊葉「違う!外の世界に行きたいの!」

木葉「え!?外の世界!?」

霊葉「うん!いいでしょ!お父さん!」

木葉「え…えぇ…」

霊葉「お父さんいいでしょ!ねぇお父さん!」

木葉「う〜ん…」

霊夢「ちょっと霊葉。何騒いでるのよ」

 

霊夢が部屋に入ってきた。

 

霊葉「お母さん!お父さんが外の世界に連れてってくれない!」

木葉「ちょ…霊葉」

霊夢「外の世界?」

霊葉「うん!お父さんに連れてってほしいの!外の世界を見てみたいの!」

霊夢「ダメよ霊葉」

霊葉「なんで!」

霊夢「あなたが外の世界に出たらどうなるか分からないの。だからここにいなさい」

霊葉「なんでー!お母さんだって外の世界に行ったことあるんでしょ!私だって能力ちゃんと使えるもん!だから連れてってー!」

霊夢「はぁ…全く…誰に似たのよ…」

木葉「霊夢だな」

霊夢「木葉よ」

霊葉「ねーぇー!お父さーん!」

木葉「あー分かった分かった」

霊葉「やったぁ!」

木葉「いや、連れてくなんて言ってないぞ」

霊葉「えー!」

霊夢「諦めなさい霊葉。外の世界は危ないの」

霊葉「ヤーダー!行きたい行きたい行きたいー!」

木葉「…すっげぇワガママだな」

霊夢「ほんと、木葉そっくりね」

木葉「俺がいつワガママ言ったよ」

霊夢「いつも言ってるじゃない」

木葉「…はぁ」

霊葉「お父さーん!」

 

霊葉が駄々をこねていると突然部屋にスキマが開いた。木葉だけそのスキマに気づいた。

 

木葉「…霊夢」

霊夢「何?…げっ」

 

霊夢もスキマに気づいた。2人はそのスキマに嫌な予感を感じた。

 

木葉「まさか…ね…」

霊夢「いや…あんなところから出てくるやつなんて…」

霊葉「…?お父さんお母さんどうしたの?」

木葉「いや、なんでもないよ」

霊夢「そ、そうね。なんでもないわよ」

霊葉「…?」

紫「その話!聞かせてもらったわ!霊夢!光!」

 

突然そのスキマから紫が出てきた。

 

霊夢「げっ…」

木葉「うわっ…ほんとに出てきた…」

紫「酷いわね光。うわっ…だなんて」

霊葉「あ!紫さん!」

紫「はぁーい霊葉ちゃん!元気にしてた?」

霊葉「はい!」

紫「それで?霊葉ちゃんは現在ご不満なようね?何があったの?聞かせてちょうだい」

霊葉「あ!聞いてください!お父さんとお母さんが私を外の世界に連れてってくれないんです!」

紫「外の世界に?」

霊葉「はい!危険だからダメってお母さんが…でもお母さんは外の世界に行ったことあるって言ってたんです!私も気になって気になって…だから行きたいのに全然行かせてくれないんです!」

紫「あらーそれは困ったわねぇ」

霊葉「そうなんですよ!紫さんも何か言ってください!」

紫「光?霊夢?子どものお願いを聞くのも親の仕事じゃないの?」

霊夢「はぁ…だから嫌なのよ…あんたがここにいるのは」

木葉「あーまぁ…そうなんだけどね…」

紫「何か心配事でもあるの?」

木葉「いや…霊葉は仮にも未来から来たからね…外の世界に連れてってもいいのかなって。何も起きないかなって」

紫「そうね。私もこんな事は初めてだからなんとも言えないのよ」

霊葉「え…じゃあ…」

紫「ただ、愛しの霊葉ちゃんを囮にして知識を得ようとは思ってないわ」

木葉「…どうするべきだろうか」

紫「そうねぇ…私は霊葉ちゃんを連れて行ってあげて欲しいけど何も起こらない保証はどこにもないわね…」

霊葉「そっか…やっぱり難しいんだね…」

木葉「霊葉…」

霊葉「ううん…いいよ。ちょっと気になっただけだから…ほんと…ちょっと気になっただけだから…」

 

スタスタスタ

霊葉は部屋を出た。

 

木葉「…」

霊夢「…」

紫「…」

 

3人の間に静寂が訪れた。

 

木葉「…霊夢」

霊夢「何?」

木葉「…今日はちょっと帰りが遅くなる」

霊夢「え…それって…」

木葉「…」

霊夢「…分かったわ。行ってらっしゃい」

木葉「…うん」

 

 

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場所…太陽の畑

 

霊葉「幽香さん…いるかな」

 

霊葉は太陽の畑を歩いていた。

 

霊葉「…はぁ」

幽香「あら、ため息なんてついちゃダメよ霊葉」

霊葉「!」

 

霊葉の前に幽香が立っていた。

 

霊葉「幽香さん…」

幽香「どうしたの?何かあったの?」

霊葉「…うん」

幽香「…聞かせてちょうだい。あなたの話を」

霊葉「…うん」

 

幽香と霊葉は場所を変えた。

 

幽香「…それで、何があったの?」

霊葉「幽香さん。私、生まれも育ちも幻想郷だけど、ふと思うことがあるんです」

幽香「…何を?」

霊葉「お父さんって外の世界の人だなって…」

幽香「…そうね。あの人は元々この世界の人間ではなかった。もしいたら私でも分かるわ」

霊葉「それで、この幻想郷に住んでいるお母さんも外の世界に行ったことがあるんです」

幽香「…」

霊葉「お母さんは外の世界は危険だって言って私を行かせてくれませんでした」

幽香「…それで?」

霊葉「私、気になるんです。お父さんは元々外の世界の人、お母さんはここの人だけど外の世界に行ったことがあります。だから気になるんです。外の世界がどうなってるのか…ただそれが知りたいだけなんです」

幽香「…行ってどうするの?」

霊葉「どうもしません。ただ見たいだけなんです。もし何かあるならそれを見たり体験したりしてみたいです」

幽香「…なるほどね。いいじゃない」

霊葉「いいって?」

幽香「そう言ってみたらどう?」

霊葉「言いました。でもお母さんはダメだって…」

幽香「もう1人の男の人にはそう言ったの?」

霊葉「お父さんに?」

幽香「そう」

霊葉「…言ってないです。でもお母さんに言ったことを近くで聞いてたから…」

幽香「…そう。でも折角一緒にいられるんだったら家族水入らずで過ごせてもいいと思ってるわ。私」

霊葉「そうですよね」

幽香「…もう一度、その事を話してみたら?」

霊葉「…難しいと思います」

幽香「なぜかしら」

霊葉「…紫さんも初めてのことだからどうなるか分からないって…」

幽香「あの妖怪も来ていたのね」

霊葉「うん…」

幽香「じゃあ私が懲らしめてあげる」

霊葉「え!?」

幽香「それで連れていくよう伝えてみるわ」

霊葉「待ってください!幽香さん!」

 

立ち上がって博麗神社に向かおうとする幽香を霊葉は止めた。

 

幽香「どうしたの?」

霊葉「もしそれで外の世界に行くことになっても…私は嬉しくないです」

幽香「!」

霊葉「なんか…力で押さえつけるの…好きじゃないんです」

幽香「…そう」

霊葉「…」

幽香「…なら、もう一度だけあなたの思っていることを言ってみたらどうかしら」

霊葉「でも…またダメって…」

幽香「そこで何も言わなかったらあの人たちの意見だけが通るわよ。霊葉がこうだと思ったならそれを言葉にしてみなさい。大丈夫。多少のことは笑って許してくれるわよ。あの2人は」

霊葉「…分かり…ました」

幽香「それでもダメならまた私のところに来て。私が色々してあげるわ」

霊葉「…はい」

 

その後、霊葉は幽香に別れを告げ、神社に戻った。

 

 

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場所…博麗神社

 

霊葉「ただいま〜」

霊夢「あら、おかえりなさい霊葉」

霊葉「うん…」

 

霊葉は真っ先に木葉の部屋に向かった。

 

霊葉「…ねぇ、お父さん」

 

霊葉は木葉を呼ぶが、木葉が返事を返すことはなかった。

 

霊葉「…お父さん?」

 

霊葉はこっそり木葉の部屋を覗いた。

 

霊葉「…あれ、いない」

 

木葉は部屋にいなかった。

 

霊葉「どこ行ったんだろ…」

霊夢「霊葉?そんな所で何してるのよ」

霊葉「お母さん。お父さんがいない…」

霊夢「あ、木葉なら少し前に出かけたわ」

霊葉「どこに?」

霊夢「さぁ?分からないわ」

霊葉「…そうなんだ」

霊夢「何か用事?」

霊葉「ううん。なんでもない」

 

スタスタスタ

霊葉はその場をあとにした。

 

霊夢「…」

 

 

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場所…刻領宝殿

 

光「と、いう事なんです。なんとかなりませんか?」

サン「う〜ん…そうだなぁ…」

ルナ「出来なくはないと思いますが」

光「でもそう簡単ではないですよね」

ルナ「そうですね。あの子は未来から来た子。それも"未来の幻想郷"から来た子なんですからね。この世界の未来から来たのなら簡単なんですが」

サン「何が起こるかわからない…確かにそうだね」

光「でも俺は霊葉の気持ちを汲んでやりたいんです。やっぱり霊葉も外の世界を知りたがっています。口で教えるなら簡単なんですが、本人はこの世界を見たがっています」

サン「そうだねぇ、この世界とあちらの世界、この2つの世界が何の異変もなく事が終われば理想なんだけど」

ルナ「そうですね。何かあったら冗談では済みませんね」

エア「あ…あの…」

 

近くにいた三柱 四季宝神 春 エア・ヴェスナーが口を開いた。

 

光「?」

エア「わ、私…は…別に…大丈夫と…思います…よ」

ルナ「なぜ?」

エア「その人の話を聞いてて…お、思ったんです…何を心配しているのかなって…」

光「!」

エア「その人はその…その子をこの世界に連れてきたい…でも未来から来た子だから難しい…私からすれば…な、なぜ難しいのか…さっぱり…わ、分かりません」

光「なぜ難しいか…ですか」

エア「は、はい…」

光「霊葉は未来から来た子です。その子は幻想郷にいれば何も問題はありませんが、その場を離れ、違う世界に行くとどうなるのか…それが分からないのでこの世界に連れて来ることができないんです」

エア「でも…あなたはその子を…連れてきたいんですよね…」

光「はい」

エア「な、なら…連れてきたらどうですか?」

光「!?」

エア「私たち三柱は…時間、領域、季節を司っています。時間がおかしくなっても…サンやルナがいます。…地殻変動や天変地異が起こっても…ボーガンやメル、ヒンメルがいます。…季節の制御ができなくても…私たちがいます。…ここまで聞いて何か不安事がありますか」

光「…」

エア「私たち三柱は…天星の方たちよりも遥かに強い力を持っています。それこそ…星座でも敵わないほどに…この世界に影響を与えるほどに。ですが、私たちよりも強い力を持つ方がいたはずです。そちらの世界に」

光「三柱より強い人物…」

エア「はい。2人ほど」

光「誰か分かりますか?」

サン「うん。霊夢さんと紫さんだね。エア」

エア「はい。そうです」

光「え、あの2人が…」

エア「はい。初めてお会いした時は驚きました。紫さんは私たちを凌駕する程の力を持っています。私たちの中ではオータムやラトは余裕で負けるかと思われます」

 

エアは言葉を詰まらせずに話し始めた。

 

光「え…2人も負けると…」

エア「はい。三領保神の方々は分かりません。ですが、四季宝神であれば2人は負けます。私とタルヴィは分かりません」

光「すごいな紫のやつ…」

エア「ですが、紫さんは"その程度"なんです」

光「その程度?」

エア「はい。紫さんよりも強い力を持つ方…それが霊夢さんですよ」

光「え!?霊夢が!?」

エア「はい。霊夢さんには神力が備わっています。私たち三柱に効果がある力です。本来私たちは神力以外を受け付けない特性を持っています。なので神力を持たない星座や天星の方々は私たちには敵いません。ですが霊夢さんは神力を持っていますので、三柱全員にダメージを与えることができます」

光「すっげぇな…霊夢」

エア「はい。そんな強い方が霊葉さんを守っているとしたら…何が起きても大丈夫だとは思いませんか?」

光「…確かに」

エア「もう少し霊夢さんを信用しても大丈夫だと思いますよ」

光「じゃあ…もう霊葉は連れてきても大丈夫ですか?」

エア「はい。何かあったら私たちがなんとかします」

光「ありがとうございます」

ルナ「あ、ライブラの主さん」

光「はい」

ルナ「もし連れてこれたらあなたは絶対に霊葉さんから離れないでくださいね」

光「はい」

サン「じゃあ話はこれで終わりかな?」

光「はい」

ルナ「ライブラの主」

光「はい」

ルナ「…しっかりゆっくり休みなさい。あなたからは疲れが見えます。体調管理は怠らないでくださいね」

光「はい。わかりました」

 

その後、光は刻領宝殿を出て幻想郷に戻ったのだった。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

場所…博麗神社

 

霊葉「ねぇお母さん」

霊夢「何?」

霊葉「…お母さんってお父さんよりも強いよね」

霊夢「…さぁ、分からないわ」

霊葉「だってお母さん弾幕ごっこでお父さんに勝ってた!」

霊夢「あれは弾幕ごっこだからよ」

霊葉「…」

霊夢「この世界じゃ弾幕ごっこが普通なのよ。でも木葉の世界ではそれは普通じゃない。言い方を変えたら初めてやってみる戦い方よ。そりゃあ弾幕ごっこの経験がある私の方が強いわ。でも私が木葉の戦い方をやったらどうなると思う?」

霊葉「…負ける」

霊夢「そう。そういうこと。この人はどんな戦い方をしても強いよねっていうのはないのよ。この人はこの戦い方なら強いよねってのはあるわ。それが私で言えば弾幕ごっこよ」

霊葉「ん…」

霊夢「木葉は強いわ。私も強い。それぞれ戦い方は違えど各々の戦い方で強さを見せてる。霊葉はそんな2人の間に生まれた子よ。あなたが弱いわけないわ」

霊葉「だったら…」

霊夢「でもそれとあっちの世界に行くこととは話が違うわ」

霊葉「…」

霊夢「いくら霊葉が強くても限界がある。もちろん木葉や私もよ。それに今回のは強さで解決する話じゃない。2つの世界を壊しかねないの。だから私は危ないって言ったの」

霊葉「でもお母さんってあっちの世界に行ったんだよね」

霊夢「えぇ。行ったわ」

霊葉「お母さんは行ったのになんで私じゃダメなの」

霊夢「…」

霊葉「ねぇ、なんで?」

霊夢「なんでって…」

木葉「未来から来たからだよ」

霊葉「!」

霊夢「!」

 

突然木葉の声が聞こえた。

 

霊夢「木葉…」

霊葉「未来から来たからって…じゃあ未来から来なきゃよかったの…」

木葉「未来から来た霊葉がこの世界を離れると何が起こるか分からない。紫もそう言ってた。まさにその通り。何が起こるかわからない故に実際に何か起こった時それに対処できるのかも分からない。だから危険って言ったんだよ」

霊葉「…そっか」

 

霊葉は落ち込んだ。

 

木葉「さて霊夢。ちょっと準備手伝ってくれない?」

霊夢「準備?なんの?」

木葉「あっちの世界に行く準備だよ」

霊葉「!!」

 

霊葉は驚いて顔を上げた。

 

霊夢「え、でも危険なんじゃ…」

木葉「あっちの世界には三柱って言ってあっちの世界を司ってる人たちがいるんだ。その人たちなら仮に何か起こったとしても対処してくれるよ」

霊葉「ほんと?ほんとにあっちの世界に行けるの?」

木葉「あぁ。行けるよ」

霊葉「!」

木葉「俺と霊夢と霊葉の3人であっちの世界に旅行に行こうか」

霊葉「お父さん!」

 

ギュッ!

霊葉は木葉に抱きついた。

 

霊葉「やった!お父さんありがとう!」

木葉「はいはい。霊葉は大きくなっても子どもだな」

霊葉「うん!」

霊夢「じゃあ私は準備をするわね」

木葉「俺も準備するよ」

霊葉「私も手伝う!」

 

こうして木葉、霊夢、霊葉の3人であっちの世界に旅行に行くことに決定した。




〜物語メモ〜

霊葉
霊葉は生まれも育ちも幻想郷で外の世界には一度も行ったことがない。
そのため、外の世界がどうなっているのかずっと気になっていた。
霊葉はこれを機に外の世界に行ってみたいと思い、木葉に提案した。
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