あれから2時間が経過した。
サン「…ふぅ…もう少し…」
サンは相変わらず他の星座たちに魔力を注いでいた。
ルナ「サン」
サン「?」
するとルナが部屋に入ってきた。
ルナ「少し休んではどうでしょうか。あれからずっと魔力を注ぎ続けてますよね」
サン「…そうだね。でももう少しで終わるんだ。あと少しだけ…」
ルナ「…」
スタスタスタ…ギュッ…
ルナは後ろからサンを抱きしめた。
サン「!」
ルナ「…私はこういったことはよく分かりませんが、ある書物には男性はこういう風に抱きつかれると落ち着くと…そう書かれていました」
サン「!」
ルナ「…あなたは頑張りすぎです。私が近くで見てましたから。私はあなたに冷たく当たっていますが、それでもあなたの事はしっかり見ています。…どうか、お体を…お大事になさってください…サン」
サン「…」
サンは今まで感じたことの無い温かさを感じた。
サン「…ありがとうルナ」
ルナ「!」
サン「…元気出てきたよ」
ルナ「そ、それは良かったです…」
サン「さ、ルナのおかげで元気出てきたからラストスパート頑張るよ!!」
ルナ「…」
ギュゥゥゥゥゥ…
ルナは少しだけサンを抱きしめる力を強めた。
ルナ「…みなさんが家に帰ったら休んでください。しばらくお仕事はありませんので」
サン「…分かった。そうさせてもらおうかな」
それからサンは順調に魔力を注ぎ、無事光を復活させることができた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
光「…ん?」
光が目覚めた。
サン「やぁ第七星座。ご機嫌いかがかな?」
光「あれ…俺は…」
サン「他のみんなにも僕の魔力を注いでるよ。君は一日ずっと寝てたからね」
光「一日…あっ!あれから何日経ちましたか!?」
サン「えっと…僕たちが君たちに仕事を任せて4日か5日経ちますね」
光「マズイ!!霊夢のところに戻らなきゃ!!」
サン「待ってください第七星座」
光「…?」
サン「幻想郷にはルナが連れてってくれるよ」
光「えっ…いいんですか?」
ルナ「はい。私が先導します」
光「えっ…じゃあ…お願いします」
ルナ「はい。ではこちらへ」
スタスタスタ
ルナと光はその部屋をあとにした。
サン「…」
サンはその背中をずっと見ていた。
サン「…さて、あとは残りの星座を復活させるだけだね」
ブゥゥゥゥゥゥゥン…
サンは再び魔力を注ぎ始めた。
サン (それにしてもルナの胸…柔らかかったなぁ…)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
場所…博麗神社
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ…
ルナと光は幻想郷に戻ってきた。
木葉「いよっと。ありがとうございます。ルナ様」
ルナ「いえ、こちらこそ。あなた方に重い仕事を任せてしまいました。今後はこういったことのないよう努めてまいりますので、よろしくお願いします」
木葉「はい。よろしくお願いします」
ルナ「…では」
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…
ルナはそのまま姿を消した。
木葉「…じゃあ…戻ろうかな」
スタスタスタ
木葉は博麗神社の中に入っていった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
場所…博麗神社の中の一室
木葉「霊夢〜?いる〜?」
スタスタスタ
木葉は神社内を歩き回っていた。
木葉「お〜い霊夢〜?」
木葉は何度も霊夢を呼んだが、返事は返ってこなかった。
木葉「あれ〜…おかしいなぁ…」
霊葉「あれ?お父さん?」
木葉がその場で立ち尽くしていると、後ろから霊葉の声が聞こえてきた。
木葉「あ、霊葉」
木葉が後ろを振り向くと、霊葉の後ろにはリールたちがいた。
霊葉「今帰ってきたの?」
木葉「あぁそうだ。丁度今さっきな」
霊葉「そうなんだ」
木葉「そうそう霊葉。霊夢知らないか?」
霊葉「お母さん?お母さんなら寝室にいるよ。私たちは今さっきお母さんの看病を終えたばかりなんだ」
木葉「か、看病…?どうしたんだ霊夢は…風邪なのか?」
霊葉「ううん。お父さんがいつになっても帰ってこないから不安でいっぱいになって倒れちゃったの」
木葉「!!」
霊葉「だからみんなで看病してるの。お母さんには早くよくなってほしいから」
木葉「霊葉…」
霊葉「今お母さんは起きてると思うから行ってみるといいよ」
木葉「分かったそうしよう。ありがとう霊葉」
霊葉「うん!」
スタスタスタ
木葉は寝室に向かった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
場所…寝室
木葉「霊夢?具合大丈夫か?」
木葉はそう言いながら寝室に入っていった。
霊夢「あれ…木葉…」
木葉「…ただいま。霊夢」
霊夢「木葉…木葉!?」
木葉「え、うん。そうだけど」
霊夢「木葉!!」
ギュッ!!
木葉を視認した霊夢は布団から起き上がって木葉に抱きついた。
霊夢「木葉…良かった…帰ってきた…」
木葉「ごめんね。少し遅くなっちゃった…」
霊夢「ほんとよ…なんで遅いのよ…もっと早く帰ってきてよ…」
木葉「…ごめんね」
木葉は謝ることしかできなかった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
場所…刻領宝殿
ルナ「無事に第七星座を送り届けましたよ。サン」
サン「うん。ありがとう。こっちも全員終わって今家に帰したところだよ」
ルナ「そうですか」
スタスタスタ
ルナはサンの後ろに近寄った。
ギュッ…
ルナはサンを優しく抱きしめた。
サン「!」
ルナ「…お疲れ様でしたサン。もうお仕事は終わりましたので、ゆっくりと休んでください」
サン「ルナは休まないの?」
ルナ「休みますよ。ですがあなたの方がより魔力を消費していますからあなたが先に休むべきです」
サン「ルナは平気?」
ルナ「はい。平気です」
サン「…分かった。じゃあ少しだけ休ませてもらおうかな」
ルナ「はい。ごゆっくり」
スタスタスタ
サンは自分の寝室に戻った。
ルナ「…」
エア「ルナ?」
ルナが一人でいると、背後から三柱 四季宝神 春 エア・ヴェスナーが声をかけてきた。
ルナ「どうされましたか?エア」
エア「ううん。何か思い詰めてるのかなと」
ルナ「!」
エア「ルナはいつも他人を優先するからね。本音で話したことなんてそんなにないでしょ」
ルナ「っ…」
エア「それで?何か悩んでるんじゃない?」
ルナ「…流石はエアですね。長いこと一緒にいるだけありますね」
エア「まぁね。ルナが分かりやすいだけだよ」
ルナ「そ、そうなのでしょうか…」
エア「うん。少なくとも私には分かる」
ルナ「っ…」
エア「…話せるなら話してみて。辛くなるなら話さなくてもいいよ」
ルナ「…エア」
エア「何?」
ルナ「…少しだけ…お言葉に甘えてもよろしいでしょうか」
エア「うん。いいよ」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
場所…博麗神社 居間
霊葉「はぁ良かった…お母さん元気になった…」
リール「ですね!」
霊葉「急に倒れたから本当に心配したんだからね…」
霊夢「ごめんね霊葉」
木葉「心配かけてごめん霊夢。もう大丈夫だからな」
霊夢「えぇ」
木葉「ところで君たちに話があるんだけど」
そう言って木葉はリールたちを見た。
リール「は、はい!」
木葉「君たちの知り合いに連絡取ったって三柱の方々から聞いたんだけど、まだその人は来てない感じかな」
リール「あ、そうですね。まだ来てないです」
木葉「う〜ん…となると恐ろしく遠い次元にいるのかも…」
オード「宇宙を飛んできてるのか?」
リール「流石に魔女さんでもそのようなことは…」
スカーレット「でも他に方法はないわ」
アンナ「リールのお師匠様はすごいってみんな知ってるよ?」
リール「う〜ん…」
リールたちが話し合っていると外から異様な気配を感じ取った。
木葉「…霊夢」
霊夢「えぇ。何かしら…この感じ」
木葉と霊夢は真っ先にその気配を感知した。
リール「?」
霊葉「これ…初めて感じる…」
霊葉も同じように感知した。
アンナ「え…あの…」
木葉「みんなはここにいて。絶対出てきちゃダメだから。分かった?」
リール「は、はい!」
木葉「霊夢、霊葉。外に行くよ」
霊夢「えぇ」
霊葉「分かった!」
スタスタスタ
木葉、霊夢、霊葉は3人で外に様子を見に行った。
リール「ど、どうしたのでしょうか…」
アンナ「さ、さぁ…」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
場所…博麗神社 外
木葉「…あの人かな」
???「…」
木葉、霊夢、霊葉が外に出ると一人の女性が立っていた。その女性は黒い魔女服を身にまとっており、何やら周囲を観察しているようだった。
木葉「…いくよ」
霊夢「…えぇ」
スタスタスタ
3人はその女性のところに向かった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ザッザッザッ…
複数の足音が聞こえてきた。
???「!」
その女性は足音に気づいて振り返った。
???「っ…」
その女性は木葉たちを警戒していた。
木葉「あの、あなたが魔女さんという方で合ってますか?」
???「!!」
その女性は明らかに驚いた表情を見せていた。
木葉「リールさんという方なら中にいます。こちら側に攻撃の意図はないので警戒しないでください」
魔女さん「…あなた、私と通信した方ではないですね」
木葉「!」
魔女さん「リールは私の弟子です。私と通信した人がここへ道標を表示してくれたおかげで私はこの場に来ることができました。私と通信した方はどこへ?」
木葉「あの方は今は力を使いすぎてお休みしています。この世界とは違う別世界にいます」
魔女さん (別世界…なるほど、どうりであれほどの力を…。私から見ればこの子も別世界の人でしょうが、あの方と比べると遥かに劣っている)
木葉「あの、リールさんたちを元の世界へ連れて帰ってくれるんですよね?」
魔女さん「はい。そのつもりです」
木葉「でしたら今すぐ呼んできますので少々お待ちを」
クルッ…スタスタスタ
木葉は後ろを振り返って歩き始めた。
魔女さん「お待ちください」
木葉「!」
しかし魔女さんがそれを止めた。
魔女さん「あなたではなく、こちらの方々に呼んできてもらえませんか?」
木葉「霊夢と霊葉に…ですか」
魔女さん「はい」
木葉「霊夢、霊葉。お願いできる?」
霊夢「いいわよ」
霊葉「分かった!」
スタスタスタ
霊夢と霊葉はリールたちを呼びに行くことにした。
木葉「…何故僕だけ残したのでしょうか」
魔女さん「あなた、私と通信した人と連絡は取れないのでしょうか」
木葉「取れますよ」
魔女さん「そうですか。ならその方にまた機会があればお会いしましょうとお伝えください」
木葉「…はい。分かりました」
リール「魔女さん!!」
タッタッタッ!!
中から出てきたリールが魔女さんのところまで走った。
魔女さん「リール!」
リール「魔女さん!」
ギュッ!!
リールと魔女さんは互いを強く抱き締めた。
リール「よかった…魔女さん…」
魔女さん「遅くなってすみません。もう大丈夫ですよ」
ザッザッザッ…
後ろからリールの友達たちが歩いてきた。
木葉「君たちも一緒にね」
アンナ「私たち…これで帰れるんですか?」
木葉「はい」
アンナ「っはぁ…よかったぁ…」
スカーレット「ほんと…ビックリしたわね…」
オード「俺はもっとこの世界にいてもいいけどな」
ディア「じゃあお前だけあの緑の髪の女のところにでも行って花でも愛でてろよ」
オード「おいディア。それは冗談じゃねぇぞ」
ノーラ「俺も一生あそこに行きたくない…」
オード「まぁこれにておさらばだしもういいけどな」
ディア「だな」
リール「みなさーん!帰りますよー!」
リールがアンナたちに手を振った。
オード「さ、リールも呼んでるし行こうぜ」
ディア「おうよ」
スタスタスタ
アンナたちは魔女さんのところまで歩いた。
木葉「…さて、みんな準備はいい?」
リール「はい!」
霊葉「またねみんな。また会えるといいね」
リール「はい!霊葉さんも!」
木葉「…じゃ、いくよ。ライブラ」
木葉は天秤座の能力を使った。
ライブラ「はい。お任せ下さい」
木葉「
ビリビリッ…
木葉の口の周りに電気が走った。
木葉「 "おかえり" 」
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!
木葉が言霊の能力を使うと、リールたちが白い光に包まれた。
ドォォォォォォォン!!
その白い光はそのまま天へと昇り、やがて消えてなくなっていった。
木葉「…無事に帰せたよ。ありがとうライブラ」
ライブラ「いえいえ、これくらいの事は朝飯前と言うやつです」
木葉「ふふっ。頼りにしてるぞ」
霊葉「ねぇお父さん」
木葉「ん?」
霊葉「…また、会えるかな」
木葉「…分からん。だが…また…会えるといいな」
〜物語メモ〜
神想言霊(しんそうごんれい)
木葉が使った技。
木葉の能力には言霊という言ったことが現実となる能力がある。ただし、その能力は万能ではなく、使えば何かしらの代償が発生する。
しかし、この技を使えば一度だけ代償を伴わずに言霊を使用できる。その代わり、一度使用すれば再度使用できるまで長い時間が必要になる。
今回は大人数を一度にしかも遠い世界に帰すことになっていたため、その代償も大きくなると考えた木葉はこの技を使うことにした。