ルナの通達
リールたちが帰ってから一週間が経過した。
木葉「…ふぅ」
木葉は縁側でお茶していた。
霊夢「木葉〜?」
そこに霊夢がやって来た。
木葉「え?何?」
霊夢「ちょっとおつかい行ってきてくれない?」
木葉「おつかい?何買うの?」
霊夢「お酒とお肉よ」
木葉「お酒が先に出てくるあたり、お酒が一番欲しいってのがよく分かる」
霊夢「当たり前よ。あんたと私の分よ」
木葉「俺はお酒飲めねぇぞ」
霊夢「じゃあ私一人で飲むわ」
木葉「…ほどほどにな」
霊夢「はいはい。じゃ、これメモ」
木葉は霊夢からメモを受け取った。
木葉「ふ〜ん。なるほどね」
霊夢「さ、行ってきて」
木葉「はいはい」
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…
木葉が出かけようとした時、突然魔法陣が展開された。
木葉「!」
霊夢「!」
木葉と霊夢はすぐその気配を察知した。
ルナ「一週間ぶりですね。第七星座」
木葉「あなたは…三柱…」
ルナ「はい。本日はあなたにお伝えしたいことがあります」
木葉「伝えたいこと…」
ルナ「はい。約2年ぶりに天星祭を開催します」
木葉「…え!?天星祭!?」
霊夢「…?」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
とりあえずルナには上がってもらった。
コトッ…
木葉はお茶を出した。
木葉「こちらどうぞ」
ルナ「あ、ありがとうございます」
ズズズ…
ルナはお茶を一口飲んだ。
ルナ「…ふぅ。美味しいですよ。第七星座」
木葉「ありがとうございます」
霊夢「…」
ルナ「…さて、先程のお話の続きをさせていただきます」
木葉「あぁはい」
ルナ「去年と一昨年はとある事情で行えませんでしたが、今年はそういった事情がないのでサンと相談して開催する流れとなりました」
木葉「ある事情?」
ルナ「はい。これに関しては伏せるようサンに言われているので開示できません」
木葉「あ、はい。分かりました」
ルナ「天星祭はあなた方十二天星にとっては一大イベントですね」
木葉「はい」
ルナ「各々の家が己が力を見せて同じ志を持つ者に傘下に入ってもらう…そうすることで家の勢力は大きくなり、よりポイントを稼げるわけです」
木葉「ですね。2年ぶりですのですっかり忘れていました」
ルナ「…みなさんは最近魔力の消費が激しかったのですが、みなさんの体調を見る限り問題ないですね」
木葉「あ、僕は大丈夫です」
ルナ「ふふっ。他の方々も大丈夫ですので、今回は目一杯戦って頂かないと。自分たちの家を大きくするために」
木葉「はい。頑張ります」
ルナ「では、私は戻って準備をします」
木葉「はい」
ルナ「日にちは一週間後です。また呼びに来ましょうか?」
木葉「いえ、僕が行きます」
ルナ「分かりました。お待ちしております」
ズズズ…
ルナは残りのお茶を飲んだ。
ルナ「元気出ました。では、私はこれで」
木葉「はい。また一週間後に」
ルナ「はい」
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…
ルナはそのまま現代に戻った。
木葉「…ふぅ」
霊夢「ねぇ木葉」
木葉「ん?」
霊夢「何?その天星祭って」
木葉「あぁ、俺たち十二天星は年に一回、自分たちの力を見せて俺たちと同じようにドレインを倒す人たちに傘下に入ってもらうお祭りみたいなのがあるんだ」
霊夢「へぇ」
木葉「そこで優勝すれば観客から力が強いって認められてまだどこの家にも属さない人が傘下に入ってくれるってわけ」
霊夢「あ、そうなんだ。でもさっき家がどうとか言ってなかった?」
木葉「あぁ、傘下に入る人が多いとその分家が大きくなるんだ。そうすれば俺たちが任務を引き受けなくても傘下の人たちが任務を引き受けて遂行すればポイントがもらえるんだ」
霊夢「ポイントがもらえるとどうなるの?」
木葉「年に一回だけそのポイントの集積があって、ポイントが多ければお米とかお肉とかお金とか色々なものがもらえるんだ」
霊夢「お酒は?」
木葉「もらえるよ」
霊夢「え、じゃあ木葉のポイントは?」
木葉「いや、今はドレインを倒しちゃってポイントが稼げないんだ。これは他の十二天星も同じだよ」
霊夢「え?じゃあ何でポイントの話なんてしたのよ」
木葉「ん?そりゃあ…」
木葉は頬に手をついて答えた。
木葉「この先の未来でまたドレインが出てくることが分かってるからだよ」
霊夢「!!」
木葉「一旦は倒しきってもう出てこないと思ってたけどね。でも最近探索隊が新たな土地を見つけてね。そこにはまだたくさんのドレインがいたらしい」
霊夢「え?探索隊?新たな土地?」
木葉「そ。探索隊は俺たちが戦っているドレインしかいない世界。裏の世界だね。そこに入って調査をするのが探索隊なんだ。んでその人たちが新しい座標を手に入れたから行ってみたらドレインがわんさかいたらしいよ」
霊夢「じゃあまた…」
木葉「そう。また人が殺されるかもしれない。だからこれから俺たちも任務に行かなきゃならない」
霊夢「…そう」
木葉「でもポイントが稼げれば色々なものと交換できるから別にいいけどね」
霊夢「木葉なら大丈夫ね」
木葉「おうよ!」
霊夢「それで?どこでやるの?」
木葉「う〜ん…2年前のことだからなぁ…場所は浮かぶけど名前が出てこない…」
霊夢「そうなの…それってあっちの世界?」
木葉「うん。そうだよ」
霊夢「それ、私も見に行ってもいいかしら」
木葉「え?」
霊夢「だって私は木葉の…その…」
木葉「う〜ん…できるかどうかは紫とさっきの人に聞くしかないかな」
霊夢「そう…」
木葉「うん」
霊夢「私は見に行きたい。木葉の戦いをもっと見てたい」
木葉「う〜ん…今聞いてみたら?」
霊夢「え?」
木葉「どうせその辺にいるでしょ?ねぇ!紫!!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
場所…白玉楼
紫「あら、バレちゃったわね」
幽々子「物音なんて立てなかったのによく分かったわね。あの子」
紫と幽々子は紫が開けた隙間から木葉と霊夢を見ていた。
木葉「紫ー!いるー?」
紫「仕方ないわね。ちょっとだけ顔を出してみようかしら」
幽々子「気をつけて」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
場所…博麗神社
紫「あら、私を呼んだかしら?」
木葉「うわっ…ほんとにいた…」
紫「うわっとは失礼ね?光?」
木葉「はいはい。それで、さっきまでの話は聞いてたよね?」
紫「えぇ」
木葉「霊夢がそう言ってるけどどうする?」
紫「はぁ…あなた最近あっちの世界に行き過ぎよ?」
霊夢「うっ…」
紫「あなたが向こうの世界に行ったあとの結界の管理は私と藍の2人だけよ?」
霊夢「ぅっ…」
紫「別にヘマはしないけど流石に巫女としての責任みたいなのがあるんじゃない?」
霊夢「ぅっ…」
紫「あなたこの世界の守護者でしょ?自覚ある?」
霊夢「あるわよ…」
紫「なら、私の答えくらい分かるんじゃない?」
霊夢「っ…」
霊夢はギュッと拳を握った。
霊夢「でも…見に行きたいし…」
紫「あなたの都合でこの世界が滅んだらどうするのよ。責任取れる?あなた一人の命じゃ足りないわよ?」
霊夢「…」
紫「つまりはそういうこと。だから諦めなさい」
霊夢「…」
霊夢は下を向いた。
木葉「ごめんな霊夢。今回はダメそうだ」
霊夢「っ…」
木葉「それかこっちに中継が繋がるようになればどう?」
紫「中継?」
木葉「そう。こっちの状況が分かるようになればわざわざこっちの世界に来る必要はなくなるよ」
紫「それはいいわね」
木葉「じゃあそんな感じで話をとお…」
霊夢「嫌よ!」
霊夢の声で周囲が静まり返った。
霊夢「…嫌よ…そんなの」
木葉「…霊夢」
紫「でもあなたの身勝手でこの世界が…」
霊夢「それも分かってる。でも見に行きたいの」
紫「あなた…そんなこと言って」
霊葉「お母さん?どうしたの?」
紫「霊葉ちゃぁぁぁぁぁん!!」
ギュッ!!
紫は霊葉の姿を見るなりいきなり抱きついた。
霊葉「うぐっ…紫さん…苦しい…」
紫「あらごめんなさいね。じゃあ次は優しく…」
ギュッ…
今度はゆっくり優しく抱きついた。
霊葉「あぁ…気持ちいい…」
紫「ふふっ…良かったわ」
霊葉「あ、そうだ紫さん」
紫「何?」
霊葉「さっきお母さんの声が聞こえたんだけど何かあったの?」
紫「あぁ…霊夢ったらまた外に出ようとしたのよ」
霊葉「え!?」
紫「だからあなた最近あっちの世界に行き過ぎって伝えたの。あまり巫女の仕事を放棄されたら困るわって」
霊葉「えっ…」
紫「霊葉ちゃんはどう?お母さんがあっちの世界に行くのは反対?それとも賛成?」
霊葉「えっ…お母さん何で外の世界に行くんですか?」
紫「えっと…何でだっけ?光」
木葉「一週間後に天星祭っていう俺たち十二天星の傘下になる人を集めるお祭りみたいなのがあるんだ。まぁ内容はただの十二天星同士の戦いなんだけどね」
霊葉「えっ!私も見に行きたい!!」
木葉「えっ!?」
紫「えっ!?」
霊夢「!!」
霊葉「だってお父さんの戦いが見れるんでしょ!?私も見に行きたい!!」
紫「えっと…霊葉ちゃん?それでね、霊夢は…」
霊葉「お母さんだけずるい!!私だって見に行きたいのに!!」
霊夢「霊葉…」
紫「えっと…霊葉ちゃん…」
霊葉「紫さん!!私も見に行ってもいいですか!?」
紫「えっ…」
霊葉「私も見に行きたいです!!」
紫「えっとぉ…それはぁ…」
霊葉「えっ…ダメ…なんですか…」
紫「!!」
霊葉は落ち込んだ表情を見せた。
霊葉「そ、そうですか…やっぱり…難しいんですね…」
紫「っ…」
霊葉「ごめんなさい…やっぱりさっきのは忘れてください…」
スッ…
霊葉が紫から手を離した。
霊葉「ごめん…なさい…」
スタスタスタ
霊葉は振り返って歩き始めた。
紫「待って霊葉ちゃん!!」
ギュッ!!
その場を立ち去ろうとした霊葉の後ろから紫が抱きついた。
紫「行っていいわよ!こっちの事は任せて!結界なら私が何とかするから!ごめんね…霊葉ちゃんがそんなに行きたいと思ってなかったから…」
霊葉「えっ…じゃあ…行ってもいいんですか?」
紫「えぇいいわよ!見に行きたいなら行ってきなさい!」
霊葉「紫さん!!」
ギュッ!!
霊葉は振り返って紫を抱きしめた。
霊葉「ありがとうございます紫さん!私紫さんが大好きです!!」
紫「大…好き…」
ギュゥゥゥゥゥゥゥ…
紫は霊葉を強く抱きしめた。
紫「私も大好きよ…霊葉ちゃん」
霊葉「やった…紫さんも私のこと好きだったんですね…両思いですね」
木葉「えっ紫…いいのか?本当に」
紫「当たり前じゃない。3人で行ってきなさいな」
木葉「おいおい…」
紫「ただし、さっき言ってた中継?とやらを白玉楼に繋いでくれないかしら」
木葉「いいけどなんで?」
紫「私がここを離れるわけにはいかないわ。だから代わりに見れるものが欲しいのよ」
木葉「…分かった。それで許してくれるならそうしよう。後で連絡入れるわ」
紫「お願いね」
霊葉「ありがとうございます紫さん!」
紫「いいのよ霊葉ちゃぁぁぁぁん!!」
二人は何故か少しの間抱きついたままで過ごした。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
その日の夕方…
紫「ふぅ…霊葉ちゃんをたっぷりと堪能できたわ…はぁ…はぁ…」
木葉「あんたほどほどにしろよな。霊葉が疲れて寝ちまったじゃねぇか」
紫「最近足りなかったのよ。私はこれでずっと起きていられるわ」
木葉「はぁったくよぉ…」
紫「それで光。約束…ちゃんと守ってよ?」
木葉「大丈夫。もう連絡は入れてるから」
紫「そう。良かったわ。それじゃあね」
木葉「あぁ。じゃあな」
スゥゥゥゥゥ…
そう言って紫はスキマを開けて姿を消した。
木葉「よかったな霊夢。行ってもいいってさ」
霊夢「うん…良かった…」
〜物語メモ〜
天星祭
木葉の世界では年に一回、傘下を募集するための催しがある。それが天星祭。
天星祭では、十二天星や十二星座たちが戦って優勝を目指すものとなっているが、成績が良いほどより多くの人が傘下として十二天星の家に加わるようになっている。
もちろん成績が悪くてもその家に傘下に入りたい人は優勝関係なしにその家を選ぶが、大抵の人は優勝した家に傘下に加わろうとする。
ここでは優勝=力が強い家という認識となっており、十二天星たちはより多くの傘下を引き入れるために優勝を目指す。
ポイント
十二天星や他のドレインを討滅する人たちはドレインを討滅することでポイントを稼いでいる。
一回の任務で得られるポイントはドレインの危険度と討滅数によって変動するが、討滅する人たちにも階級があり、その階級によって元々得られるポイントは違う。
階級が上に行けばドレインを一体も討滅しなくても何ポイントかはもらえる。
このように、任務に行くだけでもらえるポイントとドレインの危険度や討滅数で得られるポイントを合わせた合計ポイントが任務後に与えられて、あとは各々お金や食べ物などと交換する。
傘下に入った人はその得られたポイントを家に寄付することで、より強い武器や身体能力の強化などを受けることができる。