木葉の幻想郷日記   作:バスタオル

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第1巡 3回戦 双子座 双葉 宗司 VS 水瓶座 本庄 姫乃

「さぁ!続きまして第1巡 3回戦!!あらゆるものを融合、分離させたり、またあらゆるものを変換、消滅させる恐るべき力を持つ星座!!第三星座 双子座の双葉(ふたば)宗司(そうし)様!!」

 

双葉家の傘下たち「宗司様ぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「そして迎え撃つは十二天星唯一のヒーラー!!回復だけでなく死に戻りという一度死んでも蘇る特異な力を持つ人の生死を司る星座!!第十一星座 水瓶座 本庄(ほんじょう) 姫乃(ひめの)様!!」

 

本庄家の傘下たち「姫乃様ぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

双葉「…」

本庄「…」

 

2人はお互いを見ていた。

 

「それでは…第1巡 3回戦 …始めぇ!!」

 

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双葉「本庄さん」

 

本庄「はい。何でしょうか」

 

双葉「俺…本気でやりますよ」

 

本庄「…そうですか。…なら」

 

ヒュォォォォォォォ…

一瞬で空気が変わった。

 

双葉「!!」

 

本庄「…私も…本気でいきましょうか」

 

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場所…第七星座 天秤座の観客席

 

霊葉「あれ…何か寒気が…」

 

光「水瓶座の気配かな。相変わらずすげぇな」

 

霊夢「え?気配だけでこうなるの?」

 

光「水瓶座はな。人の生死を司るあの星座は相手を威圧する力を持つ。しかもその威圧が周囲に影響するんだ。それ以上の効果はないが、俺たちがあいつを前にすると大体あぁやって怖気付く」

 

霊夢「へ、へぇ…」

 

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場所…舞台

 

双葉「っ…」

本庄「…」

 

両者、相手の行動をうかがっていた。

 

双葉 (さて、どうしたもんか。本庄さんの相手をすると大体足がすくんで動けなくなる)

 

本庄「…双葉くん」

 

双葉「!」

 

本庄「来ないのですか?」

 

双葉「っ!」

 

双葉は未だに動けないでいた。

 

本庄「来ないならこちらからいきますね」

 

本庄は水を使って弓の形を作った。

 

本庄「魔弓 レヴィアタン!!」

 

ピュン!!

本庄は水で作った弓と矢を双葉に向けて放った。

 

双葉「!?」

 

ヒュッ!

双葉は間一髪のところで避けた。

 

双葉「っぶねぇ…」

 

本庄「まだまだ行きますよ」

 

ピュン!ピュン!ピュン!

本庄は立て続けに攻撃をした。

 

双葉「うおっ!」

 

ヒュッ!ヒュッ!ドスッ!

双葉は何とか避けたが、最後の一発だけ攻撃を受けてしまった。

 

双葉「いでっ!!」

 

本庄「そこっ!」

 

ピュン!

本庄はその隙を見逃さなかった。

 

双葉「しまっ!」

 

グサッ!

双葉は今度はまともに攻撃を受けてしまった。

 

双葉「うげっ!いでぇ!いでぇぇぇぇ!!」

 

本庄「ふふっ…次はこれです!水大砲(ウォーター・キャノン)!」

 

ブクブクブクブクブク!

次に本庄は水で大砲を作り出した。

 

双葉「はぁっ!?」

 

本庄「いけぇ!」

 

ドォン!

すると水の砲弾が飛んできた。

 

双葉「それはマズイって!!」

 

ドォォォォォン!!

着弾した水は周囲に飛び散った。

 

本庄「…あらら…外しましたか」

 

双葉「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

 

双葉は根性でその場から移動していた。

 

双葉「あっぶねぇ…」

 

本庄「じゃあ次はこれです!水銃(ウォーガン)!」

 

ブクブクブク!

すると本庄は次に銃を作った。

 

双葉「えっ…マジ…」

 

本庄「ふふふっ…」

 

バァン!

本庄は普通に引き金を引いた。

 

双葉「うげぁっ!」

 

放たれたのは水の弾だが、威力は高い。双葉は避けられずにまともに受けてしまった。

 

本庄「まだまだいきますよ」

 

バァン!バァン!バァン!バァン!バァン!

本庄は容赦なく双葉を攻撃する。

 

双葉「うがっ…がっ…げぇ!」

 

双葉は全弾受けてしまった。

 

ドサッ!

双葉はその場に倒れてしまった。

 

本庄「あらあら…その程度ですか?双葉さん」

 

双葉「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

 

双葉は水の弾が当たったところを押さえていた。

 

双葉 (マズイ…最初に弓の攻撃を受けてしまった。あれのせいで全然動けねぇ…しかも銃とか反則だろ…人間なんだから避けらんねぇんだよ…)

 

本庄「案外早いものですね?双子座は」

 

カチッ…

本庄は双葉に銃口を向けた。

 

本庄「流石にまだ終わりませんよね?双葉さん」

 

双葉「終わらねぇよ…こんな早く終わっちまったら…傘下の人たちに…示しがつかん…」

 

本庄「ふふっ…そうですね。当主がそんなでしたら傘下の人たちも心配になるでしょうね?」

 

双葉「っ…」

 

双葉は何とか立ち上がろうとした。

 

バァン!

すると本庄は双葉の足に向けて撃った。

 

双葉「がぁぁっ!」

 

双葉はあまりの痛さにまた倒れてしまった。

 

本庄「…ふふっ」

 

本庄は笑みを浮かべながら双葉に銃口を向けた。

 

本庄「さて、次はどこを撃ちましょうか。腕ですか?体ですか?足ですか?…それとも、頭ですか?」

 

双葉「っ…」

 

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場所…第七星座の観客席

 

光「怖ぇ…本庄のやつ…」

 

霊夢「何よあれ。あんな遅い弾くらい避けられないの?」

 

光「避けられないよ。俺たちは元々普通の人間なんだから」

 

霊夢「ふーん。あんたたちも不便ね」

 

光「あぁ、不便だ」

 

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場所…第二星座の観客席

 

条乃「うわっ…怖っ…」

 

条乃の傘下「和人様…あの方…第十一星座の…」

 

条乃「あぁ…水瓶座の本庄姫乃だ…」

 

条乃の傘下「あの方は確か和人様の…」

 

条乃「あぁ…俺の相方だな…相変わらず怖ぇ…」

 

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場所…舞台

 

本庄「決めました。腕にしますね」

 

双葉「分離(パラメト)!!」

 

ブゥゥゥゥゥン!

すると双葉の掌に何やら青黒い球体のようなものが生成された。

 

バァン!

本庄は銃の引き金を引いた。

 

サァァァァァァ…

すると水の弾が消えていった。

 

本庄「!?」

 

双葉「…へへっ…助かったぜ…」

 

本庄「なっ、一体何が…」

 

双葉「本庄の弾はただの水だろ…だから水素と酸素に分離させた…俺の星座 双子座はな…分離と融合を操る能力を持つ…からな…」

 

本庄「な…なるほど…」

 

双葉「そしてこれが!!」

 

バッ!

双葉は立ち上がって腕を広げた。

 

本庄「?」

 

双葉「分離纏い(パラメト・アーム)!!」

 

ブゥゥゥゥゥン!

すると先程の青黒いものが双葉の体を覆った。

 

本庄「な、何でしょうか…それは…」

 

双葉「分離の力を体に纏った。これで本庄の水の攻撃が通用しないわけだ」

 

本庄「!!」

 

双葉「今度はこっちから行くぜ!」

 

ブゥゥゥゥゥン…

すると双葉は掌に青黒い球体を作り出した。

 

双葉「減衰分離(パラメト・アオ)!!」

 

ビュン!

すると双葉が作り出した青黒い球体が本庄の体に当たった。

 

本庄「っ…?」

 

しかし本庄には何の変化もなかった。

 

本庄「あれ…全然痛くない」

 

双葉「…」

 

本庄「傷も見当たらないですし…」

 

双葉「どんどん行くぜ!!」

 

ブゥン!ブゥン!ブゥン!ブゥン!ブゥン!

双葉は更に青黒い球体を作り出した。

 

双葉「はぁぁぁぁぁっ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

そしてそれを本庄に放った。

 

本庄「わっ!」

 

その青黒い球体は本庄の体を通過した。

 

本庄「っ…?」

 

しかしさっきと同じように全くダメージを受けなかった。

 

本庄「あれ…やっぱり全然痛くない…な、何故でしょうか…」

 

双葉「っしゃ!こっからが勝負だ!」

 

双葉は地面に手を着いた。

 

双葉「地割れ(パラメト・グラン)!!」

 

バゴォォォォン!!

すると突然舞台が真っ二つに割れた。

 

本庄「なっ!」

 

本庄はよろけたが、何とか脱出できた。

 

本庄「すごいですね双葉さん。こんなこともできるなんて」

 

双葉「分離の力は強えからな」

 

本庄「でしたら私も!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ!

本庄は水の球体を作り出した。

 

双葉「さっき効かないって言ったのに…」

 

本庄「いきます!!」

 

パチン!

すると本庄が作り出した水の球体が弾けた。

 

本庄「…えっ」

 

双葉「ふふふっ…あっはははははは!!」

 

本庄「!」

 

突然双葉が笑い始めた。

 

双葉「引っかかったな本庄!全ては計画通り!!」

 

本庄「な…何が計画通りなんですか!!」

 

双葉「ふっふっふっ…俺は自分に分離の力を纏わせた。それに、俺は本庄にある施しを与えた」

 

本庄「私に…施し…?」

 

双葉「減衰分離(パラメト・アオ)

 

本庄「!」

 

本庄はさっき受けた技を思い出した。

 

本庄「えっ…まさかさっきの青黒い球体…」

 

双葉「そう。あの技は相手の能力を弱くするための技。ダメージはないが、能力を削ることができる。さっき本庄の水が弾けたのは容量オーバーだったんだよ。本庄が使える力が弱くなってる。その状態でいつものように戦えばたちまち技は中断される。身の丈に合った技で攻撃しねぇと技が出なくなるぜ?」

 

本庄「まさか…油断させて…」

 

双葉「あ、でも死ぬかと思ってたから。本気で」

 

本庄「あ、そうなんですね」

 

双葉「だが、これで本庄の攻撃手段は格段に少なくなったわけだ」

 

本庄「!」

 

双葉「確か本庄の能力は水と治癒を操る能力。攻撃手段は水だけ。治癒と言っても能力が弱くなってる今、回復力も少なくなっている」

 

本庄「!?」

 

双葉「さて、攻撃手段がなくて回復もやりにくくなってる。どうする本庄。負けを認めるか?ちなみに俺はまだ融合の能力も残している。勝つのは絶望だろうなぁ」

 

本庄「っ…」

 

本庄は手詰まりだった。確かに本庄の攻撃手段は水だけ。だがその水は双葉が纏っている分離の力で無かったことにされる。しかもその上、能力を弱くされているため、攻撃力は格段に下がっているし、唯一の回復もそこまで効果がない。

 

双葉「じゃあ次は俺だな」

 

双葉はさっき地割れを起こした際に出てきた小石を拾った。

 

双葉「分離の能力って意外と便利でな、ただ物を分離するだけじゃないんだ」

 

本庄「物を分離するだけじゃない…?」

 

双葉「そう。例えばそうだなぁ…」

 

双葉は考えるふりをして本庄を見た。

 

双葉「この小石が俺から分離するようにも仕向けることができる。つまり…」

 

双葉は小石を本庄に向けた。

 

双葉「磁石のように反発させることもできるってわけ!」

本庄 (磁石みたいに互いを反発させることができる!)

 

本庄の考えは合っていた。

 

ビュン!

すると双葉の掌に乗っていた小石が凄まじいスピードで本庄に向かって飛んだ。

 

本庄「っ!」

 

本庄はそれを読んでいたのか、何とか直撃は免れた。

 

双葉「えっ…えっ?」

 

ツーッ…

すると本庄の左肩から少し血が出てきた。

 

本庄 (少し受けてしまいましたか…でも直撃は免れたようですね)

 

双葉「すげぇな本庄。あの速度なのに避けるなんてな」

 

本庄「いえ、ただ私の読みが当たってただけですよ」

 

双葉「はっはっはっはっはっ!すげぇぜ本庄!!」

 

ビリビリビリビリ…

すると双葉は周囲に散らばっている小石を融合の能力で集めた。

 

双葉「なら次は避けらんねぇだろ!!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

すると双葉は分離の能力で集めた小石を本庄に向けて放った。

 

本庄「なっ!」

 

ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!

その小石は本庄のお腹や足、腕に直撃した。

 

本庄「あぐっ…うっ…ぐっ…」

 

本庄は何とか腕でガードしていた。双葉が集めた小石はそこまで多くなかったが、本庄には的確にダメージを与えていた。

 

本庄「うっ…ぐっ…」

 

本庄は痛みに悶えていた。いたるところから血が出ていたり、アザができたりしていた。

 

双葉「…」

 

双葉はその様子を見ていた。

 

本庄「ぐっ…いっ…たい…」

 

本庄はあまりの痛さに悶絶していた。

 

双葉「どうだ本庄。これが双子座の力だ」

 

本庄「す…すごいですね…双葉さん…私じゃ…敵わない…ですね…」

 

双葉「…」

 

ブゥゥゥゥゥン…

双葉は青黒い球体を作り出した。

 

双葉「最後は分離じゃない。これはただの気弾みたいなやつだ。大ダメージを受けたお前ならこのくらいで十分だろ」

 

本庄「ははっ…中々…手を抜いてきますね…双葉さん…」

 

双葉「…」

 

本庄「倒すなら…本気でした方がいいですよ…てないと…相手を侮辱しているのと…同じです」

 

双葉「…そうか」

 

ブゥゥゥゥゥン!!

双葉はさらに大きな青黒い球体を作り出した。

 

双葉「なら!全身全霊!俺の力を全てつぎ込んでお前にぶつけてやるよ本庄!!」

 

本庄「そうです…その調子です…双葉さん…それくらいでないと…私は…倒せませんよ」

 

双葉「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

バゴォォォォン!!

双葉は青黒い球体を本庄にぶつけた。本庄はガードする素振りもなく双葉の攻撃を受けてしまった。

双葉の攻撃は凄まじく、舞台の9割が吹き飛んでしまった。しかし観客席は第四星座 蟹座の傘下の人たちが展開している結界によって守られていた。

 

パラパラパラパラ…

周囲に小石などが散らばっている。

 

双葉「…」

 

本庄「…」

 

本庄はそこに倒れていた。全くガードする気もなかったようだ。負けを悟ったのか、双葉の攻撃を受け入れてしまった。

 

双葉「…なんで守らなかった」

 

本庄「…」

 

双葉「なんで守らなかったんだよ本庄」

 

本庄「…」

 

双葉「お前なら守るって思ってたから本気で攻撃したんだぞ。もう力もそれほど残ってない。せいぜいちょっとした技を使うくらいだ」

 

本庄「…」

 

本庄は全く返事しなかった。

 

双葉「…俺の勝ちだ本庄。2回戦に上がらせてもらうぜ」

 

そう言って双葉は本庄に背を向けて舞台を降りようとした。

 

本庄「…全く。あなたは本当に手を抜くんですね。双葉さん」

 

双葉「!」

 

その声を聞いた双葉は後ろを振り返った。すると、そこに立っていたのはまぎれもない本庄 姫乃だった。

 

本庄「私言いましたよね。倒すなら本気でと。手を抜くのは侮辱と同じだと。そう言いましたよね?双葉さん」

 

双葉「…なんで…本庄…お前…倒したはずだろ…」

 

本庄「…第十一星座 水瓶座の特権ですよ」

 

双葉「水瓶座の…特権…?」

 

本庄「生死を司る水瓶座は他の星座と違って死に戻りができます。まぁ蘇生ですね」

 

双葉「なっ…」

 

本庄「一度やられた私は万全の状態で復活できます。一回だけですけど。それでも倒れる前に受けた状態異常やダメージは全て無かったことにされます。つまり、あなたが使った能力を弱くする技の効果も全て消えています」

 

双葉「復活…だと…」

 

本庄「はい。今の私は戦う前の万全な私です。あなたが私を倒すためには、私を2回戦闘不能にしなければならないのです」

 

双葉「嘘…だろ…」

 

本庄「それを知らないあなたは力の大半を使って私を倒した。今はどうです?ちょっとの技を使うくらいにしか力は残ってないんじゃないですか?」

 

双葉「!?」

 

本庄「私が本気で倒してと言ったのはそこです。私は復活できるので、あなたの力をなるべく削ってからまた復活する予定でした。ですが残念です。あなたは手を抜きました。少し力を残して私を倒しました。私は本気で倒せと言ったのに」

 

双葉「っ…」

 

双葉は少し焦っていた。

 

本庄「ですが、まぁいいでしょう。力の大半を削れただけマシです」

 

双葉「なるほど…だが俺には水は効かねぇ…結局俺に倒されるのが運命だ」

 

本庄「え?何言ってるんですか?」

 

双葉「?」

 

本庄「双葉さんが纏ってたすごい分離の能力は今どこにありますか?」

 

双葉「!」

 

双葉は自分の体を見た。すると、さっきまで纏っていた分離の力がなくなっていた。

 

双葉「なっ!なんでっ!」

 

本庄「全部ではありませんが、力の大半を失ったんです。その中にあの分離の能力を纏う力があったのでしょう。今のあなたではあの分離の能力を纏うだけの力はありません。ましてや分離の能力を纏っていてもそれを保持する力もないでしょう」

 

双葉「っ…」

 

双葉はさらに焦っていた。

 

本庄「さて、やりましょうか双葉さん」

 

ブクブクブクブクブク!

本庄は水の銃をいくつも作り出した。

 

双葉「!!」

 

本庄「今度の私は容赦しませんから」

 

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場所…第七星座の観客席

 

霊夢「あの人…やられたはずよね…」

 

光「うん。第十一星座 水瓶座はな、やられても復活できるんだよ」

 

霊夢「えっ!?復活!?」

 

光「うん。本庄自体の体力は低いけど、それを復活として補っている。これなら実質体力は2倍。低い体力を補うことだって可能だ」

 

霊夢「すごい…復活できるなんて」

 

光「しかもできるのは本庄だけ。すげぇぜ全く…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…舞台

 

バァン!バァン!バァン!バァン!バァン!バァン!

本庄は水の弾を撃ち始めた。

 

双葉「分離(パラメト)!」

 

ブゥン…ブゥン…ブゥン…ドスッ!ドスッ!ドスッ!

双葉は分離の能力を使った。だが途中で効果が切れて何発か被弾してしまった。

 

双葉「うぐっ…」

 

本庄「まだまだいきますよ!!」

 

ブクブクブク!

本庄は大砲まで作り始めた。

 

ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!

水の大砲も双葉を攻撃し始めた。

 

双葉「うぐっ…がっ…ぐっ…」

 

双葉はただガードするしかなかった。さっきまでは能力が使えていたが、今は力が足りず、腕でガードするしかなかった。

 

本庄「水の鎧(ポセイドン)!」

 

ザバァァァァァ!

本庄は水に包まれた。

 

双葉「!」

 

水から出てきた本庄は何やら水の鎧のようなものを身にまとっていた。

 

本庄「ではいきます!」

 

ブクブクブク!

本庄は水の槍を作り出した。

 

本庄「はぁぁぁぁぁぁ!」

 

本庄は槍を構えて突進してきた。

 

双葉「くっ…」

 

双葉は何とかしてその場から移動した。

 

本庄「遅い!」

 

ビュン!ドゴォン!

本庄の槍が双葉の腹を貫通して壁に激突した。

 

双葉「ぐっ…ごほっ…」

 

双葉は吐血した。

 

本庄「…」

 

グサッ!

本庄は双葉の腹から槍を引き抜いた。

 

ドサッ…

双葉はそのまま地面に倒れた。

 

双葉「ぐっ…いてぇ…」

 

本庄「さて、これで一撃ですね」

 

ビュンビュンビュン!

本庄は槍を振り回してから投擲姿勢を取った。

 

本庄「双葉さん。最後の攻撃ですよ。何か言いたいことはありますか?」

 

双葉「言いたいこと…か…」

 

双葉は胸元から十二門の鍵を取り出した。

 

双葉「融核双合(ゆうかくそうごう)…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ!!

突然双葉の体に白い光が集まった。

 

本庄「なっ!まさか…」

 

本庄は投擲姿勢をやめて少し距離をとった。

 

双葉「…ふぅ」

 

双葉の傷は少しだけ癒えた。

 

双葉「…」

 

双葉は十二門の鍵を使ってジェミニのステータスを一部引き継いだ。

 

本庄「…十二門の鍵ですか」

 

双葉「…あぁ」

 

双葉は本庄の方を見た。

 

本庄「そうですか。案外早い段階で使いますね」

 

双葉「…本庄こそ。随分と早い段階で死に戻りを使ったな。もうあとはないぞ」

 

本庄「っ…」

 

スッ…

双葉は本庄に掌を向けた。

 

双葉「消滅(‪ディスペイン)

 

バキッ!!

すると本庄が纏っていた水の鎧が粉々に砕けた。

 

本庄「!?」

 

本庄はそれを見て驚いていた。

 

ピシッ…パリン!

すると水の槍も破壊されてしまった。

 

本庄「そんな…私の武器と防具が…」

 

双葉「消滅の能力だ」

 

本庄「!!」

 

双葉「あらゆるものを消し去る能力。より大きな力を使うから十二門の鍵を使わねぇと使えない覚醒能力だ」

 

本庄「くっ…見誤っていました。そういえば覚醒能力がありましたね」

 

双葉「…さて、俺もこのままいくとやられちまう。魔力は回復したが、体力は回復してない。このまま逃げ切られたら俺は負け。…だから」

 

本庄「…」

 

双葉「奥義 理想 未来(みらい)(つむ)ぎし泡沫(うたかた)のまほろば」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

すると双葉の胸の前に白い光の玉が形成されていった。

 

本庄「それ…まさか…」

 

双葉「…事象の書き直し。言わば結果を変えるものだ」

 

本庄「!?」

 

双葉「俺が勝つ未来に変えてもいいが、今の俺にはそれよりも体力の回復が必要だ」

 

本庄「え?勝つ未来に変えればそれでよいのでは…」

 

双葉「いや、それだとダメだ」

 

本庄「?」

 

双葉「…力が足りない。今の俺の力では俺を勝たせるような未来に書き換えるのは不可能だ。今の俺にできるのはこの死にかけだった俺の体力を減ってない未来に書き換えることだけ…はぁ…最初から本庄の掌の上だったわけだ」

 

本庄「っ…」

 

キィィィィィィィィ!!

するとその白い光の玉が急激に膨張して周囲を照らして弾けた。

 

双葉「…ふぅ」

 

本庄「…」

 

双葉の体力は全快になっていた。

 

双葉「さて、やろうか本庄。第2ラウンドだ」

 

本庄「っ…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!

本庄は水の大砲を放つ。

 

双葉「へっ!遅いおそい!!」

 

双葉はその攻撃を簡単に避けていく。

 

本庄「くっ…」

 

ブクブクブクブクブク!

本庄は水の銃を作った。

 

バァン!バァン!バァン!バァン!バァン!バァン!

そして双葉に向けて放った。

 

ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!

何発かの弾丸は双葉の足に直撃した。

 

双葉「くっ…」

 

本庄 (銃なら勝てる!)

 

ブクブクブクブクブクブク!

本庄は水の大砲を解除して水の銃を複数作った。

 

双葉「!?」

 

バババババババババババババババ!!

本庄の水の銃が双葉に向けて一斉射撃を行った。

 

ドス!ドス!ドス!ドス!ドス!ドス!ドス!

双葉はさっきよりも多く被弾した。

 

双葉「くっ…銃の数を増やしやがって…弾丸は避けられねぇっての!!」

 

ブゥゥゥゥゥン!ドォン!

双葉は青黒い球体を作って本庄に撃った。

 

本庄「離散!」

 

ババッ!

すると水の銃たちが青黒い球体を避けた。

 

双葉「くっ…」

 

バババババババババババババババ!!

本庄の水の銃は容赦なく双葉を撃つ。

 

双葉「くそっ!」

 

ブゥゥゥゥゥン!

双葉は分離の能力を身にまとった。

 

双葉 (よしっ…これで…)

 

本庄「くっ…」

 

パチン!

本庄は水の銃たちを解除した。

 

本庄 (私はまだダメージを負ってない。このまま双葉くんに力を使わせ続ければいつしかあの分離の能力も解除されるはず!)

 

双葉「いくぜ!」

 

ブゥゥゥゥゥン!ドォン!

双葉は分離の能力で青黒い球体を作って本庄に撃った。

 

本庄「はっ!」

 

本庄は双葉の攻撃を避けた。

 

本庄 (よしっ、このまま力を使わせ続ければ…)

 

双葉「こっちだ」

 

本庄「!?」

 

双葉の声が本庄の真後ろから聞こえた。

 

ドォン!

双葉は本庄の背中に分離の能力をぶつけた。

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ!ドゴォン!

本庄は分離の能力で壁まで吹っ飛ばされてしまった。

 

双葉「にひひ…」

 

パラパラパラパラ…

本庄は何とか立ち上がれた。

 

本庄 (一体何が…確かに双葉くんは私の後ろを追いかけていたはず…なのに振り返れば双葉くんがいた…)

 

双葉「分離の能力は俺自身も分離できる。言い方を変えればいわゆる分身だ」

 

本庄「!?」

 

本庄の目の前には双葉が二人いた。

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

すると双葉の分身が消えた。

 

双葉「俺の双子座は2人で1つの星座だからな」

 

本庄「なっ…」

 

双葉「ジェミニもジェミとジェニに分身する。それを使わせてもらっただけだ」

 

本庄「くっ…」

 

本庄は治癒の能力を使った。本庄は少しだけ体力を回復できた。

 

本庄「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

双葉「さて、堕落を使うまでもなく勝てそうだ」

 

本庄「!」

 

本庄はこの時、ある事を考えていた。

 

本庄 (双葉くんは今、十二門の鍵を使ってる。私はまだ使ってない…。どうりであまりダメージがなさそうで、こっちは大ダメージだったのね。だったら…)

 

ザッ…

本庄はゆっくりと立ち上がった。

 

双葉「お、命乞いってやつか?」

 

本庄は胸元から鍵を取りだした。

 

双葉「!?」

 

本庄「十二門の鍵 水蓮魅楽(すいれんみらく) 解錠!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ!

すると青い光が本庄を包み込んだ。

 

双葉「くそっ!油断した!鍵を使われちまった!!」

 

ヒュォォォォォォォ…

本庄はアクエリアスのステータスを一部引き継いだ。

 

本庄「…」

 

本庄は双葉を睨んだ。

 

双葉「っ…」

 

本庄 (これでアクエリアスの体力を受けることができた。おかげでまだ戦える。…でも、あの能力が厄介。あれをどうするか…)

 

双葉「へっ…お前も使っちまったか…だが俺にはまだ秘策がある」

 

本庄「!」

 

双葉「…堕落だ。堕落を使えば俺は一時的に死ななくなる。つまり、負けない」

 

本庄「!!」

 

双葉「一時的ではあるが、その間に決着をつければ何も問題はない」

 

双葉は堕落を発動しようとした。

 

本庄「まっ!」

 

双葉「堕落 不滅新化(ふめつしんか)!」

 

ギュォォォォォォォォ!

青黒い何かが双葉の体を包み込んだ。

 

本庄「なっ…」

 

ミーナス「…ふふっ。あっはははははは!」

 

双葉は不滅の心核 ミーナスになった。

 

本庄「っ…」

 

ミーナス「久しぶりだなぁ…この力!!」

 

双葉はジェミニと融合して女性のような体つきになっていた。

 

本庄「…アクエリアスさん…すみません!」

 

本庄も堕落を使った。

 

本庄「堕落 冥界水蓮(めいかいすいれん)!!」

 

ギュォォォォォォォォ!!

水色の光が本庄を包み込んだ。

 

ミーナス「うっふふふふふ…」

 

ミーナスは不敵な笑みを浮かべていた。

 

ディエラ「…ふぅ」

 

本庄はアクエリアスと融合して死に戻りの姫 ディエラとなった。

 

ミーナス「あらディエラじゃない。お久しぶりかしら?」

 

ディエラ「…ミーナス」

 

ミーナス「せいか〜い♪相変わらず堅物なのねぇあなた」

 

ディエラ「…なるほど。あなたが私のお相手ということですか」

 

ミーナス「またまたせいか〜い♪じゃあ正解したディエラには〜…」

 

ブゥゥゥゥゥン!

ミーナスは青黒い球体を掌に作り出した。

 

ミーナス「ここから退場する権利をあげま〜す♪」

 

バゴォォォォン!!

するとミーナスは消滅の力を使った。

 

ディエラ「っ!」

 

ビュン!

ディエラはその攻撃を簡単に避けた。

 

ミーナス「あらあら、せっかくいい攻撃したのに避けるの?」

 

ディエラ「…冥界」

 

ヒュォォォォォォォ…

辺りの空気が変わった。

 

ミーナス「ん?あら、何やら不穏な空気が漂ってるわね」

 

ミーナスはすぐにその空気を感知した。

 

ディエラ「…」

 

ミーナス「これはあなたの能力かしら?ディエラ。あなたの冥界の能力」

 

ディエラ「!」

 

ミーナス「確か効果を反転させる力を持つのよねぇ。ダメージは回復に、回復はダメージになる。確かそのような効果のはずよ?」

 

ディエラ「…」

 

ミーナス「…まぁ、当たってるでしょうね」

 

ディエラ「私は十二天星で唯一の回復係。人の生死を司る水瓶座。私の考えひとつであなたの死は決まる」

 

ミーナス「でも私は死なない。不滅だからね」

 

ディエラ「ふっ…」

 

ディエラはミーナスに掌を向けた。

 

ミーナス「あら、攻撃すれば回復するのよ?それでもいいの?」

 

ディエラ「…」

 

ミーナス「あら、いいのね。じゃあどうぞ」

 

ミーナスは何もしなかった。

 

ディエラ「超回復(ヒール・バグ)!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ!

するとミーナスの体を緑色の光が包み込んだ。

 

ミーナス「ぐっ…ゴフッ!!」

 

ミーナスは吐血した。

 

ミーナス「なっ…なんで…ダメージ…まさか!!」

 

ディエラ「冥界の効果は私が一番よく知ってる。効果の反転。回復させればダメージとなり、継続すれば徐々に体を蝕む」

 

ミーナス「ふぐっ…ぐっ…なら…」

 

ドスッ!

ミーナスは自分のお腹に手を突き刺した。

 

ミーナス「はぁっ…はぁっ…はぁっ…これで…少しは回復する…」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ!

ミーナスの体力は少し回復した。

 

ディエラ「その程度の回復じゃ追いつかないでしょ?」

 

シュゥゥゥゥゥゥ!

ディエラは更に回復を重ねた。

 

ミーナス「うぐっ…がぁぁぁぁ!!」

 

ミーナスはさっきよりも大きなダメージを受けた。ミーナスのダメージ量は半端なかった。

 

ミーナス「あがっ…ぐっ…ぐぁ…」

 

ミーナスは瀕死状態だった。

 

ディエラ「…どう?これが水瓶座の力よ。あらゆる効果を反転させる冥界の力。そして、仲間を回復させるヒーラーの力。思い知った?」

 

ミーナス「ぐっ…この…」

 

ミーナスは立つのすら難しかった。

 

ディエラ「滑稽ですね。ミーナス」

 

ミーナス「!」

 

ディエラ「相手を煽るからですよ。自業自得です」

 

ミーナス「っ…」

 

ディエラ「さて、そろそろ終わりにしましょうか。ミーナス」

 

ミーナス「!?」

 

ブクブクブクブクブク!

ディエラは水の槍を作り出した。

 

ミーナス (攻撃?)

 

ディエラ「回復はダメージ、ダメージは回復。生は死、死は生」

 

ミーナス (ん?)

 

ディエラ「与うは生。受けるは死。生死の理の外にある者よ」

 

カン!

ディエラは水の槍を地面に突き刺した。

 

ディエラ「我に与えし最善の一手。反転槍(リバース)!!」

 

ビュン!

ディエラが槍を投擲した。

 

ミーナス「げっ!!普通に投げてくるの!?」

 

ブゥゥゥゥゥン!!

ミーナスは消滅の能力を使った。

 

ミーナス「消滅波(ディメインド)!!」

 

パスッ…

ミーナスの消滅の攻撃が消えた。

 

ミーナス「あっ!!反転してるんだった!!間違っ…」

 

バゴォォォォン!!

ディエラが投擲した槍がミーナスに直撃した。

 

ディエラ「…」

 

ディエラは一瞬たりともその瞬間を見逃さなかった。

 

パラパラパラパラ…

ミーナスは攻撃を受けてぐったりしていた。

 

ディエラ「…まだ、起きてますね?ミーナス」

 

ミーナス「こ…このタイミングで…何で…攻撃…」

 

ディエラ「あの槍がないとできないですよ。あの技は」

 

ミーナス「ぶへっ…」

 

ミーナスは吐血した。

 

ディエラ「あの槍は冥界の効果を反転させるもの。いわば反転の反転だから元に戻ってるわけ。だから普通にダメージになったってこと」

 

ミーナス「へっ…で、こっちは冥界の効果で本来の反転を強いられてるわけね…だから私の消滅が効かなかった…」

 

ディエラ「…さて」

 

ミーナス「くっ…」

 

ディエラがさっきの槍を持って近づいてきた。

 

ミーナス「まだやるの…」

 

ディエラ「当たり前です。勝つためにはあなたを始末しなければなりません」

 

ミーナス「全く…怖い人」

 

ザッザッザッ…

ディエラは一歩ずつ確実にミーナスに近づいていた。

 

ディエラ「…」

 

ミーナス「はぁ…こういう時、あの子ならどうするのかしら」

 

キン!

ディエラは槍を構えた。

 

ディエラ「最後に遺言とかはないんですか?」

 

ミーナス「遺言…ね。遺言は死を受け入れない人の言葉だよ。現実逃避で言葉を綴っても響かないでしょ。死人に口なし。よく言ったものね。そしてその遺言を聴く人は死者でも生者として見ている愚か者。その愚か者はあなたね。ディエラ」

 

ディエラ「…」

 

ミーナス「人の生死を司る星座が人の生死の境界を歪ませている。これってどうなの」

 

ディエラ「私は死者の思いを聴いて悔いなく死を与える。生死の理を持つ人間や星座だからこそ最後の思いを遺言として伝える。死の境界がないあなたとは違うわ」

 

ミーナス「…そ。で、聴いてくれたの?私の遺言は」

 

ビリ…ビリビリ…

ミーナスの体がバグが起きたかのように崩れ始めてきた。

 

ディエラ「!?」

 

ミーナス「私、言わなかったっけ?()()()()()()()()()()()()()()()()()って」

 

ディエラ「くっ!」

 

ドスッ!

ディエラは迷わずミーナスの胸に槍を突き刺した。

 

ブブッ…ビリビリ…

すると突き刺さったところから全身にわたり、ミーナスの体が消えていった。

 

ディエラ「…何が言いたかったんだ、ミーナス。私は自分の真に従って動いている。人の生死を決めるのは天秤座の役目だ。私はその実行人に過ぎない。私が誰彼構わず人を死に追いやると思うか?」

 

グサッ!

ディエラは槍を引き抜いた。

 

ディエラ「それは天秤座にとって最悪の結末だ。人と星座、この世界の均衡を監視する天秤座にとって、均衡を崩す行為は自爆も同然。天秤座という支えを失うことが私たちにとっての死を意味する。だから判断を天秤座に、実行を水瓶座に分担している。何もかも言い分を聞かずに消滅させるあなたとは違う」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ…

ディエラは冥界の能力を解いた。

 

ディエラ「あなたの力は強大だ。消滅と分離。どちらもこの世界の理を干渉しかねん」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

ディエラは水の槍を外した。

 

ディエラ「だがもしあなたがこの世界の均衡を崩すのであれば、私が容赦なくあなたを死へ(いざな)ってやろう」

 

スタスタスタ

ディエラはその場をあとにした。

 

ディエラ「まぁ、あなたにその気があれば…だがな」

 

スタスタスタ

ディエラは舞台の真ん中まで歩いた。

 

ミーナス「…で?あなたのそれは遺言なの?ディエラ」

 

ディエラ「!?」

 

ディエラが瞬きをした瞬間、目の前にミーナスが立っていた。鼻先が当たるくらいに接近されていた。

 

ミーナス「随分と真面目なこと」

 

ディエラ「くっ!」

 

ミーナス「分離」

 

ブゥゥゥゥゥン!

するとディエラが青黒い空間に閉じ込められた。

 

ミーナス「うっふふふ。あなたって本当に真面目ね。でもまだ試合は終わってないわよ?」

 

ディエラ「こ…っの!!」

 

ディエラは何とか出ようとしたが、全く効果がなかった。

 

ミーナス「私、こう見えても分離できるし?双子座は2人で1つの星座だし?」

 

ディエラ「くっ…謀ったな!!」

 

ミーナス「え?そんな事ないわよ?だって私言ったじゃない。()()()()()()()()()()()()()()()()()って」

 

ディエラ「!!」

 

ミーナス「それに?私いつ負けを認めたかしら」

 

ディエラ「!」

 

ミーナス「私、一度も負けただなんて言ってないけど。むしろ遺言を残すくらいだからまだ死を受け入れてないのよ」

 

ディエラ「っ…」

 

ミーナス「あなた、それでも生死を司る星座なの?本当に今まで死に誘った人たちの言葉を聴いたの?」

 

ディエラ「…聴いた。全部聴いた。必要のない遺言も全部聴いた」

 

ミーナス「じゃあ、何で私の遺言は聴かなかったの?」

 

ディエラ「っ…」

 

ミーナス「…あなた、真面目そうに見えて案外不真面目なところもあるのね」

 

ディエラ「黙れ!」

 

ミーナス「…ねぇ知ってる?」

 

ブゥゥゥゥゥン!

ミーナスは消滅の能力を使って青黒い球体を作り出した。

 

ディエラ「!」

 

ミーナス「人の信頼ってね、案外崩れやすいのよ。一度でも嘘をついたら100%の信頼は得られないの。嘘をつき続ければやがて誰も信じなくなる。真面目にやってきて『あの人なら信頼できる』と思われてても、その人の信頼に値する結果が得られなければその人からの信頼は無くなる。よく言うじゃない?『あなたに裏切られた。信用してたのに。あの人ならできると思ってた』ってね」

 

ディエラ「!」

 

ミーナス「人って案外頼りたがりなのよ。自分じゃ何もできないからできる人にすがろうとする。で、いざできる人の下に立って見てみればあら不思議。自分とその人との遠さを感じる。『あんなのにはなれない。私じゃ無理。あの人だからできる』ってね。何かにつけて言い訳をするの」

 

ディエラ「あなた…」

 

ミーナス「できる人はそれなりに努力してるのよ。努力した結果が現れている。何もしてない人が何もできないのは当たり前。速く走るために走る練習をしました。だから人よりも速く走れるようになりました。じゃあ何もしてない人にも同じように走る練習をすれば人よりも速く走れるじゃない?」

 

ディエラ「…」

 

ミーナス「みんな同じよ。体の作りはね。でも違うのは環境。速く走れるようになった環境があるかないかでその人の足の速さが変わる」

 

ディエラ「…」

 

ミーナス「さて、ちょっとした言葉も終えたところで、最後にしますかね」

 

ディエラ「!?」

 

ミーナスが作り出した青黒い球体がミーナスの2倍くらいの大きさになっていた。

 

ミーナス「私はこう見えてあなたのことを信頼してるわ。だからちゃんと冥界の能力も解除してくれると思ってたし、あなたを捕まえられるとも思ってたわ」

 

ディエラ「っ…」

 

ミーナス「あなたの信頼が厚いのはあなたの真面目さからくるものね。私とは大違い。羨ましいわ」

 

ディエラ「あなた…」

 

ミーナス「…ねぇ、ディエラ」

 

ディエラ「!」

 

ミーナス「私、次も勝つからさ、見ててよ」

 

ディエラ「!」

 

ミーナス「…今度は嘘つかないから」

 

ディエラ「…分かったわよ」

 

ブゥゥゥゥゥン!

ディエラがその言葉を聞いて消滅の能力を発動した。

 

バゴォォォォン!!

その瞬間、舞台の地面がえぐられたかのようにくり抜かれ、捕まっていたディエラの姿もなくなっていた。

 

ミーナス「…」

 

ジジジ…ジュゥゥゥゥゥゥゥ…

青黒い球体が徐々に小さくなっていった。

 

ドサッ…

すると中から本庄が出てきた。ディエラの姿はそこにはなかった。

 

ミーナス「…」

 

「なんと!!なんとなんとなんと!!最後の大逆転!!第1巡 3回戦 双子座VS水瓶座の戦いの勝者は!!第三星座 双子座 双葉 宗司様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

双葉の傘下たち「いよっしゃあああああああああああああ!!!」

 

ミーナス「…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

堕落が解け、双葉に姿が変わった。

 

双葉「…勝ったのか?」

 

「最後!本庄様がトドメを刺したかと思ったらまさかの大逆転!!双子座の消滅の能力を以てこの戦いに終止符が打たれましたああああああ!!!」

 

双葉「か、勝ったのか!?勝ったんだな!?」

 

グググッ…

双葉は拳を握って少ししゃがんだ。そしてそのままジャンプした。

 

双葉「っしゃあああああああああああ!!!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…第七星座 天秤座の観客席

 

光「相変わらず、どの試合もすげぇなぁ…」

 

霊夢「ほんと、あんたたちの力はどこまで伸びるのよ」

 

霊葉「ねぇお父さん!お父さん!」

 

光「何だ?霊葉」

 

霊葉「お父さんの仲間の人たち!やっぱりすごいね!!」

 

光「あぁ!自慢の仲間だ!!」

 

「続いての試合は第1巡 4回戦 第七星座 天秤座VS第十星座 山羊座!天野 光様と風和瀬 麻莉様はご準備をお願いします!!」

 

霊夢「木葉!次頑張って!」

 

光「あぁ。頑張ってくる!」

 

霊葉「お父さん!頑張って!」

 

光「おうよ!」

 

光の傘下たち「光様!我々一同!応援しております!」

 

光「おう!頼んだぜ!!」

 

スタスタスタ

光は立ち上がって準備をしに行った。

 

冬華「光様!」

 

光「ん?あ、冬華」

 

冬華「が、頑張ってください!!応援しています!!」

 

光「…あぁ。頑張ってくる!!」

 

光代「光」

 

光「!」

 

光代「…しっかりね」

 

光「はい!」

 

光代「あなたを大事に思う人がこんなにいるの。その思いに応えなさい」

 

光「…はい!!行ってきます!!」

 

タッタッタッ!

光は走って舞台裏に向かった。

 

霊夢「木葉…信じてるから」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

第1巡 3回戦

第三星座 双子座 双葉 宗司

VS

第十一星座 水瓶座 本庄 姫乃

 

勝者:第三星座 双子座 双葉 宗司




〜物語メモ〜

水大砲(ウォーター・キャノン)
本庄が使った技。水で大砲を形成し、実際の鉛の玉ではなく、水の玉を放つ技。水が塊として落ちてくるので威力は高め、ただし、遅い。

水銃(ウォーガン)
本庄が使った技。水で銃を形成し、水の弾を放つ技。複数個生成でき、持たなくても操作できる代物。速さは弾丸と同じ。

分離(パラメト)
双葉が使った技。触れたものを分解する力を持つ。生成された青黒い球体に触れることで対象物を分解できるが、魔力の消費が大きい。

分離纏い(パラメト・アーム)
双葉が使った技。分離の力を体に纏うことで、触れなければならない条件を帳消しにすることができる。自分から触れに行かなくてもよくなるが、消費は大きい。

減衰分離(パラメト・アオ)
双葉が使った技。相手にダメージを与えることができないが、能力を弱くすることができる。この技のおかげで水瓶座の治癒の能力の効果を弱くさせることができた。

地割れ(パラメト・グラン)
双葉が使った技。分離の能力を応用したもの。地面に分離を付与することで、お互いを反発し合い、地面が割れたようになる技。大地を操る第二星座 牡牛座には効果はない。

水の鎧(ポセイドン)
本庄が使った技。水で作った鎧を身に纏う技。

超回復(ヒール・バグ)
死に戻りの姫 ディエラが使った技。対象の体力を大幅に回復させる技。

反転槍(リバース)
死に戻りの姫 ディエラが使った技。事象を反転させる力を持つ。通常ではこの技を使えば冥界と同じようにダメージが回復となる。しかし、冥界を使ったあとでこの技を使えばダメージがダメージとして伝わるようになる。

消滅波(ディメインド)
不滅の心核 ミーナスが使った技。消滅の力を衝撃波として伝える技。周囲に拡散しやすいため消滅の力を与えやすいが、今回は冥界の能力によって効果の反転を受けていたため、その効果を発揮できなかった。
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