木葉の幻想郷日記   作:バスタオル

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第1巡 5回戦 牡羊座 長津 智志 VS 射手座 矢巾 光輝

「さて続きまして第1巡 5回戦!十二天星で唯一魔力に変換して戦う星座!時に頼れるお兄さん!時に面倒見のいいお兄さん!とにかく頼れる人物!第一星座 牡羊座 長津 智志様ー!」

 

観客「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

智志の傘下たち「智志様ーーー!!」

 

長津「…」

 

「対するは圧倒的集中力の持ち主!一度集中すればすぐに自分の世界に入る天才!超遠距離からの攻撃を得意とする第九星座 射手座 矢巾 光輝様ーー!!」

 

観客「フォォォォォォォォ!!!」

 

光輝の傘下たち「光輝様ーーー!!」

 

矢巾「…」

 

「では!試合開始ー!!!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

長津「光輝」

 

矢巾「!」

 

長津「…手加減はしないよ」

 

矢巾「…えぇ。僕もです」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

矢巾はサジタリウスの弓と矢を出した。

 

矢巾「ここで勝ってみなさんの喜ぶ顔を見たいですから」

 

ギギギ…

矢巾は矢を引き絞った。

 

長津「…僕も今日は特別な日なんだ」

 

矢巾「…」

 

長津は第一星座の観客席を見た。

 

篠崎「…」

 

するとそこには智志の傘下たちに混じって一人の女性が座っていた。その女性は胸の前で祈るようにして手を握っていた。

 

長津「…」

 

その人を見た長津は矢巾に視線を戻した。

 

長津「雪…見ていてくれ」

 

ブゥゥゥゥゥン…

長津の手に光が灯った。

 

長津「この試合…勝ってみせるから」

 

ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!

長津は手から気弾を放った。

 

ギギギ…パシュッ!!

それを見た矢巾は矢を放った。

 

ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!

矢巾は気弾を真正面から受けてしまった。

 

ドスッ!!

長津も矢巾の矢を受けてしまった。

 

矢巾「ぐっ…」

長津「いっ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

2人は相手の様子を伺っていた。

 

篠崎「智志さん…」

 

ギュッ…

篠崎 雪は手を強く握った。

 

長津「はぁっ!」

 

ドン!ドン!ドン!

長津は連続で3発の気弾を放った。

 

矢巾「くっ…」

 

ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!

矢巾は何とか攻撃を回避した。

 

矢巾「はっ!」

 

ピュン!ピュン!

矢巾は素早く矢を放った。

 

長津「はぁぁぁぁっ!」

 

ブゥゥゥゥゥン…

長津は目の前に透明な空間を作り出した。

 

ヒュッ!パサッ…パサッ…

すると透明な空間を通過した矢が朽ち果ててしまった。

 

矢巾「!?」

長津「…」

 

ジリッ…

長津はゆっくり立ち上がった。

 

矢巾「なるほど…酸化の能力ですか」

 

長津「…その通り」

 

矢巾「でしたらこちらも…特殊矢」

 

スゥゥゥゥゥ…

すると矢巾が所持している矢が青いオーラを放ち始め、矢の本数も5本に減少した。

 

矢巾「…」

 

ギギギ…

矢巾はその矢を手に取り、引き絞った。

 

矢巾「制御機構破綻(コントロール・エラー)

 

ピュン!

矢巾は空に向かって矢を放った。すると放たれた矢が破裂し、舞台全体を青い光で覆った。

 

長津「…?」

矢巾「…」

 

ピッ…

すると突然、長津の視界が真っ暗になった。

 

長津「!?」

 

長津は突然真っ暗になったことに驚いていた。

 

長津「な…なんだ…これ…」

 

矢巾「…」

 

矢巾はその場から移動した。

 

長津 (なんだこれ…何も見えん…)

 

矢巾「…」

 

ギギギ…

矢巾は再び矢を引き絞った。

 

ピュン!

そしてさっきと同じように空に向かって矢を放った。するとさっきと同じように矢が破裂して青い光が舞台全体を覆った。

 

スッ…

すると長津の周囲で発生していた音が一瞬で消えた。

 

長津「!!」

 

長津はすぐに異変に気づいた。

 

長津 (なんだ…何も聞こえなくなった…)

 

長津は耳を押さえ始めた。

 

矢巾 (…これは僕の妨害の能力。矢に視覚・聴覚・嗅覚・味覚・感覚を妨害する力を付与した)

 

スッ…

矢巾は矢を取り出した。その矢には嗅覚と書かれていた。

 

矢巾 (長津さんに与えたのは視覚と聴覚の妨害。今の長津さんは何も見えないし何も聞こえない。どれだけ音を発していても気づかれない)

 

ギギギ…

矢巾は矢を引き絞った。

 

矢巾 (こうなればこちらの勝ちですね)

 

ピュン!ピュン!ピュン!

矢巾は残りの嗅覚、味覚、感覚の3つの矢を放った。

 

長津「!!」

 

ドサッ!

すると長津が急に倒れた。

 

長津 (な…なんだこれ…今僕はどうなってる…?)

 

矢巾 (…感覚を失った人はまともに立つことすらできない。おまけに倒れても痛みを感じない。ここで矢を放っても…)

 

ピュン!ドスッ!!

矢巾は長津に向かって矢を放った。すると長津は痛みに悶えることなく、地面を手で探っていた。

 

矢巾 (痛みを感じない。これが勝機。ここで受けきれないダメージを与え、やがて妨害の能力が切れたときに一気に大ダメージを与える)

 

ギギギ…

矢巾は矢を目一杯引き絞った。

 

矢巾「ふんっ!!」

 

ピュン!ピュン!ピュン!ピュン!ピュン!

矢巾はこれでもかと言わんばかりに矢を放った。

 

ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!

矢巾が放った矢は全て命中した。

 

篠崎「!!」

 

篠崎 雪はその光景を見ていた。

 

篠崎「智志さん!!」

 

篠崎 雪は耐えきれなくなって長津の名前を呼んだ。

 

矢巾「…!」

 

矢巾は篠崎の声に反応した。

 

矢巾「あの人…見たことない人だ。もしかして…長津さんの新しい傘下の人なのかな」

 

篠崎「智志さん!頑張ってください!!」

 

矢巾 (…聞こえないのに)

 

ギギギ…ピュン!

矢巾は矢を放った。

 

ドスッ!!

矢巾の矢は見事に長津の胸元に命中した。

 

矢巾「矢狂(やぐるい)!!」

 

ピュン!ドスドスドスドスドスドスドス!!

矢巾が放った矢が一瞬で複数に分裂し、長津を襲った。

 

篠崎「智志さん!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…パチッ!

すると長津にかけられていた妨害の能力が解除された。

 

長津「っ!?」

 

長津はその時、今まで感じなかった痛みが一気に襲いかかってきた。

 

長津「があああああああああああああああっ!!」

 

バタッ!!

長津は痛みに耐えるために地面にうずくまった。

 

長津「あっがぁっ…がぁぁぁぁぁぁっ…」

 

長津が受けたダメージは相当なもので、これを一気に受けるとなると、体への負担が大きい。

 

篠崎「智志さん!!」

 

長津「うぐぁぁぁぁぁぁっ…がぁっ!」

 

長津はしばらく地面に転がった。

 

長津「がぁっ…ぐっ…このっ…」

 

矢巾「…」

 

ピュン!ドスッ!!

矢巾はまた矢を放った。矢巾の矢は長津の足に命中した。

 

長津「ぐぁっ!」

 

今度は長津も痛みを感じているので、矢が刺さったところを必死に押さえている。

 

矢巾「長津さん。僕は手加減しませんって言いましたよ」

 

長津「はぁっ…はぁっ…確かに…言ったね…」

 

矢巾「…僕はここで本気であなたを倒します」

 

長津「……それはできない相談だね…光輝」

 

光輝「…?」

 

長津「…今日は…僕の大事な人が見てくれてるから…」

 

ジリッ…

長津はゆっくり立ち上がった。

 

長津「こんな僕のために遠いところから足を運んでくれた…」

 

ググッ…

長津は拳を握った。

 

長津「そんな彼女のために…僕は今…ここで立ち上がって君を倒す!」

 

ジジジ…バリバリバリバリ!!

長津の掌に深緑の球体が出現した。

 

長津「還らぬモノ(ラヴィ・デル)!!」

 

ドォン!

するとその深緑の球体が矢巾に向かって飛んだ。

 

矢巾「っ!!」

 

ピュン!ピュン!ピュン!ピュン!ピュン!

矢巾はすかさず矢を放つ。

 

パスッ…パスッ…パスッ…パスッ…

だがその矢は深緑の球体に当たった瞬間、形が崩れて消えた。

 

矢巾「!?」

 

長津「 "還れ。元ある形へ" 」

 

ギュォォォォォォォ!

すると深緑の球体が周囲に風を発生させた。

 

矢巾「なっ!!」

 

ジリッ…ジリッ…

矢巾は自分が吸い寄せられていることに気づいた。

 

矢巾「これ…マズイ!」

 

ザッ…ザッ…ザッ…

矢巾は何とか逆方向へ進もうとした。

 

ギュォォォォォォォ!

深緑の球体がさらに強く引き寄せた。

 

矢巾「なっ!!」

 

その瞬間、矢巾の足が地面から離れ、一気に深緑の球体に吸い寄せられた。

 

ドン!

矢巾が深緑の球体に当たると、妙な音を立てた。

 

矢巾「これは…」

 

スゥゥゥゥゥ…

そして深緑の球体が矢巾の体に入っていった。

 

長津「よしっ…」

 

スッ…パンッ!!

長津は掌を勢いよく合わせた。

 

矢巾「…?一体何が」

 

バゴォォォォォォォォン!!

その瞬間、矢巾とその周囲に一気に魔力が放出された。

 

矢巾「がはっ…ごふっ…」

 

深緑の球体が矢巾の体の中で破裂し、深緑の球体が持っていた魔力が全て外に流れたことで矢巾は大ダメージを受けた。

 

矢巾「この…」

 

矢巾は大ダメージを受けてフラフラになっていた。

 

長津「よしっ…どうだ…光輝」

 

矢巾「す…すごいですね…長津さん…」

 

ドサッ…

矢巾は地に膝を着いた。

 

矢巾「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

 

長津「これでも…年長者…だから…」

 

矢巾「それ…今は関係ないですよ…」

 

長津 (ここで使うか…もしくは少し待ってから…)

 

スッ…

矢巾は胸元から何かを取り出した。

 

長津「!!」

 

矢巾「ここで…使うしか…」

 

ジャラ…

矢巾は十二門の鍵を取り出した。

 

ジリッ…

矢巾はゆっくりと立ち上がった。

 

矢巾「十二天星 第九星座 射手座 十二門の鍵!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

すると矢巾の十二門の鍵が白い光を放った。

 

矢巾「弓弦鋼鬼(きゅうげんこうき) 解錠!!」

 

ドスッ!シュゥゥゥゥゥゥゥ!

矢巾が十二門の鍵を胸に刺すと、その白い光が矢巾を覆った。

 

長津「くっ…ここで鍵を使うのか…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

矢巾はサジタリウスのステータスを一部引き継いだ。

 

矢巾「…」

 

矢巾の周囲には白い光が満ちていた。

 

長津「なるほど…じゃあ僕も…」

 

スッ…

長津も十二門の鍵を取り出した。

 

長津「十二天星 第一星座 牡羊座 十二門の鍵!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

すると長津の十二門の鍵が白い光を放った。

 

長津「創点開眼(そうてんかいがん) 解錠!!」

 

ドスッ!シュゥゥゥゥゥゥゥ!

長津が十二門の鍵を胸に刺すと、その白い光が長津を覆った。

 

矢巾「…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

長津はアリエスのステータスを一部引き継いだ。

 

長津「…」

 

矢巾「…十二門の鍵を使ったところで僕には勝てませんよ。長津さん」

 

長津「いや、勝機はあるさ。君を落とす策がね」

 

矢巾「…僕の覚醒能力は未来予知とコントロール。妨害の能力を受けた人は一律して僕の支配下にある。そして未来予知。あなたの攻撃は全てお見通しですよ」

 

長津「…そう」

 

矢巾「では…」

 

ギュィィィィィィィィ…

矢巾は長津の未来を見た。

 

矢巾 (…なるほど)

 

長津「なら、これはどうかな」

 

パンッ!!

長津は両手の掌を合わせた。

 

ジジジ…バチバチバチバチバチ!

すると透明な球体の中にいくつもの小さな球体があった。その小さな球体は中で暴れ回っており、小さな球体同士がぶつかると、バチバチと音を鳴らしていた。

 

矢巾「…」

 

長津「これなら防げないよね」

 

バゴォォォォォォォォン!!

長津はその透明な球体を放った。

 

矢巾「…全て見えてますよ。その球体がどういったものなのかも」

 

スッ…ギギギ…

矢巾は矢を引き絞った。

 

矢巾「僕には通用しません」

 

ピュン!

矢巾は矢を放った。

 

ズボッ!

矢巾が放った矢が透明な球体の中に入った。

 

カンカンカンカンカンカン!!

すると中にある小さな球体が矢巾の矢に当たって崩れ始めた。

 

長津「!」

 

矢巾「…やっぱりね」

 

長津「っ…」

 

矢巾「これは中にある小さな球体が本命。外の透明な球体はただのフェイク」

 

長津「…」

 

矢巾「つまり、中から壊せば何も問題無いわけですね」

 

バチッ!!

すると透明な球体が一気に破裂した。

 

長津「くっ…」

 

矢巾「分かりますか?僕には通用しません。未来予知ができるので」

 

ギュィィィィィィィィ…

矢巾は未来予知を使った。

 

矢巾「!?」

 

矢巾はある未来を見た。それは、自分の背後に大きな魔力の塊があって、それが爆発するものだった。

 

矢巾「!」

 

矢巾はすぐに後ろを見た。だが何も無かった。

 

矢巾 (なんだ…何も無いじゃないか)

 

矢巾は前方に振り返った。

 

矢巾「!?」

 

その時、矢巾の目の前には魔力の塊があった。

 

矢巾「なっ!?まさかこれが!」

 

長津「…さっき見た未来ってやつだよね」

 

バゴォォォォォォォォン!!

その瞬間、矢巾の目の前にあった魔力の塊が破裂した。

 

矢巾「ぐぁっ!!」

 

ズサァァァァァァァァァァ!!

矢巾は大きく吹っ飛ばされた。

 

長津「…」

 

長津はその様子を無言で見つめていた。

 

矢巾「くっ…このっ…」

 

矢巾は思ってた以上のダメージを受けた。

 

矢巾「さっき見てた未来は後ろじゃなくて…後ろを振り向いた時の後ろ…つまり、僕の前にあったものだったんだ」

 

長津「…」

 

矢巾「流石は長津さん…頭の回転が早い…」

 

長津「…」

 

スッ…

長津は地面に手をついた。

 

矢巾「…?」

 

長津「酸化柱!!」

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

すると地面から白い柱が出てきた。

 

矢巾「!」

 

長津「溶解!」

 

ブクブクブクブク!!

すると矢巾の下だけ地面が柔らかくなった。

 

矢巾「なっ!?」

 

ドシッ!

矢巾はバランスを崩して倒れた。

 

ギギッ…ギギギギ…

すると白い柱が矢巾に向かって倒れてきた。

 

矢巾「!?」

 

長津「…」

 

矢巾「くっ!」

 

ギギギ…

矢巾は咄嗟に矢を引き絞った。

 

矢巾「爆裂矢(バク・アロー)!」

 

ピュン!カン!ドゴォン!

矢巾が咄嗟に放った矢は白い柱に当たって爆発した。

 

パラパラパラパラ…

白い柱は粉々に砕けた。

 

長津「っ…」

 

矢巾「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

 

矢巾は少し息を整えていた。

 

長津「…流石だね光輝」

 

矢巾「長津さんこそ…」

 

長津「正直、接近戦のような物理系の攻撃には弱いけど、光輝なら何とか戦えそうな気がする」

 

矢巾「…そう言ってられるのも今のうちですよ。長津さん」

 

長津「…?」

 

矢巾「十二天星 第九星座 射手座 堕落!!」

 

長津「!?」

 

矢巾「知敵宝具(ちてきほうぐ)!!」

 

ゴォォォォォォォォォォ!!

すると矢巾が黒い煙のようなものに包まれた。

 

長津 (まさかここで堕落まで使うなんて…もっと後だと思ってた)

 

イド「…ふぅ」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

光輝はさとりの目 イドになった。

 

長津「っ…」

 

イド「なるほど。戦か」

 

長津 (ここは僕も使った方がいいかな)

 

イド「人間。お前が俺と戦うのか?」

 

長津「!」

 

イド「…悪いことは言わない。今すぐフォレスを呼べ。人間のお前じゃすぐに死ぬ」

 

長津「…なるほど。そっちから言ってくれるのか」

 

イド「…」

 

長津「じゃあお言葉に甘えて…」

 

スッ…

長津は胸の前で掌を合わせた。

 

長津「十二天星 第一星座 牡羊座 堕落!」

 

イド「…」

 

長津「陰玉陀羅(おんぎょくだら)!」

 

ゴォォォォォォォォォォ!!

すると長津は黒い煙のようなものに包まれた。

 

イド「…久しぶりに会えそうだな。フォレス」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

長津は知識の奏 フォレスとなった。

 

イド「…久しいな。フォレス」

 

フォレス「…あぁ。久しいな。イド」

 

ズォォォォォォォォォ…

イドとフォレスの周囲の空気が変わった。

 

イド「今日はお前を倒すために呼んだ」

 

フォレス「…そうか」

 

ギギギ…

イドは弓を引き絞った。

 

イド「…構えろフォレス。俺は今からお前を倒す」

 

フォレス「…あんまり自分の力を見誤るなよ。イド」

 

イド「ご忠告どうも。でも自分の限界は理解してるつもりだよ」

 

キィィィィィィィィィ…

イドは未来予知の能力を発動した。

 

フォレス「…未来を見る力か」

 

イド「正解。フォレスは使えないのかい?未来予知」

 

フォレス「…はぁ。未だにその力に頼っているとなると、君は一切成長してないようだね」

 

イド「何っ…」

 

フォレス「いいかい。よく覚えとくんだよイド。未来予知って力はね…」

 

ピュン!ピュン!ピュン!ドスッ!!

フォレスは魔力で固めた塊をイドにぶつけた。

 

フォレス「突然起きる事象には逆らえないんだ。それすら予知できないから」

 

イド「!!」

 

フォレス「だからあまり頼らない方がいいよ」

 

イド「うぐっ…」

 

フォレス「奥義!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…ポワァァァァァァァ…

フォレスは水色の光に包まれた。

 

イド「はっ…いきなり奥義か。それ以上の策はないのか?」

 

フォレス「あるけどジリ貧になる。それなら最初から飛ばした方がいい」

 

イド「…なるほど。ならこちらもそうしようか」

 

ヒュォォォォォォォォォォ…

イドは白い光に包まれた。

 

フォレス「…」

イド「…」

 

両者睨み合う。

 

フォレス「隔絶 絶対不侵結界領域(ぜったいふしんけっかいりょういき)

 

ガシャン!シュゥゥゥゥゥゥゥ!!

フォレスの周囲に結界が展開され、フォレスは結界の中で魔力を溜め始めた。

 

イド「天明 天翔(あまかけ)(みちび)きの(ひかり)

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!!

するとイドの手に光が集まり、やがて矢の形を成した。

 

フォレス「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

イド「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

フォレスは溜めた魔力を、イドは矢の形をした光を放った。

 

ドゴォォォォォォォォォォン!!

両者の攻撃がぶつかって大きな爆発を起こした。

 

篠崎「智志さん!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

フォレスとイドの周囲に煙が立ち込める。

 

篠崎 (お願いです神様…智志さんを勝たせてください…)

 

フォレス「…」

イド「…」

 

2人は傷を負っているがまだ立っている。

 

フォレス「…やるじゃないか。イド」

 

イド「お前もな。フォレス」

 

フォレス「だがまだだ。まだ俺には勝てん」

 

イド「そっちこそ。まだ俺には勝てなそうだな」

 

フォレス「どの口が言ってるんだ?イド」

 

イド「そっちもそうだろ?フォレス」

 

ビリビリビリビリビリビリビリビリ…

二人の間の空間が歪み始めた。

 

フォレス「これはまだ躾がいがありそうだな」

 

イド「そっちこそ。まだ壊しがいがありそうだな」

 

フォレス「奥義はダメだな。もう使えない」

 

イド「…」

 

フォレス「最後の一撃…これに賭けようか」

 

イド「ほぅ。せいぜい頑張れよ」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

すると2人は白いオーラを身に纏った。

 

フォレス「…」

イド「…」

 

ジジジ…バリバリバリバリバリバリ!!

フォレスは自分の手に、イドは自分の矢に力を集中させた。

 

フォレス「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ギュォォォォォォォ!!

フォレスは最大魔力を放とうとした。

 

イド「…」

 

ギギギギギギギギギギ…

イドはありったけの力を込めて矢を引き絞った。

 

フォレス「魁蕾玉(かいらいぎょく)!!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

フォレスは溜めた魔力を解き放った。

 

イド「一矢千花(いっしせんか)!!」

 

ビュュュュュュュュュン!!

イドは引き絞った矢を放った。

 

ドゴォォォォォォォォォォン!!

両者の攻撃がぶつかり合い、大きな爆発を起こした。

 

篠崎 (智志さん…!!)

 

篠崎 雪は長津が勝つよう祈っていた。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

辺りに煙が立ち込める。

 

フォレス「…やるな。イド」

 

イド「…」

 

フォレス「正直ここまで力を残してるとは思わなかった…」

 

イド「…そうか」

 

フォレス「…今回は俺の負けだな」

 

イド「…」

 

ドサッ…

フォレスは力を使い果たして倒れた。

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

やがて煙が晴れてきた。

 

篠崎「!!」

 

篠崎は倒れている長津を見つけた。

 

篠崎「智志さん!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

堕落が解けたことで知識の奏 フォレスから長津に戻った。

 

長津「…」

 

イド「…今回は俺の勝ちだ。フォレス」

 

「なんとなんとなんと!!第1巡 5回戦 牡羊座 長津 智志様 VS 射手座 矢巾 光輝様の戦いの勝者は!射手座 矢巾 光輝様ーーーーー!!!」

 

長津の傘下たち「智志様!!」

 

矢巾の傘下たち「勝ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

篠崎 (智志さん!)

 

タッタッタッ!

篠崎 雪は観客席から飛び降りて舞台に上がった。

 

イド「…」

 

篠崎「智志さん!!智志さん!!」

 

篠崎 雪は揺さぶって長津を起こそうとした。

 

篠崎「智志さん!智志さん!」

 

イド「…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

矢巾は堕落を解いた。

 

矢巾「…」

 

篠崎「そんな…智志さん…」

 

長津「ゲホッ…ゲホッ…」

 

長津が起きてきた。

 

篠崎「!!」

 

篠崎 雪は突然起きてきた長津に驚いていた。

 

篠崎「智志さん!智志さん!」

 

長津「あぁ…雪さん…」

 

篠崎「智志さん…」

 

篠崎は長津の手を握った。

 

長津「…すみません雪さん…負けちゃいました…」

 

篠崎「うっ…くっ…」

 

篠崎 雪は長津の手を握って泣き始めた。

 

長津「できれば…勝った姿を見て欲しかったです…」

 

篠崎「いいですよ…智志さん…私は勝っても負けても…あなたの事が…好きですから…」

 

長津「雪さん…」

 

篠崎「っ…」

 

篠崎 雪は長津と一緒に舞台を退場した。

 

矢巾「…」

 

矢巾は少し羨ましそうにその様子を見ていた。

 

矢巾 (…さとりさん…こいしちゃん…)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

第1巡 5回戦

 

第一星座 牡羊座 長津 智志

VS

第九星座 射手座 矢巾 光輝

 

勝者:第九星座 射手座 矢巾 光輝




〜物語メモ〜

制御機構破綻(コントロール・エラー)
矢巾が使った技。特殊な光を持つ矢を放つことで、矢が破裂し、一定の範囲内の生物の五感を奪い取る技。

矢狂(やぐるい)
矢巾が使った技。矢を放つことで、一瞬で複数に分裂する。

還らぬモノ(ラヴィ・デル)
長津が使った技。酸化と還元の力を凝縮した玉を放つ。設置されることで周囲に風を発生させて対象物を引き寄せることができる。

爆裂矢(バク・アロー)
矢巾が使った技。当たればすぐに爆発します。

隔絶 絶対不侵結界領域(ぜったいふしんけっかいりょういき)
長津の奥義。第四星座 蟹座と同じくらい硬い結界を展開して自分の持っている魔力を全て魔法として放つ。結界はものすごく硬いため、並の攻撃では破壊できない。長津は防御力が少し低いため、こういった結界を使わないと十分に魔力を溜めることができない。

天明 天翔(あまかけ)(みちび)きの(ひかり)
矢巾の奥義。手に光が集まり、やがて矢の形に変化する。その矢は放たれることでスピードを増し、攻撃力が増加する。矢を放った際に、レーザーのようにまっすぐ敵に向かって飛ぶ。

魁蕾玉(かいらいぎょく)
長津が使った技。自分が持つ全ての魔力を魔法として放つ技。全て使うため、この技を使えばそれ以降何もできなくなる。

一矢千花(いっしせんか)
矢巾が使った技。限界まで矢を引き絞り、その一撃で大ダメージを与える。しかし、放てるのは1回だけ。その1回、たった一撃だけで相手を倒さなければならない。
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