木葉の幻想郷日記   作:バスタオル

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私の大事なお父さんだよ。お母さんも大事。フランさんも大事。

場所…永遠亭

 

それから時間が経って夜になった。矢巾は地霊殿に戻り、霊葉は魔理沙の家に行き、霊夢は永遠亭に向かっている。

 

スタスタスタスタ

永遠亭に到着した霊夢は木葉が寝ている部屋に向かった。事前に永琳に行くことを伝えているため、すぐに通してくれた。

 

スーッ…

霊夢は静かに襖を開けた。そこにはまだベッドに横になっている木葉とその傍らで手を握っているフランの姿があった。

 

霊夢「…」

 

スタスタスタスタ…スーッ…パタン

霊夢は部屋に入り、静かに襖を閉めた。

 

ドサッ…

霊夢は神社から持ってきたものを木葉のベッドの近くに置いた。

 

フラン「…」

 

フランは静かに手を握っていた。

 

霊夢「…あんた」

 

フラン「…」

 

ギュッ…

フランは木葉の手を少し強く握った。

 

霊夢「…なんでここにいるわけ」

 

フラン「…」

 

霊夢「答えなさい。なんでここにいるの」

 

フラン「…私のせいだから」

 

霊夢「…」

 

フラン「私のせいで木葉がこんな目に遭っちゃった…それに木葉のお友達にも迷惑をかけちゃった…だからせめて…木葉が起きるまで私が見守ろうって思った。だからここにいるの」

 

霊夢「…あんたが木葉をこんな目に遭わせたんでしょ。そんなやつを近くにおけるほど私は優しくないわよ」

 

フラン「…分かってる。でもこうでもしないと…責任…取らないと…」

 

霊夢「…あんた、私たちに言わなきゃいけないことあるでしょ」

 

フラン「…ごめんなさい」

 

霊夢「なんでこっち向かないのよ。謝罪がなってないわ」

 

フラン「手は離したくない…」

 

霊夢「だったらせめて私の方を見なさい。誠意が感じられないわ」

 

フラン「…」

 

スッ…

フランは木葉の手を握りながら顔と体を霊夢の方に向けた。

 

フラン「…ごめんなさい」

 

フランは頭を下げた。謝罪の形としてはなってないが、フランは精一杯謝った。

 

霊夢「…」

 

フラン「…ごめんなさい」

 

フランは2回謝った。霊夢が何も言わないので足りないと思っていた。

 

霊夢「…あんた、なんで木葉の血を吸ったのよ」

 

フラン「…だって」

 

霊夢「以前にも同じことあったわね。木葉が依存みたいになったし。いい迷惑だったわ」

 

フラン「…」

 

フランは俯いて顔を上げなかった。

 

霊夢「あんた、少しわがままが過ぎるわ。木葉は休暇中よ。何もしない日なのよ。今日がその最終日。あんたのせいでメチャクチャよ」

 

フラン「…」

 

霊夢「木葉は私のよ。あんたのじゃない。私の知らないところで好き勝手にしてしかも木葉が倒れてるって…あんた本当に反省してるの?」

 

フラン「…してる」

 

霊夢「だったら今すぐ帰りなさい。木葉を襲ったやつが近くにいると怒りでどうにかなりそうだわ」

 

フラン「…やだ。離れたくない」

 

霊夢「…もう一度言うわ。今すぐ帰りなさい」

 

フラン「…やだ」

 

霊夢「…」

 

霊夢の怒りは限界に近かった。怒気を孕んだ声で話してもフランは木葉の近くから離れる様子はなかった。

 

霊夢「…いい加減にしなさい。帰れ。これが最後の警告よ」

 

フラン「…やだ。離れたくない。起きるまでここで待つ」

 

霊夢の怒りは頂点に達した。それと同時にフランの腕を握っていた。

 

フラン「!!」

 

霊夢「…」

 

腕を掴まれたフランは驚いて霊夢の方を見た。霊夢は怒りで我を忘れてそうな雰囲気だった。

 

霊夢「…」

 

グイッ!グイッ!

そして霊夢はフランの腕を掴んで部屋から追い出そうとした。

 

フラン「やめて!離して!!」

 

霊夢「…」

 

スタッ…スタッ…スタッ…

霊夢は抵抗するフランに負けないよう力を込めて引きずった。その間フランは必死で抵抗する。

 

フラン「木葉から離れたくない!やめて!!」

 

タッタッタッタッ!

するとそこに永琳と鈴仙が駆けつけてきた。永琳は霊夢とフランが取っ組み合いをしているのを見て呆れていた。

 

鈴仙「霊夢さん!!」

 

永琳「やめなさい!あなたたち!」

 

グイッ!グイッ!

霊夢は永琳の静止も聞かず、フランを部屋から追い出そうとしていた。

 

フラン「うぐっ…いやっ!!」

 

霊夢「…」

 

鈴仙「霊夢さん!とにかく話しましょうよ!」

 

霊夢「触るな兎。こいつを追い出すの」

 

鈴仙「!!」

 

霊夢は鈴仙を鋭く睨んだ。鈴仙は怖気付いた。

 

永琳「…はぁ、全く。なんでこうもこの人の周りは話を聞かない人が多いのかしら」

 

フラン「離して!!やだ!木葉の近くにいるの!」

 

永琳「博麗の巫女。とにかく話だけ聞かせて。この男の人に何かあったら責任取れないわよ」

 

霊夢「知らない。こいつがここにいるのが我慢できない。こいつを追い出すの」

 

永琳 (言葉が届かないわね。これは相当怒ってるのかしら)

 

フラン「嫌っ!!離してよ!!」

 

霊夢「…」

 

永琳 (どうする…この人の友人は帰ったし…あの力の強そうな人たちも帰った…このままこの人に何かあれば本当に責任は取れないわよ…)

 

鈴仙「霊夢さん!とにかくここで暴れるのはダメですって!!患者さんがいるんですよ!?」

 

霊夢「うるさい。こいつを追い出したら静かになるわ」

 

鈴仙「追い出すまでじゃ遅いんですって!とにかく離してあげ…」

 

霊葉「お母さん!!」

 

鈴仙「!」

永琳「?」

 

するとそこに魔理沙の家にいるはずの霊葉が現れた。それが何故ここにいるのか分からなかった。

 

霊葉「お母さん!何してるの!」

 

霊夢「どいて霊葉。こいつを追い出すの。もう我慢の限界よ」

 

霊葉「!」

 

霊葉は霊夢がフランの腕を掴んで追い出そうとしているのに気づいた。

 

永琳「あなた、博麗の巫女を止めて。ここで暴れたらこの人がどうなるか分からないわ」

 

霊葉「!!」

 

永琳の言葉を聞いた霊葉はすぐに行動に移した。

 

霊葉「お母さん!ここで暴れちゃダメだって!お父さんが!」

 

霊夢「黙ってなさい霊葉。私はこいつをそばに置きたくないの」

 

鈴仙「でも!」

 

霊夢「うるさい兎。黙ってなさい」

 

鈴仙「っ…」

 

霊葉「…分かったよ。お母さんがその気なら…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ!

霊葉は姿を変える能力でとある人物に姿を変えた。

 

永琳「!?」

鈴仙「!!」

 

サン「…」

 

霊葉は昼間にここに来たサン・ソレイユの姿に変化した。その瞬間、永琳と鈴仙はとてつもない力を目の当たりにした。

 

永琳 (この子…姿が変わった。しかもただ変わるだけじゃない…雰囲気も…力も…昼間にいたあの人たちと同じ…この子…なんて能力を持ってるのよ…)

 

サン「…霊夢さん。フランさん。光に何かあるといけないので、少しの間…寝ててください」

 

ドクンッ!!

霊夢とフランに何か異変が生じた。

 

霊夢「っ!?」

フラン「!!」

 

ドサッ!ドサッ!

2人はそのまま地面に倒れ、眠ってしまった。

 

永琳「あなた…何したの…」

 

サン「この人の能力の中に言霊というものがあります」

 

永琳「言霊…言ったことが現実になる力ね」

 

サン「はい。その力で2人の力を抑えました」

 

シュゥゥゥゥゥゥ!

霊葉は元の姿に戻った。

 

霊葉「これで少しは落ち着くはずです」

 

永琳「あなた…その能力…」

 

霊葉「…あの、お医者さん」

 

永琳「…何」

 

霊葉「私もここにいていいですか?」

 

永琳「…はぁ、暴れないならいいわよ」

 

霊葉「2人が暴れたら私が止めますので」

 

永琳「…じゃあ任せるわね」

 

スタスタスタスタ

永琳と鈴仙はその場をあとにした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

それから少しだけ時間が経ち、倒れていた霊夢が起きてきた。

 

霊夢「…ん」

 

スッ…

霊夢は目を擦り、周囲を確認しながら起きてきた。

 

霊夢「!!」

 

霊夢は自分が布団で寝ていたことに気づいた。それと同時に自分の横でフランも眠っていることに気づいた。

 

霊夢「これ…なんで…あれ…私…何してたの…」

 

霊葉「お母さん。起きたんだね。やっぱりすごいなぁ」

 

霊夢「…霊葉」

 

霊夢が声のした方を見ると、霊葉が木葉のベッドの近くに椅子を置いて座っていた。霊葉はずっと木葉と霊夢、フランの様子を見ていたのだった。

 

霊葉「お母さん。お父さんが危ない状況なの。ここでは暴れないで」

 

霊夢「違うわ。暴れているのはこいつよ」

 

そう言って霊夢はフランを指さした。

 

霊葉「ううん、違うよ。お母さんが引っ張るからフランさんが抵抗してるだけ。フランさんから暴れたりしてないでしょ?」

 

霊夢「…」

 

霊葉「お願い。せめてお父さんが起きてからにして。ここでなにか異変があってお父さんが起きてこなかったらどうするの」

 

霊夢「…私はこいつを近くに置きたくない。できるならこのまま姿を消して欲しい」

 

霊葉「そこは我慢して。フランさんは確かにお父さんをこんな状態にしたけどちゃんと反省してるよ。反省してなかったらずっとお父さんの様子なんて見てないよ」

 

霊夢「…」

 

霊葉「お願いお母さん。お父さんが起きるまで待って。起きたらお父さんとお母さん、フランさんの3人で話し合って。ここで暴れるのは私が許さないから。もし次暴れることがあったら眠らせるじゃ済まさないから」

 

霊夢「…あんた」

 

霊葉「私の大事なお父さんだよ。お母さんも大事。フランさんも大事。でも私の優先順位は1番にお父さんとお母さんなの。そんな大事なお父さんに死の危険があるのなら、私は容赦なく動くから。それはお母さんであってもだよ。たとえお母さんと対峙することになっても」

 

霊夢「…そうね。分かったわ。私が悪かったわ。確かに木葉の近くで暴れるのは良くないわね。ありがとう霊葉。あんたのおかげで少し冷静になれたわ」

 

霊葉「…うん。とりあえずお母さんは寝てて。私がお父さんを見てるから」

 

霊夢「…そうね。今の私が起きてたらまた同じことになりそうね。じゃあ、木葉のこと…お願いできる?」

 

霊葉「うん。任せて」

 

霊夢「じゃあ私は寝るわ。落ち着くためにね」

 

そう言って霊夢は布団に潜り、寝始めた。

 

霊葉「…」

 

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場所…木葉が寝ている部屋に繋がる廊下

 

廊下には永琳が息を潜めて立っていた。永琳は3人の様子を時々見に来てるが、何も異常はない。

 

永琳「…さすがねあの子。大人びてるわ。本当にあの博麗の巫女の子供かしら」

 

永琳は霊葉の存在が気になっていた。

 

永琳「…これならあの子に任せてもいいわね」

 

スタスタスタスタ

永琳はその場をあとにした。

 

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それからさらに時間が経ち、朝になった。結局見ていると言っていた霊葉も寝てしまい、その部屋は静寂に包まれていた。

 

スタスタスタスタ

永琳が木葉が寝ている部屋に来た。

 

永琳「!」

 

永琳は3人が寝ていることに気づいた。

 

永琳 (…疲れてるのかしら。起こすのはやめておきましょうか)

 

スタスタスタスタ

永琳は木葉の近くまで歩いた。

 

永琳「…」

 

スッ…

永琳は木葉の左手首に触れた。

 

永琳 (…ちゃんと脈はある。あとはこの子が起きれば解決ね)

 

スタスタスタスタ

永琳は木葉の手首から手を離し、部屋を離れた。

 

永琳 (それにしてもあの子…まだ能力が発動してる。寝ているのにずっと発動しているものなの…?)

 

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霊葉「ん…ん〜…」

 

霊葉が目を覚ました。霊葉は目を擦って木葉の様子を見たあと、霊夢とフランの様子も見た。全員特に異常はなかった。

 

霊葉「…朝」

 

スッ…

霊葉は立ち上がり、木葉の顔を見た。

 

霊葉「!」

 

すると木葉の左手が布団から出ているのに気づいた。

 

霊葉「あれ、なんで手が出てきてるの…?」

 

スッ…

霊葉は木葉の手を布団の中に戻した。

 

霊葉「お父さん…1回起きたのかな…?」

 

スススッ…

すると霊夢も目を覚ました。

 

霊夢「…おはよう。霊葉」

 

霊葉「!」

 

霊葉は突然声をかけられて驚いた。振り返ると霊夢が体を起こして霊葉の方を見ていた。

 

霊葉「あ、おはよう。お母さん」

 

霊夢「どう…木葉の様子は」

 

霊葉「特に変わったところはないよ」

 

霊夢「…そう」

 

スッ…

霊夢は布団を片付け始めた。霊葉はずっと木葉の手を握っている。

 

霊葉 (お父さん…)

 

スタスタスタスタ

布団を片付けた霊夢が木葉のベッドまで来た。

 

霊夢「…ほんと、いい顔で寝てるわね」

 

霊葉「…うん」

 

スタスタスタスタ

するとそこに永琳が現れた。

 

永琳「あら、起きてたのね。あなたたち」

 

霊葉「あ、おはようございます」

 

永琳「おはよう。あなたたち、朝ごはんはどうするの」

 

霊夢「そうね。どうしようかしら」

 

霊葉「一旦神社に帰る?」

 

永琳「もしあれだったらここで食べなさいな」

 

霊夢「え?」

 

永琳「このままその人を放置できないでしょ。何かあった時にすぐ来れるわよ」

 

霊葉「そうですね。ではお言葉に甘えてこちらで食べさせていただきます」

 

永琳「分かったわ。なら来なさい」

 

スタスタスタスタ

永琳はその場をあとにした。

 

スタスタスタスタ

霊夢と霊葉は永琳のあとを追いかけて部屋をあとにした。

 

フラン「…」

 

フランは霊夢と霊葉がいなくなったタイミングを見計らって目を開けた。

 

フラン「…」

 

スッ…

フランは布団から身を起こし、周囲を見渡した。

 

フラン「…あの時…不思議な感覚だった。あれって…何…?」

 

フランは昨日霊葉の能力によって突然意識が飛んでしまったことを考えていた。この世界のフランはまだ霊葉の能力についてよく分かっていない。なので昨日のあの出来事は正直意味が分からなかった。

 

フラン「霊葉の能力…?」

 

スッ…スタスタスタスタ

フランは立ち上がって木葉の方に歩いた。

 

フラン「…木葉。おはよう。いい朝だね」

 

フランは日差しがダメなので、影になっているところしか動けない。でも幸い木葉のベッドには日は差さないのでフランでも近づける。

 

フラン「…」

 

フランは周囲を見渡した。誰もいないことを確認すると木葉の方に向き直った。

 

フラン「…ごめんね、木葉。私のせいでこんなことになっちゃった。お姉様や霊夢からはすごく怒られると思う。でも反省してるから…せめて木葉だけは許してほしいな…」

 

フランは再度周囲を見渡し、誰もいないことを確認した。

 

フラン「…ごめんね、木葉」

 

そしてフランは木葉の唇に自分の唇を当てた。ほんの数秒だけだったが、先程周囲を確認していたのはこの姿を見られたくないからだった。

 

フラン「…///」

 

フランは自分でしておきながら頬を赤らめていた。

 

フラン「…起きるまでここにいるからね、木葉」

 

そう言ってフランは近くにあった椅子に座り、木葉の手を握った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…永遠亭の前

 

魔理沙「…」

 

スタスタスタスタ

魔理沙が永遠亭に来た。魔理沙はそのまま入り、木葉の部屋まで進んだ。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…木葉が寝ている部屋

 

魔理沙「…ここか…ん?」

 

魔理沙が部屋に来ると、フランが木葉の手を握っている姿があった。

 

魔理沙「なんだ、霊葉はいないのか?」

 

フラン「!」

 

フランは魔理沙が来たことに驚いていた。

 

魔理沙「ここにいるって手紙があったんだが」

 

フラン「霊葉ならご飯食べに行ったよ」

 

魔理沙「お前は何してるんだ?」

 

フラン「木葉が起きるの待ってる」

 

魔理沙「まだ起きないのか?」

 

フラン「うん。まだ起きない」

 

魔理沙「…そうか」

 

魔理沙は近くの壁に寄りかかった。

 

魔理沙「…なぁ、フラン」

 

フラン「?」

 

魔理沙「これで反省したか?」

 

フラン「…うん。反省した」

 

魔理沙「多分霊夢やレミリアに怒られるだろうけど、ちゃんと謝るんだぞ」

 

フラン「…うん」

 

スタスタスタスタ

すると朝食を終えた霊夢と霊葉が部屋に戻ってきた。

 

霊葉「あ、フランさん。おはようございます」

 

フラン「うん…おはよう…」

 

霊夢「…」

 

霊葉「魔理沙さんも来てたんですね」

 

魔理沙「まぁな、手紙があったし」

 

霊葉「読んでくれたんですね。ありがとうございます」

 

スタスタスタスタ

霊夢はフランの方へ歩いた。

 

霊夢「…」

 

フラン「…」

 

霊夢はフランの方を見ていた。しかしフランは目を合わせようとしない。

 

霊夢「…あんた、まだいたのね」

 

フラン「…うん」

 

霊夢「言わなきゃいけないこと…あるんじゃない?」

 

フラン「…ごめんなさい」

 

霊葉「…」

魔理沙「…」

 

霊夢「…木葉が起きたら木葉にも謝りなさい。木葉が許すなら私は何も言わないわ」

 

フラン「…うん」

 

ピクッ…

すると突然木葉の指が動いた。

 

フラン「!!」

 

ガタッ!!

それに気づいたフランは突然立ち上がった。

 

霊葉「わっ…フランさん…どうしたんですか…?」

 

フラン「木葉の指が動いた…木葉!」

 

木葉「っ…」

 

ピクッ!ピクッ!

さらに木葉の指が動いた。

 

フラン「やっぱり動いた!木葉!」

 

木葉「ん〜…」

 

木葉はゆっくりと目を開けた。木葉の目に飛び込んできたのは涙目になったフランだった。

 

木葉「…あれ…フラン…」

 

フラン「よかった!木葉!」

 

ギュッ!!

フランは木葉に抱きついた。それを見た霊夢と霊葉、魔理沙は安心した顔を見せた。

 

木葉「フラン…痛いよ…」

 

フラン「あ、ごめんね」

 

フランは抱きしめる力を弱めた。木葉はフランの頭に手を置いてフランの頭を撫でた。

 

フラン「んっ…木葉…」

 

木葉「おはよう…フラン…」

 

フラン「おはよう…木葉…」

 

スタスタスタスタ

魔理沙が木葉のベッドまで歩いた。

 

魔理沙「よぅ木葉。起きたか?」

 

木葉「あぁ…魔理沙…うん。起きたよ」

 

魔理沙「良かったぜ全く…お前死んだかと思ったぞ」

 

木葉「…まぁ、死にかけてたとは思うよ」

 

魔理沙「ヒヤヒヤしたぜ…」

 

木葉「そっか…そういえば魔理沙」

 

魔理沙「ん?」

 

木葉「霊夢と霊葉はいる?」

 

魔理沙「あぁいるぜ。ほら2人とも。木葉が呼んでるぞ」

 

霊夢「…」

霊葉「…」

 

スタスタスタスタ

霊夢と霊葉は木葉の方に歩いた。霊夢と霊葉が木葉の顔を見ると、木葉は少しホッとした表情を見せた。

 

木葉「霊夢…霊葉…おはよう…」

 

霊夢「おはよう。木葉」

 

霊葉「おはよう…お父さん…」

 

木葉「はぁ…ようやく起きれそうだよ」

 

霊夢「良かったわ木葉。ちゃんと帰ってきてくれた」

 

木葉「当たり前だよ…霊夢と霊葉を置いて逝けないよ」

 

スタスタスタスタ

そこに永琳が現れた。

 

永琳「あら、起きたのね」

 

永琳は木葉の顔を覗き込んだ。

 

永琳「あなた、調子はどう?」

 

木葉「少し…体が重いです」

 

永琳「まぁ仕方ないわ。これでも生きてるだけマシよ」

 

木葉「…そうですね」

 

永琳「さ、あなたたちは自分の荷物を持って一旦帰りなさい」

 

霊夢「なんでよ」

 

永琳「今から色々としなきゃいけないからよ。もう起きたことは確認できたし少ししたらまた戻ってきなさい」

 

霊葉「分かりました。じゃあお父さん。また少ししたら戻ってくるからね」

 

木葉「あぁ…」

 

そう言って霊葉と霊夢は荷物をまとめ始めた。

 

魔理沙「フランはどうするよ。紅魔館に戻るか?」

 

フラン「…うん。戻ってお姉様にも謝らなきゃ」

 

魔理沙「…あぁ。そうするといい。私は木葉の友人にこの事を伝えてくるぜ」

 

スタスタスタスタ

霊夢と霊葉は荷物をまとめて一旦神社に戻った。フランは傘を借りて紅魔館に戻り、魔理沙は地底にいる矢巾 光輝のところに向かった。

 

永琳「…あなた、心配かけすぎよ」

 

木葉「はは…すみません…」

 

永琳「あなたが血液不足になってからあなたのお友達が大勢あなたのために力を貸してくれたのよ。お礼言っておきなさい」

 

木葉「…そうですね。回復したらお礼を言いに行きます」

 

永琳「…さ、起きてあれだけど、体拭くわよ」

 

木葉「え?」

 

永琳「不潔なのは良くないわ。ちゃんと綺麗にしないと」

 

木葉「あぁ…はい」

 

そうして永琳は体を拭く準備をし始めた。




〜物語メモ〜

霊葉の能力
霊葉の能力は「姿を変える程度の能力」。
これはあらゆる人やモノ、動物に姿を変えることができる能力。ただ姿を変えるだけでなく、変えたモノの特徴まで全て変わる。魚に姿を変えれば見た目だけでなく、呼吸も肺呼吸からエラ呼吸に変わる。別の人に変われば性格や話し方なども全てその人になる。存在すら変えたモノに変化してしまう能力。ただし、姿を変えるためには一度それを目にする必要がある。目にしたことないモノには変えられないのがこの能力の欠点。
今回、霊葉がサンに姿を変えたのは霊葉が天星祭でサンの姿を見たからだった。そしてそのサンには「言霊を操る能力」があり、言ったことが現実になる。普通の人が使えばそこまで力はないが、今回はサンの姿になっていたので効果は絶大だった。
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