木葉の幻想郷日記   作:バスタオル

291 / 296
脅威的な気配

場所…博麗神社

 

紫「さて、あの霊夢と霊葉ちゃんのことだけど、確定で本人じゃないことがわかったわ」

 

木葉「あぁ…」

 

長津「霊夢さんって光の…」

 

木葉「…あぁ」

 

早乙女「それに霊葉さんって確か天星祭の時にいたよね。霊夢さんと」

 

条乃「お前の娘だろ?光」

 

木葉「…あぁ」

 

倉本「えっ!?光さん娘さんがいたんですか!?」

 

木葉「間違いではないけど、霊葉は未来の幻想郷から来てるんだ。今の俺たちの娘ではないし、未来的には娘ではある。ちょっと難しいところ」

 

倉本「へぇ…そうだったんですね…」

 

佐野守「そういえば、霊葉さんって何か能力はあるんですか?」

 

木葉「姿を変える程度の能力だよ」

 

佐野守「どんな能力ですか?」

 

木葉「あらゆるものに姿を変えることができる。でも見たことあるものしか変えることができない。みんなが来る前だったけど、俺と紫が戦った時は三柱の天空に姿を変えていた」

 

条乃「三柱!?」

 

風和瀬「しかも天空って…」

 

長津「三領保神…二刻神に次ぐ強さを持つ人たちだね」

 

木葉「あぁ。霊葉の姿を変える程度の能力は見た目だけじゃなくて、能力や特徴もすべて変えることができる」

 

条乃「なっ…じゃあ…」

 

木葉「…あぁ。天空に姿を変えた霊葉は能力も強さも全て天空と同じだった。俺が攻撃しても全く通らなかった。紫の攻撃は通ってたけど」

 

条乃「マジかよ…」

 

双葉「お前の娘…すげぇな」

 

立花「確かに…でも何で三柱に?」

 

木葉「渚が言ってたように天星祭を見に来てたからな。その時に三柱たちを見たんだろう」

 

本庄「確かにあの時は三柱の方々が全員いらしてましたね」

 

三室「じゃあその子が三柱に姿を変えたら俺たちじゃもう…」

 

木葉「…何もできなくなる」

 

矢巾「…とても悩ましいことですね」

 

倉本「三柱の方に頼むことはできないんでしょうか」

 

長津「あの方々が力を使えば世界が壊れる可能性があるんだ。光が本当に天空と対峙したのなら、多分見たんじゃないかな。どう?光。空間が切れたり割れたりしなかった?」

 

木葉「してた。割れたところからは真っ黒な空間が広がっていた」

 

長津「そうか。天空は空間を切ったり割ったり、削ったりできる。何もしなくても思いのまま。僕たちがこの世界からその真っ黒い世界に放り出されたらもう何もできない。星座たちの力を遥かに凌ぐ相手だから敵わない」

 

条乃「…」

 

長津「もちろん三柱の方々に頼めばすぐ解決すると思う。でも三柱の方々が力を使えばこの世界だけじゃなく、僕たちの世界にも簡単に影響が出てくる。三柱たちが戦えばその力の強さに世界が耐えられなくなる。結衣さんは三柱がどんな力を持ってるか知ってる?」

 

倉本「えっと…大地とか季節とかですよね」

 

長津「そう。二刻神は時間、三領保神は領域、四季宝神は季節を司っている。世界を維持するために必要な力が全て揃っている。どれかひとつでも欠けてしまったらもうおかしくなる。三柱たちは自分たちの世界を守るためにあまり戦ったりはしないんだ」

 

木葉「だとすると霊葉が三柱に姿を変えて戦ったとしたら…」

 

長津「…恐らくだけど、三柱が戦っている時と同じ状態になる。つまり…」

 

紫「世界が壊れちゃう可能性があるのね」

 

長津「…はい。憶測ですが…」

 

紫「こっちとしても霊夢がいないから結界にも影響が出てるわ。とにかく霊夢だけでも戻さないと」

 

木葉「そうだな。霊葉は…」

 

紫「もちろん霊葉ちゃんも助けるわ。見捨てることなんてできない。自分の命を投げ打ってまで助ける覚悟よ」

 

木葉「あぁ。だが手がかりがない。霊葉も消えちゃったしその時に霊夢も…」

 

紫「そうね。また来るとは言ってたけど…」

 

長津「なにか無いかな。来る予兆とか」

 

木葉「無い。俺が霊夢に会った時も何も無かった。紫はどうだ?」

 

紫「私も分からなかったわ。気配も感じない」

 

木葉「あの二人は本人を模してるだけで本人ではない。ただの人形だって言ってた」

 

長津「気配感じないなら奇襲もありえるか…」

 

木葉「…まぁ、ありえる」

 

長津「悟。結界の状態は?」

 

立花「う〜ん…2枚展開されてるけど、ひとつは少し揺らいでる。薄くなってるって言った方がいいかな」

 

紫「霊夢の結界ね。あの子がいなくなってから弱くなってるの。幻想郷の危機よ」

 

木葉「悟。何かあったら結界を展開して欲しい」

 

立花「分かった」

 

紫「あなたにできるの?この幻想郷を覆うだけじゃないわよ。覆った上で誰からも干渉されないような強固な結界を維持する必要があるわ」

 

立花「いや…それは…」

 

紫「木葉。霊夢の結界は程度の低いものじゃないわ。今も揺らいでいるけど、まだ結界としての機能は働いている」

 

木葉「そうか…やっぱすげぇな霊夢のやつ…」

 

紫「とにかく相手の動きがないとこっちも動けない。相手が何を要求してくるのかも分からない」

 

木葉「どうするか…何か準備ができれば…」

 

長津「アリエス。どう?周囲の気配は」

 

シュゥゥゥゥゥ…

長津の体からアリエスが姿を現した。

 

アリエス「誰もいないよ。近づいてる気配もない」

 

長津「うん。ありがとう。あ、そうだ光」

 

光「ん?」

 

長津「もうみんなには話してるんだけど、僕のアリエスが新しい力を手に入れたんだ」

 

木葉「新しい力?」

 

長津「そう。僕のアリエスは元々、酸化と還元を操る能力だったんだけど、今は魔力と霊力を操る能力なんだ」

 

木葉「魔力と霊力?」

 

長津「そう。魔力は魔法に直結する力で、霊力は神力に次ぐ力のことだよ。これがあることで霊力を持つ人以外に有効な攻撃ができるんだ」

 

木葉「人間相手には使うなよ…?」

 

長津「当たり前だよ。でもこのお陰で気配とかの探知ができるようになったんだ」

 

アリエス「智志」

 

長津「ん?何?」

 

アリエス「…誰かいるよ。外に」

 

長津「誰?」

 

アリエス「う〜ん…僕たちと同じで魔法を使う人っぽいよ。魔力を感じる」

 

木葉「魔理沙かな?ちょっと見てこようか」

 

紫「待って木葉」

 

木葉「ん?」

 

紫「…私がスキマで覗いてみるわ」

 

木葉「あ、うん。分かった」

 

そうすると紫は静かにスキマを開いた。恐らく来た人の背後に開けたのだろう。

 

紫「…」

 

紫の表情が少し明るくなった。

 

紫「大丈夫よ。魔理沙ね」

 

木葉「そうか。なら行ってくる」

 

紫「一応スキマは開けとくわ。何かあったら私の方から仕掛けるから」

 

木葉「あぁ」

 

スタスタスタスタ

木葉は立ち上がって外に出た。

 

紫「…」

 

紫はスキマからその様子を見ている。

 

長津「あの、紫さん」

 

紫「何かしら」

 

長津「我々はこのままいてもいいのでしょうか?」

 

紫「…そうね、それは木葉に聞きなさいな。ここは私の家じゃないの。家主の霊夢はいないし木葉任せね」

 

長津「分かりました」

 

紫「…話が終わったみたいね。魔理沙がここに来るわ」

 

長津「分かりました」

 

スタスタスタスタ…スゥーッ…

木葉と魔理沙が部屋に入ってきた。魔理沙は人の多さに驚いたが、見たことある人だったため、すぐに表情が戻った。

 

木葉「紫。霊夢に用があるみたいだよ」

 

紫「そう。残念ね。今霊夢はいないの」

 

魔理沙「霊夢がいない?どこ行ってるんだ?」

 

紫「…分からない。どこか別の次元にある幻想郷らしいわ」

 

魔理沙「え?別の次元?どういう事だ?詳しく聞かせてくれ」

 

紫「そうね。そこに座りなさいな」

 

魔理沙「お、おう」

 

それから紫は今日あったことを魔理沙に話した。魔理沙は終始曇った表情を見せていた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

紫「まぁこんな感じよ。今は作戦会議をしているところ」

 

魔理沙「なるほど…じゃあ霊夢と霊葉はここにいないんだな」

 

紫「えぇ。相手がいつここに来るのかも分からない。来たら戦うのではなくて、霊夢と霊葉の場所を聞くの。今すぐにでも霊夢を連れ戻さないと幻想郷が危ないわ」

 

魔理沙「マジか…それって相当…」

 

ゾワッ…

魔理沙が話した瞬間、とてつもない気配が博麗神社を包んだ。

 

木葉「!?」

 

魔理沙「…ん?何だ…この気配…」

 

長津「っ…まさか…」

 

紫「…来たのかしら」

 

とてつもない気配は外から感じる。この場にいる全員が感知できるほどの強烈な気配だった。

 

木葉「…どうする。紫」

 

紫「霊葉ちゃんよりも遥かに強い気配…霊夢以上の気配よ」

 

木葉「それ…俺たちじゃもう勝てないんじゃ…」

 

紫「分からない。またスキマを開けてみるわ」

 

そう言って紫はスキマを開けて外を見た。しかしそこで異変が生じた。

 

ビリビリ!ギュォォォォ…

紫がスキマを開けて覗こうとした時、何故かスキマが自動的に閉じてしまったのだった。

 

紫「えっ…何で…スキマが…」

 

木葉「どうしたの?」

 

紫「これもあの人の力なのかしら…」

 

木葉「紫?」

 

紫「…スキマが開かない…厳密には開いてもすぐに閉じてしまう」

 

木葉「紫が閉じてるんじゃなくて?」

 

紫「えぇ。勝手に閉じる。意味がわからないわ」

 

長津「それほどの相手ってことですか?」

 

紫「…私を遥かに凌駕する力の持ち主…そんな人がいるなんて」

 

長津「どうする光」

 

木葉「…見てこようか?」

 

紫「危険よ。あなたまでいなくなったら幻想郷がもたないわ。私もここを離れるわけにはいかない」

 

長津「…なら僕たちが行こうか?」

 

木葉「え?」

 

長津「僕たちなら影響はないはず。だからどうかな」

 

木葉と紫は顔を合わせた。紫は小さく頷いた。

 

木葉「…頼める?智志」

 

長津「あぁ。任せて。行くよアリエス」

 

アリエス「あぁ」

 

スタスタスタスタ

長津とアリエスは部屋を出た。

 

木葉「紫…スキマを閉じるほどの力を持っているとなったら…」

 

紫「私としても脅威的よ。他の住人たちに声をかけて倒すことも視野に入れないと…」

 

ゾワッ…

するとまた違った気配が現れた。その気配は先に現れた気配によく似ている。

 

紫「…木葉」

 

木葉「ん?」

 

木葉はこの気配に気づいてなかった。

 

紫「…もうひとつ…現れた」

 

木葉「現れたって?」

 

紫「気配よ…さっき言ってた脅威的な気配…」

 

木葉「えっ?増えたってこと?」

 

紫「えぇ…私のスキマを閉じるほどの力を持った人がもう1人…相当マズイ状況よ」

 

木葉「みんな…一応すぐに動けるようにして」

 

条乃「俺たちは何も感じないが…」

 

立花「光輝はどう?何か見える?」

 

矢巾「えっと…さっきから透視の能力で外を見ているんですが…何か黒いモヤみたいなものが見えます。2つほど」

 

立花「えっ?どういう…」

 

矢巾「外は見えるんですよ。でも一部分だけモヤがかかって全く見えないんです。視認できません」

 

木葉「妨害されてるってことか…?」

 

紫「人の能力に干渉できる力を持ってるのね」

 

木葉「これは思ってた以上に…」

 

紫「そうね…危険な感じね」

 

スタスタスタスタ

すると外に出た長津とアリエスが帰ってきた。

 

長津「光」

 

木葉「え、うん?」

 

長津「サン様とルナ様が来られたよ」

 

木葉「えっ?三柱が?」

 

長津「うん。正直敵かと思ったけどそうでもなかったよ。待ってたのはサン様だった。あとでルナ様が来たよ。どうする?通す?今待ってもらってるけど」

 

紫「サンってあの不思議な人ね…あの人…こんな脅威的な気配を放つのね…」

 

木葉「まぁ…普段そんな感じな人ではないけど」

 

紫「そうね。あの人たちならいいわよ。通してあげて」

 

長津「分かりました。では呼んできますね」

 

スタスタスタスタ

長津はサンとルナを呼びに行った。

 

木葉「よかったぁ…三柱で…」

 

紫「そうね。あれほどの気配を放つのが敵なら私たちでも勝てるか心配だったわ」

 

条乃「でもなんで三柱が…」

 

三室「何かあったのか…?」

 

倉本「三柱様…それも一番上の方ですよね?」

 

本庄「…」

 

スタスタスタスタ

すると長津たちが帰ってくる足音が聞こえてきた。さっき感じた脅威的な気配がどんどん近づいてくる。

 

紫「…近くなると何故か息苦しくなるわね」

 

木葉「うん…俺もちょっとしんどくなってきた…」

 

紫と木葉だけじゃなく、他の十二天星たちも少し辛そうになっていた。

 

長津「光。八雲さん。連れてきたよ」

 

長津が部屋に着くとみんな俯いていた。長津はそんな異様な雰囲気に驚いていた。

 

長津「えっ!ちょ、みんな!どうしたの!!」

 

長津はみんなのもとに駆け寄った。全員息苦しそうな様子だった。

 

長津「ちょ、光!八雲さんまで…」

 

サン「ん?どうしたの?」

 

サンが長津の背後から顔を出してきた。その後ろからルナも顔を出す。

 

アリエス「これは…」

 

サン「えっ…どうしたの…?」

 

ルナ「あっ!サン!あれが発動しています!」

 

サン「あれって…?」

 

ルナ「威圧ですよ!早く解いて!」

 

サン「嘘っ!?」

 

ブゥゥゥゥゥゥン…

サンは急いで能力を解除した。すると木葉たちは苦しさから一気に解放されたような様子を見せた。

 

木葉「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

 

紫「っ…」

 

条乃「はぁぁぁっ…死ぬかと思ったぜ…」

 

長津「みんな!意識ある!?」

 

本庄「大丈夫ですよ長津さん…」

 

どうやらみんな無事な様子だった。アリエスも安心していた。

 

サン「みんなごめん!能力を解除するの忘れてた!ほんとにごめん!」

 

ゴンッ!!

サンは勢いよくその場に土下座した。その際、頭を床に強く打ち付けてしまった。

 

ルナ「みなさん。そのまま動かないでください」

 

パァァァァァァァ…

ルナが治癒の能力を発動した。するとたちまちみんなの体調が戻ってきた。

 

佐野守「わっ…楽になった…」

 

本庄「…すごい」

 

風和瀬「はぁ…良かった…」

 

ルナ「みなさん。体調は戻りましたか?」

 

木葉「みんな大丈夫です。ありがとうございます」

 

ルナ「サン。これからは気をつけてください。私たちの力はみなさんには強すぎます」

 

サン「はい…反省しております…」

 

サンは土下座しながらそう答えた。

 

紫「…それで、ここに何か用かしら」

 

ルナ「先程は失礼しました。私たちがここに来たのにはある理由があります」

 

木葉「理由…?」

 

ルナ「……ある者から時空の干渉を受けました」

 

木葉「じ…時空…?」

 

ルナ「本来なら三領保神 天空 シエロ・ヒンメルが管理しているはずの領域でしたが、彼と同等の力を持つ者が私たちの世界に空間を開き、侵入してこようとしました」

 

木葉「!?」

 

その言葉を聞いて十二天星たちは一斉に驚いた。紫は事の重大さをあまり理解してないが、それでも話を聞いている。

 

ルナ「ですがその時、異変を察知したヒンメルが1人で対峙し、その者を追い返すことができました。しかし彼が戦闘をしたことで、私たちの世界の空間が一時的にバグを起こしています」

 

長津「バグ…とは…」

 

ルナ「…悪天候に苛まれ、太陽や月ですら隠してしまうほどの黒い空間ができてしまいました。現在私たちの世界は昼と夜の区別がつきません」

 

木葉「黒い空間…」

 

紫「私たちが見たアレね…」

 

倉本「そんなに影響が…」

 

条乃「すげぇな…三柱の力は…」

 

サン「僕たちの太陽や月ですら隠してしまうほどの裂け目だからね。ヒンメルはあの者を追い返すために相当力を使ったんだろうね」

 

長津「あの方がそんなに力を使う相手って…」

 

サン「…僕たちの世界に来たのはヒンメルと全く同じ見た目の人物だったよ」

 

木葉「!?」

紫「!?」

 

木葉と紫はその言葉を聞いて一人の人物を思い浮かべた。

 

木葉 (まさか…霊葉…)

 

紫 (霊葉ちゃん…まさかあなたなの…?)

 

ルナ「あの者は姿形はヒンメルそのもので魔力も能力も特徴も全て彼そのものだったのです。しかし戦闘に関してはヒンメルの方が圧倒的に上でした。まぁそれでも空間を損傷するくらいでしたので、大きな戦いだったのでしょう」

 

木葉「霊葉…」

 

長津「光…まさか…」

 

木葉「…信じたくないけど…まさか…」

 

ルナ「心当たりがあるのですか?第七星座の主」

 

木葉「…はい」

 

ルナ「どなたですか?」

 

木葉「…娘の…霊葉かもしれません…」

 

ルナ「娘…」

 

サン「えっ!?あの子!?あの子がやったの!?」

 

サンはとても驚いている様子だった。ルナは静かに質問をする。

 

ルナ「霊葉さんの能力は何ですか?」

 

木葉「姿を変える程度の能力です」

 

ルナ「姿を…」

 

木葉「ただ姿を変えるだけでなく、能力や特徴も全て変化します」

 

ルナ「なるほど…つまり同じ人がもう1人増えるわけですね」

 

木葉「はい。そんな感じです」

 

ルナ「だからあの時、ヒンメルと同じ気配が2つあったんですね。サン。ヒンメルが2人もいたら空間が裂けてもおかしくないですよ」

 

サン「そうだね。一応今は空間を直しているところだよ。でもまだ時間がかかる。それに今、僕たちの世界は空間がおかしくなってるから敵の侵入も容易にできる。なるべく被害は出したくないが、僕たちの世界だけじゃなく、この世界の様子も知っておきたかったから今日ここに来たんだ」

 

木葉「な…なるほど…」

 

紫「私たちの世界の空間も割れたわよ。あの子が暴れたからね。でもそっちでも似たようなことが起こってるのね」

 

ルナ「はい。これは2つの世界の存亡に関わることです。どうかみなさんで協力しませんか?」

 

全員「!?」

 

今まで三柱から協力して欲しいと言われたことがないため、十二天星たちは驚いていた。

 

ルナ「私たちが動けば世界の崩壊は進んでしまいます。力が強すぎるので。なのでみなさんにお願いしたいのです」

 

長津「どうする、光」

 

木葉「…俺たちは霊夢と霊葉を助けたい…でも、そっちの世界も見過ごせない…」

 

紫「いいわよ」

 

木葉「えっ…?」

 

紫「ただし、私たち幻想郷の人たちがそちらの世界に行くことはできないわ。今こっちは結界を管理している子が行方不明なの。そのせいで結界が揺らいでいる。このまま私がこの世界から姿を消したら間違いなく幻想郷は消え去ってしまうわ」

 

ルナ「…なるほど、こちらの世界は私たちの世界とは違う形で危険なのですね」

 

紫「えぇ。だからそっちの世界は木葉の仲間たちでどうにかできないかしら」

 

長津「えっ…?」

 

紫「私たちはこっちの世界を修復しなくてはならない。こっちの世界が修復したら木葉を行かせるわ」

 

ルナ「…分かりました。それでいきましょう。サン」

 

サン「えっ…?何?」

 

ルナ「今すぐ戻って他の三柱たちに通達です。十二天星の方々はまたあとで戻ってきてください。それでは紫さん。失礼しますね」

 

紫「えぇ」

 

シュゥゥゥゥゥ…

サンとルナは魔法陣を展開して元の世界に戻った。

 

木葉「…紫」

 

紫「木葉。何がなんでも霊夢と霊葉を見つけるわよ。これ以上、幻想郷を危険な目に遭わせたくないわ」

 

木葉「…あぁ。分かった」

 

長津「じゃあ光。僕たちは一旦元の世界に戻るね」

 

木葉「あぁ。すまなかったな」

 

長津「いいよいいよ。それじゃあみんな。戻るよ」

 

シュゥゥゥゥゥ…

長津たちも元の世界に戻っていった。

 

木葉「…さて、どうするか」

 

紫「っ…」




〜物語メモ〜

サンとルナについて
サンとルナは星座たちの産みの親であるため、各星座の能力を妨害することができる。また能力を発動したり解除したりと様々なことができる。強さは未知数だが、サンの場合は威圧の能力を発動することで、神社内にいた木葉たちに影響が出ていた。

第一星座 牡羊座の新しい能力
「魔力と霊力を操る能力」
魔力は魔法の力の源。魔法を使うためにあらゆる場所や物から魔力を得ることができる。
霊力は神力に次ぐ強い力のこと。あらゆるものに対して有利な攻撃ができるようになる。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。