場所…紅魔館
木葉「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
魔理沙「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
美鈴「やぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
バゴォン!バゴォン!ドゴォン!!ドォン!ドォン!
木葉と魔理沙、美鈴は紅魔館に現れた霊夢と対峙していた。
木葉「おらぁっ!!」
ドォン!!
木葉はめいっぱい力を込めるが、あまり霊夢に効果はなさそうだった。
魔理沙「マスタースパーク!!」
バゴォォォォォォォン!!
魔理沙は木葉諸共霊夢を攻撃した。
木葉「いでぇぇぇぇぇ!!」
木葉は魔理沙のマスタースパークを受けてしまった。
魔理沙「すまん木葉!!」
美鈴「はぁぁぁぁっ!」
ドゴォン!!ドゴォン!!ドゴォン!!バゴォン!
美鈴は霊夢の懐に入り、容赦なく打撃を入れていく。
霊夢「くっ…こいつっ…」
美鈴「やぁぁぁっ!」
ドォン!!
美鈴はめいっぱい力を込めて攻撃した。霊夢は防御が遅れてそのまま攻撃を受けた。霊夢はなんとか耐えたが、地面に膝をついた。
霊夢「がはっ…この女…」
美鈴「ここは私が通しません。通るなら、私を倒してみなさい」
美鈴はいつもと違って真剣な表情をしていた。それはまさに門番をしている風な印象を受ける。
木葉「すげぇ…美鈴さん…」
魔理沙「にしてもなんで木葉の攻撃はそんなに効果がないんだ?私と門番は攻撃が通っているのに」
木葉「…分からん」
霊夢「この女…
ジリッ…
霊夢はゆっくりと立ち上がった。そして美鈴を睨みつける。
霊夢「どうするか…この体はとても便利だが…あの女の体もなかなか良い」
霊夢は魔理沙、木葉、紫を見た。
霊夢「…他のやつはそうでもないな。この女とこの体以外のやつは打たれ弱い」
魔理沙「なぁ木葉」
木葉「ん?」
魔理沙「あいつ…どうするよ。止め方」
木葉「そうだなぁ…紫、どうすればいい?」
紫「…もう少しだけ時間を稼いで。そのあとは私がやるわ」
魔理沙「美鈴。あいつを拘束できるか?」
美鈴「できますよ。私は門番なので」
ジリッ…
魔理沙、木葉、美鈴は構えた。
霊夢「…他のやつはいらん。あの女だけは盾役として使えるな」
ビュン!!
すると霊夢は一気に距離を詰めてきた。
魔理沙「!?」
木葉「!!」
美鈴「!」
魔理沙、木葉、美鈴は霊夢の速さに目が追いつかなかった。
霊夢「お前らは…邪魔だ」
ドンッ!ドンッ!ドンッ!
霊夢は魔理沙と木葉を攻撃した。2人は大きく後ろに飛ばされた。
紫「木葉!魔理沙!」
霊夢「お前もいらん」
ドゴォン!!
霊夢は紫を攻撃した。
紫「うぐっ…!!」
ズサァァァァァァァッ!!
紫はなんとか耐えたが、ダメージは大きかった。
美鈴「魔理沙さん!木葉さん!」
ビュン!!
霊夢は美鈴の背後に立った。
霊夢「お前はこの俺がもらっていく」
美鈴「!!」
ドスッ!!
霊夢が美鈴に攻撃しようとした時、霊夢の体に大きな槍が貫通した。
霊夢「っ!?」
レミリア「この私の館の前で…何をしているのかしら」
スタスタスタスタ
そこに現れたのはレミリアだった。
魔理沙「レミリア…」
霊夢「…誰だ。お前」
レミリア「…あなた、霊夢じゃないわね」
霊夢「…」
レミリアは霊夢が別人に見えていた。
レミリア「この私を欺くなんてことはできないわよ。姿を明かしなさいな」
霊夢「…無理だ。この体はとても便利でな?何故かは分からんが、無限に力が湧き出てくる。俺は何故こやつを見逃していたんだろうな。悔やまれる」
レミリア「その体は私の大事な友人なのよ。これ以上余計なことをするなら容赦しないわよ」
霊夢「…で?どうすると」
レミリア「当然、あなたを叩き潰すわ」
紫「待ちなさい吸血鬼。あいつは拘束するのよ」
レミリア「拘束…ね」
紫「あいつが霊夢の姿でいることで博麗大結界が維持できているなら、無闇に倒さない方がいいわ」
レミリア「…あらそう。でも私はあいつを倒すわ。拘束するなら私が倒す前にしなさい」
ビュン!!
レミリアは一気に霊夢との距離を詰めた。
紫「全く…勝手ね…」
レミリア「はぁぁぁぁぁぁっ!」
霊夢「ぬぅっ!」
ドォン!!
レミリアと霊夢の拳がぶつかる。
木葉「すげぇ。さすがはレミリア」
魔理沙「腐っても吸血鬼か」
ブワッ!
レミリアはグングニルを装備した。
レミリア「はぁっ!」
ズバッ!!
レミリアは霊夢を攻撃した。霊夢はガードしたが、レミリアの攻撃はガードを貫通してきた。
霊夢「ぐふっ…!!こいつっ…!!」
レミリア「趣味が悪いわよあなた。このまま死になさい」
霊夢「残念だが死ぬわけにはいかない。次の寄生先が必要なんでな」
レミリア (寄生先…?)
紫「はぁっ!!」
ガシャン!!
紫は結界で霊夢を拘束した。
霊夢「…なんだ?これは」
霊夢は初めて見た結界に驚いていた。
レミリア「…」
紫「残念だけど、こいつを倒すのは私も反対よ。吸血鬼」
ザッザッザッザッ…
紫は霊夢の前に立った。
紫「こいつは厳重に拘束させてもらうわ」
レミリア「…勝手にしなさい」
スタスタスタスタ
レミリアは館に戻っていった。
紫「…さて、あなたには色々と話を聞かせてもらうわね」
霊夢「…ははっ。残念だが、話すことなんてないぞ」
紫「…私はあるわ。質問に答えてもらうわね」
霊夢「…」
魔理沙「終わったみたいだな」
木葉「あぁ…それにしてもあの霊夢…変な感じだわ」
美鈴「…」
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場所…刻領宝殿
ヒンメル「…」
回復を終えたヒンメルは椅子に座って霊葉との戦闘を思い返していた。
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ー回想ー
場所…天空
ヒンメル「…」
ヒンメルの活動範囲は大地と海以外の場所。つまり、この世界の空が主な移動範囲となっている。ヒンメルは三領保神の天空を司っているため、毎日世界中を飛び回って異変がないか確認している。
ピシッ…
ヒンメルが刻領宝殿の真上に差し掛かった時、突然空間に亀裂が走った。
ヒンメル「!」
ヒンメルはすぐその亀裂に気づいた。場所も特定し、そちらに顔を向ける。
ピシッ…パキパキ…
亀裂はどんどん大きくなっていく。しかもその亀裂から異質な気配が溢れてきた。
ヒンメル「…誰だ。この気配」
パリィン!!
亀裂がある程度大きくなると、空間がガラスの破片のように割れて飛び散った。
ヒンメル「…」
割れた空間の中は真っ暗だった。木葉と霊夢が霊葉と対峙した時に見た空間と全く同じ。
霊葉「…」
現れたのはヒンメルに姿を変えた霊葉だった。霊葉は木葉の世界を見て少し微笑んだ。
霊葉「色々な気配が混じってる。見つけてよかった」
ヒンメル「…貴様…この俺の領域を穢すのか…?」
霊葉「…えぇ。この世界はもうすぐ私の世界になります。あなた方はこのまま死んでください」
ヒンメル「…この俺をどうにかできるとでも?」
霊葉「できますよ。私は強いので」
ビーッ!ビーッ!ビーッ!ビーッ!ビーッ!
突然、刻領宝殿から警告音が鳴り響いてきた。
ヒンメル「…いつもならなにか異変が起きた時にすぐにこの音が鳴るが、今回は遅いな。…お前の仕業か?」
霊葉「さぁ…?あなたと私、姿や気配が同じなので、誤認したのでしょう」
ヒンメル「…俺がお前ごときと同じだと?笑わせるな」
霊葉「…なら、どちらが強いか…決めてみましょうか」
ブワッ!
霊葉は緑色のオーラを放った。
ヒンメル「…散れ。この俺と同格と思うな」
ブシャッ!!
突然霊葉の体から大量の血が噴き出した。
霊葉「!?」
さすがの霊葉も突然のことに驚いていた。目の前のヒンメルは一切動いていない。涼しい顔をしている。
霊葉「なっ…これは…」
ヒンメル「俺を本気にさせるなよ。お前の体が壊れるだけだ」
ブシャッ!!
さらに霊葉の体から血が飛び散る。
霊葉「ぐっ…!」
ビュン!!
これ以上の出血に危機感を覚えた霊葉はその場から離れた。
霊葉「これは一体…いきなり血が…」
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ!
霊葉はヒンメルの周りを飛び、様子を伺っていた。
ヒンメル「…無様に逃げるさまは滑稽だな。俺と同じ姿と気配をしておきながら」
霊葉 (能力も強さも分からない…この人…どうやって戦えば…)
ズシャッ!
すると霊葉の左手首が切り落とされてしまった。
霊葉「うぐっ…!?」
霊葉は突然襲ってきた痛みに驚いた。左手の方を見ると、見事に手首から先が無くなっている。
霊葉「なんでっ…!あの人…全く動いてないのに…!」
霊葉は左手首を押さえながらヒンメルの周囲を飛んでいる。その間ヒンメルは霊葉の方を見ずにずっとそこにいる。
霊葉「あの人…私の方を見てない…動いてもないのになんで…」
ヒンメル「あまり俺を見誤るなよ」
ズシャッ!ズシャッ!
すると霊葉の左足と背中に斬り傷ができた。
霊葉「あがっ…!!」
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ!
霊葉はヒンメルからの攻撃で地面に落下し始めた。
ヒンメル「…」
ヒンメルは落下している霊葉の方を見た。
霊葉「っ…!!」
霊葉は切られた左手首から力が分散して飛行ですら上手くできなくなっていた。
ヒンメル「この程度で俺と同じだと?見た目と気配を重ねただけに過ぎない偽り者が。恥を知れ」
霊葉「くっ…あの人…どうやって…」
ドォン!!
霊葉は地面に着地した。幸いヒンメルの姿になっていたので、落下のダメージはなかった。
霊葉「あの人を倒すには…」
ブゥン…
霊葉は背中に魔法陣を展開した。
霊葉「はぁぁっ!」
ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!
霊葉は弾幕を展開し、ヒンメルに攻撃した。霊葉の弾幕は霊夢と木葉の弾幕を合わせたものだった。
ヒンメル「…」
ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!バゴォン!
霊葉の弾幕はまっすぐヒンメルの方へ飛んでいったが、何故かヒンメルには当たらず、ヒンメルの後ろで爆発した。
霊葉「!?」
霊葉はヒンメルに全くダメージがないことに驚いていた。
ヒンメル「…」
ヒンメルは霊葉の方を見下している。
霊葉「あの人…なんで私の弾幕が効いてないの…」
ヒンメル「…その程度で俺をどうにかできるとでも?」
ゾワッ…
霊葉はヒンメルのおぞましい気配に恐怖感を覚えた。
霊葉「っ…」
ヒンメル「失せろ。ここは俺の領域だ」
霊葉「くっ…」
霊葉は本気でヒンメルの強さを実感した。しかし霊葉は自分の目的のためにどうしてもヒンメルを倒す必要があった。
霊葉「…このまま引き下がれば目的は達成できない…せめて傷を与えるくらいはしないと…」
ヒンメル「…まだ消えないのか。しつこいやつだ」
霊葉「…」
ブシャッ!!
するとヒンメルの体から血が噴き出した。ヒンメルは突然のことに驚いた。
ヒンメル「!?」
霊葉「ははっ…こうやるんだ…なるほどね…」
霊葉はヒンメルに姿を変えているため、ヒンメルの能力をすべて使用することができる。霊葉はその能力を使って今まで受けたヒンメルの攻撃を思い返した。すると、今まで受けた攻撃は意外と簡単なもので、仕掛けが分かった今、ヒンメルに対する恐怖感はもう感じなくなっていた。
霊葉「最初は驚いたけどネタが分かったらそんなに怖くないね」
ヒンメル (こいつ…俺の能力の使い方を理解したのか…?学習能力の高いやつだ)
霊葉「これであなたと戦える。もう、負けない!」
ビュン!
霊葉は空を飛んでヒンメルに接近した。
霊葉「これであなたを倒すことができる!!」
ヒンメル「…その程度で俺が負けるとでも思っているのか…」
ヒュォォォォォォォ…
ヒンメルは異様な気配を放った。
霊葉「!!」
霊葉はすぐにその気配を感じた。
ヒンメル「浅はかだな。その程度で負けたら俺は三柱なんぞになってない」
パキッ!パキパキッ!
突然ヒンメルの背後の空間にヒビが入った。
霊葉「!?」
ヒンメル「この俺を本気にさせたらどうなるか…お前に教えてやる」
パリィン!!
するとヒンメルの背後の空間がガラスの破片のように割れて砕けた。
霊葉「!!」
ヒンメルの背後には真っ黒な空間が広がっていた。
ヒンメル「お前は三柱を甘く見ているな。本当の力を見せてやる」
霊葉「はぁっ!」
ズバッ!ズバッ!ズバッ!ズバッ!
霊葉は先程ネタが分かった攻撃をヒンメルに向けて放った。
ヒュッ…ヒュッ…ヒュッ…ヒュッ…
しかしヒンメルには全く効果がなかった。
霊葉「えっ…さっきは攻撃できてたのに…」
ヒンメル「俺の攻撃だぞ。対策くらいできる」
霊葉「!!」
ヒンメルの背後にある黒い空間がさっきよりも広がっていた。
ヒンメル「お前に空間の大事さを教えてやる」
ガシッ!
ヒンメルは空気を操って霊葉を拘束した。
霊葉「なっ…!?なにこれ…うぐっ…動けない…!」
ヒンメル「人間ってのは酸素が無ければ生きていけないらしいな?」
霊葉「!」
霊葉はヒンメルのその言葉で嫌な予感がした。
ヒンメル「お前は人間とは少し違うようだが、実験だ」
ビュン!
ヒンメルは空気で掴んだ霊葉を背後に広がる黒い空間に向けて放り投げた。
霊葉「なっ…!」
ボワッ!ガシッ!
霊葉はその黒い空間に入ってしまった。その瞬間、霊葉は何かによって拘束された。
霊葉「なっ…!また…!」
ヒンメル「そこは空間の欠片。まだこの世界に酸素が存在していなかった場所だ。お前にはお似合いの場所だ」
ブゥン!
すると黒い空間に存在する酸素が一瞬で消えた。
霊葉「うっ…!がはっ…!」
霊葉は突然酸素が消えて苦しみだした。
ヒンメル「ほう。人間から逸脱したやつでも酸素は必要か」
霊葉 (まずいまずいまずい!!このままじゃ死んじゃう!どうにかして抜け出さないと!!)
ジタバタ!ジタバタ!ジタバタ!
霊葉はもがきながら色々とやってみた。だがどれも効果がなく、体の中の酸素がどんどん減っていく。
霊葉 (どうするどうするどうするどうする!?)
霊葉は相当焦っていた。しかし見えない何かに拘束されている以上、対策しようがなかった。
霊葉「!」
霊葉はその時、あることを思い出した。
霊葉 (…そういえば私はあの人になってるんだった。だったらこのくらい…)
ブゥン…
霊葉はある事に賭けてみた。
霊葉「プハッ!!はぁっ…はぁっ…はぁっ…」
霊葉は自身の周りだけ酸素を作り出した。そのお陰でなんとか生き残ることができた。
霊葉「ははっ…三柱ってなんでもできるんだ…動かなくても攻撃できたり、空間を削ったり、酸素を消したり…もう…異次元な力…」
ヒンメル「…ほう。頭が回るヤツだな。早々に消しておく必要があるな」
パリィン!!
するとヒンメルが作り出した空間がさらにヒビ割れ、中から霊葉が飛び出してきた。
霊葉「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ヒンメル「!!」
ドゴォン!!
霊葉は空間を飛び出してヒンメルを殴った。ヒンメルはガードできずに霊葉の攻撃を受けた。
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ!バゴォン!
ヒンメルはそのまま森の方に落ちていった。
霊葉「はぁっ…はぁっ…はぁっ…ははっ…やった…」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
場所…森
ドォン!!
森の一部に大穴が空いた。周囲の木々はその大穴に倒れかかり、やがて落ちていった。
ヒンメル「…かはっ…この俺に地上の穢れを与えるのか…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
大穴に落ちてきた木々が何かの力によって宙に浮いた。
ヒンメル「不敬!!この俺の領域を穢す者は死して償え!!」
ビュォォォォォォォ!!
ヒンメルの周囲に嵐が発生した。その際、宙に浮いた木々が周囲の木々をなぎ倒しながら回転し始めた。
ヒンメル「てめぇはここで死ぬに値する者だ!誇れ!てめぇはこの俺の手で生を終えるんだからな!!」
バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!
ヒンメルは宙に浮いた木々となぎ倒した木々を風の力で霊葉に向けて飛ばした。それぞれの木々は重いはずだが、相当な速度で飛んでいった。
霊葉「!?」
ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!
霊葉は飛んでくる木々に反応するのが遅れた。いくつかは当たらず飛んでいったが、霊葉はギリギリのところで避けたり、弾幕などで木々を破壊していった。
霊葉「っ!?この木…全部魔力が込められてる!!」
ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!
霊葉が木々に仕掛けられた違和感に気づいた瞬間、霊葉に当たらなかった木々たちが方向を変えて再度飛んできた。
霊葉「嘘っ!?」
ビュン!
霊葉はすぐにその場から離れていつもより速いスピードで空を駆けた。
ヒンメル「逃げるな。てめぇはここで死なねばならん」
ビュン!
ヒンメルは飛んで逃げる霊葉の目の前に現れた。
霊葉「!?」
ヒンメル「落ちろ」
バゴォォォォォォォン!!
ヒンメルは霊葉の首に蹴りを入れて地面に向けて叩き落とした。
霊葉「あがっ…!!」
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ!バゴォォォォォォォン!!
霊葉は何もできずに地面に落ちた。その際、霊葉を追いかけるように木々も地面に向けて飛んでいく。
バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!
霊葉が落ちたところに容赦なく木々が突き刺さる。
ヒンメル「…」
ヒンメルは霊葉の方を見下している。ただし、いつでも動けるように戦闘態勢のまま。
ガラガラガラガラ…バゴォン!
しばらくすると、突き刺さった木々が粉々に斬り刻まれた。
ビュン!
そしてその木々の間をすり抜けるように霊葉が飛んできた。
霊葉「はぁぁぁぁぁっ!」
ヒンメル「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」
バゴォォォォォォォン!!ピシッ!!
霊葉の拳とヒンメルの拳がぶつかり合った。その際、衝撃波が周囲に広がり、空間に亀裂を入れた。
霊葉「やぁぁぁぁぁぁっ!!」
ドゴォン!!ドゴォン!!ドゴォン!!ドゴォン!!
霊葉は連続で攻撃していく。しかしヒンメルは涼しい顔をしながら霊葉の攻撃を受け流していく。
霊葉「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ヒンメル「はぁっ!」
バゴォォォォォォォン!!
ヒンメルは霊葉の隙を突いて攻撃を入れた。
ピシッ!!パキパキッ!!
すると周囲の空間に走った亀裂がさらに大きくなる。
霊葉「うがっ!!」
ヒンメル「おらぁ!!」
バゴォォォォォォォン!!
ヒンメルはさらに霊葉に攻撃を入れていく。霊葉は思ってた以上の強さに大きく仰け反った。
パリィン!!
空間の一部が割れて黒い空間が顔を出した。
霊葉「がはっ…ぐっ…」
ヒンメル「…てめぇに三柱の強さを見せてやる」
パリィン!!
ヒンメルが拳を握った状態から人差し指と中指を同時に立てると、霊葉を纏っていたヒンメルの姿と能力が全て剥がれてしまった。
霊葉「なっ…!?」
霊葉は元の姿に戻り、ヒンメルの力を全て失った。
ヒンメル「…それがお前の姿か。人間」
霊葉「っ…」
霊葉はさっきまでの戦いで大きく力を使った。それと同時に三柱の強さを思い知った。
ヒンメル「この俺に対する愚行…断じて許さねぇ」
ビュン!
ヒンメルは霊葉に接近した。
霊葉「!?」
霊葉がヒンメルの姿を捉えた時にはヒンメルはすでに霊葉の懐に入っていた。
霊葉「なっ…」
ドォン!ドォン!ドゴォン!バゴォン!ドォン!
ヒンメルは霊葉に連続で攻撃した。霊葉はガードできず、ヒンメルの攻撃をモロに受けてしまった。
ピシッ!!パリィン!!
ヒンメルが力を使ったことで空間がさらに割れ、黒い世界がどんどん広がっていく。
ヒンメル「はぁっ!」
バゴォォォォォォォン!!
ヒンメルは最後に重い一撃を与えた。霊葉はヒンメルの攻撃で酷く傷つき、意識が朦朧としていた。
霊葉「っ…」
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ…
霊葉は力なく落下していった。
ヒンメル「…消えろ」
ギュォォォォォォォ!!
ヒンメルは魔力を込めた弾幕を生成した。
ピシッ!!パキパキッ!パリィン!!
ヒンメルが魔力を込めたことでさらに周囲の空間が裂けた。
ドォン!!
ヒンメルは弾幕を放った。その弾幕はまっすぐ霊葉の方へ飛んでいった。
ビュン!パリィン!!パリィン!!パリィン!!
ヒンメルの弾幕が通った空間は全てヒビ割れ、砕けていった。
霊葉「このままじゃ…」
スッ…
霊葉は最後の力を振り絞って空に右手を掲げた。
霊葉「私を…あの場所へ…お送りください…」
ズォッ…
霊葉は右手だけ、しかもほんの一瞬だけサン・ソレイユの力を宿した。
ヒンメル「!」
シュッ!パチッ!!
その瞬間、霊葉はその世界から姿を消した。
ヒンメル「…今の力…サンの力か」
バゴォォォォォォォン!!
ヒンメルの弾幕は地面に着弾した。その瞬間、周囲の地面が抉れ、その場所もまた空間が削り取られた。
ヒンメル「…」
ヒュォォォォォォォ…
先程まであった霊葉の気配はもうそこにはなかった。
ヒンメル「…取り逃したか」
ー回想終了ー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
場所…刻領宝殿
ヒンメル「…」
ヒンメルは当時のことを振り返り、自分の右手を見た。
ヒンメル「…あいつ…この俺にダメージを与えた。あいつは普通の人間ではない。いや、そもそもこの次元の者ではない。であるなら…あいつは一体何者なんだ」
サン「ヒンメル」
ザッザッザッザッ…
ヒンメルが外を見ていると、背後からサンが歩いてきた。
ヒンメル「…サン」
サン「そろそろ空間の修復が終わるよ」
ヒンメル「…すまないな。サン。俺の不手際で」
サン「いいや。君はよくやったよ。あいつは君ほどの実力者でも退くのに困難だった。ましてや相手は僕たち三柱の姿に化けることができる。これ以上厄介なことは無いよ」
ヒンメル「…そうだな」
サン「でも本当によくやってくれた。君が動いたのに空間がこの程度で済んだのはむしろ誇るべきだよ。ヒンメル」
ヒンメル「…そうか。ありがとう。サン」
サン「…いいよ。あとは僕たちで何とかしようか?」
ヒンメル「サンが暴れたら誰も止められねぇぞ。それこそ止められるのはルナくらいだろう」
サン「…そうだね。その事も言ってあるよ。もし僕やルナと同じ姿をした敵が現れたらその時はこの世界にも滅ぶ覚悟をしてもらわないと」
ヒンメル「…そうだな。だが、そうならないことを願っている」
サン「…あぁ。僕もそうならないよう願ってるよ」
〜物語メモ〜
ヒンメルの攻撃
ヒンメルは空間を司っているが、その力は強大で、ヒンメルが攻撃する度に空間に亀裂が走り、耐えきれなくなると、ガラスのように割れてしまう。割れてしまった空間は三柱の力でなんとか直せるが、範囲が広ければその分時間がかかる。さらに、空間が割れると他者からの侵入が容易になり、この時に敵に攻め込まれるととても厄介なことになる。しかし、空間が削れた時は三柱が動くので大抵の敵はこの世界に侵入する前に排除される。