木葉の幻想郷日記   作:バスタオル

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主犯との対峙

場所…別次元の幻想郷

 

霊夢「それで、これからどうするの?」

 

霊葉「このまま放置って訳にもいかないよね」

 

木葉「うーん…あいつに対する有効打がなくてな…俺じゃ力不足だ」

 

霊夢たちは幻想郷を崩壊させた異変の主犯について話していた。

 

霊夢「あいつ、動かなさそうだからゆっくり考えましょう。それに、今あいつを起こしたら逆に不利になるかも」

 

木葉「そうだな。十分な戦力が欲しい。俺たち3人じゃあいつに勝てない」

 

霊夢「他の連中は?」

 

木葉「…みんな消えたよ。あいつに消された」

 

霊夢「なら最低限、幻想郷の奴ら以上の戦力が必要になるわけね」

 

木葉「…まぁな」

 

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場所…元の幻想郷 紅魔館の一室

 

紫「相手は霊葉ちゃんそのものよ。霊葉ちゃんの能力を考えると手は抜けない」

 

木葉「はぁ…なんで霊葉の能力ってあんなに強いんだよ」

 

紫「あなたと霊夢の子供でしょ」

 

木葉「ごめん」

 

魔理沙「でもよ、霊葉の能力に限界は無いのか?明らかに強すぎるだろ」

 

木葉「限界は無いな。というか、小さい頃に克服してたって言ってたし」

 

魔理沙「じゃあ無敵じゃん」

 

紅魔「あぁ。姉ちゃんは本当に強い。本気で戦ったら親父くらいなら倒せるよ。母さんは難しいけど」

 

木葉「うっ…」

 

紫「正直、霊葉ちゃんの能力を持った相手に隙はないでしょうね。私たち全員で叩きに行くしかないわ」

 

魔理沙「そうだな」

 

紅魔「あいつは強い力に引き寄せられる。誰かが囮になって一斉に叩くのもありだ」

 

紫「囮は木葉に任せましょう」

 

木葉「ちょっと待てよ。力なら紫の方が上だろ」

 

紫「あなた、女性に囮になれと?」

 

木葉「はぁ…分かったよ…」

 

紅魔「でも正直、親父が囮になる方がいい。紫さんは耐久性に問題があるから」

 

紫「あなた…」

 

木葉「プフッ…だっせぇ」

 

バゴォン!

紫は木葉の頭に拳を振り下ろした。その時、木葉の頭が鈍い音を立てた。

 

木葉「ごぉぉぉぉぉぉぉ…」

 

木葉は痛みに悶えていた。

 

紅魔「余計なことを言うから…」

 

木葉「お前も言ってただろうが…」

 

紫「とにかく木葉。これは真面目な話よ。茶化さないで」

 

木葉「何も言ってないじゃん…」

 

紫「紅魔。相手の弱点は分からない?」

 

紅魔「分からん。能力も分かんねぇ。ただ、姉ちゃんの能力を使ってるってだけ。見た目も一緒だし」

 

紫「まるでもう1人霊葉ちゃんがいるみたいね」

 

紅魔「あぁ。非常に厄介だ」

 

ゾワッ…

その時、おぞましい気配が周囲を覆った。

 

紫「…紅魔。この気配…」

 

紅魔「なんだこの気配…今まで感じたことない気配だ…強すぎる…」

 

魔理沙「なぁ木葉…この気配って…」

 

木葉「…マジか。三柱か…それと同等の…」

 

ゾワッ…

すると、その気配が外を見ている4人の背後に現れた。

 

紫「!!」

紅魔「!?」

魔理沙「!!」

木葉「!!」

 

ラト「やぁ、天秤座の主」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

現れたのは三柱 四季宝神 夏 ラト・エスターテだった。

 

木葉「ラト様…」

 

スタッ

ラトはゆっくり床に降りた。そして木葉の方を見た。

 

ラト「ねぇ、天秤座の主」

 

木葉「はい」

 

ラト「君、姿を変える女の子のこと、知らない?」

 

木葉「!」

 

木葉たちは一瞬で霊葉の事を思い浮かべた。

 

木葉「…はい…知ってます」

 

ラト「うん。なら良かった。その子はルナが処分したからもう大丈夫だよ」

 

木葉「…えっ?」

 

紫「処分…どういう事よ…」

 

ラト「…あなたは?」

 

紫「八雲 紫。この幻想郷の管理者よ」

 

ラト「!!」

 

ラトは紫の名前を聞いて驚いていた。

 

ラト「…なるほど、あなたがルナの言っていた八雲 紫…ですか…」

 

ザッ…

その時、ラトは床に膝をついた。

 

ラト「…失礼しました。ルナから通達です。こちらの世界を崩壊させようとしていた元凶は消しました」

 

紫「それって…まさか…霊葉ちゃん…?」

 

ラト「その子はオータムに姿を変えていました。ですが、駆けつけたサンとルナによって消されました」

 

木葉「えっ…サン様に…ルナ様まで動いたのか…」

 

紫「木葉。それって珍しいことなの?」

 

木葉「珍しいってもんじゃない…それなら三柱の方々が動くことがまず珍しい」

 

ラト「…そうですね。我々三柱が動くこと自体、本来ならありえないことです。ですが、今回は相手が三柱に姿を変えていました。三柱に対抗できるのは同じ三柱だけです。星座や天星では太刀打ちできません」

 

紫「そうなのね…」

 

木葉「しかも三柱トップの2人が動いたってことは、俺たちの世界が本当に崩壊する可能性があったんだと思う」

 

ラト「そう。崩壊しそうになったところでサンとルナが駆けつけてなんとか解決したって感じだね」

 

木葉「マジか…」

 

紫「じゃあ何?紅魔の言ってた主犯の側近を倒したってこと?」

 

ラト「…主犯の側近?それがそうなのかは分かりませんが、姿を変える女の子を消したってことだけです」

 

シュッ!シュッ!シュッ!

するとラトと同じようなおぞましい気配が3つ現れた。

 

エア「ラト。お伝えできましたか?」

 

オータム「ごめんね、遅くなっちゃった」

 

ジマ「…」

 

現れたのは、四季宝神 春 エア・ヴェスター、秋 オータム・フォール、冬 ジマ・タルヴィの3人だった。

 

木葉「なっ…エア様にオータム様、ジマ様まで…」

 

紅魔「親父…この人たち…」

 

木葉「紅魔。下手なことは考えないで。俺たちじゃ守れないから」

 

エア「あ、大丈夫ですよ。あなた方には手を出さないので」

 

オータム「そもそも、サンから手を出すなって言われてるんだよね」

 

ジマ「約束…した…」

 

木葉「ならよかった…」

 

紫「それで、大勢で何かしら」

 

ラト「ただ主犯を消したってことをお伝えしに来ただけです。それ以上のことはしません」

 

紫「…そう」

 

ジマ「ラト。忘れてるよ。次元の話」

 

エア「それは私からお伝えしますね」

 

ザッザッザッザッ…

エアが少し前に出てきた。

 

エア「少し前にルナから聞きました。ルナが消した主犯は全く感じたことのない未知の力を持っていたと。それで、サンが力を使ってその身元を探しました。すると、この世界とは違う別の次元から来た者だと分かりました」

 

紫「ということは…その主犯って…」

 

紅魔「…俺が追っていたやつだ」

 

エア「どこの次元かは分かりませんが、同じ気配を放つ人物がこの幻想郷にいることが分かりました。あとはその人に聞いて欲しいと…」

 

紫「紅魔。多分あなたのことだと思うわ」

 

紅魔「…だろうね」

 

ジマ「君、あいつと同じ。君、別次元から来た?」

 

紅魔「…あぁ」

 

オータム「ふむ。なるほどね。じゃあこの子の世界に赴けば原因が分かるってことだね」

 

エア「そうですね。オータム、ジマ。この事をルナに伝えて」

 

オータム「うん。分かった」

ジマ「任せて」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ジマとオータムはその場から姿を消した。

 

エア「天秤座の主」

 

木葉「はい」

 

エア「あの者はその気になれば私たちの世界を掌握できたでしょう。ですが、今回は相手が悪かったです。ルナとサンを相手に生き残るのは難しいでしょう。ルナも情報を聞き出す前に相手を殺してしまったので相当強い相手だったのでしょう」

 

木葉「はい」

 

エア「そこであなたにお願いがあります」

 

木葉「はい」

 

エア「あなたはこのまま元凶のところに向かってください」

 

木葉「えっ!」

 

エア「私たちは元の世界から離れるわけにはいきません。星座と天星たちで解決してください」

 

木葉「え、あ、はい!ですが、場所が…」

 

エア「今オータムとジマがルナに通達に行ってます。少ししたらルナからある物を持たされるでしょう。それを持って別の次元に向かってください」

 

木葉「わ、分かりました」

 

ラト「…そろそろ来るよ。エア」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

木葉たちの前に魔法陣が展開された。

 

ゾワッ…

木葉たちはまたおぞましい気配を感じた。ただし、エアやラト、オータムやジマたちとは比べ物にならないくらい強い気配だった。

 

ルナ「…」

 

現れたのは三柱 二刻神 月 ルナ・ムーンだった。

 

ルナ「…お久しぶりです。天秤座の主」

 

木葉「ルナ様…」

 

ルナ「お話は聞いていますね?」

 

木葉「はい」

 

ルナ「でしたらこれをお渡ししておきます」

 

木葉はルナから小瓶を渡された。中には何やら青紫色に光る何かが入っていた。

 

木葉「あの…これは…」

 

ルナ「今回、私たちの世界を襲ったのは別次元の者です。その次元はサンが特定しました。そこへ行くためのワープ装置と思ってください」

 

木葉「あ、なるほど」

 

ルナ「私たちは残りの仕事を片付けます。もし何かあればこれでお知らせください」

 

スッ…

ルナは木葉に月のネックレスを渡した。

 

木葉「これは…」

 

ルナ「何かあった時に私に警告を伝えてくれるものです。これがあればいつでも助けられます」

 

木葉「ありがとうございます」

 

ルナ「今回の事件は私たち三柱が動かなければなりません。それほど大きな事件です。世界の存亡に関わるくらいです。天秤座の主」

 

木葉「はい!」

 

ルナ「何かあったら、遠慮なく呼んでください。我慢しないこと。いいですね?」

 

木葉「は、はい!」

 

ルナ「では私たちはこれで。紫さん。お騒がせしました」

 

紫「ねぇ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

 

ルナ「はい。何でしょうか」

 

紫「あなた…霊葉ちゃんを倒したって…本当?」

 

ルナ「霊葉さん…?どなたか存じませんが、私が殺したのは私たちの世界に侵入してきた者だけです。名前はココトと言っていました」

 

紅魔「ココトだと!?」

 

紫「!」

ルナ「…」

 

紅魔が大声を出したせいか、紫が驚いた。

 

紅魔「ちょ、本当に倒したのか!?あいつを!!」

 

ルナ「…はい。殺しましたよ。跡形もなく消し去りました」

 

紅魔「マ…マジか…あいつを…倒したのか…?」

 

紫「紅魔?」

 

紅魔「紫、勝機がある。あいつが倒されたんならあいつの力は大幅に削られたはずだ!」

 

紫「あいつって、異変の主犯?」

 

紅魔「あぁ。あいつはココトって名前の側近を従えていた。忠誠心が強く、主犯の命令は絶対に守っていた。でもそれが倒されたんならこっちが勝てる」

 

ルナ「あなた、ココトによく似た気配を感じますね」

 

紫「この子は木葉の息子らしいわ。でもこの世界の木葉じゃなくて、別次元の幻想郷に住んでいる木葉の息子らしいわ」

 

ルナ「…なるほど、ならあなたが天秤座の主を案内してください。できるでしょう?」

 

紅魔「あぁ、できる。親父、母さんと姉ちゃんを助けに行くぞ」

 

木葉「あぁ」

 

ルナ「紫さん。他に聞きたいことはありますか?」

 

紫「もうひとつ、もう幻想郷が崩壊する心配はないのね?」

 

ルナ「はい。心配いりません。今は私とサンが起きていますので」

 

紫「…分かったわ。ありがとう」

 

ルナ「…では、エア、ラト。私たちの世界に帰りますよ」

 

エア「うん」

ラト「はいよ」

 

ルナ「それではみなさん、私たちはこれで」

 

紫「えぇ」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ルナ、エア、ラトはその場から姿を消した。

 

紫「木葉、紅魔」

 

木葉「ん?」

紅魔「ん?」

 

紫「…向こうの世界に行く前にご飯食べていきなさい。ちゃんと力をつけてから行ってきなさい」

 

木葉「あぁ。そのつもりだ」

 

紫「私はここから離れられないから2人だけで行ってきなさい」

 

木葉「あぁ。もちろんそのつもりだ」

 

紫「木葉、紅魔」

 

木葉「ん?」

 

紫「異変解決…頼むわね」

 

木葉「あぁ」

紅魔「あぁ」

 

木葉と紅魔はご飯を食べてから別次元の幻想郷に向かうことにした。2人はまずは博麗神社に戻ることにした。

 

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場所…博麗神社

 

木葉「よし紅魔。まずは腹ごしらえだ。ちゃんと飯食っとかねぇと死んじまうからな」

 

紅魔「あぁ。俺も今回は本気で戦ってやる」

 

木葉「…その意気だ」

 

木葉は急いでご飯を作った。男2人なのである程度食材を消費したが、今回ばかりは仕方ない。2人はめいっぱいご飯を食べて戦いに備えた。

 

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ー翌日ー

 

木葉「紅魔。準備はいいか?」

 

紅魔「あぁ。いつでも」

 

木葉「よしっ。じゃあ行くか」

 

パキン!

木葉はルナから貰った小瓶を割った。すると中から青紫色の何かが飛び出してきて、ワープホールを形成した。

 

木葉「…いくよ」

 

紅魔「あぁ」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

木葉と紅魔はそのワープホールに入っていった。

 

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場所…別次元の幻想郷 博麗神社

 

ここから元の幻想郷の木葉は「木葉」

別次元の幻想郷の木葉は「木葉α」と表記します。

 

木葉α「この世界の住人はもういない。そっちの幻想郷から誰か連れて来れないか?」

 

霊夢「無理よ。そんな力はないわ」

 

霊葉「私が別の人に姿を変えてみるのはどう?」

 

木葉α「霊葉の能力は相当強いからなぁ。でも人数が足りない…」

 

霊夢「確かに。霊葉1人じゃこの状況は変えられない…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!

霊夢たちの前にワープホールが出現した。

 

霊夢「ん?何よこれ」

 

木葉α「…」

 

霊葉「結界?にしては見たことない形…」

 

シュッ!シュッ!スタッ!スタッ!

ワープホールから木葉と紅魔が出てきた。

 

霊夢「木葉!!」

 

霊葉「お父さん!!」

 

木葉α「紅魔!!」

 

木葉「霊夢!霊葉!」

 

紅魔「親父!」

 

タッタッタッタッ!

5人はそれぞれの相手に駆け寄った。

 

霊夢「木葉!良かった!!もう会えないかと思った!」

 

霊葉「お父さん!!」

 

木葉α「紅魔…お前…何故…」

 

紅魔「すまん。能力で母さんの魂を呼び戻してあの人たちがいる幻想郷に行ってた」

 

木葉α「行ってたってどうやって…?」

 

紅魔「母さんの力で行った。でも下手をすれば帰って来れなかったと思う」

 

木葉α「でも良かった…流石は俺の息子だ」

 

木葉αは紅魔の頭を撫でた。

 

紅魔「…親父、話したいことがある。聞いてくれ」

 

木葉α「お、おう…なんだ?」

 

霊夢「木葉!今この幻想郷が崩壊しそうになってるの!助けないと!!」

 

霊葉「今ここは刻ノ音で時間を止めてるらしいんだけど、それが動いたらすぐに崩壊しちゃうんだって!」

 

木葉「なるほど、結構危ない状況だな」

 

霊夢「それでね、異変の主犯を倒すんだけど、戦力が足りないの。どうにかできない?」

 

木葉「うーん…すまない。ここには俺とあの子の2人しか来れなかった。紫は幻想郷から離れるわけにはいかねぇし」

 

霊夢「ならこのメンバーで倒すしかないってこと…?」

 

木葉「あぁ。でもできる。霊夢も霊葉も強いだろ?」

 

霊夢「当たり前よ!」

 

霊葉「私も!私も強いから!」

 

木葉α「なぁ、あんた」

 

木葉「!」

 

木葉α「紅魔から聞いたんだ。ココトってやつを倒したらしいな」

 

木葉「倒したのは俺じゃない。三柱のルナ様だ」

 

木葉α「ルナ様…あの方なら確かに倒せても問題は無い」

 

木葉「なぁよ。この幻想郷…壊れかかってるんだって?」

 

木葉α「あぁ。今は時間を止めて崩壊を防いでる」

 

木葉「異変の主犯はどこだ?」

 

木葉α「鳥居の向こう」

 

木葉「!」

 

木葉は異変の主犯を見た。そこには何やら透明な膜のようなものに包まれた人間体がいた。その者の体は真っ黒でどこかドレインによく似ている。

 

木葉「…あれが主犯か」

 

木葉α「あぁ。奴が元凶だ」

 

紅魔「親父。どうするよ」

 

木葉α「…なぁ、3人とも」

 

木葉「?」

霊夢「?」

霊葉「?」

 

木葉α「俺たちと一緒にあいつを倒してくれないか?俺たちはもうあとがない。ここを落とされたら死ぬしかない。だがそんなのはごめんだ。俺たちは奴を倒す。だが戦力が足りない…お願いだ。俺たちと一緒に奴を倒してくれ」

 

木葉αは頭を下げた。それを見た木葉と霊夢、霊葉はもう答えが決まっていた。

 

木葉「…当たり前だろ。手伝ってやるぜ」

 

木葉α「!」

紅魔「!」

 

霊夢「そうね。元々私たちがここに呼ばれたのもそのためでしょうし」

 

霊葉「私も頑張るよ!」

 

紅魔「お前ら…」

 

木葉「…ありがとう…3人とも」

 

木葉「さて…霊夢、霊葉」

 

霊夢「?」

霊葉「?」

 

木葉「博麗の名にかけて、幻想郷を壊したあいつをぶっ潰すぞ」

 

霊夢「えぇ。任せなさい」

 

霊葉「私も!本気でやるよ!ここなら思う存分暴れられるもん!」

 

木葉α「ありがとうな…お前ら…」

 

紅魔「親父。決まったんならさっさと倒すぞ。時間もねぇんだから」

 

木葉α「あぁ。じゃあ4人とも、いくよ!」

 

木葉「あぁ!」

霊夢「えぇ!」

霊葉「うん!」

紅魔「おう!」

 

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場所…博麗神社の鳥居の外

 

???「…」

 

その者は鳥居の外で浮いていた。特に動くことも無く、ただじっとしている。目も閉じており、まるで瞑想しているようだった。

 

???「…」

 

ドクン…

その者の心臓が鼓動を始める。

 

???「…」

 

その者は目を開け、ゆっくりと目の前の景色を見た。

 

木葉「はぁぁぁぁぁぁぁ!」

霊夢「はぁぁぁぁぁぁぁ!」

霊葉「はぁぁぁぁぁぁぁ!」

木葉α「はぁぁぁぁぁぁぁ!」

紅魔「はぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

するとそこには木葉たちがおり、???に攻撃しようとしていた。

 

木葉「これでどうだぁ!!」

 

バゴォォォォォォォン!!

凄まじい爆発音が周囲に響いた。それと同時に???は大きく吹き飛ばされた。

 

???「…」

 

ブワッ!

???は大きく吹き飛ばされたが、なんとか空中で体勢を整えた。

 

???「…」

 

???は木葉たちを見た。木葉たちはすでに戦闘態勢に入っている。

 

???「…まだ生きていたのか」

 

スッ…

???はゆっくりと言葉を零した。そして右手を前に出した。

 

???「免れたのか」

 

ズドドドドドドドドドド!!

???の手から弾幕が展開された。

 

木葉「来た!」

 

ビュン!!ビュン!!ビュン!!

木葉たちは周囲に散開した。しかし???の弾幕は数が多く、しかも散開した木葉たちを追いかけ始めた。

 

木葉「うおっ!?追尾するんかい!!」

 

ビュン!!ビュン!!ビュン!!

木葉たちは各々速度を上げて飛んだ。だが、1人だけ全く動いてない人がいた。

 

霊夢「霊葉!逃げなさい!!」

 

霊葉「…」

 

そう。霊葉だった。霊葉はまっすぐ???を見ていた。???の弾幕が目前に迫っている。

 

霊葉「この程度で逃げるのは嫌だよ。私なら真っ向から勝負するよ」

 

ブワッ!!

霊葉は能力で姿を変えた。

 

ラト「…」

 

霊葉は三柱 四季宝神 夏 ラト・エスターテに姿を変えた。

 

ラト「さて…」

 

バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!

ラト(霊葉)は???の弾幕を受けてしまった。それを見た???は少し笑みを浮かべた。

 

木葉「霊葉!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

しかしラト(霊葉)は全くの無傷だった。ラト(霊葉)はまっすぐ???を見ている。

 

???「…なんと、私の攻撃が通じていない」

 

???はラト(霊葉)が無傷で済んでいたことに驚いていた。

 

ラト「なんかここ寒くない?四季宝神の夏である僕が来たんだからもっと暑くしないと」

 

カァァァァァァァァァァァ!

ラトは能力で周囲の気温を急激に上昇させた。

 

木葉「うわっ…暑っ…」

 

霊夢「なに…これ…暑い…」

 

紅魔「姉ちゃんのやつ…手加減しろよ…」

 

木葉α「ラト様の力か…やっぱり強い…」

 

???「な…なんだ…この力は…」

 

???は急激に上昇した気温に驚いていた。

 

???「この世界にはまだこのような力を持つ者がいたとは…見逃していた。その力…私の糧にさせてもらいます」

 

ブゥン!ブゥン!ブゥン!ブゥン!ブゥン!ブゥン!

???はさらに弾幕を展開した。今度はさっきよりも大きい弾幕だった。

 

木葉「くっ!」

 

周囲を飛び回っていた木葉たちは次々に展開される弾幕に驚いていた。

 

紅魔「こいつ…ムチャクチャしやがる…」

 

霊夢「夢想封印!!」

 

バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!

霊夢が隙を見て攻撃した。霊夢の攻撃は???に見事命中した。

 

???「ぐっ…誰だ…」

 

???は霊夢の方を見た。それと同時に霊夢の体に流れる特殊な力に驚いていた。

 

???「なんと…あの者はなんだ…本当に人間なのか?だとしたら素晴らしい…これほどまでに強い気配はいつぶりだろうか」

 

???は霊夢を見て少し興奮していた。

 

???「起きてから驚かされるばかりだ。惜しい…なんと惜しいことを…私はこのような者を葬ったのか…悔やまれる…」

 

???は何やら小声で何か言葉を零していた。

 

???「…欲しい…あぁ欲しい…私のものになれ…消えたココトの代わりになれ」

 

ビュン!!

???がついに動いた。しかし速すぎて目で追えない。

 

霊夢「!?」

 

ビュン!!

???は一瞬で霊夢の目の前に現れた。

 

???「私のものになれ」

 

ギュォォォォォォ!!

???は白い光の弾幕を作り出した。

 

霊夢「くっ!」

 

ビュン!!

霊夢はそこから離れた。しかし???は動こうとしない。

 

霊夢「何よこいつ…」

 

ガシッ!ガシッ!ガシッ!

突然霊夢は何かに拘束された。

 

霊夢「!?」

 

ビュン!!

霊夢は何かに引き寄せられた。

 

霊夢「マズイ!!」

 

霊夢は必死に逃れようとしたが、拘束力が強すぎて逃げられない。そんな中、どんどん???の方へ引き寄せられていく。

 

霊夢「くっ…何よこれ!!」

 

???「逃げられませんよ。さぁ、私の元へ…」

 

紅魔「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

バゴォォォォォォォン!!

霊夢が引き寄せられる途中で紅魔が霊夢の周囲を攻撃した。

 

ブワッ!!

すると霊夢を拘束していた力が無くなって霊夢は自由に動けるようになった。

 

霊夢「!!」

 

紅魔「くっ…!!」

 

ビュン!!ビュン!!

霊夢と紅魔はすぐにその場から離れた。

 

紅魔「あの野郎…また母さんを殺す気か」

 

霊夢「あなた…何をしたの…?」

 

???「あぁ…私のものが…よくも邪魔をしましたね」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

突然地面から音が鳴り響いてきた。

 

???「あなたは邪魔な存在…私が消すべき…忌むべき命!!」

 

ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!

地面が割れ、その隙間から赤い雷が迸る。赤い雷は紅魔を捉えた。

 

バリバリバリバリバリバリバリバリ!!

紅魔は赤い雷に被弾してしまった。

 

紅魔「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

木葉α「紅魔!!」

 

木葉「!?」

ラト「…」

 

紅魔「この…ふざけた…野郎が…」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ!

紅魔は力なく落ちていった。

 

木葉α「紅魔!!」

 

ビュン!!

木葉αは落ちていく紅魔を助けに行った。

 

???「あなたも必要ありませんね」

 

ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!

???はさらに赤い雷を展開した。

 

バリバリバリバリバリバリバリバリ!!

木葉αは赤い雷に被弾してしまった。

 

木葉α「ぐぁっ…!!がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ…

木葉αも紅魔と同じように地面に落ちていった。

 

霊夢「木葉!2人が!!」

 

木葉「くっ…!!」

 

ラト「ねぇ君。僕と戦おうよ。人間は力が弱い。君が満足するまで戦ってあげるよ。なんなら君が動けなくなるまで戦ってあげる」

 

???「…あなたの力も欲しいですが、今はあの者の力が欲しいのです。あなたはその次です」

 

ラト「…」

 

ラト(霊葉)はそんな???の言葉に少しイラッとした。

 

ラト「…君に選択権はないよ。僕が君の相手をしてあげる」

 

ビュン!!

ラト(霊葉)は一瞬で???の前に現れた。

 

???「!」

 

ラト「ほら」

 

バゴォン!

ラト(霊葉)は???に足で攻撃した。???は大きく仰け反った。

 

???「!?」

 

???は思ってた以上に強い攻撃で驚いていた。

 

???「ゲホッ…ゲホッ…この者も…だが今はあの者が欲しい…」

 

ラト「ほらほらほら」

 

ドカドカドカドカドカ!!

ラト(霊葉)???に連続で攻撃する。???は対処できずに全ての攻撃を受けてしまった。

 

???「がはっ…!!」

 

ラト「君、案外弱そうだね」

 

ガシッ!

ラト(霊葉)は???の胸ぐらを掴んだ。

 

ラト「正直面白くないよ」

 

ビュン!!バゴォォォォォォォン!!

ラト(霊葉)はそのまま???を地面に叩きつけた。

 

霊夢「!!」

木葉「っ…」

 

ブワッ…

霊葉はラトから元の姿に変わった。

 

霊葉「…あなた、その程度の力でここを壊したんだ」

 

???は地面で横になっていた。

 

???「…ココト…なぜ…やられたのだ…お前に力の大半を分けたはずだ…それなのに…」

 

ジジジ…バリバリバリバリ!!

???は赤い雷を纏い始めた。霊葉はその様子を見て少し驚いた。

 

木葉「霊葉!三柱に姿を変えろ!!」

 

霊葉「!」

 

???「それなのに!!」

 

バリバリバリバリ!!

???から霊葉に向けて赤い雷が放たれた。

 

霊葉「わっ!!」

 

木葉「霊葉!!」

 

バゴォォォォォォォン!!バリバリバリバリ!!

けたたましい音とともに周囲に雷が拡散した。

 

霊夢「あっ…霊…葉…」

 

霊夢は先程の雷の強さに驚いていた。それと同時に霊葉がまともに受けてしまったのを見て嫌なことが頭をよぎった。

 

???「…この私を置いて死ぬか…それでも私の従者か貴様ぁ!!」

 

バリバリバリバリバリバリ!!

???を中心に赤い雷が迸る。

 

木葉「うわっ!」

 

霊夢「危ないっ!!」

 

木葉と霊夢は赤い雷をなんとか避けた。しかし???の雷は全然止まりそうにない。

 

???「アァァァァァァァァァ!!」

 

バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!

???の赤い雷が周囲の瓦礫などを破壊していく。その威力は人間がまともに受けたらひとたまりもないだろう。

 

霊葉「…うるさいですね。あなた」

 

ビュォォォォォォォ!!

突然風が吹き始めた。

 

霊夢「!」

木葉「!」

 

霊夢と木葉は異質な気配を感じてそちらの方を見た。

 

エア「春には似合わないですよ」

 

そこにいたのは三柱 四季宝神 春 エア・ヴェスナーだった。だが本人ではなく、霊葉が姿を変えていたのだった。

 

木葉「エア様!?霊夢!ここから離れるぞ!」

 

霊夢「えっ…?」

 

木葉「紅魔ともう1人の俺のところに行く!」

 

霊夢「えっ!?でも霊葉とあいつは!?」

 

木葉「放置だ!とにかく離れるぞ!エア様の近くにいるのはマズイ!!」

 

ビュン!!

木葉は紅魔と木葉αが落ちたところに向かった。

 

霊夢「っ!」

 

ビュン!!

霊夢も木葉に続いて紅魔と木葉αのところに向かう。

 

???「…」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ…

???はエア(霊葉)のところまで飛んだ。

 

???「あなたは一体…この異質な気配は…」

 

エア「…春はのどかな季節。命が芽吹き、新しい人生への幕開け。全ての始まりの季節。この世界は終わりに瀕している。春には似つかわしくないです」

 

???「…」

 

エア「あなたがやったのですか?」

 

???「…えぇ」

 

エア「なるほど…これではあなたも貧相な見た目になってしまいますよ」

 

???「…余計なお世話。あなたに私の何が分かるのだ!」

 

ズシャッ!!

???はエア(霊葉)を攻撃した。エア(霊葉)は全く避ける素振りを見せなかった。

 

エア「…」

 

???「…なぜ…痛がらない…?」

 

パァァァァァァァァ…

エア(霊葉)の傷が一瞬で癒えた。

 

???「…!?」

 

エア「私は春の三柱。全ての始まりにして命を生み出す母。そして…終わりを告げる者です」




〜物語メモ〜

ここでちょっとお知らせです。
現在、東方茶番劇として東方十二想をYouTubeに投稿しています。まだ2話ですが、今後も作っていこうかなと思っています。よければそちらもよろしくお願いします。
お知らせは以上です。

ラト・エスターテ
三柱 四季宝神 夏を担っている人物。熱を好み、自身の体を熱することでよりパワーを発揮することができる。四季宝神の中では割と優しめな人物。そこにいるだけで周囲の温度が少し上がる。

エア・ヴェスナー
三柱 四季宝神 春を担っている人物。四季宝神の中で一番優しく温厚。特に弱いものには一切手を出さないが、自身を脅かす存在には一切手加減しない性格。そこにいるだけでとてもいい匂いが広がる。

ジマ・タルヴィ
三柱 四季宝神 冬を担っている人物。寒さを好み、自身も物静かな性格をしている。淡々と話し、感情の起伏が乏しい。そこにいるだけで周囲の温度が少し下がる。

???(異変の主犯)
別次元の幻想郷を破壊した人物。木葉と紅魔(霊葉の弟)を除く全ての命を奪った人物。木葉と紅魔が残っている理由は、木葉は異変が起こった時には幻想郷にはおらず、元の世界に戻っていたから。紅魔は死んだ霊夢の魂を呼び戻して別の幻想郷に飛んだから。
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