木葉「あ…あ…」
ヒュォォォォォォォォ…
辺りは煙が漂っていた。周囲を確認することも出来ず、木葉はその場に立ち尽くしていた。
木葉「悟…宗司…レミリア…魔理沙…霊夢…」
長津「な、なんという…」
早乙女「あれが…ライブラのラストワード…」
倉本「今まで見たことありませんでしたが…ここまでとは…」
三室「…」
佐野守「光さん…」
木葉「ねぇ…霊夢。どこにいるの…ねぇ…」
倉本「渚さん…光さんが…」
早乙女「…今は何言っても聞かないと思うよ」
倉本「そう…ですか…」
木葉「霊…夢…」
ヒュゥゥゥゥゥ…
次第に煙は消え、周囲を確認することが出来た。
木葉「!!」
ライブラ「…」
ライブラはそこに立っていた。しかし霊夢や魔理沙、レミリア、立花、双葉は傷を負って倒れている。五人ともピクリとも動かない。
木葉「み…んな……霊…夢…」
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ー回想ー
霊夢「ねぇ、木葉」
木葉「ん?」
霊夢「私も手伝ってもいいかな」
木葉「良いの?」
霊夢「うん。木葉の力になりたい」
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霊夢「それ、私たちがやってみようか」
木葉「霊夢が?」
霊夢「えぇ。私たちは能力の影響を受けてないから本来の力が出せると思うの」
木葉「でも、危ないよ?」
霊夢「大丈夫。私たちは強いから」
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霊夢「ならそれは私たちが引き受けるわ」
木葉「霊夢…」
霊夢「大丈夫。あいつを倒さなくても引きつけるだけで良いのよね」
木葉「うん…まぁね」
霊夢「なら任せて」
木葉「…」
魔理沙「木葉。心配要らないぜ!私たちもいる」
レミリア「えぇ、そうね」
木葉「二人とも…」
霊夢「木葉…お願い…」
木葉「…分かった。じゃあお願いね…」
ー回想終了ー
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木葉「霊…夢…」
ライブラ「…この程度ですか。十二天星が二人もいて止められないんですか」
グッ…
木葉は拳を握った。
木葉「俺がお願いなんかしなきゃ良かった…ライブラがいない今の自分はただの人間…なにもできない…霊夢たちを救えない…でも…」
ザッザッザッ
木葉はライブラに向かって歩き出した。
長津「!」
木葉「俺がやらないと…」
長津「光!待って!何するつもりだ!」
ザッザッザッ…
木葉は足を止めなかった。
長津「光…まさか…とりあえずあの人たちを戻さないと…転送!」
シュッ!
長津は霊夢たちに魔法陣を展開し、すぐさま連れ戻した。
長津「本庄!この人たちを回復させて!」
本庄「わ、分かりました!」
長津「…光」
ザッザッザッザッ…
木葉はライブラに近づいた。
ライブラ「光…どうしたんですか?」
木葉「…」
木葉は返事をしなかった。
ライブラ「…返事してくれないんですか?」
木葉「…」
木葉は返事をしなかった。
ライブラ「光!」
ライブラが名前を呼んだ時、目の前に木葉の拳があった。
ライブラ「!?」
木葉「…」
ドゴォン!
木葉は手に弾幕を纏わせ、ライブラを殴った。
ライブラ「…なにするんですか…光」
ライブラはビクともしなかった。
ライブラ「こんなことして…」
木葉「…」
ライブラ「そろそろなにか喋ったらどうです?」
木葉「…お前…霊夢を…よくも…」
ライブラ「何言ってるんですか…私は天秤座。世界の均衡を保つ役割を担っています。それを邪魔するものは排除します。何か間違いでも?」
木葉「…その為に六門九門や十二天星、霊夢たちを犠牲にすると…」
ライブラ「場合によっては…ですが」
木葉「俺はそうであっても最後までみんなが助かる道を探す…なぜお前はそうしない…なぜお前は排除しようとする…なぜ自分から均衡を崩そうとしている…」
ライブラ「助かる道…ですか…攻撃してきた人を助けるほど私は優しくありません。私の慈悲の心はどこかに行ってしまったので」
木葉「…そうか」
ジジジ…
木葉は弾幕を纏わせた。
木葉「はぁぁぁぁ!」
ドゴォン!
ライブラを殴った。
ドカッドカッドカッ!
木葉は何度も殴った。だがライブラには傷一つ付けられなかった。
木葉「はぁ…はぁ…はぁ…」
ライブラ「光。あなたはなぜここまで弱いんですか。さっきから何度も殴ってますが無傷ですよ」
木葉「…」
ライブラ「光。あなたも邪魔をするんですか」
木葉「…」
ライブラ「返事はしないんですね…なら、邪魔しないでください」
ドゴォン!
ライブラは木葉を殴った。
木葉「ぐはっ…」
ドサッ…
木葉はその場に倒れ込んだ。
ライブラ「光。あなたは私の主ですので私と同じ意見だと思っていましたよ。ですが、実際には違いましたね。あなたも私の審判を否定するんですね」
木葉「…」
ライブラ「もういいです。話せない人とは一緒にいたくありませんので。さようなら」
ドカッ!
ライブラは木葉を蹴り飛ばした。
木葉「ゴフッ…」
ドバッ…
木葉は血を吐いた。
木葉「まだだ…まだ…」
???「全く…見てられねぇよ」
木葉「!?」
木葉は声のした方を見た。
木葉「光…陰…」
光陰「そうだ。お前の分身、光陰だ」
木葉「何しに来た…」
光陰「いやーあまりにも悲惨だったからな。助けてあげようと思ってな」
木葉「なにするつもり…」
光陰「これをやつに投げ込む」
ジジジ…バリバリバリ!
そう言って光陰は槍を生成した。
光陰「今のライブラは結界がない状態だ。これを投げ込めばしばらくは動けないだろう」
木葉「でも、今の俺じゃ…」
光陰「あぁ。だから俺がやる」
木葉「できるのか…」
光陰「…やってみる…」
ググッ…
光陰は槍を構えた。
光陰「はぁぁぁぁ!」
ビュン!
ライブラに向かって投擲した。光陰が投擲した槍は凄まじい速さで飛んで行った。
ライブラ「…銀圧 プレスディーテ」
ガシャン!バキッ!パラパラパラパラ…
ライブラが生成したプレスは光陰が投擲した槍を粉々に潰してしまった。
光陰「…」
木葉「…」
ライブラ「…」
木葉「なぁ…光陰…」
光陰「すまねぇ…思った以上に強いわあいつ…投げ込めば終わると思ってた」
木葉「はぁ!?」
光陰「そ、それじゃあ俺はここでー…」
木葉「は、ちょ、お前!」
ヒュッ…
光陰は姿を消した。
木葉「あいつ…」
ライブラ「まだ戦えるとは…流石ですね」
木葉「でもまぁ、あいつには感謝かな…少し気が楽になったし」
ライブラ「完全に倒すべきでしたね」
木葉「俺はまだ倒れない…後ろに霊夢たちがいるから」
早乙女「!!」
倉本「渚さん?」
早乙女「あの時と同じ…私を守るために私に背を向けてくれた…今はこの人たちを守るために私たちに背を向けている…やっぱりその背中がカッコイイよ…光」
ライブラ「なら、守ってみなさい」
木葉「あぁ、守る!」
ダッ!
木葉は地を蹴ってライブラに攻撃を仕掛けた。
ドカーン!ドゴォン!ドゴォン!
木葉は常に弾幕を纏わせていた。
木葉 (俺の弾幕じゃ虫に刺された程度だろうな…ならもう纏わせて攻撃するしかないよな…でも…いつまで耐えられるかな…俺の体)
木葉の弾幕を纏わせて攻撃する方法は弾幕を撃つよりも強くなるが触れると爆発する仕組みになっているため、敵にダメージがあっても自分も同じくらいダメージを負う。
ドゴォン!
木葉の左腕が痙攣を起こし始めた。
木葉「くっ…」
ブルブル…ブルブル…
木葉は左手が使えないことを悟った。
木葉「なら…右手だけで…」
ドゴォン!ドカーン!ドゴォン!
木葉は右手だけで攻撃し始めた。
ライブラ「いつまで続けるんですか光。その程度じゃ痛くも痒くもありませんよ」
木葉「それでも俺は守るんだよ!」
ドゴォン!
木葉の右腕が左腕と同じように使い物にならなくなった。
木葉「うっ…くっ…」
ライブラ「その右手…使い物にならなくなりましたね」
木葉「まだ…攻撃手段はある…」
ヒュッ!ドカーン!
木葉は両足に弾幕を纏わせライブラに蹴りを入れた。
木葉「はぁ…はぁ…ど、どうだ…」
ライブラ「さっきよりは強くなりましたね。やはり腕より体全体を支えている足の方が強いですよ」
木葉「これでも…ダメなのか…」
ドサッ…
木葉は足を痛め膝をついた。
木葉「いっつ…」
ライブラ「!」
ジリッ…
木葉は痛みに耐えながら立ち上がった。
ライブラ「あれだけやってまだ立ちますか…」
木葉「あぁ、まぁな」
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本庄「これで大丈夫だと思います」
霊夢「ん…」
霊夢が起きた。
本庄「霊夢さん。体の方は大丈夫ですか?」
霊夢「えぇ、大丈夫よ…木葉は?」
本庄「光さんならあそこに…」
木葉は膝をついていた。
霊夢「木葉!」
ダッ!
霊夢は走り出した。
本庄「霊夢さん!?」
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木葉「はぁ…はぁ…」
ライブラ「体…限界のようですね」
木葉「まだやれるさ…」
霊夢「木葉!」
木葉「!!」
木葉は声がした方を見た。そこには霊夢が立っていた。
木葉「…霊夢」
ライブラ「仕留めきれなかったようですね」
木葉「霊夢下がって!」
霊夢「木葉!そいつに負けないで!」
木葉「!!」
霊夢「あんたは弱くないでしょ!そんなやつに負けてるんじゃないわよ!」
木葉「はは…すまねぇな…」
ライブラ「…で?どうしますか光。まだやりますか?」
木葉「あぁ、やるさ…だがもう体が持たない。これが…最後の一撃だ…」
ライブラ「いいでしょう。受けてあげます」
木葉「霊夢…大丈夫…俺は…強いから…ね…」
ジジジ…バリバリバリ!
木葉は右足に弾幕を纏わせた。
木葉「はぁぁぁぁぁぁ!」
ドゴォォォォォン!
木葉はライブラに蹴りに入れた。
霊夢「木葉!」
バゴォォォォォォォォン!!
今までで一番大きな爆発だった。
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ヒュゥゥゥゥゥ…
辺りに煙が立ち込める。しかししばらくするとその煙も晴れてきて周囲が見えるようになった。
ライブラ「今までで一番強かったですよ。でも残念でしたね。それくらいなら私でもできますよ」
木葉「…」
木葉は右膝をついていた。
霊夢「木葉!」
木葉「…」
ドサッ…
木葉は力なく倒れてしまった。
霊夢「木葉…」
早乙女「光…」
倉本「光さん…」
三室「くっ…」
佐野守「光…さん…」
長津「光…いや…木葉…」
ライブラ「これで最後です。もう理解したのではないですか?誰も敵わなかった。炎天、ルグレ、トガミヒメが三人同時にやっても倒せない。あなたたちも三人で攻撃してきたけど倒せなかった。第三星座や第四星座が束になっても勝てなかった。最後に光が戦っても勝てなかった。第一星座…あなたなら無理だと分かるはずですが?」
長津「…」
ライブラ「私は六門九門を失い結界がない状態で戦いました。ですがどうでしょう。第三星座、第四星座、あなたたち三人、そして光。計六人を相手しました。それでも倒せなかったんです」
長津「…」
ライブラ「もういいでしょう。これ以上手を出すなら…第一星座。あなたも光と同じようにしてあげます」
長津「くっ…」
ライブラ「…それじゃあ始めましょう。世界の均衡と不必要な世界の崩壊を…」