ライブラ「それで?あなたたちも私の邪魔をするんですか?」
条乃「ライブラ。お前はなぜこんなことをする?」
ライブラ「…あるべき世界に戻すためです」
条乃「それはどんな世界だ?」
ライブラ「はぁ…ドレインがいない世界です」
条乃「ドレインがいない世界だと?」
ライブラ「はい。そうです」
条乃「もしそうなったとして俺たちはどうなる?」
ライブラ「必要なくなりますね」
条乃「十二天星もか?」
ライブラ「えぇ、必要なくなります」
条乃「それは…お前ら十二星座たちもか?」
ライブラ「…はい」
条乃「その後はどうする」
ライブラ「滅びます。みんな一緒に」
条乃「なんだと?」
ライブラ「俺は二年前からこいつらを恨んでいた。特に第七星座はな。こいつは人の形をしたドレインは切り離していた。だから俺も期待していた。普通の人間として生きていけると思っていた」
条乃「おいライブラ」
ライブラ「だがどうだ?俺はその時ドレインと一緒に殺された。期待を裏切られた。そしてその後、俺と同じように殺されるやつが出てきた。それも大勢」
条乃「…」
ライブラ「それが二年前から積もりに積もって大きな怨念となった」
条乃「おい…」
ライブラ「なんだ」
条乃「てめぇ…誰だ」
ライブラ「?」
条乃「姿はライブラそのものだが中身が違う。ライブラは自分のことを私と呼ぶ。俺ではない」
ライブラ「…」
条乃「お前…どうやってライブラの中に入った」
ライブラ「…」
条乃「答えねぇのか?」
ライブラ「…入るのは簡単だ。俺たちは思念体だからな」
条乃「…」
ライブラ「そこからは快適だった。膨大な力を持つ天秤座。俺たちがこの世にいられるほどの力があった。普通ならすぐに消えるが俺たちはこいつの力を使ってこの世に残った。そしてじっとその機を待っていた」
条乃「何を待っていた」
ライブラ「お前たち十二天星とここに倒れているやつを殺す機会をな!」
バッ!
ライブラは両手を広げた。
ライブラ「ちなみに言うぞ」
条乃「…」
ライブラ「お前らの中から星座の反応がないことも知っている」
条乃「!?」
ライブラ「見えてんだよ全部。こいつの能力はほんと便利だな」
条乃「…ライブラの覚醒能力か」
ライブラ「そうだ。こいつの覚醒能力は透視と低下。お前らのことは全部筒抜けなんだよ!」
ライブラは両手を合わせ唱えた。
ライブラ「禁忌 アンチェイン・コア」
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場所…天門の間
タウラス「みんなよく集まってくれた」
スコーピオ「天門の間か…ひさしぶりだな…」
タウラス「ああ…」
ヴァルゴ「やっぱり…ライブラのことね」
タウラス「そうだ」
カプリコーン「今のライブラには心がない。ですが、その代わりにあるものが取り憑いています」
タウラス「あるものだと?」
カプリコーン「はい。見えるのは恨みです」
サジタリウス「あぁ、俺にも見える」
タウラス「千里眼でも見えるのか」
サジタリウス「あぁ、見える」
タウラス「心についてはいつもカプリコーンに任せていたが千里眼でも見えるってことは」
サジタリウス「まぁ、見えるって言うかそいつが体の中にいれば俺は見えないが、今は体の外にまで溢れ出ている。俺はそれが見えてるだけだ」
タウラス「なるほどな」
キャンサー「ならジェミニの分離と融合の力でどうにかできんか?」
ジェミ「できないことはないわね」
ジェニ「むしろその方が早いんですが…」
アリエス「…なにかあるのか?」
ジェミ「…えぇ」
ジェニ「今私たちの主は眠っています。私たち十二星座の力は宿主の意識がないと発動できません」
アリエス「…忘れてた」
ジェミ「だから今は私たちとキャンサーは力を使えないの」
ジェニ「ライブラに一人で戦っていた主は今は体力がほとんどありません」
キャンサー「そうか…確かに意識がないと発動できない」
ピスケス「じゃあ宿主から分離するのはどうですか?」
ジェミ「…無理よ」
ジェニ「私たちは宿主から分離するための鍵は主が持っていて発動するには主の意思がないとダメなんです」
ピスケス「…」
アクエリアス「あてがないね…」
レオ「じゃあ俺がやろう」
ジェミ「!?」
ジェニ「!?」
レオ「俺の能力は熱と解放だ。お前らを一時的ではあるがその制約から解放してやる」
ヴァルゴ「確かにそれなら…」
タウラス「いけるやもしれん」
ジェミ「でもそれは」
ジェニ「私たちは戻ることができるんでしょうか?」
レオ「あぁ、できる」
カプリコーン「でも、解放したら能力は使えるんでしょうか?」
タウラス「…」
レオ「…分からん」
ジェミ「!?」
ジェニ「!?」
レオ「俺も初めてやるんだ。前例があればそれも判断できるんだろうが生憎な…」
ジェミ「…」
ジェニ「…」
アクエリアス「なら私がやってあげようか?ジェミニの宿主の回復」
ジェミ「!!」
ジェニ「!!」
アクエリアス「私の能力は水と治癒よ。回復させるくらいならできるわ」
ヴァルゴ「では回復するまでは私が守りましょう」
ジェミ「…いいの?」
ジェニ「私たちのために…」
アクエリアス「いいわよ。助け合うのが私たちなんだから」
ジェミ「ありがとうみんな」
ジェニ「ありがとうございます」
タウラス「なら作戦を整理しよう。まず戻ったら状況の把握。アクエリアスはすぐにジェミニとキャンサーの宿主の回復」
アクエリアス「分かったわ」
タウラス「ヴァルゴはその護衛」
ヴァルゴ「分かったわ」
タウラス「他の連中はライブラが暴れた時に力を使ってでも止めること。あとはジェミニの能力で分離させる」
ジェミ「えぇ。分かったわ」
ジェニ「はい」
タウラス「それで出てきたやつを一斉に叩く」
全員「おう!」
タウラス「相手がどんな奴かは把握してないから力を出し惜しみするなよ?」
スコーピオ「んなことしねぇよ」
レオ「徹底的に叩いてやる」
タウラス「ちなみに、こっからは主ではなく俺たち星座がやる。体から出てきて直接叩く。いいな?」
アリエス「いいだろう」
サジタリウス「久しぶりに自分で戦えそうだな」
ピスケス「楽しみですね」
タウラス「それじゃあ解散。各自、自分の持ってる十二門の鍵で宿主に戻ってくれ」
全員「了解」
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ライブラ「禁忌 アンチェイン・コア」
ブゥゥゥゥゥゥン!
ライブラが唱えた途端ライブラの足元が紫色に光った。
条乃「なにするつもりだ」
ライブラ「この世界の核となる部分を破壊するんだ」
条乃「なんだと!?」
霊夢「そんなことしたら…」
長津「この世界は本当に崩壊してしまう…」
ライブラ「あ?当たり前だろ?さっき言っただろ。不必要な世界の崩壊って」
条乃「そんなこと…」
グググ…
条乃が拳を握った。
ライブラ「お前らになにができると?」
条乃「…」
ライブラ「星座の反応がないお前らはただの人間。お前らが強いのは宿る星座の力が影響している。それがない今、お前らはそこらにいる人間と同じだ」
条乃「くっ…」
ライブラ「諦めな。お前らには何も出来ない。星座の力に頼りきるお前らじゃな」
タウラス「あぁ。確かに何も出来んな。主たちだけならな」
条乃「!?」
カプリコーン「えぇ。十二天星の人たちは元々私たちが力を使うための言わば器のようなもの」
風和瀬「!?」
ヴァルゴ「私たちがこうやってこの世界に出てこられるのも全てこの人たちのおかげ」
早乙女「!?」
レオ「俺たちが最大限力を引き出すには宿主が必要だ」
佐野守「!?」
スコーピオ「俺たちだけだと力の抑制ができず能力の暴走なんて日常茶飯事になってしまう」
三室「…スコーピオ」
ピスケス「私たちは分かりやすくいえば共存関係にあります」
倉本「ピスケス…」
サジタリウス「俺たちは力を与える代わりにこの世界に存在している」
矢巾「…」
アリエス「それに比べてお前はどうだ?宿主を殺し、力が暴走しているのではないか?」
長津「アリエス…」
アクエリアス「自分で能力の暴走を抑制するものを殺したらどうなるのか知っているのかしら?」
本庄「アクエリアスさん!」
アクエリアス「ただいま。姫乃」
ライブラ「…お前らに何がわかる?力を抑制できないお前らが!宿主がいないと存在できないお前らが!」
タウラス「お前にも何がわかるんだ?お前は知らないだろ?俺たちの能力が暴走したらどうなるか」
ライブラ「知るはずがないだろう!たとえ暴走してしまったとしてもそれはお前らの修行不足なだけだろ!」
アリエス「はぁ…」
タウラス「お前バカか…」
ライブラ「誰がバカだ!」
タウラス「お前だよ…お前本当にバカだよ…」
ライブラ「何が言いたい!!」
タウラス「…お前が取り憑いてるそいつは二年前に一度世界を崩壊させようとしてたやつだぞ?」
ライブラ「だからなんだ」
タウラス「俺たちはその崩壊を防ぐために色々やった。だが今はそれが全部無駄になっている。お前が光を殺し、能力も暴走しかけている。お前…この意味がわかるか?」
ライブラ「…」
タウラス「お前のさじ加減でこの世界も俺たち十二星座も存在できなくなる」
ライブラ「…」
タウラス「ライブラは世界の均衡を担う星座だ。それが崩れ、天秤が傾いてしまったら世界は崩壊してしまう。それをさせないためにライブラは自分の能力を抑制し、なおかつ自分の能力を最大限に発揮できるようにしていた」
ライブラ「…」
タウラス「それがどうだ?今は何処の馬の骨かも分からんやつに支配され、好き勝手に能力を使われている。光はそんな事しなかった。むしろ力を使う時はちゃんとライブラに許可を取っていた。そのおかげで世界は崩壊せずに済んでいる」
ライブラ「…」
タウラス「お前はどうだ?ライブラの能力や覚醒能力、技を好き勝手に使い六門九門までも殺してしまった」
ライブラ「…」
タウラス「…おい」
ライブラ「!」
ヒュォォォォォォォォ…
ライブラは一瞬悪寒を感じた。
タウラス「お前はこの世界が崩壊したら…責任取れんのか?」
ライブラ「!」
タウラス「崩壊させて恨みを晴らしてじゃあ自分も死のうなんて思ってねぇよな?」
ライブラ「…」
タウラス「…あのな、ライブラも完璧じゃないんだ。それこそ今まで色々あった。ライブラは一人で均衡を保っていた。そんなやつには少し隙ができる。それがドレインの出現だ」
ライブラ「!!」
タウラス「俺たちや主はその零れたドレインを退治するのが仕事だ。だがライブラは自分の仕事に責任を感じて均衡を保ちつつドレインも退治していた…お前にそれが出来るか?」
ライブラ「…」
タウラス「取り憑くだけじゃなくライブラの役割まで奪いやがって…現時点で天秤を傾けさせているお前には到底無理な話だな」
ライブラ「うるさい!」
タウラス「俺は知ってるぞ?なぜ八雲紫ってやつが光からライブラの魂を抜き取って力を使ったにも関わらずこの事件に終止符が打たれなかったのか…」
ライブラ「…」
タウラス「…お前がいたからだよ」
ライブラ「!?」
タウラス「100%純度でないとちゃんとした力は発揮されない。それが天秤座の弱点。二年前から天秤の力は徐々に弱くなっていった。そのせいでいつもよりドレインの出現が多かった。ライブラという均衡を保つ者の中にお前というひとつの不純物が混じったせいでな」
ライブラ「だが俺の目的は俺を殺したこいつとのうのうと生きてるお前らを殺すことだ!」
タウラス「…ならこの世界は関係ない。この世界を崩壊させる意味は無い」
ライブラ「けっ…知ったことじゃねぇよ!ここにいるやつらは運がないだけだ!巻き添えになるんだよ!お前らがこの世界に来たからな!」
ジジジ…ゴゴゴゴゴゴ…
ライブラは能力を発動した。
ライブラ「お前らもろともこの世界も消えるがいい!」
タウラス「あのさ…ひとつ言いたいんだけど。さっき言ったよな?ライブラは均衡を保ちつつドレインを倒しているって。一人でだぞ?そんな負荷のかかっている奴に助けてください、元に戻してくだいって言ってもできる時とできない時があるだろ」
ライブラ「…だが!俺たち人間を救うのがお前らの役割だろ!」
タウラス「あぁそうさ。それが俺たちの役割でもある。じゃあなんでそこでライブラを…光を頼った?」
ライブラ「…」
タウラス「ここには十二人も力を持つ奴がいる。なぜ他のやつに頼らなかった」
ライブラ「知るかそんなこと!」
タウラス「俺たちはライブラほど力はないが何かしらできたはず。それなのに俺たちを頼らず勝手に期待して、期待通りにならなかったら裏切られたとか言って被害者面をする。ライブラからするといい迷惑だ」
ライブラ「黙れ!」
タウラス「お前…罪を償う覚悟は出来てんだろうな?」
ライブラ「…」
タウラス「お前らがやっている事は大罪だぞ。世界を崩壊させるあるまじき行為。それも関係の無い世界まで…」
ライブラ「どうせ罪を被るなら大きい方がいいだろう!それにどのみち俺は死ぬんだ!後悔しないように暴れてやるぜ!」
タウラス「…ライブラ。すまんな。お前の体、傷つけることになりそうだ。…許してくれ」
ライブラ「お前らも邪魔するならそこで倒れているやつと同じ目に合わせてやる!」
ライブラが攻撃しようとしたら一人の声が響いた。
アクエリアス「タウラス!ジェミニとキャンサーの宿主の回復完了したわ!」
アクエリアスだった。彼女は体から出てきて話の間ずっと立花と双葉を回復させていた。
双葉「ん?あれ?ここは…」
ジェミ「主!」
ジェニ「主!」
双葉「ジェミニ…」
立花「あーいてぇ…」
キャンサー「よう主。起きたか?」
立花「あぁ…でもすっげぇ体重いや…」
キャンサー「太ったか?」
立花「お前…それは言うなって…」
アクエリアス「二人とも大丈夫よ。これでジェミニの能力が使えるわ」
タウラス「そうか…じゃあそろそろケリをつけるか?」
ライブラ「…なるほど、時間稼ぎか…上手いな。でも…俺が倒せるか?お前らに」
タウラス「やるぞお前ら!最後の戦闘だ!」
全員「おう!」