早乙女「研究所…少し前から私たちの中で問題視されてたところ…まともに見るのは初めてかも…」
ビュン!
早乙女はいつもよりも速く飛んだ。
早乙女 (約束した…あの子を助けるって…待ってて…絶対に助けてくるから)
ギュオン!
早乙女はさらに速度を上げた。
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場所…研究所
スタッ!
やがてその研究所にたどり着いた。
早乙女「…ここが研究所」
その研究所は予想していたよりも遥かに大きかった。
早乙女「…入ってみましょうか」
スタスタスタスタ
早乙女は歩を進めた。
ガチャ…
早乙女は扉を開けて中を見た。
早乙女「…中はとても静かですね」
タッタッタッ
早乙女は研究所内を走った。
早乙女 (あの子は何処にいるんだろ…)
タッタッタッタッ!
しばらく走っていると二人の研究者たちと出くわした。
研究者「な!?」
早乙女「ん!?」
研究者「侵入者!」
早乙女「ごめんなさい!」
ドゴォン!
早乙女は研究者たちの腹に拳を入れた。
研究者「あ…がっ…」
バタン…
まともに殴られた研究者はその場に倒れ込んだ。
早乙女 (あれ…さっき二人いたような…あと一人は…)
ドカッ!
早乙女は後方から攻撃された。
早乙女「かっ…」
研究者2「これで…どうだ!」
ドカッ!
研究者はさらに殴った。
早乙女「うっ…」
早乙女 (拳ならともかく鉄の棒は流石に…)
バタン
早乙女は倒れてしまった。
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場所…幻想郷
ビーッ!ビーッ!ビーッ!(警告音)
突然警告音が鳴り響いた。
木葉「!?」
霊夢「いきなりなんの音!?」
木葉「あ、ごめん。これの警告音なの」
霊夢「け、警告音…」
木葉 (…渚…何かあったのか?)
霊夢「…木葉?」
木葉「霊夢ごめん。少し元の世界に戻ってもいいかな」
霊夢「え…なんで…」
木葉「仲間が危ない目にあってるかもしれない」
霊夢「…分かったわよ…」
木葉「ごめんね霊夢」
霊夢「いいわよ…帰ってきたらまたかまってよ」
木葉「…あぁ、分かった」
ビュン!
そう言うと木葉は空を飛んだ。
木葉 (渚…少しだけ待ってて)
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その頃長津たちは…
条乃「おい!早乙女がやられたぞ!」
三室「なんと…」
条乃「ただの研究者だぞ!それに持ってるやつもただの鉄の棒だぞ!?」
矢巾「打ちどころが悪かったのかも…」
条乃「あの野郎…」
長津「早乙女…」
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その頃早乙女は…
早乙女「ん…あれ、ここは…」
???「お目覚めかな?」
前に男の人がいた。
早乙女「あなた…もしかして」
???「えぇ、あの時あなたが殴った男ですよ」
早乙女「あなた…ここで何して…」
???「私はある研究をしてましてね…」
早乙女「…研究」
???「一度取り出したものを還す研究ですよ」
早乙女「な…」
???「そう…以前あの八雲紫が天野光に対して行った術…私はあの力を欲しているのだ」
早乙女「そんな力…あっても意味無いでしょ!」
???「あるんだなこれが…」
早乙女「一体何を…」
???「簡単に説明してやろう。お前ら能力者から能力を取り出し、自分に付与するのだ」
早乙女「そんなことさせるわけないでしょ!」
???「じゃあその状態からお前はどうする?」
早乙女「!?」
ガシャン!
早乙女の体は鎖で繋がれていた。
早乙女「な…」
???「分かっただろう。お前には何もできんよ」
早乙女「くっ…この…」
ギリギリギリ…
早乙女は鎖を引きちぎろうとした。
???「無理無理やめときな。絶対に壊れないから」
早乙女「…ヴァルゴ、力を貸して」
ヴァルゴ「いいわよ」
シュゥゥゥゥゥゥ!
早乙女の筋力が倍になった。
???「!?」
早乙女「私を…なめないでください…私はこれでも…十二天星の中では…結構…危ない部類に入ってるんです…よ!」
ガシャン!
鎖が引きちぎられた。
???「…なんと」
早乙女「ふぅー」
???「凄まじい力…是非私も欲しいものだ」
早乙女「あげるわけ…ないでしょ!」
ドゴォン!
早乙女は壁を殴った。
早乙女「!?」
壁はへこむだけで傷はなかった。
早乙女「な…」
???「この壁は特別でね。衝撃を吸収するんだ。まぁ、さっきのは強すぎたからへこんじゃってるがな」
早乙女「なら…」
ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!
早乙女は何度も殴った。すると男は通信端末のようなものを取りだした。
???「侵入者が暴れている。牢屋の中をガスで覆え」
ギーギーギー!
警告音が鳴り出した。
早乙女「な、なんの音…」
プシュゥゥゥゥゥゥ!
壁の四隅からガスが出てきた。
早乙女「な!?」
???「安心しろ。睡眠用のガスで害はない」
早乙女「そんなの…って…」
バタン
早乙女はその場に倒れ込んでしまった。
???「その代わり、即効性のものだがな」
コツコツコツ
???は歩き出した。
???「それではごきげんよう」
ギィィィィィ…バタン
???は扉を閉めた。
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その頃十二天星たちは
長津「…ダメだ繋がらない」
条乃「あの野郎油断したな?」
三室「恐らくあのガスは害を及ぼさないものだと思う。早乙女に異常は見られなかった」
本庄「じゃあ私たちが行かないと…」
矢巾「…何されるか分からない…」
佐野守「行きましょう長津さん!」
風和瀬「そうですよ!助けに行かないと!」
長津「…だが、しかし」
少女「早乙女さん…」
少女2「確かあそこには窓のようなものはなかった…それに一番深いところにあって警備してる人でさえもそこにたどり着くには幾らか時間が必要になる…」
長津「それはどういう…」
少女2「つまり、警備してる人が離れさえすれば助ける猶予はできるはずです」
長津「でもお嬢さん。何故それを知ってるんです?」
少女2「私は一度あの牢獄に入れられました」
少女「…あの時だね」
少女2「えぇ、その時に全部見てきました」
条乃「だが、よくそれを覚えていたな」
少女2「私の能力は一度見たものを記憶する能力なので」
長津「…なるほど」
条乃「便利だな…その能力」
少女2「えぇ、まぁ」
長津「だが…私たちが行けば…」
倉本「それこそ騒ぎになりますね…」
長津「…どうするべきか」
ギーギーギー!
警告音が鳴った。
矢巾「東の方から未確認飛行物体が接近してます」
長津「なに!?」
カタカタカタ
長津はモニターを操作した。
長津「これは…」
矢巾「映像映します!」
ブォン!
その飛行物体が映し出された。
長津「…光」
本庄「光さん!」
三室「光か…」
条乃「あの野郎やっときたか」
少女2「な…あの人…」
少女「知ってるの?」
少女2「えぇ、一度だけ見たことがある…施設にいた時にある女の子と話しているのを見た」
少女「その女の子って?」
少女2「確か名前は…結衣…だったっけ」
倉本「それって…私の事?」
少女2「分からない。あなたは昔施設にいましたか?」
倉本「はい。いました」
少女2「その時にある男の人に大人になったら会いにおいでって言われた?」
倉本「はい。言われましたよ」
少女2「やっぱり…」
少女「え?どうゆうこと?」
少女2「あの人は…早乙女さんの憧れた人…別の世界で生きている人…」
少女「え…あの人が…」
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その頃光は
光「渚…何処にいるんだ…ここら辺のはずだけど…」
光が飛び回っているとある森の中にある建物に目がいった。
光 (あんなのこの世界にあったかな)
スタッ!ドンドンドン!
光は降りてドアを叩いた。
光「すいません!誰かいませんか?」
しかし返事はなかった。
光「勝手に入る訳にはいかないからな…他をあたるか…」
シュッ
光はまた空を飛んだ。
光「渚…何処にいるんだ…渚!」
物陰から二人の人間が光を見ていた。
???「なんと…天秤座まで動いたか…」
???「これは作業を早くしないとダメですねぇ」
???「ここまできて奴に邪魔されるのはゴメンだ。バレないようにするぞ」
???「あぁ」
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その頃牢屋では
早乙女「…んっんー」
早乙女はここで目を覚ました。
早乙女「あれ…ここは…えっと…」
早乙女は周りを見渡した。
早乙女「あ!思い出した!ここから出ないと!」
コンコン
早乙女がいる隣から音がした。
早乙女「!?」
コンコン
また同じような音が聞こえる。
早乙女「あの…そこに誰かいますか?」
???「あ、はい。います」
早乙女「あなたは?」
???「名前はありません」
早乙女「あなたも名前がないんですか」
???「あなたもってことはあなたも?」
早乙女「いえ、私には名前があります。私は早乙女 渚って言います」
???「そうですか」
早乙女「実はちょっと前からあなたと同じで名前が無い女の子を二人ほど預かってまして」
???「あの子たち生きてるんですか!」
早乙女「え?」
???「あの子たちはあなたが預かってくれてるんですか!?」
早乙女「あの子たちって…もしかしてあなたはニュースで言ってた捕まった子ですか?」
???「はい!そうです!あの子たちが捕まってないか心配だったんです!」
早乙女「そうですか!会えてよかったです!実はその子たちと約束したんです。あなたを助けると。なのであなたを助けます!」
少女3「ありがとうございます!やっと…あの子たちにも…会える…」
早乙女「とりあえずここを…」
ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!
早乙女は壁を何度も殴った。
ドゴォン!ガラガラガラ…
壁は崩れ早乙女は少女に会うことが出来た。
少女3「す、すごいですね」
早乙女「私もあなたたちと同じで特別な能力を持っているので」
少女3「あなたも能力を持っているんですか!?」
早乙女「はい!持っていますよ!」
少女3「私たちと同じ人がいるなんて…」
早乙女「さ、ここから出ましょう!」
少女3「はい!」
早乙女と少女は牢屋から抜け出し出口を探した。
少女3「あ!待ってください!」
早乙女「なんですか?」
少女は早乙女に止まるよう言った。
少女3「この後…上から人が来ます…数は三人…そのうち二人は銃を持っていてもう一人は剣を持っています」
早乙女「な!?じゃあどこにいけば…」
少女3「大丈夫です…このままここで待ってましょう」
早乙女「え…でもそれじゃあ見つかるんじゃ…」
少女3「大丈夫です…信じてください…」
早乙女「わ、分かりました…」
少女と早乙女はその場に立って動かなかった。すると前の方から二人の男が来た。
早乙女「わ!ほんとに来た!」
???「貴様らどうやって牢屋から!」
二人の男は銃を構えた。
早乙女「ここままじゃ…」
少女3「大丈夫です…もう一人…来てくれますから!」
早乙女「もう一人って…」
???「失礼しまーーーーーす!」
ドゴォォォォォォン!
天井から一人の男が降りてきた。
ガラガラガラ…
瓦礫が落ちてくる。
???「お、お前は…誰だ!」
辺りは煙に包まれていてよく見えなかった。
光「俺は天野 光…十二天星 第七星座 天秤座の力を授かった者だ」
早乙女「天野…光…え!?光!?」
光「よぅ渚…久しぶりだな」
煙が晴れ、その姿を確認することが出来た。
光「待たせちまったな」
早乙女「え!?光!?確か幻想郷にいたはずじゃ…」
光「あぁ、でもこいつが危険を知らせてくれたんだ」
そういって光は左腕を見せてきた。
早乙女「そ、それって」
光「あぁ、十二天星たちがそれぞれ所持している相方の危険を知らせるための腕輪だ。こいつのお陰で渚の居場所を特定することが出来た」
早乙女「そう…だったんだ…」
光「渚…よく頑張ったな。ここからは俺に任せてくれ」
早乙女「…うん。ありがとう光」
光「さて、どうすっかな」
???「貴様!その二人をどうするつもりだ!」
光「いや、連れて帰るけど…」
???「なら、俺たちはここでお前を食い止める!」
光「ライブラ…力を使うよ」
ライブラ「はい。分かりました」
ブゥゥゥゥゥゥゥン!
その途端、辺りに低下の能力が拡散された。
???「ぐっ…なんだ…この力は…」
光「…どうするよ?このまま続けるか?」
???「この程度で俺たちが…」
〜♪〜♪〜♪
急に音が鳴り始めた。その音は優しく聴いてて落ち着くような音だった。
光「お眠りなさい…」
???「な…」
バタン
男たちは眠りについた。
少女3「今のって…」
早乙女「あれが光の能力、音を操る能力です」
少女3「音を…操る」
早乙女「はい。ありとあらゆる音を操ることができる能力なんです」
少女3「へ、へぇ、そうなんですか」
ザッザッザッ
光が早乙女の元に歩き出した。
光「渚…お前…ここで何してたんだ?」
早乙女「私はこの子を守るために…」
光「この子は?」
早乙女「実はこの子名前が無いの…」
光「名前が無い…どこかで聞いたような…」
早乙女「で、ここに閉じ込められてたからここから脱出しようって思って」
光「名前も分からない人を助けるためにここに来たと…」
早乙女「うん…」
光「よく分からんがその心無駄にするなよ」
早乙女「うん!」
スッ…
光は少女に右手を出した。
光「俺は天野 光。早乙女と同じ十二天星の第七星座 天秤座の力を使う者です。よろしくお願いします」
少女3「は、はい…よろしくお願いします」
早乙女「大丈夫ですよ。この人は頼れるので」
少女3「そ、そうですか…」
光「とにかく出よう道なら作ってある」
早乙女「分かりました!さ!行こ!」
少女3「は、はい!」
スタスタスタスタ
そうして光と早乙女と少女はその建物から脱出し、家に帰ったのだった。