木葉の幻想郷日記   作:バスタオル

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離脱

長津 (警戒…か…)

 

私は考え事をしていた。あのニュースで報道されていた実験体…その子たちがこの家にいる…第三者から見れば危ないことだがやはり見過ごせない…私はどうするべきか…

 

光「考え事とは智志らしくないな」

 

長津「…光」

 

光「お前が決めたんだろ?あの子たちを守るって。ならその意思は貫くべきだと思うけど?」

 

長津「…そうだな」

 

光「…」

 

長津「…さて、どうしてあげることがあの子たちにとって幸せなのだろうか…」

 

光「…難しい問題だな」

 

長津「…あの研究所が無くなることが幸せなのだろうか…それとも僕たちと一緒に暮らすことが幸せなのだろうか…」

 

光「…」

 

長津「だが僕たちは人を守るために力を使う。人や物を傷つけるためではない…」

 

光「…そうだな」

 

長津「僕たちはどうするべきなのだろうか」

 

光「俺は相手が動くまで待つべきだと思う」

 

長津「待つ…か」

 

光「あぁ、俺たちが研究所を破壊すれば丸く収まるだろうがそうはいかない。俺たちの力は強すぎる。それに傷つけるための力ではない」

 

長津「…」

 

光「ただしな智志。仮に研究所を破壊すれば俺たちはどうなるか分からない。そうなればあの子たちを守ることも出来なくなる」

 

長津「…そうだな」

 

光「とりあえず事が進むまでこのまま待機しよう」

 

長津「…あぁ、そうだな」

 

ドタドタドタ!

誰かが階段を走って降りてくる音がした。

  

長津「なんだ?」

 

琴音「長津さん!光さん!良かった!二人がいてくれて!」

 

長津「どうしたんです?」

 

琴音「私たちに起こる未来が見えたんです!」

 

長津「な!?それはどんな…」

 

琴音「私たちは空から降ってくる何かに攻撃されてみんな怪我します!」

 

長津「な!?」

 

光「なんだと…」

 

琴音「さっき突然見えたんです…このことはお二方に先に知らせておこうかなと思い来ました」

 

長津「確か琴音ちゃんの未来予知は…」

 

琴音「はい…数秒、あるいは数分後の出来事です…」

 

光「智志!俺は外を見てくる!みんなを集めてくれ!」

 

長津「分かった!」

 

光「琴音さんは智志と一緒に!」

 

琴音「はい!」

 

三人は行動を開始した。

 

光 (もし数分後なら…やるべき事はひとつ…)

 

光 (!?)

 

ヒュゥゥゥゥゥゥ!

空から三つほど岩石が落ちてきていた。

  

光「な!?このままじゃ…」

 

岩石はすぐそこまで来ていた。

 

光 (智志…あとは頼むぞ…)

 

キィン!

光は技を発動した。

 

光「光極 エターナル・ヘヴンズ!」

 

キィィィィィィン…ドゴォォォォォォン!

辺りに爆発音が響いた。

 

長津「光!全員集まったぞ!…光!」

 

早乙女「長津さん!この子たちをお願いしますね!」

 

長津「待って渚さん!」

 

タッタッタッタッ!

早乙女は光の元に走った。

 

早乙女「光!」

 

光「渚来るな!みんなのところに戻れ!」

 

早乙女「でも!」

 

光「大丈夫だこれくらい…みんなに伝えてくれ!紫から貰った水晶で幻想郷に行けって!」

 

早乙女「光はどうするの!」

 

光「俺はこいつを止める!」

 

早乙女「無茶よ!」

 

光「できるできないじゃないだろ!やるかやらないかだろ!」

 

早乙女「!!」

 

光「早く行け!」

 

早乙女「…」

 

ダッ! 

早乙女はみんなの元に戻った。

 

早乙女「みなさん!光が紫さんから貰った水晶で幻想郷に行けって言ってた!」

 

長津「紫さんから貰った水晶…」

 

佐野守「あの紫色の水晶?」

 

早乙女「そう!あの水晶!」

 

条乃「分かった!各自自分の部屋から持ってくるぞ!」

 

ダッダッダッ!

十二天星たちは水晶を取りに行った。

 

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その頃、光は

 

光「あとひとつ…天秤宮 天帝飛燕の型…シダレ…ザクラ!」

 

キィィィン!ドゴォォォン!

最後の岩石が破壊された。 

 

光「よし…これでひとまず安心だな…」

 

光 (!?)

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!

岩石はまた降り注いでいた。しかもさっきよりも多く。

 

光 (まずい!)

 

ドカーン!ドゴォン!ドゴォン!ドカーン!

光を含め十二天星と小夜、美穂、琴音は岩石の下敷きになった。

 

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光「…くっ、痛てぇ…」

 

光はまだ軽傷で済んだ。

 

光 (みんなは!?)

 

光は周りを見渡した。だが、あるのは瓦礫の山。人の姿はなかった。

 

光「あ…あ…」

 

光は声が出なかった。

  

光 (くっ…こうなったら…)

 

ヒュゥゥゥゥゥゥ…

光は能力を発動した。

 

光「みんなどこ…」

 

ポワッ…

そう唱えた途端所々から光の粒が出てきた。 

 

光 (みんなそこに居るのか…)

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

その光の粒は一箇所に固まっていた。

 

光「ふんぬ!ふんぬ!」

 

ガラッ…ガラッ…

光は瓦礫をどかした。中から血を流した早乙女や長津たち、小夜、美穂、琴音がいた。

  

光 (また…守れなかった…)

 

長津「ゲホッゴホッ…」

 

光「!?」

 

長津が目を覚ました。

 

光「智志!大丈夫か!?」

 

長津「あぁ、大丈夫だ」

 

光「他の人は…」

 

長津「恐らくみんな下敷きだ…水晶を取りに戻ってその後に岩石が降ってきたんだ…」

 

光「すまねぇ…守れなかった…」

 

長津「大丈夫。気にするな…」

 

本庄「うっ…くっ…」

 

条乃「くっ…痛てぇ…」

 

三室「…良かった…生きてる」

 

早乙女「うっ…いっつ…」

  

他の十二天星たちも順番に起きてきた。だが小夜、美穂、琴音は起きてこなかった。

 

早乙女「あ!水晶が…」

 

パラパラ… 

早乙女の水晶は粉々になっていた。

 

条乃「俺のもだ…」

 

矢巾「僕のもです…」

 

みんなの水晶もさっきのことで粉々に砕けていた。

 

光「じゃあみんなここにいて。俺が幻想郷まで送るから」

 

早乙女「光は一緒に行くの!?」

 

光「あぁ、行くよ」

 

早乙女「…良かった」

 

光「じゃあとりあえず小夜ちゃん、美穂ちゃん、琴音さんは誰かがついてて…」

 

早乙女「私は小夜ちゃんを」

 

風和瀬「私が美穂ちゃんを」

 

本庄「私が琴音ちゃんを」

 

光「三人ともありがとう…それじゃあ…行くよ…」

 

パキン!シュゥゥゥゥゥゥ!

光は水晶を使った。

 

シュッ!シュッ!シュッ!

十二天星と少女たちは幻想郷に飛ばされた。だが光はここで力を使い果たした。

 

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場所…幻想郷

 

魔理沙「…霊夢。木葉も忙しいんだ。たまには離れることも大切だろ?」

 

霊夢「ずっと一緒にいるって約束したのよ」

 

魔理沙「仕方ないだろ。仲間のピンチなんだから」

 

霊夢「でもそれだと私よりもそっちを優先にしてるみたいじゃない!」

 

魔理沙「仕方ない時もあるぜ」

 

霊夢「…木葉には私を優先するよう言っておかないと」

 

魔理沙 (全く…木葉もよく文句言わないよな…これで)

 

霊夢「魔理沙!あれ見て!」

 

魔理沙「ん?なん…だ…?」

 

空には幾つもの光りがあり、それが所々に落ちていった。

 

魔理沙「一体なにがあったんだぜ…」

 

霊夢「…とにかく行かないと」

 

魔理沙「待て霊夢!上を見ろ!」

 

霊夢は魔理沙に言われた通り上を見た。

 

霊夢「!?」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…ドゴォン!

霊夢たちに向かって誰かが落ちてきてた。

 

霊夢「な!?」 

 

ドォン!ズサーーッ!

辺りに煙が立ち込める。やがて煙は晴れ、落ちてきたものを確認することが出来た。

  

霊夢「あ…あ…」

 

魔理沙「まさか…」

 

霊夢「こ、木葉…」

 

その正体は木葉だった。木葉は水晶を使ったあと力を使い果たし、そのまま意識を失ってしまったのだ。

 

霊夢「木葉!」

 

ダッ! 

霊夢は木葉に駆け寄った。

 

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数分後…

  

木葉「ん…」

  

木葉は目を覚ました。

  

霊夢「木葉!しっかりして!木葉!」

 

木葉「…霊夢?」

 

霊夢「そうよ!霊夢よ!」

 

木葉「じゃあ…ここに来ることが出来たんだ…良かった…」

 

霊夢「木葉!何があったの!教えて!」

 

木葉「…ごめん。今は…まともに話せないから…少しだけ…待ってて」

 

霊夢「…分かったわ。じゃあとりあえずここで休んでて…」

 

木葉「ありがとう…霊夢…」

 

霊夢「…」

 

スタスタスタスタ 

霊夢は部屋を出た。

 

魔理沙「…霊夢」

 

霊夢「どうしてなの?」

 

魔理沙「なにがだ?」

 

霊夢「どうして木葉はいつも傷だらけなの…教えてよ…」

 

魔理沙「…」

 

霊夢「いくら人を助けたとしても…」

 

魔理沙「許してやれよ。木葉もその人のために頑張ったんだから」

 

霊夢「…」

 

木葉 (なぜあの場所だけ岩石が…まさか敵からの攻撃…だとすれば狙いは…恐らくあの三人…これは、ただ事じゃないかもな…)

 

木葉は辺りを見渡した。十二天星たちはいなかった。

 

木葉「…そうか、途中で力を使い果たしたからここに着いてからみんなバラバラになっちゃったのか…みんな、大丈夫かな…」

 

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その頃他のメンバーは

 

場所…守矢神社

  

諏訪子「早苗ー!ちょっとこっち来てー!人が倒れてるー!」

 

早苗「分かりましたー!今行きます!」

 

タッタッタッ

早苗は諏訪子の元に走った。

 

早苗「え…こ、この人たちは…」

 

そこに倒れていたのは三室と佐野守だった。

 

早苗「確か…三室さんと佐野守さん…何かあったのかも。諏訪子様。お二人を運ぶのを手伝ってください!」

 

諏訪子「分かった!」

 

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場所…永遠亭

  

鈴仙「お師匠様!永遠亭の近くで人が倒れていました!」

 

永琳「あら、誰なのかしら」

 

鈴仙「それが…双葉さんと風和瀬さんとあと一人は初めて見る子です」

 

永琳「…確かその人たちって」

 

鈴仙「はい。以前起きた異変で一緒に戦った十二天星の方たちです」

 

永琳「やっぱり…すぐにここに運んできて!」

 

鈴仙「分かりました!」

 

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場所…地霊殿

 

こいし「お姉ちゃーーーん!」

 

さとり「あら、どうしたのこいし」

 

こいし「お姉ちゃん!人が!人が倒れてるよ!」

 

さとり「人って誰なのかしら?」

 

こいし「知らない人…初めて見た人なの」

 

さとり「じゃあ何人いたの?」

 

こいし「二人いたの。どっちも男の子だったよ」

 

さとり「分かったわ。お燐とお空に言ってここに運んできてちょうだい」

 

こいし「分かった!」

 

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場所…竹林

 

妹紅「慧音〜外で人が倒れてたから連れてきた〜」

 

慧音「あら、誰なのかしら」

 

妹紅「さぁ?私も分からん。だが、傷を負っていたから運んで来た」

 

慧音「分かったわ。じゃあとりあえず寝かせましょう」

 

妹紅「おう。分かった」

 

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場所…紅魔館

 

咲夜「お嬢様」

 

レミリア「なにかしら?」

 

咲夜「先程紅魔館の前に倒れている方を見つけたので入れてもいいでしょうか?」

 

レミリア「あら、誰なのかしら?」

 

咲夜「…十二天星の条乃さんと本庄さん、あと一人は知らない方です」

 

レミリア「そう。とにかく傷を負っているなら治してあげて。何があったのかはその後に聞きましょう」

 

咲夜「分かりました」

 

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場所…魔法の森

 

アリス「あら?あそこにいるのは…人かしら」 

 

ザッザッザッ

アリスはそれに近づいた。

 

アリス「やっぱり…ここにいたら危険よね…とりあえず家まで運びましょうか」

 

アリスは人形を使って早乙女と小夜を運んだ。

 

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場所…博麗神社

 

スーッ

俺は襖を開けた。

 

木葉「霊夢ごめんね。もう大丈夫だよ」

 

霊夢「木葉!良かった…」

 

魔理沙「よう木葉!」

 

木葉「魔理沙、おはよう」

 

魔理沙「おう!」

 

霊夢「でも、どうしたの?元の世界に戻ったのに今度は急に怪我して帰ってくるんだもん」

 

木葉「あぁ…んーそれについてはどう説明しようかな」

 

魔理沙「じゃあとりあえず元の世界に戻ったところから話してくれ!」

 

木葉「あぁ…じゃあそうしようか…実はな…」

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