バンッ!
辺りに銃声が響いた。
光「うぐっ…」
その弾丸は光に命中した。
???「まさか、天秤座まで動いているとは」
その男は他の研究者と同じ服装をしていた。おそらくこの研究所の人だろう。
???「だがなぜだ?お前はこの世界から消えたはず。ここに戻ってくることは無いと思っていたが」
後藤「なんてことを…」
???「あ?お前が色々喋ったからだろ。この事は他言することでは無い。俺たちがなぜ今まで細々と研究してきたか分からねぇのか?」
後藤「私がこの人から聞いた話から私が指示をしたこと以外のことが出てきた。君、私に隠れて何をしているんだ!」
???「あ?何言ってんだ。能力を取り出す実験だろう?」
後藤「ならなぜあの子たちを牢屋に入れたり傷つけたりした!」
???「!?」
???「…なぜそれを知っている」
カチャ…
???は銃を構えた。
後藤「全部この人から聞いた!今まで何をしてきたのかも全部!」
???「なら、お前も死んでもらうしかないな。そこで倒れてるやつみたいに」
そう言って???は光に銃口を向けた。そして再度後藤に銃口を向けた。
???「さぁ、あの三人はどこにいる?教えろ」
後藤「教えない」
???「死に急ぐな」
後藤「銃を向けているやつが何言ってるんだ!」
???「それもそうだな。まぁ、悔いの無い選択をしろよ」
後藤「…私はあの子たちの父親だ…親が子を守るのは当然のこと…だから私は!あの子たちの居場所を教えない!」
???「なら、去ねや」
バーン!
辺りに銃声が響いた。
カンッ!
その弾丸は後藤に当たらなかった。
???「!?」
光「…お前は悪いやつじゃなさそうだな」
光が後藤の前に立っていた。
光「…お前、いきなり撃つとかどういう神経してんだ」
???「不意打ちって言葉を知ってるか?」
光「…なるほど、つまりお前は不意打ちしないと俺に傷をつけられないと…そういう事だな?」
???「なんだと…」
光「だから、俺がこうやって面と向かってたらお前は俺に傷をつけられないってことだよな?」
???「うるせぇ!」
バンバンバン!
何度も銃声が響いた。
光「…やはりか」
ブゥン…ブゥン…ブゥン…
光は全ての弾丸の軌道をずらした。
???「!?」
光「お前…俺が誰だか知ってるよな?俺は十二天星 第七星座 天秤座だぞ?そんな一定の速度でしか飛ばない弾丸だとお前の手元を見て当たる時間を計算できる。俺に傷をつけたいなら腕や手首の使い方で速度が変わる刃物の方がいいぞ」
???「くっ…」
サッ…
???は銃を捨て刃物を取り出した。
???「これならどうだ!」
タッタッタッ!
???は光に向かって走った。
光「愚かだな」
ドゴォン!
光は???が持っていた刃物を取り上げ胸に一撃をかました。
???「ごふっ…」
ドサッ!
???は吐血した。???は地面に膝を着いた。
光「お前、勘違いしてないか?確かに俺は俺に傷をつけるなら刃物の方がいいとは言ったが別にお前が刃物を持てば俺に傷をつけられるなんて一言も言ってないだろ?」
???「…」
光「あのな、ひとついいことを教えてやる。戦闘でしてはならないのは…敵の強さを見誤ることだぞ。お前はさっきそうした。だから今こうやって地に伏せている。分かったか?」
???「…このまま終わらせんぞ…」
光「そうか、お前が生きていたらまた戦うことになりそうだな」
???「くっ…」
???は気を失った。
光「あんた、立てるか?」
後藤「あぁ…」
光「なぁよ、こいつはここの人間か?」
後藤「あぁ、私たちと同じ研究者だ。今まで黒い噂はなかったが…」
光「…ほう」
バン!
ドアが勢いよく開いた。
???「お前は!」
光「おい。こいつらも研究者か?」
後藤「え、えぇ、そのはずですが」
ドアを勢いよく開けた研究者は柄にもなく銃を持っていた。
光「…ここの人たちはなんでこう物騒なんだ?」
後藤「いや、私ではない。私はそんなもの持たせた覚えがない」
光「なるほどね」
???「!?」
???は倒れている???を見て驚いた。
???「篠澤さん!」
タッタッタッタッ!
???は篠澤と言う男の元に駆け寄った。
???「篠澤さん!篠澤さん!」
篠澤は返事をしなかった。
???「お前たちが篠澤さんを…」
カチャ!
???は二人に銃口を向けた。
光「…なぁよ、俺たち悪役になってないか?」
後藤「…恐らく…」
???「お前たちが…お前たちが…」
ドンッ!
???は近くにあった赤いボタンを押した。
ギーッギーッギーッ!
研究所内に警報が鳴り響いた。
後藤「まずいです!」
光「なんだ!?」
後藤「この警報はここの研究者を集めるためのものなんです。もし、他の人たちもこの人たちのようになっていたら…」
光「なるほど、そういうことね」
???「覚悟しろよお前ら!今仲間を呼んだ!これでお前らの負けだ!」
後藤「な!?」
光「…」
スッ…
光はポケットの中に手を入れ、紫から貰った紫色の水晶がある事を確認した。
バタバタバタ!
足音が大きくなってくる。
後藤「このままだと…」
光「ここは一旦逃げよう。大勢を相手にして守りながら戦うのは難しい」
後藤「でもどうすれば…」
光「任せて…」
???「さぁ!もう時間切れだ!蜂の巣になれ!」
パキンッ!シュゥゥゥゥゥゥゥ!
光は水晶を取り出した。
光「じゃあな」
???「な!?」
シュゥゥゥゥゥゥ!
光と後藤は魔法陣の範囲内にいたため研究所から脱出できた。
???「な…ちくしょーーーーー!」
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光と後藤はそのまま幻想郷に行った。
ーその道中ー
後藤「な、なんだここは…」
周りは虹色の光に包まれている。天井も底も見えない。
後藤 (この人の手を離せば落ちるかもしれん…)
光「ちなみにだけど俺から離れないでくれ。飛ばされるからな」
後藤「やっぱりそうなんですね」
光「もう少ししたらここを抜ける。そしたら幻想郷だ」
後藤「幻想郷…?」
光「あぁ、忘れ去られたものの最後の楽園」
後藤「忘れ去られた…そこに私の娘たちも…」
光「あぁ、そこにいる」
後藤「すまないね。こんなことに巻き込んでしまって」
光「いや、いいんだ。俺はあなたを見た。俺はあなたを善人と判断した」
後藤「…そうか」
光「良かったなほんと。俺が来て。俺が来なかったら俺の仲間に殺されてたからな」
後藤「あぁ、ほんとに感謝する。それに娘たちにも会えるなんて」
光「…さぁ、抜けるぞ」
シュゥゥゥゥゥゥゥ!
光がそういうと虹色の光に包まれていたはずの周りの景色は一瞬にして変わった。
後藤「ここは…」
木葉「ここが幻想郷。現実世界と同じ場所に位置しながら存在している世界」
後藤「それはどういう…」
木葉「この世界は結界を使って現実世界から隔離されている。それ故に外からの干渉は受けない。ここにいれば安全だと思う」
後藤「そうか…」
ビュン!
木葉は博麗神社に向かって飛んだ。
木葉「あそこにいる」
後藤「あそこに…」
スタッ!
木葉はそのまま博麗神社に降り立った。
後藤「おぉ、ちゃんと立てる」
木葉「そりゃ地面だしね」
後藤「不思議な感覚だ。今まで感じたことがない。…温かい」
木葉「まぁな、ここはある妖怪が管理している。余程のことがない限り安全だと思うぞ」
後藤「そうか。ありがとう」
スタスタスタ
奥から誰かが歩いてくる。
本庄「おや、光さん」
木葉「おっす本庄」
本庄「そちらの方は?」
木葉「小夜、美穂、琴音の父親だ」
本庄「え!?お父さん!?は、初めまして本庄 姫乃と言います!」
後藤「いえいえ、私は後藤 直樹と言います」
本庄「みんないますよ。ささ、こちらへ」
木葉「さぁ、行こうか」
後藤「えぇ」
スーッ
本庄は襖を開けた。
本庄「みなさーん!光さんが帰ってきましたよー!」
その部屋には大勢の人がいた。
条乃「なんだと!」
矢巾「光さん。おかえりなさい」
早乙女「光!どこ行ってたのよ!」
長津「…おかえり」
木葉「あぁ、ただいま」
条乃「光。そいつは誰だ」
木葉「この人は小夜、美穂、琴音の父親だ」
早乙女「え!?」
佐野守「お父さん!?」
倉本「ほぇ〜」
後藤「後藤直樹と言います。娘たちがご厄介を…」
早乙女「いえいえ!この子たちはみんなお利口さんですよ!」
後藤「この方から色々聞きました。随分とお世話になって…何もありませんでしたか?」
早乙女「何もありませんでしたよ!喧嘩もなく!」
後藤「そうですか…それは良かったです…」
小夜「早乙女さん…どうしたんですか?」
小夜が早乙女の影から顔を出した。
後藤「く…紅葉…」
早乙女「紅葉?」
木葉「あぁ、この子の名前なんだ」
早乙女「え、でも名前がないって…」
木葉「あぁ、それに関してはこの人も知らなかったらしい」
早乙女「どういう事?」
木葉「後藤さんはあの子たちに名前が無いことを知らなかったらしいんだ。ずっと紅葉、穂乃果、梨乃だと思っていたらしい」
早乙女「何かあったのね…」
木葉「あぁ、何があったかは俺もこの人も知らない。実験は勝手に進んでたらしいからな」
早乙女「え、じゃあ、この人は何も…」
木葉「あぁ、この人は何もしていない。話を聞くとこの人は能力を取り出す研究をしていたらしい。だが、それとは別にそこの研究所にいる研究者があの子たちを傷つけ無理やり能力を取り出そうとしていたらしい」
早乙女「じゃあ…」
木葉「俺たちは善人を殺そうとしていたんだ」
早乙女「…そう」
早乙女 (妹紅さんが言ってた通りだ…もし私たちが行ったら何もしていない人を殺してしまってたのかも…)
木葉「とりあえずみんなに色々話さなければならない事がある」
早乙女「そうですか。分かりました。聞きましょう」
木葉「そういえば美穂と琴音は?」
早乙女「あぁ、立花さんと双葉さんと一緒に買い出しに。すぐに戻るよ」
木葉「そうか。じゃあその四人が戻ってきてから話そうか」
早乙女「分かった」
木葉「あ、それと」
早乙女「?」
木葉「霊夢はいないのか?」
早乙女「霊夢さんなら光を探しに出かけたよ?」
木葉「え…」
早乙女「そりゃ何も言わずにいなくなったら不安になるよね」
木葉「…あとで霊夢にも謝っておくか…」
早乙女「そうしなよ。心配してるだろうから」
木葉「…あぁ」