場所…紫の家
シュタッ
霊夢と木葉は紫の家に着いた。
木葉「はぁ…ここに来るのは二度目か」
霊夢「そうなの?」
木葉「あぁ、俺がここに住むために一度紫と話したからな」
霊夢「あぁ、あの時…」
木葉「さ、行こうか」
霊夢「うん」
コンコン
木葉はドアをノックした。
ガチャ…
ドアはそれに応えるかのように開いた。
藍「おや、あなたは」
木葉「久しぶりです藍さん」
藍「今日はなにか御用で?博麗の巫女も一緒に」
木葉「あぁ、とても大事な話をね」
藍「そうですか。紫様は自室にいますので」
木葉「あぁ、ありがとう」
スタスタスタスタ
木葉と霊夢は家に入り紫の部屋に行った。
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場所…紫の部屋
コンコン
木葉はドアをノックした。すると中から紫の声がした。
紫「あら、誰かしら」
木葉「紫。俺だ。木葉だ」
紫「木葉ね。今日はまたなんの用?」
木葉「…大事な話がある」
紫「…そう。分かったわ。入って」
木葉「…失礼する」
スーッ
木葉は襖を開けた。
紫「あら、霊夢も来ていたのね」
霊夢「えぇ」
紫「ということは霊夢たちにも関係ある話ね」
木葉「あぁ、そうだ」
紫「分かったわ。じゃあそこ座って」
木葉「あぁ」
木葉と霊夢は紫の前に座った。
紫「で、話って?」
木葉「実はな今ある女の子を預かっているんだ。三人ほど。んで、その子たちは現実世界である人から痛い思いを受けていてな、俺たちはそいつから守るために預かっているんだ」
紫「それで?」
木葉「今俺たちは霊夢の神社にいる。俺たちは現実世界の人間だからいずれ帰らなければならない」
紫「…そうね」
木葉「だが帰るための水晶がないんだ。紫から貰った」
紫「あら、何故かしら?」
木葉「…壊されたんだ。俺の分以外は」
紫「12個あったのに11個壊されたのね」
木葉「…あぁ」
紫「じゃあその分はまた作るわ」
木葉「ありがとうな。あとそれと…」
紫「まだあるのかしら?」
木葉「あぁ、それであの子たちも俺たちと同じ現実世界の人間だから一緒に帰ることになるんだがそうなるとちょっと厄介でな」
紫「厄介…」
木葉「…あぁ、俺たちが戻るとおそらくあの子たちはまた痛い思いをするんだ」
紫「その子たちは一体何をされていたのかしら?」
木葉「…能力を取り出す実験だよ」
紫「…」
木葉「そいつらはあの子たちの中にある能力を無理やり取り出そうとしている。おそらく取り出せば自分に付与するだろう。俺たちはそれをさせないためにそいつを…消そうと思う」
紫「…あなたが人を殺そうとしているなんてね」
木葉「…あぁ、俺は思ったんだ。もし、そいつが能力を付与すれば現実世界はどうなるか分からない…それなら被害が出る前に叩こうとな」
紫「…それで?聞いてると霊夢たちは関係ないようだけど?」
木葉「それはな…」
霊夢「私たちもそれについて行こうと思うの」
紫「!!」
霊夢「私たちはその子たちに直接関係がある訳では無いけど木葉が心配なの…今朝も急にいなくなってずっと飛び周ってたの」
紫「…それで?」
霊夢「私たちも木葉について行くのを許可して欲しいの」
紫「私たち?」
霊夢「うん。私たち。魔理沙やレミリア、アリスたちも行きたいって」
紫「…旅行じゃないでしょ。明らかに戦闘は起こる。あなたたちはそこへ旅行気分で行くわけ?」
霊夢「行かない。私は木葉の力になりたいの」
紫「あなたは幻想郷の守護者でしょ?そんなあなたがここを離れるとどうなるか分からないのよ?」
霊夢「…でも」
紫「わがままはよしなさい。あなたは幻想郷がどうなってもいいの?」
霊夢「幻想郷も大事だけど木葉も大事なの…もう離したくないの」
紫「光なら大丈夫でしょ。あなたたちよりも遥かに強い。それこそ他の人たちよりもね」
霊夢「それでも…」
紫「霊夢…考えて。あなたたちがあの人たちの誰かに勝ったことがあるかしら?」
霊夢「…ない」
紫「で、あなたたちはあの人たちの本気を見てどう思ったの?勝てると思ったの?」
霊夢「…思わなかった」
紫「そうでしょ?それ程までに強い人たちがいるのにそれよりも弱いあなたたちが行ってなんになるのよ。お荷物になるだけでしょ」
霊夢「…でも」
紫「霊夢。幻想郷がどうなるか私も知らないの。それにあなたたちよりも強い人たちがその異変を解決しようとしている。その人たちよりも弱いあなたたちが行く意味はあるのかしら?」
霊夢「…」
木葉「…紫」
紫「なに」
木葉「もしこの幻想郷が心配なら俺に任せてはくれないか?」
紫「どういうことよ」
木葉「じゃあ現実世界と幻想郷の均衡を保っているのは誰?」
紫「…光ね」
木葉「正解」
紫「…何が言いたいのよ」
木葉「幻想郷を守っているのは霊夢だけじゃないって事よ」
紫「…つまり、霊夢が現実世界に行ってる間あなたがそれを肩代わりするって事ね?」
木葉「あぁ、そういう事だ」
紫「…」
霊夢「…ダメ、なの」
紫「…」
しばらく沈黙は続いた。
紫「…分かったわよ」
霊夢「!!」
紫「行っておいで霊夢」
霊夢「…いいの?」
紫「えぇ、良いわよ」
霊夢「…ほんとに?」
紫「えぇ、ほんとに。その間は光。あなたが幻想郷を守りなさい。良いわね?」
木葉「あぁ、いいよ」
霊夢「じゃあ魔理沙たちも連れて行ってもいい?」
紫「…はぁ、いいわよ。好きにしなさい」
霊夢「やったぁ!木葉!」
木葉「良かったな。霊夢」
霊夢「うん!」
紫「光」
木葉「なんだ?」
紫「霊夢たちはこっちの世界の人よ。霊夢に何かあったらあなたが全力で守りなさい。霊夢以外の子たちもね」
木葉「…あぁ、任せろ」
紫「霊夢」
霊夢「なに」
紫「その異変が終わったらちゃんと楽しんできなさい」
霊夢「え…いいの?」
紫「えぇ、こんな機会は滅多にないからね。悔いのないように観光なり遊びなりしてきなさい」
霊夢「…紫。ありがとう」
紫「その代わり…怪我することは前提で行きなさい。向こうで遊ぶのはあくまで異変が終わってから。異変が終わるまではそんな事は考えないこと。向こうの人がどれほど強いか分からないからくれぐれも注意しなさい。分かったわね?」
霊夢「…うん。分かったわ」
紫「じゃああとは水晶を作りましょうか」
木葉「あぁ、11人分頼む」
紫「分かったわ」
シュゥゥゥゥゥゥ…
しばらくしてその水晶はできた。
紫「さ、できたわよ」
ドサッ
紫は水晶を机の上に置いた。
紫「今度は壊さないでね」
木葉「ありがとう。紫」
紫「いいわよ。その代わり光。あなたは幻想郷とあの子たちをお願いね」
木葉「あぁ、分かった」
霊夢「紫…ありがとうね。許可してくれて」
紫「…霊夢。いざとなったらあなたが光を守りなさい。いいわね?」
霊夢「うん。分かったわ」
紫「さ、行きなさい」
木葉「ほんとにありがとうな紫」
霊夢「ありがとう。紫」
紫「気をつけてね」
木葉「あぁ」
シュッ!
木葉と霊夢は神社に向かって飛んだ。
紫 (…光。頼んだわよ)
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場所…博麗神社
シュタッ
木葉と霊夢は神社に着いた。
木葉「それにしても許可してくれるなんてな」
霊夢「そうね。予想外だったわ」
木葉「さて、俺は俺の仕事をするかな」
霊夢「…ありがとう。木葉」
木葉「なにがだ?」
霊夢「…紫に許可をもらいに行ってくれて」
木葉「別にいいよ。俺も霊夢と一緒にいたいからな」
霊夢「!!」
木葉「さ、行くぞ」
霊夢「…うん」
スーッ
木葉は襖を開けた。そこには魔理沙たち含め大勢の人がいた。
魔理沙「お!木葉!どうだった!行けそうか?」
木葉「あぁ。行ってもいいってよ」
魔理沙「よっしゃ!」
レミリア「なら私たちも準備しなくちゃね」
霊夢「待って」
魔理沙「なんだぜ霊夢」
霊夢「私たちはあくまで木葉たちの手伝いをしに行くのよ。旅行じゃないの」
魔理沙「あぁ、分かってるぜ」
霊夢「でも紫はこの異変が終わったら向こうで遊んできなさいって。こんな機会は滅多にないから悔いのないように観光なり遊びなりしてきなさいって」
木葉「…」
魔理沙「なーんだ。霊夢も楽しみなんじゃないか」
霊夢「な!?」
レミリア「そうね。自分は旅行じゃないとか言っときながらその後の話ではニヤニヤしながら話してたし。説得力は皆無ね」
霊夢「うるさいわね!」
レミリア「じゃあ、とにかく準備はしないとね」
長津「なら私たちの家を拠点にしましょうか」
魔理沙「いいのか!?」
長津「えぇ、私たちの家はとても大きいので。空き部屋も沢山ありますよ」
魔理沙「やったぜ!」
レミリア「面白くなりそうね」
アリス「いい経験ができそうね」
霊夢「…木葉。ほんとにいいの?みんな連れて行って」
木葉「あぁ、俺たちがここに来る時は俺一人分の水晶しか無かったけど今は十二人分あるしな」
霊夢「そうじゃないの」
木葉「ん?」
霊夢「今の木葉の家って…」
木葉「あー壊れてるってこと?なら大丈夫よ?和人が何とかしてくれるから。な?和人」
条乃「しゃーねーな。一肌脱いでやるか」
木葉「嬉しそうだな」
条乃「やかましいわ!」
レミリア「じゃあ私たちは準備があるから戻るわね」
魔理沙「私も!」
木葉「あぁ、向こうに戻るのは明日だからな。今日はゆっくりしてくれ。あと、向こうに行ったらしばらくは戻れないからそこは注意な」
魔理沙「分かったぜ!」
木葉「じゃあ明日の…九時?十時?何時にするよ」
長津「そうだな〜。朝食済ませてからだから九時でいいかな」
木葉「分かった。じゃあ九時にここに集合してくれ」
魔理沙「分かったぜ!」
レミリア「えぇ、分かったわ」
アリス「じゃあ私たちはそろそろ」
木葉「あぁ、じゃあな」
魔理沙「明日楽しみにしてるぜ!」
レミリア「それじゃあね」
シュッ!
魔理沙たちはそれぞれの家に帰った。
木葉「…さて、俺たちもそろそろ夕食にするか」
時刻は午後六時を過ぎていた。
霊夢「そうね。明日のために今日は早く寝ないとね」
木葉「あぁ」
木葉たちはその後夕食を食べ、明日に備えて早く寝ることにした。
霊夢「…ねぇ、木葉」
木葉「ん?なんだ?」
隣で寝ている霊夢が話しかけてきた。
霊夢「こうやって寝るの、久しぶりね」
木葉「あぁ、そうだな」
霊夢「…ねぇ」
木葉「ん?」
霊夢「一緒に寝てもいい?」
木葉「…いいよ。仕方ないな」
霊夢「ありがとう」
霊夢はそう言って木葉の布団の中に入ってきた。
霊夢「…暖かい」
木葉「そりゃまぁな」
霊夢「…ねぇ、木葉」
木葉「ん?」
霊夢「明日。お願いね」
木葉「…あぁ、任せてくれ」
霊夢「…うん」
そう言って霊夢は寝た。
木葉 (全く…可愛い寝顔だな…もう少し拝んでから寝るか)
それからしばらくして木葉も寝た。
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ー翌日ー
本庄「光さーん朝ですよー」
本庄が起こしに来た。
本庄「光さー…ん…ん!?」
本庄は木葉を起こしに来たがある光景を目にした。それは木葉に巻き付くようにくっついている霊夢の姿だった。
本庄 (こ、これは…シャッターチャンス…)
スッ…
本庄はスマホを取り出した。
ピピッ…カシャッ
本庄はすばやくカメラを起動し、二人の姿を写真に収めた。本庄は撮った写真を見て微笑んだ。
本庄 (…全く、お二人は仲がいいですね。光さんも幸せそうな顔をして)
木葉「ん…んー」
木葉が目を覚ました。
本庄「光さん。朝ですよー」
木葉「ん?あぁ、朝か…おはよう。本庄」
本庄「はい。おはようございます」
木葉「??」
木葉は起き上がろうとしたが何故か起き上がれなかった。
木葉 (ん…何か…妙に重い…)
木葉はゆっくりと目を開けた。
木葉「!?」
木葉は横で寝ていたはずの霊夢が巻き付くようにくっついてるのを視認した。
木葉「…本庄。これは」
本庄「霊夢さんが起きるまでそのままでいてくださいね。決して起こしちゃダメですよ」
木葉「でも時間が、それに朝食も」
本庄「時間はまだ大丈夫ですよ。それに朝食なら私がしますから光さんは霊夢さんの機嫌を悪くしないようにここにいてください。分かりましたね」
木葉「はぁ…分かった。じゃあ任せるわ」
本庄「えぇ、任せてください」
スタスタスタ
本庄は部屋を出て朝食を作りに行った。
本庄 (ふふっ…光さん。いい写真をありがとうございますね)
木葉 (んー仕方ない。このままいるか)
木葉がそう考えていると誰かが来た。
文「お邪魔します木葉さん」
木葉「げっ…文」
そう…文々。新聞の射命丸文だった。
文「おー?これはこれは博麗の巫女が木葉さんに巻き付くように…フフフ…これはいい…」
カシャッ
文は持っていたカメラでその光景を写真に収めた。
木葉「まさか…撮ったのか…」
文「はい。バッチリと」
木葉「…け、消して」
文「ダメです。これは保存します」
木葉「じゃあそのカメラを取り上げるまで…」
文「ダメですよー霊夢さんが起きますから」
木葉「あ…」
文「それじゃあ、いっぱい撮りますね」
木葉「な!?」
カシャカシャカシャカシャ
文はこれでもかと言わんばかりにカメラに収めた。
木葉「くっ…俺が動けないことをいい事に…」
文「まぁ、霊夢さんのその姿はとても珍しいので」
木葉「はぁ…まぁ、いいや」
文「諦めましたか?」
木葉「あぁ、動けないしな」
文「それじゃあ九時に集合でしたね。楽しみにしてますね」
木葉「ん?文も行くのか?」
文「はい。記者としてあっちの世界のことも知りたいので」
木葉「はぁ…仕方ないな」
文「それではー」
文はどこかへ飛んで行った。
木葉「全く…文のやつ…」
すると霊夢が起きてきた。
霊夢「ん…んー」
木葉「おはよう霊夢」
霊夢「ん。おはよう」
木葉「今日はいるから安心して」
霊夢「うん」
ポスッ
霊夢は木葉の胸に顔を置いた。
霊夢「うん。木葉ね」
木葉「おう。俺だ」
霊夢「木葉の匂い…好き」
木葉「ありがとう。さ、本庄が朝食作ってくれてるから行こっか」
霊夢「うん」
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木葉と霊夢はその後朝食を食べ準備を済ませていた。
木葉「さ、これくらいかな」
霊夢「そうね。これくらいなら大丈夫ね」
木葉「あとはみんなを待つだけだな」
霊夢「えぇ」
そして集合時間の九時になった。みんなちゃんと集合時間に間に合っていた。
木葉「さて、みんな集まったし行くか」
フラン「ねぇ木葉!向こうには何があるの?」
木葉「んーまぁ、ここには無いものかな」
フラン「へぇー!楽しみ!」
木葉「ちゃんと傘は持ってきたか?」
フラン「うん!持ってきた!」
木葉「よしっじゃあ行くか。他のみんなは忘れ物ない?」
レミリア「私たちは大丈夫よ」
アリス「私も」
魔理沙「私も大丈夫だぜ!」
文「私も」
木葉「じゃあ行くか。智志」
長津「あぁ。みんな水晶を出して」
十二天星たちは紫色に光る水晶を取り出した。
長津「じゃあ、行くよ」
するとみんなの足元に紫色に光る魔法陣が展開された。
フラン「わわっ」
パチェ「これは移動系の魔法陣ね」
木葉「正解。じゃあ行こっか」
霊夢「えぇ」
そうして十二天星と幻想郷の人たち、小夜、美穂、琴音、後藤は現実世界に戻った。