木葉の幻想郷日記   作:バスタオル

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目的

ー翌日ー

 

光「ふぁ〜…」

 

長津「おや?光。おはよう」

 

光「んぁ?おはよう。早いな」

 

時計を見ると5時半を指していた。

 

長津「まぁな」

 

光「流石最年長者だな」

 

長津「…もしかして、からかってる?」

 

光「いんや?からかってないが」

 

長津「ならよし」

 

光「あぁ、そうだ智志。俺の腕輪どうだった?」

 

長津「あぁそうだ。お前の腕輪なんだが…何も異常はなかったぞ?」

 

光「は?異常が無かった?」

 

長津「あぁ、なにも。いつも通りだったぞ」

 

光「そんなはずはない。俺の腕から外れて尚且つ危険を知らせていた。本来なら腕についてないと起動しないはずだが?」

 

長津「だが、調べたら何も異常はなかった」

 

光「ほんとに全部調べてくれたか?」

 

長津「あぁ、調べた」

 

光「ん〜…そうか」

 

長津「また何かあったら言ってくれ」

 

光「…あぁ」

 

長津「それと霊夢さんはどうした?」

 

光「霊夢なら寝てるよ。昨日デパートに連れてったから疲れたんだと思う」

 

長津「そうか。なら良かった」

 

光「そういえば後藤さんは?」

 

長津「後藤さんならまだ寝てるよ」

 

光「そうか」

 

長津「さて、朝食作るか…」

 

光「智志、今日の朝食頼めるか?」

 

長津「あぁ、構わんがどうかしたのか?」

 

光「…いや、ちょっとな」

 

長津「…そうか」

 

光「じゃあ…」

 

そう言って光は外へ出た。

  

長津 (光のやつ…どうしたんだ?)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

光「…やっぱりか」

 

光は少し前に気配を察知していた。

 

光「…そこの人…ここで何してるんだ?」

 

すると物陰から一人の男が出てきた。

 

???「…バレていましたか。気配は消していたはずですが?」

 

光「…さぁ?何でだろうな」

 

???「…で、何か用ですか?」

 

光「…あぁ。人の家の敷地内で何してんのかなって思っただけだ」

 

???「それ、あなたに関係ありますか?」

 

光「あぁ。ここは俺ん家でもあるからな」

 

???「それで?」

 

光「お前めんどくさいな。早く要件言って。あまりダラダラと話してられないんだけど」

 

???「…」

 

光「…あのな、知らない人に家覗かれるの勘弁なんだけど。分かる?」

 

???「…」

 

光「…なぁ、そろそろなにか話せば」

 

???「…この家に女の子が三人ほどいますね?」

 

光「…」

 

???「おかしいですね。ここは最近まで瓦礫の山だったのに」

 

光「…」

 

???「何があったんでしょうね?」

 

光「…」

 

???「で?なんで瓦礫の山がこんな立派な家になってるんですか?」

 

光「俺の仲間が直したんだ」

 

???「ほう」

 

光「で?それがどうした?」

 

???「いやおかしいなと…破壊したはずの家が直ってるんですから」

 

光「!?」

 

???「私は確かにあの時破壊したはず。なのに今は何事も無かったかのようにここに建っている。おかしいですよね」

 

光「そうか…お前か」

 

???「はい?」

 

光「お前がこの家を壊したのか…」

 

???「えぇ、そうですが?」

 

光「なるほど…そうか」

 

???「…何言ってるんですか?」

 

光「お前のせいであの子たち含め俺たちは死にかけた。お前のせいでな」

 

???「そのまま死んでくれたら良かったんですがね?」

 

ガシッ

光はその男の胸ぐらを掴んだ。

 

光「…あまり命を軽視する発言はするな」

 

???「何言ってるんですか?あなたもそうしたんじゃないですか?」

 

光「なんだと?」

 

???「あなたのに比べたら私なんて言葉ですから軽いもんですよ」

 

光「何が言いたい」

 

???「あなたは昔ドレインとなった人間を元に戻さず殺していた。行動しているあなたの方がよっぽど命を軽視していませんか?」

 

光「なるほど。つまり自分の方がマシだと?」

 

???「えぇ、そうですね」

 

光「じゃあなんだ?お前はそのドレインになった人の中で大切な人でもいたのか?」

 

???「えぇ、いましたが」

 

光「誰だ?」

 

???「…三宮寺(さんぐうじ) 八重(やえ)

 

光「三宮寺…八重…」

 

???「あぁ、そいつが俺にとって大切な人だ」

 

光「…そうか」

 

光は腕を下ろした。

 

光「あの人…ドレインになっていたのか」

 

???「あぁ、そしてお前に殺された」

 

光「…」

 

???「だがまぁいい。もう少しすれば蘇る」

 

光「なんだと!?」

 

???「私は今、八重を蘇らせる実験をしている」

 

光「人の蘇生は重罪だぞ!責任は重い!」

 

???「だがそれで大切な人が生き返るなら…」

 

光「…お前はほんとに蘇ると思っているのか?」

 

???「あぁ、蘇る」

 

光「その根拠は?」

 

???「…八重の魂は三つに分散している」

 

光「…」

 

???「お前なら分かるだろ?三つに分散した魂…」

 

光「…あの子たちか…」

 

???「そうだ。あの三人がいれば八重は蘇る」

 

光「それで?あの子たちをどうするつもりだ?」

 

???「あいつらの中から八重の能力を取り出す」

 

光「…なら断る」

 

???「…なんだと」

 

光「あの子たちから色々聞いた。能力を取り出すために傷つけられたとな」

 

???「…話したのか」

 

光「あぁ。その反応からして本当のようだな」

 

???「…」

 

光「…帰れ。今なら見逃す。あの子たちを守るのが今の俺たちの仕事だ。下手をするとお前死ぬぞ?」

 

???「…」

 

光「…」

 

しばらく沈黙が続いた。

 

???「…いいでしょう。ここは一旦退きます。ですが、すぐにまた来ます。その時は…戦争を覚悟してください」

 

光「…殺し合いか…」

 

???「…私は八重が蘇ればそれでいい。その過程は考えない」

 

光「…そうか、ならこちらも手は抜かない」

 

???「楽しみにしててくださいね。あなたの好きな人たちが傷つくさまを見せてあげます」

 

光「…」

 

???「…それでは」

 

コツコツコツ

その男はその場から立ち去った。

 

光 (…戦争か、嫌な言葉だ)

 

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ガチャ

光が外から帰ってきた。

 

長津「おや光。何かあったのか?」

 

光「あぁ。ちょっと話したいことができた」

 

長津「そうか。まぁまずは朝食を済ませてくれ。話はその後で」

 

光「…あぁ」

 

光はその後朝食を食べ、智志と話していた。

 

長津「それで、何があったんだ?」

 

光「…さっきあの子たちを傷つけていたやつと話をしてきた」

 

長津「どういう事だ?」

 

光「…そいつは外にいたんだ。俺が気配を察知してなかったらどうなってたか」

 

長津「…とりあえず何を話したんだ?」

 

光「三宮寺 八重…彼女を蘇らせるためにあの子たちが必要だと」

 

長津「三宮寺 八重…」

 

光「あぁ、彼女は元々俺の母さんの友人だった。そして………後藤さんの嫁さんでもあった」

 

長津「…」

 

光「だが彼女はドレインに取り込まれ、俺が殺したらしいんだ」

 

長津「…」

 

光「あの事件以降な…」

 

長津「…そうだったのか」

 

光「あぁ、だからあいつは三宮寺 八重を蘇らせるためにあの子たちから能力を取り出そうとしていたらしい」

 

後藤「それは本当ですか!?」

 

光「!?」

 

長津「!?」

 

声のした方を見ると後藤さんがそこにいた。

 

後藤「さっきの話、本当ですか!?」

 

光「あぁ、本当だ。本人から聞いた」

 

後藤「…なんと、私に隠れてそんな事を…」

 

長津「あなたは八重さんが蘇って欲しいですか?」

 

後藤「…蘇って欲しくないと言うと嘘になります。あの日から顔は見れずもう二年も経ちました。もう一度だけ、顔を見たいですね」

 

光「…ひとつ言っておく」

 

後藤「はい。何でしょうか」

 

光「八重を蘇らせるためにはあの子たちが必要だ」

 

後藤「!?」

 

光「あいつ曰く、八重の魂は三つに分散した。その分散した先はあの子たちだと」

 

後藤「…」

 

光「早い話、あの子たちから能力を取り出せば八重は蘇るらしい」

 

後藤「…ダメです。あの子たちは私たちの子供です。絶対に渡しません」

 

光「…その言葉、待ってたよ」

 

長津「ならどうしますか?あの子たちを守りますか?それとも八重さんを蘇らせますか?」

 

後藤「…もちろん、あの子たちを守ります。きっと八重もそう思うだろうし」

 

長津「…分かりました」

 

光「なら決まりだな」

 

長津「…あぁ、あの子たちを守ろう」

 

しばらくして早乙女が起きてきた。

 

早乙女「みなさん…おはようございます」

 

光「おはよう渚」

 

長津「おはよう」

 

早乙女「みなさん早いですね…私はまだ眠いです」

 

光「ならもう少し寝るのもいいぞ」

 

早乙女「…そうしま〜す」

 

パタン

早乙女はソファに横になった。

 

光「…さて、守るか…あいつから」

 

長津「…あぁ」

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