木葉の幻想郷日記   作:バスタオル

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真実の質問

場所:???

 

???「それで?やつは見つかったのか?

 

???「あぁ、見つかったよ」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ

???は煙に包まれた。

  

篠澤「…姿を変えただけで俺と認識しなかった。天秤座も落ちぶれたものだよ」

 

???「…そうか」

 

篠澤「…あの子たちがいれば本当に生き返らせることができるんだな?」

 

???「あぁ、できる」

 

篠澤「…なら、信じるぞ…」

 

???「…あぁ」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

光「それで、そいつは一旦退いたがまたすぐに来る。俺たちはここで戦争しなければならない」

 

霊夢「でもそれって」

 

魔理沙「この世界が壊れたりしないのか?」

 

矢巾「壊れますね。確実に」

 

三室「だが守るためだ。仕方ない」

 

条乃「壊れたところは俺が直してやるよ」

 

本庄「そうですね。壊れても条乃さんがいますしね」

 

長津「んー…でもそうなるとこの子たちが…」

 

早乙女「この子たちは私が守ります!」

 

レミリア「その前にそいつらを倒せばいいのよね?」

 

長津「えぇ。この子たちがあの人たちの手に渡れば何が起こるかわからない。早急に叩けばいいんですが…」

 

倉本「それが難しいんですよね…」

 

長津「…あぁ」

 

レミリア「なら私たちも力を尽くしましょうか」

 

咲夜「そうですね」

 

長津「良いんですか!?」

 

レミリア「えぇ、そのためにここに来たんだから」

 

長津「ありがとうございます」

 

光「ならこの後どうするかだな」

 

長津「あぁ、向こうが何をするか分からない。そして向こうは俺たちのことを知っているようだ。戦況は不利にある」

 

パチェ「それは私たちも含まれているのかしら?」

 

長津「え?」

 

パチェ「あなたたちは知られて当然なのだけれど私たちは別世界の人よ。なら知られてない可能性もある」

 

長津「確かに…」

 

霊夢「そうね。私たちが叩きに行けば敵は混乱するでしょうね」

 

光「…可能性はあるが」

 

レミリア「どうしたのかしら?」

 

光「…」

  

光はこの時、ライブラとの戦闘を思い出していた。霊夢たちが束になって戦ってもみんな倒された。今回も同じようになるんじゃないかと考えていた。

 

風和瀬「…そういう事ですか」

 

レミリア「どういう事かしら?」

 

風和瀬「光さんはライブラさんとの戦いが頭をよぎったんです」

 

レミリア「ライブラ…」

 

風和瀬「はい。あの時も霊夢さんたちはライブラさんに挑みましたが倒されてしまった。今回もそうなるんじゃないかって思ってるんです」

 

霊夢「…」

 

魔理沙「…確かにそうなる可能性もある」

 

レミリア「…それはライブラだったからよ。相手が人間なら私たちは負けないわ」

 

光「…良いよ。みんなでこの子たちを守ろう」

 

長津「…あぁ、その方がいい」

 

光「霊夢。お願い出来る?」

 

霊夢「もちろんよ!」

 

光「ありがとう」

 

魔理沙「それで具体的に何するんだぜ?」

 

光「それは相手が動かない限りなんとも」

 

レミリア「ならこっちから動けばいいじゃない」

 

光「え?」

 

レミリア「叩けば勝てるなら先にこっちが動けば事は早く済むでしょ?」

 

光「…確かにそうだが」

 

佐野守「相手が何するか分からないから迂闊に手を出せないんです」

 

レミリア「…」

 

立花「…あぁ、分からない相手に攻撃するのはリスクがある。それにこっちはこの子たちを守らなければならない。こっちの方が不利になっている」

 

レミリア「…そうね」

 

長津「さ、ならどうするかだが…」

 

ガタガタガタガタ

家中に妙な音が響き始めた。

 

光「…何だこの音は」

 

長津「…今までこんなことは無かったが…」

 

倉本「もしかして」

 

風和瀬「…敵が来ました」

 

矢巾「光さん!敵が複数人います!」

 

光「な!?」

 

矢巾「家の前に三人ほど!」

 

レミリア「三人なら勝てるわね」

 

咲夜「えぇ、でも…」

 

早乙女「小夜ちゃん!美穂ちゃん!琴音ちゃん!こっちに来て!」

 

小夜「はい!」

美穂「はい!」

琴音「はい!」

 

早乙女「私から離れちゃダメだからね!」

 

小夜「分かりました!」

 

ガタガタガタガタ

妙な音は次第に大きくなっていく。

 

光「智志…これはちょっとヤバいかもな」

 

長津「…ああ」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

すると突然光に包まれた。

 

光「くっ…」

 

しばらくすると光は消えていった。

 

光「一体何が」

 

光「!?」

 

光が目を開けた時、目の前にいたはずのみんながいなくなっていた。

 

光「おい!みんな!どこにいる!智志!霊夢!魔理沙!渚!」

 

光が声を出したが誰も返事をしなかった。

 

光「これはヤバイな…」

 

コツコツコツ

足音が聞こえる。光はそちらを向いた。すると一人の男がいた。

 

光「…またお前か」

 

篠澤「えぇ、これで会うのは三回目ですね」

 

光「は?俺たちが会ったのは二回目だろ」

 

篠澤「いえ、三回目ですよ。一回目は研究所で。二回目は先程。三回目は今ですね」

 

光「朝家を覗いていたやつはお前だったのか」

 

篠澤「えぇ、私ですね」

 

光「それで?みんなは何処へやった?」

 

篠澤「私は知りませんよ。私がやった訳ではありませんので」

 

光「なんだと?」

 

スタッスタッ

光が聞き返すと二人の人物が現れた。

 

光「誰だ?お前ら」

 

???「私は桐谷(きりたに) (すず)

 

???「俺は小野(おの) 裕也(ゆうや)

 

光「…で?何の用だ」

 

篠澤「この人たちがみなさんを別々の場所へ転送しました」

 

光「…そうか、なら聞くぞ。皆はどこだ?」

 

小野「教えるわけないだろ」

 

桐谷「それだと飛ばした意味がないしね」

 

光「そうか。で?お前らは能力でも持ってるのか?」

 

桐谷「えぇ、持ってますね」

 

小野「普段は隠して生活していたからな」

 

光「てことは、この世界にはまだ能力を持っている人がいるわけか…」

 

小野「さぁ?」

 

光「能力持ちは俺たちだけかと思っていたが」

 

篠澤「そんな事はどうでもいい」

 

光「…」

 

篠澤「あの子たちはこちらで預かっている。返して欲しかったら…」

 

ドカドカドカッ!

光は篠澤に三発拳を入れた。

 

篠澤「ゴフッ…」

 

桐谷「篠澤さん!」

 

小野「野郎…」

 

光「どうでもいいがなお前ら。油断するなよ」

 

小野「なんだと」

 

光「お前らの前にいるのは十二天星 第七星座 天秤座だぞ。相手を間違えるな。その気になればお前らは数秒でこの世とさよなら出来るんだぞ?」

 

桐谷「…」

 

光「お前らそんなやつを前にして…」

 

小野「!?」

 

ビリビリビリ…

光の周りの空気が重くなった。

 

桐谷「なに…この圧…」

 

小野「…分からねぇ。だがこれはヤバイな」

 

光「…よくもまぁ、取り引きできるなんて思ったな」

 

小野「!?」

 

グラグラ…グラグラ…

周りの空気が重くなるにつれて景色が崩れ始めた。

 

小野「なんだ!これは!」

 

桐谷「空間が…歪んでいる…」

 

篠澤「クッ…バケモノめ」

 

光「で?お前ら」

 

小野「!?」

 

桐谷「!?」

 

光の右目に七の文字、左目に天秤の紋章が刻まれていた。

 

光「…みんながどこに行ったか教えないのか?」

 

桐谷「…」

 

小野「…」

 

光「教えないみたいだな…なら…真実の質問だ…」

 

光「今から出す質問に正直に答えろ。嘘はつくな。正直に答えなければこの世とおさらばだ。正直に答えれば見逃してやる」

 

小野「ほんとか!」

 

桐谷「見逃してくれるのね!」

 

光「…」

 

篠澤「待て…お前ら…」

 

小野「何が聞きたい!」

 

桐谷「なんでも答えるわ!」

 

光「…信用できないやつが仲間にいるんだな。お前…」

 

篠澤「お前ら…」

 

光「なら質問だ。お前らの能力はなんだ?」

 

小野「俺は空間を喰らう能力だ」

 

桐谷「私は意識を飛ばす能力よ」

 

光「お前らの能力は生まれつきか?」

 

小野「いや、これは人工的に作り出した薬によって得たものだ」

 

光「薬か」

 

桐谷「えぇそうよ!私たちは元々普通の人間だったけど薬を飲んで強くなったの!」

 

光「なら…みんなを何処へやった」

 

小野「…」

 

桐谷「…」

 

光「答えないのか?」

 

小野「…答えられない」

 

光「なら質問を変えよう。皆がどこにいるのか知ってるのか?」

 

桐谷「…知らない」

 

ピピピピピピピ!

どこからかいきなり音が鳴りだした。

 

小野「なんだ…この音は…」

 

光「…お前、ほんとはどこにいるか知ってるな?」

 

桐谷「し、知らないわよ!」

 

ピピピピピピピ!

また同じ音が聞こえた。

 

桐谷「!?」

 

光「…言ったよな?正直に答えれば見逃すって。嘘をつけばこの世とおさらばだって。お前は死にたいんだな?」

 

桐谷「い、嫌!死にたくない!言うわ!ほんとのこと言うわ!知ってる!どこに行ったのかも全部!」

 

光「…もう遅い」

 

ズオッ…ガシッ!ガシッ!

すると桐谷の足元が黒くなった。そしてそこから出てきた真っ黒な手が桐谷の腕や足を掴んだ。

  

桐谷「嫌!嫌!やめて!離して!死にたくない!嫌だ!やめて!」 

 

ズォォォォォォ…

桐谷はそのままそこへ引きずり込まれた。

 

桐谷「嫌だーーーーー!」

 

ヒュォォォォォォォ…

その後その黒いものは消え、静寂が訪れた。 

 

小野「な、なんだ…今のは…」

 

光「あれは裁きの門。真実の質問に背くとあんな感じに引きずり込まれる」

 

小野「…」

 

光「お前も見て分かっただろう。嘘をつく重さ。ルールに反する重大さを」

 

小野「…」

 

光「…質問だ」

 

小野「!?」

 

小野はビクッと身体を震わせた。

 

光「…お前はみんなが何処にいるか知ってるのか?」

 

小野「…俺は空間を喰らうだけだから分からない」

 

光「…」

 

先程の音は聞こえなかった。

 

光「嘘はついてないようだな。ならお前はこれからどうするつもりだ」

 

小野「お、俺は…契約があって…その期間がもうすぐ終わるから…その期間が終われば…ここを…離れる…」

 

光「…お前らの持つ能力は勝手に埋め込まれたのか。それとも自分から志願したのか?」

 

小野「俺も桐谷も勝手に薬を飲まされたんだ」

 

光「…その能力はいるのか?いらないのか?」

 

小野「…いらない。俺は…普通の人間として生きたい…こんな力なんて…いらない」

 

光「…最後の質問だ」

 

小野「!!」

 

光「正直に答えろ。お前の答え次第でお前らの運命は変わる」

 

小野「…」

 

光「…お前らには…帰りを待つ家族はいるか?」

 

小野「!!」

 

光「お前だけではない…さっきのやつもそうだ。お前らには帰りを待つ家族や大切な人はいるか?」

 

小野「…今はいない。さっきのやつが俺の彼女だ」

 

光「…」

 

小野「俺たちが二人で散歩してたら篠澤さんに助けて欲しいと言われた。だから俺たちは篠澤さんを助けることにした。だがそれがこんな事になるとは…俺たちは思ってもいなかった」

 

光「なぜお前らは苗字で呼んでいる?」

 

小野「相手に悟られないためだ。もし付き合ってることがバレたら鈴が人質になるかもしれないと思ったからだ」

 

光「人質だと?」

 

小野「俺たちは全く知らない赤の他人として篠澤さんに仕えていた。そうすることで人質を取られないようにしていたんだ」

 

篠澤「なんだと…」

 

小野「俺たちはお互いが危険な目に遭わないように呼び方を変えていたんだ」

 

篠澤「じゃあ初めから俺を騙していたのか!」

 

光「おい。黙れよ。先に騙したのはお前の方だろうが。口を出すな」

 

篠澤「クッ…」

 

小野「俺の大切な人は鈴だ。桐谷 鈴。彼女はこんな俺でも好いてくれた、たった一人の女性だ」

 

光「…質問は以上だ」

 

小野「!!」

 

篠澤「!?」

 

光「お前は最後まで正直に答えてくれた。その真面目さ…悪くない。普通の生活に戻るまで俺が守ろう。彼女さんを大切にしろよ」

 

小野「それは…どういう…」

 

光はその時、何かを唱えた。すると黄色く光る魔法陣が展開された。

  

小野「!!」

 

するとそこから桐谷 鈴が現れた。

  

小野「鈴!」

 

小野は桐谷を抱きしめた。

 

桐谷「!!」

 

小野「鈴!良かった…生きてた」

 

桐谷「小野…どうしたの?」

 

小野「鈴…もういいよ。もう、他人のフリをしなくてもいいんだよ」

 

桐谷「え…ほんとに…良いの?」

 

小野「あぁ、いいよ」

 

桐谷「…裕也!」

 

桐谷は小野を抱き返した。

 

小野「鈴…」

 

桐谷「裕也…」

 

小野「鈴…怪我はなかったかい?」

 

桐谷「うん。あの後知らない空間に飛ばされたけど何も無かったよ。痛みも何も」

 

小野「そっか…良かった…」

 

桐谷「うん…ごめんね。嘘ついちゃって…」

 

小野「いいよ。この人が鈴を助けてくれたから」

 

桐谷「ほんとに…ありがとうございます」

 

光「あぁ、構わないよ」

 

小野「ほんとに…ありがとうございます!」

 

光「その代わり…その子をしっかり守りなさい。良いね?」

 

小野「…はい!」

 

光「さ、今の君たちにはその枷は必要ないね」

 

桐谷「枷?」

 

光は天秤の能力を使った。

 

光「消・え・な・さ・い」

  

シューーーッ

すると小野と桐谷の体を光が包んだ。

 

キィン! 

何かが外れた音がした。するとその光は徐々に消えていった。

 

小野「…一体何が」

 

桐谷「…何も変わってないけど」

 

光「二人の持つ能力を解除しました」

 

小野「!!」

 

光「あと、契約とやらもね」

 

桐谷「!!」

 

光「これで大丈夫。家に帰れるよ」

 

小野「ありがとうございます!」

 

桐谷「ほんとに…ありがとうございます!」

 

光「あぁ。さ、後ろにゲートがあるから帰りな」

 

小野「はい!」

 

タッタッタッ 

二人はゲートに向かって走った。やがて二人の姿は消えた。 

 

光「…さて、あとはお前だ。お前はどうするよ?仲間は帰った。あとはお前だけだ」

 

篠澤「…」

 

光「このまま死を待つか?」

 

篠澤「私は…まだ…死なない!」

 

スッ…

すると篠澤は右手を上げた。 

 

篠澤「私はまだ…死なない!八重を生き返らせるまでは!」 

 

すると篠澤の周りを煙が覆った。しばらくすると煙はなくなりそこに篠澤はいなかった。 

 

光「…逃げたか。まぁ、いい」

 

光はそのまま能力を解除した。すると歪んでいたはずの空間は元に戻りいつものリビングに戻った。 

 

光「…結局聞き出せなかったな…でもまぁ、あいつらはもう関わらせるわけにはいかないな。仕方ない…自力で探すか…」

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