木葉の幻想郷日記   作:バスタオル

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篠澤の戦い

???「それで?おめおめと逃げ出してきたと?」

 

篠澤「…はい」

 

???「お前…残りの二人はどうした」

 

篠澤「…契約と能力を解除され、普通の人間に戻り、どこかへ居なくなりました」

 

???「なんだと…」

 

ギリギリギリ 

???は歯ぎしりをした。

 

???「俺の能力を上書きしただと…」

 

篠澤「…はい」

 

???「てことはあの二人は生き返ったってことになるぞ」

 

篠澤「…はい」

 

???「あの野郎…あの時殺していれば今頃俺がこの世界を支配していた…天秤…お前は二度も俺の前に立つか…」

 

篠澤「…」

 

???「腹立たしい…腹立たしい…」

 

篠澤「…」

 

???「…篠澤」

 

篠澤「…はい」

 

???「…最後のチャンスだ。天秤を始末しろ」

 

篠澤「…」

 

???「…返事がないぞ」

 

篠澤「…できません」

 

???「なんだと?」

 

篠澤「…残念ながら私では力不足です。天秤と対峙した時、私はあいつに一撃も与えられず逃げ出しました。こんな私では天秤には勝てません」

 

???「…なら、お前も俺の駒になれ」

 

篠澤「!!」

 

ドスッ!

???は篠澤を刃物で刺した。 

 

篠澤「…ゴフッ」

 

ドバドバ… 

篠澤は血を吐いた。

  

???「…俺の命令に従えないなら俺が無理やり従わせてやろう。死をもって支配するこの能力で」

 

篠澤「…くっ」

 

ドサッ…

篠澤は力なく倒れた。

 

???「…立て篠澤」

  

スッ…

すると先程死んだはずの篠澤が立ち上がった。

  

???「…篠澤。天秤を始末しろ。手段は問わない」

 

篠澤「…はい」

  

コツコツコツ 

篠澤はその場をあとにした。

  

???「あの野郎…あの時は沙耶という盾があった…負けるはずがなかった。だが奴は沙耶ごと俺を消した…天秤の能力で…憎い…憎い…腹立たしい…腹立たしい…ますます殺したくなる…沙耶はもういない…盾は…そうだな…三宮寺八重…お前を盾として使わせてもらうぞ」

 

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コツコツコツ 

篠澤は歩いていた。向かう先は…

 

後藤「!!」

  

後藤がいるところだった。後藤は小野と桐谷の能力でみんなとは違う場所に転送されていた。今は牢獄に入れられていた。

 

後藤「…篠澤…何しに来たんだ」

 

篠澤「…」

 

カチャカチャカチャ…ガシャン!

篠澤は後藤のいる牢獄の鍵を開けた。

  

後藤「!?」

 

篠澤「…出ろ」

 

後藤「…」

 

後藤は言われるがまま牢獄を出た。

  

後藤「…なぜ出してくれたんだ」

 

篠澤「…分からない。八重がそうしろって言った気がしたからだ」

 

後藤「!!」

 

篠澤「…すまないな巻き込んでしまって。俺はただ八重を生き返らせたいだけなんだ」

 

後藤「!!」

 

篠澤「…だがもう、俺には時間が無い。いずれ、お前の敵として立ち塞がるだろう」

 

後藤「どういうことだ…」

 

篠澤「後藤…いや、直樹」

 

後藤「!!」

 

篠澤「お前があの子たちから能力を取り出そうとしていたのはあの子たちにかかる体への負担を減らす為だったんだろう?」

 

後藤「…あぁ」

 

篠澤「最初は俺もその考えに賛成だったんだ。だがある日、俺はある奴から八重を生き返らせる方法を聞いた」

 

後藤「!!」

 

篠澤「そいつは言った。八重が持っていた人としての力を集めることで生き返らせることが出来ると」

 

後藤「なんだと」

 

篠澤「俺はお前と八重と昔みたいに笑い合いたかった。だから俺はあいつの言ったことに従いお前に隠れてあの子たちから能力を取り出そうとした」

 

後藤「…なんと」

 

篠澤「すまない…こんなはずじゃなかったんだ…」

 

後藤「…」

 

篠澤「…なぁ、直樹」

 

後藤「…なんだ」

 

篠澤「…あの人たちに伝えてくれ。あいつの目的は八重を生き返らせるのではなくこの世界を支配することだと」

 

後藤「支配…」

 

篠澤「あぁ、俺もさっきまで知らなかった。だが、俺はあいつに殺され操られている。もう少ししたらまともに話せなくなるだろう」

 

後藤「死んだ?どういう事だ…お前は立っている。触れることが出来る。そんなお前が…死んだ…だと」

 

篠澤「…あぁ、死んだ。俺はその時あいつの能力の影響を受けた。それと同時にあいつの考えていることも読めるようになった」

 

後藤「なん…だと」

 

篠澤「…だから伝えてくれ。あいつは生き返らせるのではなくこの世界を支配しようとしているのだと」

 

後藤「…分かった」

 

篠澤「…なら早くここを出てくれ。俺が意識を失えばお前を襲うだろう。…手加減なしで」

 

後藤「…分かった。あの人たちに伝えるよ。でも、伝えてどうすればいい?」

 

篠澤「あいつを…殺してくれ。そうすればこの世界は支配されずお前らが平和に暮らせる」

 

後藤「…分かった。あとは任せてくれ」

 

篠澤「あぁ…任せたぞ」

 

タッタッタッ 

後藤はその場をあとにした。 

 

篠澤「…俺ができるのはここまでだぞ。次は…敵として…会うだろう…」

  

篠澤は走り去る後藤の背中を見て微笑んだ。

  

篠澤「…またいつか、俺とお前と八重の三人で…笑い合えたらいいな。…なぁ、友よ」

 

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タッタッタッ

私は走っていた。研究者になってからというもの運動はしてこなかった為、足は遅く、すぐに疲れる。だが友人の最後の頼みを叶えるため、私はあの方たちの元へ走り続ける。

  

後藤「…篠澤。いや、凛。お前の頼み…叶えてやるからな…だから少しの間だけ…待っててくれ」

 

タッタッタッタッ! 

そう言って私は走り続けた。

 

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その頃光たちは…

 

光「…さて、どうするか」

 

長津「危険だからここにいさせるのもありだけど」

 

レミリア「それだと私たちが来た意味ないでしょ?」

 

光「…確かに」

 

長津「でもみんなが危険な目に遭うよ。僕は客人を怪我させるのは好きではない」

 

光「そりゃ誰も好かんだろ」

 

レミリア「…じゃあ私たちが来た意味は?」

 

長津「…」

 

光「…」

 

霊夢「…木葉。私たちも手伝わせてよ」

 

光「…んー」

 

レミリア「私たちはあなたたちと比べれば弱いだろうけど普通の人間よりは強いからね?」

 

光「そうだな」

 

霊夢「だから手伝わせてよ!」

 

光「…」

 

魔理沙「木葉。私からもお願いするぜ」

 

光「…分かった」

 

長津「光!」

 

光「智志。何かあったら俺がみんなを守るから。それで許してくれ」

 

長津「…光がそう言うなら」

 

レミリア「決まりね」

 

魔理沙「よっしゃ!ひと暴れ出来るぜ!」

 

光「その代わりあまり騒がしくしちゃダメだよ?」

 

魔理沙「なんでだ?」

 

光「みんなはこっちの世界の人じゃないからね。空を飛ぶだけでも人として見てくれなくなる。魔法使いや吸血鬼はこの世界には存在しないからね」

 

魔理沙「そうなるとどうなるんだぜ?」

 

光「そりゃ、みんなが危険になる。すぐにでも幻想郷に帰らなければならないくらいに」

 

霊夢「…そこまで」

 

光「あぁ、だからあまり騒がしくしちゃダメだよ?」

 

魔理沙「分かったぜ!」

 

霊夢「あんた返事だけは一人前ね」

 

魔理沙「まぁな!」

 

ギィィィィィィィィ…

そうこう話していると玄関が開く音がした。 

 

ガチャン!タッタッタッ 

足音が聞こえてくる。

  

光「ん?なんだ?誰か来たのか?」

  

みんなが玄関に通じるドアを見た。少しして誰かが入ってきた。

 

バンッ! 

ドアは勢いよく開いた。

 

光「後藤さん?」

 

後藤「ハァ…ハァ…ハァ…」

 

後藤は汗をかいていた。あの場所からここまでずっと走っていたからだ。

 

後藤「みんな…聞いてくれ…」

 

長津「ちょ、後藤さんその前になにか飲み物を」

 

後藤「あ、あぁ。すまない」

 

長津は後藤に飲み物を渡し、少し休憩した。

 

長津「それで、どうしたんです?」

 

後藤「あぁ、それが…」

 

後藤はさっきあったことを全て話した。

 

光「…そういう事だったのか」

 

後藤「はい。私の友人もそいつに殺されました。ですが、彼はそんな状態になりながらも私を逃がしてくれました。私はそんな友人のために頼み事を引き受けたんです」

 

光「なるほどね」

 

長津「これは、早急に手を打つ必要がありそうだね」

 

光「あの子たちはどうするよ。ここに置いとくか?」

 

長津「そうだね。その方が良いだろう」

 

光「分かった。渚」

 

早乙女「ん?」

 

光「俺たちは奴を叩きに行く。その間、この子たちをお願いできるか?」

 

早乙女「うん!任せて!」

 

光「よしっ!なら行動は明日だな」

 

長津「あぁ、今日はもう遅いから明日その人をを叩きに行こうか」

 

条乃「よっしゃ!ボコボコにしてやるぜ!」

 

レミリア「あら?今からじゃないのね」

 

光「あぁ、俺たちは夜になると眠くなるからな」

 

レミリア「ふーん。なら明日存分に楽しませてもらわないとね」

 

光「あ、そうだ」

 

長津「どうしたの?」

 

光「向こうにはみんなで行くのか?それともこっちに何人か残すか?」

 

長津「あー残した方が良いだろう」

 

光「なら、あとで分けておくか」

 

長津「あぁ、そうだね」

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