木葉の幻想郷日記   作:バスタオル

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光の暴走

シュゥゥゥゥゥ…

光はゲートを通り方界へ足を踏み入れた。そこはどこを見渡しても何も無い。ただ一面に水平線が広がっていた。

 

奈落「…来たか」

 

光「…あぁ」

 

奈落「なら、こうしないとな」

 

パチン! 

奈落は指を鳴らした。

 

ブォン! 

家で待機している人たちの前に大きなスクリーンが現れた。

  

奈落「これで俺たちが見えるだろう」

 

光「何をした」

 

奈落「なぁに俺たちの様子がわかるようにしただけだ。害はない」

 

光「…で、八重さんは無事なんだろうな?」

 

奈落「あぁ、まだ手をつけていない。さぁやろうぜ!殺し合いを!」

 

光「…あぁ、そうだな」

 

ドゴォン!

光の拳は奈落の腹を捉えていた。

 

奈落「ごふっ」

 

ドサッ!

奈落は膝を着いた。

 

光「…すまないがそう時間は作ってやれない。さっさと死んでくれや」

 

奈落「へ…それが均衡を保つやつの言葉か?」

 

光「均衡を崩そうとしているやつには容赦しねぇよ」

 

奈落「なら、これならどうだ!」

 

シュッ!

奈落は地を蹴り一気に距離を詰めた。

 

光「…」

 

ドゴォン!

光は奈落の肩に拳を振った。

 

奈落「な…なんだと…」

 

光「…遅い。見えてんだよ。その速度じゃ俺に触れることも出来んぞ」

 

奈落「くっ…デタラメな力よ」

 

光「…降参したらどうだ。気を張ってる状態の俺を相手にするのは酷だぞ」

 

奈落「なぁに…ちょっと油断しただけだ」

 

光「…そうか」

 

ドカッ!

光の攻撃はまた奈落に命中した。

 

奈落「うぐっ…」

 

光「…最後まで戦えよ?」

 

ドカッ!

光はさらに攻撃を重ねる。

 

奈落「くっ…」

 

光「…おい。まさかこれで終わりとか言わねぇよな」

 

奈落「言うわけねぇだろうが!」

 

ヒュッ

奈落は光を殴ろうとしたが届かなかった。

  

光「…」

 

奈落「まだ…まだだ」

 

ググッ!

奈落は力を込めた。

 

奈落「覚悟しろよ!おらぁ!」

 

ドカッ!

奈落は光を殴った。

 

光「…いい攻撃だ」

 

奈落「な…」

 

光「だが弱い…お前よくこれで復讐とかほざいてたな」

 

ドゴォン!

光は重い一撃を放った。

 

奈落「ぐぁっ…」

  

ドサッ…

奈落は膝を着いた。

 

光「…」

 

奈落「なら、最終手段だ」

 

シュゥゥゥゥゥ!

奈落のゲートが開いた。

 

霊夢「な!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

霊夢はその中に吸い込まれていった。

 

魔理沙「霊夢!」

 

レミリア「霊夢!」

 

早乙女「霊夢さん!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ガシッ

奈落は突然出てきた霊夢を掴んだ。

 

光「!!」

 

霊夢「あっ…がっ…」

 

奈落「動くな!こいつの命が惜しかったらそのまま動くな!」

 

光「…おい。その人を離せよ」

 

奈落「動いたら死ぬぞ?こいつ」

 

光「…」

 

霊夢「木葉…私は…大丈夫…だから…」

 

光「…」

 

奈落「そのまま動くなよ?」

 

カチャ…

奈落は銃を構えた。

 

光「!!」

 

ザッ! 

光は足を一歩前に出した。

 

奈落「動いたな?」

  

バーン! ドサッ…

霊夢は銃で撃たれ、その場に倒れ込んだ。 

 

光「お前…よくも…」

 

ジジジ…ジジジジジ!

光の周りの空気が重くなった。

 

ギギギギギギギ…

地面が妙な音を立てた。

 

奈落「ん?」

 

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その頃みんなは

 

長津「な!?光!」

 

レミリア「どうしたのかしら?」

 

長津「光が…暴走している…」

 

早乙女「え!?」

 

レミリア「暴走するとどうなるのかしら」

 

長津「…崩壊現象が起こります」

 

パチェ「崩壊現象…」

 

長津「えぇ、そうなったら方界は維持できません」

 

アリス「つまり空間ごと崩壊させてしまうのね」

 

長津「そんな感じです…」

 

レミリア「でも木葉にはそんな能力は…」

 

長津「光の能力は音と言霊、透視と低下です。音と言霊を使えば崩壊現象を起こすのは容易いことです」

 

アリス「じゃあなんでそうなったのかしら」

 

長津「…それは、分かりません。ですが、崩壊現象が起これば光の体はもたないでしょう」

 

霊夢「!!」

 

長津「自滅必死の諸刃の剣…光が本気を出せば自分もろとも崩壊します」

 

霊夢 (…木葉)

 

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奈落「な…ちょっと幻覚を見せただけでこれか…マズイことをした…俺、死ぬのか?」

 

光「くっ…て、ててて、て…めぇ…」

 

奈落 (言葉までおかしくなっている…本格的にヤバそうだ)

 

光「て…ててて…てんんんびびん…き…ききききゅうううう…」

 

奈落「!!」

 

光「きききんんんききき…アアアンンンンチチチチェチェチェチェイイイイィィィンンンンン…ココココァァアアアアァ」

  

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

地面が揺れ始めた。

 

奈落「な!?」

  

ピシッ!バキバキバキバキバキ!!

亀裂が走り、方界は崩壊し始めていた。

  

奈落 (な…この空間が…崩れていく…これが…天秤の…本気か?)

 

光「お…おおお…まままま…えぇぇぇえ…もももももも…くくくくく…くずずずずず…れれれれれ…ろろろろろろ」

 

奈落「なんだと!?」

 

ピシピシ!

奈落は姿を維持する機能を失い、崩壊し始めていた。

 

奈落「ま、またか…また俺は…こんな死に方をするのか…そうはさせんぞ!お前に一矢報いてやる!」

 

奈落は光に攻撃をした。

 

奈落「闇虐(あんぎゃく) 楼影深炎(ろうえいしんえん)!」

  

ドーン!

光はその攻撃を受けた。

 

光「て、てててて…きききききき…のののの…ここここ…ううう…げげげ…きききき…ををを…かかかか…んんん…ちちち…」

 

光は言霊の能力を使った。

 

光「ききききき…ええええええ…ささささささ…れれれれれ…」

 

奈落「な!?」

 

バラバラ…

奈落の体はどんどん崩壊していった。

 

奈落「こんなところで死んでたまるか!」

 

タッタッタッタッ!

奈落はある場所に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

長津「マズイ…本格的に崩壊が始まっている…」

 

レミリア「止める方法は無いのかしら?」

 

長津「分からないんです…原因が分かればまだ…」

 

霊夢「…私が行く」

 

魔理沙「霊夢!無茶だ!今の木葉の状況を見ろよ!あいつでさえも歯が立たない!お前が行ってなんになる!」

 

霊夢「…大丈夫。私に任せて」

 

そう言って霊夢はゲートに入った。

 

魔理沙「霊夢…」

 

レミリア「魔理沙。今は、見守っておきましょ」

 

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スタッ

霊夢は方界に着いた。

 

霊夢「な、何よここ…何も無い…」

 

霊夢は周りを見渡した。

 

霊夢「!!」

 

霊夢は光を見つけた。

 

霊夢 (木葉!待ってて!)

 

ビュン!

霊夢は光の元へ飛んだ。

 

光 (霊夢が死んだ…殺したのはあいつだ…動いたのは俺だ…あいつは俺に警告した…動くなと…その警告を無視したのは…俺だ…霊夢が死んだのは…俺のせい…なら…俺もこの空間とともに…滅びるしかない)

 

霊夢「木葉!」

 

光 (!!)

 

霊夢「木葉!起きて!」

 

光 (霊夢…生きてる…死んだはずなのに…生きてる…)

 

ガシッ

霊夢は光の腕を掴んだ。

 

霊夢「木葉!死んじゃダメ!目を覚まして!」

 

光「れれれれれ…れいいいむ。い…いいい…ききき…てててててて…るるる」

 

霊夢「私は死んでない!勝手に殺さないでよ!あんたとこの先一緒に暮らすのに死んでられないでしょ!」

 

光「!!」

 

ガラガラガラ…

崩壊現象が止まった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

長津「な…崩壊現象が…」

 

早乙女「…止まった」

 

魔理沙「…霊夢」

 

レミリア「はぁ…」

 

パチェ「一時はどうなるかと思ったわ」

 

文 (…霊夢さん)

 

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光「れ…れい…む。い…いき…て…てる」

 

霊夢「当たり前でしょ!私にはあんたが必要なんだからあんたも死なないでよ!」

 

光「…」

 

シュゥゥゥゥゥ! 

光が起こした崩壊現象は徐々に元に戻ろうとしていた。それと同時に光の意識も戻ってきた。

 

光「…すまねぇな霊夢。また助けられちまったな」

 

霊夢「い、いいわよ!助け合うのが…私たちでしょ!」

 

光「…////」

 

光は顔を赤らめた。

 

霊夢「さ!あとはあいつを倒すだけ!今度は死んじゃダメ!死んだら許さないから」

 

光「あぁ、任せろ。さ、霊夢は早くここを出て」

 

霊夢「分かったわ」

 

シュッ

霊夢はゲートを通り方界を出た。

 

奈落「…話は済んだか?」

 

光「…」

 

奈落は光に崩壊させられそうになったが元に戻っていた。

 

光「お前…その体は…」

 

奈落は以前とは姿が異なっていた。

 

奈落「気づいたか?俺は三宮寺八重の力を取り込んだのだ」

 

光「!!」

 

奈落「俺は命を奪ったものを支配する能力を持っている。俺がこいつを支配しているってことは…そういうことだ」

 

光「八重さんは生きててお前が殺したんだな」

 

奈落「正解だ!正解のご褒美に殺してやろう!」

 

光「…ご褒美なんていらねぇよ」

 

奈落「なら代わりに…引導を渡してやるぜ!」

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