木葉はある場所へ向かっていた。早乙女に言われた「私たちが守る」と言ったあの言葉。木葉には刃物で心臓を刺されたような言葉だった。
木葉「私たちが守る…か…そうだな。約束したもんな…渚」
木葉は約束を忘れていたことに責任を感じていた。
木葉「渚…少しだけ待っててくれ…」
ギュオン!
木葉は速度を上げた。
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スタッ
そして目的の場所に着いた。
木葉「あいつ…頼み事…聞いてくれるかな…」
スタスタスタ
木葉はある人物の元へ歩を進めた。
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ギィィィィィ
木葉は目の前のドアを開ける。
木葉「…失礼する」
ギィィィィィ…バタン
そのドアは勢いよく閉まった。
木葉「おーい!誰かいるかー?」
映姫「ここにいますよ。おや、あなたは」
木葉が向かった先は地獄。ここには死者に審判を下す人物がいる。その人物は…四季映姫。彼女は厳格で頼りになる人物だ。説教癖が凄まじいが…今回木葉は四季映姫にある頼み事をするためにここに来たのだった。
木葉「木葉だ。博麗木葉」
映姫「博麗木葉…あの博麗神社の新しい住人ですね?」
木葉「あぁ、そうだ」
映姫「お会いするのは初めて…ですね。私は四季映姫。ここで死者に審判を下す者です」
木葉「俺は博麗木葉。十二天星 第七星座 天秤座の力を預かる者だ」
映姫「今日で二人目ですね。生きている人間がここに来るのは」
木葉「何の話だ?」
映姫「いえ、こちらの話です。それで、あなたは何しに来たんですか?死者の集うこの地獄に」
木葉「実はな…ひとつ頼み事があって来たんだ」
映姫「頼み事…ですか」
木葉「あぁ…」
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その頃早乙女は…
???「そうだったんですね。辛かったですね」
早乙女「うん。とても。私はあの子たちの母親じゃないけど…やっぱり失いたくなかった…時間を共にした子たちだから」
???「…」
早乙女「ねぇ…あなたはこういう時…どうする?」
???「そうですね…私は誰かに頼ります。もしそれで上手くいかなかったら…諦めると思います…」
早乙女「頼る…」
???「はい。自分では何も出来ないので…そういう時は誰かに頼ってみるのもいいと思いますよ。一人で抱え込まずに」
早乙女「…」
早乙女と???が話していると一人の女の子が飛んできた。
???「大ちゃーん!」
大妖精「チルノちゃん!?」
チルノ「こんな所にいたんだ!あれ?この人は?」
大妖精「あ、えと…すいません。お名前はなんて言いますか?」
早乙女「早乙女 渚です」
大妖精「チルノちゃん。この人は早乙女 渚さんです」
チルノ「さおとめなぎさ?霊夢みたいな名前だな!」
早乙女「まぁ、私は霊夢さんと同じ人間ですから」
チルノ「お前人間なのか!ならあたいと勝負しろ!」
大妖精「チルノちゃん!?」
チルノ「そんでもってあたいが強いことを証明してやろう!」
大妖精「ダメだよチルノちゃん!」
チルノ「止めないで大ちゃん!あたいはこの人間に勝つ!」
大妖精「チルノちゃん!」
早乙女「ごめんね…今はそんな気分じゃないんだ」
大妖精「ほらチルノちゃん!早乙女さんもこう言ってるんだからダメだよ!」
チルノ「いいやあたいはやるね!覚悟しろ人間!」
大妖精「チルノちゃん!」
チルノ「アイシクル…」
チルノは早乙女に攻撃しようとした。しかしヴァルゴが静止させた。
ヴァルゴ「いい加減にしなさい」
サァァァ…
ヴァルゴは能力を発動した。
チルノ「な、なんだ!?」
ヴァルゴ「あなた…少しは人の心を学んだ方がいいよ」
チルノ「う…お前は…」
ヴァルゴ「死にたくなかったら攻撃をやめなさい」
ヒュォッ
ヴァルゴはチルノを威圧した。
チルノ (くっ…なんだこのピリピリした感じ…)
大妖精「チルノちゃん?」
チルノ (こいつ…怖い…絶対負ける…)
ヴァルゴ「…」
ヴァルゴは冷たい視線をチルノに向けた。
チルノ「うっ…きょ、今日はこれくらいにしといてやる!」
大妖精「どうしたの?チルノちゃん?」
チルノ「な、なんでもない!」
早乙女「ヴァルゴ。威圧しちゃダメだよ」
ヴァルゴ「…」
早乙女「ごめんね。この子が脅しちゃったみたいで」
チルノ「へ…へーんだ!あたい怖くなかったし?あたいさいきょーだし!」
大妖精「すいません。チルノちゃんが…」
早乙女「大丈夫だよ。何も起きなかったし」
大妖精「そうですか…」
ザッザッザッ
後方から足音が聞こえる。
早乙女「!!」
早乙女はすぐにそれに気づき二人の前に立った。
大妖精「早乙女さん?どうしたんですか?」
早乙女「…二人とも私から離れちゃダメだよ」
大妖精「どういう事ですか?」
チルノ「そうだ!あたいはさいきょーなんだぞ!」
早乙女「誰か来てる。危ないから出てきちゃダメだよ」
チルノ「あたいはさいきょーだから平…」
ギュッ
早乙女はチルノを抱きしめた。
早乙女「…お願い」
早乙女は優しい声でそう言った。
チルノ「う、うん…分かった…」
スッ
早乙女はチルノを解放した。
チルノ「…」
大妖精「チルノちゃん?」
チルノ (な、なんだ…この人間…いい匂いがしたぞ…それに…柔らかかった…)
大妖精「チルノちゃん?」
チルノ「な、なんでもない!」
大妖精「?」
早乙女「そこの人…分かってますよ。出てきなさい」
木葉「…なんだ…ここにいたのか」
早乙女「!!」
出てきたのは木葉だった。
木葉「渚。探したぞ」
早乙女「光…」
木葉「今日はレミリアたちと一緒にご飯食べるぞ」
早乙女「…分かった」
木葉「ほら、行くぞ。みんなが待ってる」
早乙女「うん…」
スタスタスタ
木葉はその場をあとにした。
早乙女「二人とも…ありがとう。少し楽になったよ」
大妖精「そうですか!それは良かったです!」
チルノ「ん?何の話?」
早乙女「ねぇ二人とも。名前…聞いてもいい?」
大妖精「私は大妖精と言います!大ちゃんって呼んでください!」
チルノ「あたいはチルノ!幻想郷でさいきょーなんだ!」
早乙女「大ちゃんにチルノちゃんね。ありがとう。名前…覚えておくよ」
大妖精「はい!」
早乙女「それじゃあ…またね」
大妖精「はい!またいつか会いましょう!」
早乙女「うん…」
そう言って早乙女は木葉のあとを追いかけた。
チルノ「大ちゃんあの人の名前はなんて言うの?」
大妖精「早乙女 渚さんだよ!名前覚えておいてあげてね!」
チルノ (早乙女 渚…か。いい匂いだったな…)
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スタスタスタ
私と光はレミリアさんの館に向かって歩いていた。でも一言も言葉を交わさなかった。沈黙は続く。それからしばらくして私は口を開いた。
早乙女「ねぇ…光」
木葉「…なに?」
木葉の声はいつも通りだった。
早乙女「その…あの時…殴っちゃって…ごめんね」
木葉「…いいよそれくらい。渚は悪くない」
早乙女「でも…」
木葉「大丈夫。気にしちゃダメ。でもその代わり…」
早乙女「?」
木葉「今度はちゃんと守ってあげなよ」
早乙女「それは…どういう…」
木葉と早乙女は館の玄関に着いた。
ギィィィィィ
木葉はドアを開ける。
木葉「さ、みんなは食堂にいるから行くよ」
早乙女「う、うん…」
木葉と早乙女はそのまま食堂に向かった。そして食堂に着いた。
ギィィィィィ
木葉はそのまま食堂のドアを開けた。
早乙女「!!」
そこにはみんなが集まっていた。
条乃「おう早乙女!遅かったな!」
佐野守「おかえり渚ちゃん!」
早乙女「た、ただいま…」
長津「みんな早乙女と光を待ってたよ」
霊夢「木葉!おかえり!」
魔理沙「全く待ちわびたぜ!」
木葉「あぁ、遅くなってすまないな」
???「早乙女さん!」
???「早乙女さん!」
???「早乙女さん!」
みんなが色々話している中、一際大きな声が三つ、部屋に響いた。その声は早乙女が聞いたことのある声だった。
早乙女「!!」
???「おかえりなさい!」
???「おかえりなさい!」
???「おかえりなさい!」
早乙女「え…どうして…」
そこには死んだはずの小夜、美穂、琴音がいた。
早乙女「小夜ちゃん…美穂ちゃん…琴音ちゃん…」
小夜「早乙女さん!会いたかったです!」
ギュッ
小夜、美穂、琴音は早乙女に抱きついた。
早乙女「え…ほんとに…小夜ちゃん?美穂ちゃん?琴音ちゃん?」
小夜「はい!」
美穂「はい!」
琴音「はい!」
木葉「渚。さっき言っただろ?今度はちゃんと守ってあげなよって」
早乙女「!!」
木葉「大丈夫。この子たちには能力はないよ。これで誰からも狙われる心配もないよ」
早乙女「うっ…うっ…」
早乙女は泣き出した。
早乙女「あぁぁぁぁぁ!良がっだー!小夜ぢゃん!美穂ぢゃん!琴音ぢゃーん!」
ギュゥゥゥゥゥ
早乙女は小夜、美穂、琴音を抱きしめた。
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後藤「天野さん…ありがとうございます。私たちを生き返らせていただいて…」
木葉「いいえ。大丈夫です。大したことでは無いですよ」
八重「私からもお礼を。本当にありがとうございます」
木葉「八重さん。あの子たちはもう普通の女の子です。能力なんてないので安心してくださいね」
八重「はい…ありがとうございます」
長津「さ、みんな、食べようか」
条乃「あぁ、そうだな。腹減った」
本庄「良かったですね…渚ちゃん」
木葉「本庄。みんなを助けてくれてありがとうな」
本庄「私はそんな…」
木葉「本庄がいなかったらこうはならなかった。ほんとに感謝してる」
本庄「あ…ありがとう…ございます…」
木葉「さ、食べようか。渚!いつまで泣いてるんだ!飯が冷めちゃうぞ!」
早乙女「だっでーーー!」
木葉「はぁ…全く」
小夜「早乙女さん、ご飯食べましょ!」
美穂「みなさんが腕によりをかけて作ってくれたらしいですよ!」
琴音「これは食べないと損ですよ!」
早乙女「うん!食べるーーーー!」
小夜「じゃあ私たちの隣の席で食べましょ!」
早乙女「うん!」
美穂「その後は一緒にお風呂入って!」
早乙女「うん!」
琴音「一緒に寝ましょ!」
早乙女「うん!」
小夜「今日はずっと一緒にいましょ!」
早乙女「うん!」
長津「全く…早乙女のやつ…顔ぐちゃぐちゃにして泣いちゃって…」
風和瀬「まぁ、渚ちゃんらしいですけどね」
条乃「まぁな。あれが早乙女らしいわ」
本庄「ふふっ」
木葉「渚…」
早乙女「?」
木葉「これで…一件落着だな…」
早乙女「うん!一件落着!」
その後早乙女たちは談笑しながら食事を楽しんだのだった。