グレーテルと私   作:バイオレンスチビ

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要人略取作戦

ジャクリーンが裏切った。スポンサーから情報が入った。まさか、あの小娘が裏切ることになるとは思わなかった。

「ボス、スポンサーから派遣されていた連絡員が一人。」

「…殺られたのか。」

本部から送られてきた兵隊との連携は難しいだろう。下手に指示を出すより、勝手に動いてもらった方がいい。

「野郎、本気って訳だな。」

それにしても社会福祉公社にチクるとは随分なことをするじゃないか。この頃は少女を使う殺し屋ってので噂になっていたが、基本的に戦いは数だ。そいつが未来から来た殺人ロボットだったりしない限りは負けることはない。南部のマフィアとの抗争に向けて準備してきた秘密兵器だってある。

…だが、確実に拠点は移動する必要があるだろう。公権力というのはしつこい。下手をすれば、海外支部への移動を命じられることだってあり得る。

「町を封鎖しろ、奴を逃がすな!各々、襲撃に備えて待機。本部からの兵隊にも伝えておけ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アジトであるビルを攻撃するのはリコの仕事。私の仕事はグレーテルと一緒に目標を護衛してヘンリエッタの待つ車に連れ込むこと。

「…カーレンさん、なんだか聞いていた話が違うと思うのですが。」

今日まで目標に接触してきたメッセンジャー役のカーレン。資料はよく読んだし、説明も聞いたけど。

「そうかしら?」

カラシニコフを持った明らかに強そうな男。ヒトラーの電動ノコギリ(汎用機関銃)を担ぐ女。…あんなやつらに見つかったらチーズみたいに穴だらけにされる。

「私は、市街地と聞きました。これじゃあ戦場ですよ。」

「五共和国派の連絡役が残っていたんだろうね。彼女、勝手に暗殺を決行してくれちゃったみたいだから。」

…返り討ちにされて今頃は森に埋められているなんて可能性もあったのだから運がいい。うん、ポジティブに考えようか。

 

 

 

「お姉様、見てあれ。」

…目印は赤い靴。服装は丈の短いワンピースにコート。

「こんにちは、お嬢さん。ところで、“赤い靴は好きかしら?”」

カーレンさんが決めた合言葉。

「はい、“踊りたくてたまらないの”」

問題はどうやって敵のテリトリーから撤収するかだ。私たちは彼女を保護することが仕事。ドンパチするのはリコのお仕事である。計画通りに進めばいいのだが。

「こんにちは、社会福祉公社のシャーロット・ソーヤーです。シャーリーと呼んでください。こっちは、助手のグレーテルです。」

「ど、どうも。私はジャクリーン。よろしくお願いします。」

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