光が収まると俺はすぐ様周辺を見回す
巨大な壁画や彫刻が展示されており周りにはクラスメイトとみたことない衣服に包まれた集団が俺たちを囲んでいる
妖怪退治とは違うが、異質な雰囲気を感じていた
見たことない風景に戸惑いながらもとりあえず鈴の近くに移動する
「鈴。大丈夫か?」
「えっ?う、うん」
「雫も大丈夫か?」
「えぇ。ここは?」
「日本ではではないってことは確かだろうな。香織と恵里も無事か?」
「う、うん」
と戸惑いながらも軽く鈴や雫たちが無事なことにホッとする
すると特に豪奢で煌びやかな衣装を纏い、意匠の凝らされた烏帽子のような物を被っている老人が進み出てくる。
軽く京都で作ってもらった護身刀をいつでも抜けるようにし警戒をしていると手に持った錫杖をシャラシャラと鳴らしながら、深みのある声でこう告げた
「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」
場所を移り恐らく会食が行われるだろう十メートル以上ありそうなテーブルが幾つも並んだ大広間に通されていた。
「……ねぇ?ここって」
「異世界って奴で間違いないだろうな」
「地獄を通れば地球に帰れるのかな?」
「地獄を通れば帰れるけど……さすがに雫たちは無理だろ。時々異世界のゲートが開いて処理してくるいるし、鈴でさえ一度大変な目にあっていることだし戦えるのは」
「私と氷河だけってことだね」
と小さくため息を吐く。異世界があることは知っており地獄で何度か異世界でのトラブルの解決に呼ばれることがある
実際絡新婦は護衛として一緒にいることが多いので最悪俺と絡新婦は帰れるだろうが他は無茶だろう
「氷河ちょっと来てくれないかしら?」
「んどうした?」
「ちょっと一緒に聞いていてほしいの。氷河はこういったことに慣れているでしょ?」
「あぁ。アドバイスが欲しいっていうのか。別にいいぜ」
と言って上座の方に向かう
そして全員に飲み物が配られた後に、聖教教会とやらの教皇であるイシュタルからの説明が始まった。
簡単にまとめると、最初に言っていたようにこの世界はトータスと呼ばれ、主に人間族、魔人族、亜人族がいるという。生息域としては、人間族が北一帯、魔人族が南一帯、亜人族が東にある巨大な樹海の中でひっそりと暮らしているという。
現在はその中でも人間族と魔人族が何百年も戦争をしており、人間族は数で、魔人族は個々の実力で優れており、今まではその勢力は拮抗していた。だが、ある時、突然魔人族が魔物を使役し始め数の有利をなくなった人間族が追いやられることになる
魔物とは通常の野生動物が魔力を取り込んで変異した異形の存在で、それぞれの種族で強力な魔法が使えるらしい。まぁ妖怪とそう変わりはしないだろう。魔物は本来なら人間族、魔人族に関係なく襲い、使役できても1,2体が限度だったのだが、その常識が覆された。
この状況を打破するために、聖教教会の唯一神であるエヒトが勇者を召喚するという神託を出し、現在に至る、ということだ。
「あなた方を召喚したのは〝エヒト様〟です。我々人間族が崇める守護神、聖教教会の唯一神にして、この世界を創られた至上の神。おそらく、エヒト様は悟られたのでしょう。このままでは人間族は滅ぶと。それを回避するためにあなた方を喚ばれた。あなた方の世界はこの世界より上位にあり、例外なく強力な力を持っています。召喚が実行される少し前に、エヒト様から神託があったのですよ。あなた方という〝救い〟を送ると。あなた方には是非その力を発揮し、〝エヒト様〟の御意志の下、魔人族を打倒し我ら人間族を救って頂きたい」
正直どうでもいいって思っていたので多少漏れていると思うのだが
ボケーと聞いていると突然立ち上がり猛然と抗議する人が現れた。
「ふざけないで下さい! 結局、この子達に戦争させようってことでしょ! そんなの許しません! ええ、先生は絶対に許しませんよ! 私達を早く帰して下さい! きっと、ご家族も心配しているはずです! あなた達のしていることはただの誘拐ですよ!」
プリプリと怒るのは畑山先生だ。〝愛ちゃん〟と愛称で呼ばれ親しまれているのだが、本人はそう呼ばれると直ぐに怒る。
なんでも威厳ある教師を目指しているのだとか。なおその威厳のあるかと言われたら…ないのだが
次のイシュタルの言葉に凍りついた。
「お気持ちはお察しします。しかし……あなた方の帰還は現状では不可能です」
場に静寂が満ちる。誰もが何を言われたのか分からないという表情でイシュタルを見やる。
「ふ、不可能って……ど、どういうことですか!? 喚べたのなら帰せるでしょう!?」
「先ほど言ったように、あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間に異世界に干渉するような魔法は使えませんのでな、あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様の御意思次第ということですな」
「そ、そんな……」
先生が脱力したようにストンと椅子に腰を落とす。周りの生徒達も口々に騒ぎ始めた。
「うそだろ? 帰れないってなんだよ!」
「いやよ! なんでもいいから帰してよ!」
「戦争なんて冗談じゃねぇ! ふざけんなよ!」
「なんで、なんで、なんで……」
パニックになる生徒達。その様子をみながら少しだけ違和感に気づいていた
なんで妖力が弱まらないんだ?
妖力とは元々人間の信仰や畏れの力によってその妖怪の力になるのだが…弱まるどころか強まっている
今妖怪の姿になれと言われたらすぐに変化できるだろう。
しばらく考えていると
パンっと音が聞こえる
どうやら天之河が立ち上がったらしい。クラスメイトの顔を見て
「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。……俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。……イシュタルさん? どうですか?」
「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」
「俺達には大きな力があるんですよね? ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」
「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな」
「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」
世界を救うね。
戦争の意味も分かってなさそうだけど本当に世界を救えると思っていたのか?
「バカバカしい。」
俺は大きなあくびを一度して椅子に深く座る
動かされているのに気づかないのかよ。
教皇が事情説明をする間、それとなく天之河を観察し、どの言葉に、どんな話に反応するのか確かめていたことを。
面倒だな、
小さく呟く声にはこれからの不安が募っていた
サブヒロイン候補
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恵里
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鈴
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リリィ
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メインに恵里、鈴追加
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追加なし