Re:ゼロから始まる闇の道化生活   作:アーロニーロ

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中々オリジナルで考えるのしんどいです。後、たまに更新速度が遅くなりますのでご注意を。


バケモノ

 

 

 さて、城塞都市ガークラについて知ってる限り説明しよう。

 

 城塞都市ガークラとは兵は常に精強たれ――その精神が国土に息づく都市であの『剣鬼』ヴィルヘルム・ヴァン・アストレア曰く、一兵卒ですら修羅のような強さを誇ると言わしめたヤベー都市。その中でも特にヤベーのはクルガンと呼ばれている多腕族だ。多腕族とは人類種と違って二本以上の腕を持つのが特徴だが、その腕の数には個体差がある。しかし、亜人種にしては魔法を扱う適正が著しく低いことから、種族単位で劣等と考えられてきた。多くの場合、四本から五本に留まる多腕族の中でも、『八腕』の異名の通り八本もの腕を生やしたクルガンは異色の存在であった。

 

 そして、クルガンとはヴォラキアの英雄。最強の存在である『剣聖』をも打ち破った全盛期のヴィルヘルムと幾度か剣を交えた関係で、特に数年ほど前のルグニカとヴォラキアの領土争いを決した決闘として名高いピックタットの銀華乱舞では5戦行い、八つある腕の六本まで切り落とされ、代わりに腹を串刺しにした。互いに瀕死で痛み分けとして、決着はつかず終いになったとかいう頭のおかしい逸話を持つバケモノ。原作では魔女教の中でも最強格のレグルスに打ち取られる。

 

 え?何でこんな説明をしてるのかって?まぁ、わかりやすく言うとさ。

 

「マジで行きたくネェ……」

 

「何を言うのデスか、エピタフくん!?アナタは福音書に記された通り城塞都市ガークラを攻め落とさねばならないというのに!今のアナタのその振る舞い、ああ!!なんという怠惰!!到底許されることではないのデス!!」

 

「言ってみただけですヨォ、ペテルギウスさん。ですからいちいち荒ぶらないでくださいナ」

 

「……わかっていればいいのデス」

 

 ホント、(まだ大罪司教全員と話してるわけではないが)ペテルギウスは話せるから楽でいいなぁ(諦観)。

 いや待て、現実逃避してる場合じゃあないな。現実逃避をして目の前の特大の死亡フラグが消えて無くなるわけではないのだから。さぁ、現実を見て考察する時間だよエピタフ。

 

 はっきり言って今回の福音書から提示された仕事?は無茶にも程がある。単純に都市にはクルガンだけしか強い奴がいないっていうならやりようがあったが、今回の仕事先の兵士は一人一人が厄介なのだ。レグルスに減らされた分を考えればどうあがいても残機が足りない。

 そもそも、仮に減らされなかったとしても確実に足りないしね。あー、何であの村には兵士や騎士とかそういう闘う専門の人がいなかったのだろうか。

 まぁ、いたとしても焼け石に水もいいとこなんだけどね。はぁ、仕方ない案を考えようか。

 

 はいまず一つ目、『レグルスに役割を全投げして俺は傍観者を気取る大作戦』。これはダメだな。一応流れとしては原作通りだけどこんなことやろうもんならレグルスがマジギレする。「やること全てを僕に押し付けて僕の自由を奪うなんて何様のつもりなんだい?」って、言いながら俺のこと殺しにきそう。

 対処は出来るけど、その後にバラされたら恐ろしく面倒だ。パンドラだったら問い正して説教で済むだろうけどペテルギウスはほぼ間違いなく俺のことを怠惰なことをしたとして殺しにくるだろう。それは絶対に避けたい。

 何でこんなにもペテルギウスを警戒するかというとペテルギウスの権能と俺の権能は相性最悪だからだ。

 

 ペテルギウスの『見えざる手』はその名の通り不可視の魔手を操り、攻撃するものだ。

 この魔手の膂力は凄まじいものであり、森だろうと岩だろうと悉く破壊し、人体を触れただけで容易く抉るほどの威力を持つ。

 更に出せる本数も射程距離もなかなかのものであり、あるとわかっていても回避は容易ではない。

 また、手に自らをつかませる事で高速で移動したり、欠損した部位を補わせたりと、攻撃以外にも応用が利く。

 

 欠点としては、魔手の速度はそれほど早くはないという点と、不可視ではあるがあくまで実在した力場であるため土煙、水滴などを利用すれば朧げながら確認することができるという点。

 見えてさえいれば全く攻略が不可能というわけではなく、熟達した戦闘技術の持ち主には全くといっていいほど効果がない。

 

 俺の権能は距離を詰めて相手に触れないと発動できないためどう足掻いても相性最悪だ。俺は熟達した戦闘技術の持ち主ではないから回避もほぼ不可能だ。仮に挑もうもんんならほぼ確実に鏖殺される自信がある。

 よって、この案は無し。

 

 二つ目、『福音書無視してばっくれる』。言うまでもなく論外。やろうもんならレグルスやペテルギウスだけでなく、もれなくパンドラも俺を殺しに来る可能性が大きいからだ。

 

 三つ目、『思考を放棄して神頼みならぬ魔女頼み』。やる価値もない。そんなことして命を放棄するほど死にたいとは思ってない。そもそも、神頼みして成功するほどこの世界は甘くない。

 

 うん、本当にどうしよう。今から3日後までに人間を取り込みまくってもたかが知れてるし、ん?いや待てよ。俺の権能なら人間以外も取り込まれるんじゃね?いやでも時間が……、ああクソあん時の笑顔はそういうことかよ。あの性悪魔女め。もっと、後の方で頼もうと思ってたのに。俺はそう思うと立ち上がり渋々とパンドラのほうへ向かった。

 そして、十分ほど歩いているとパンドラを見つけた。

 

「おや、エピタフ司教ではありませんか?願いは決まりましたか?」

 

「ええ、決まりましたとも。今からワタクシをーーーーに送ってくれませんかネェ?」

 

「ええ、お安い御用です」

 

「出来ればついてきていただけるとありがたいのですが」

 

「ふふ、特別ですよ」

 

 そう言うとパンドラは俺を見てにこりと笑った。

 

 

 パンドラに頼み込んで3日が経ち今俺は。

 

「時間通りだ。それでいいんだよ。相手を尊重することで、自らもまた尊重される。当たり前の配慮が、互いにとって住みよい世界を作る。その点に関しては君は十分に実行できてるよ新入り」

 

 今ぶつぶつと何かを喋っているレグルスと共に城塞都市ガークラのすぐ近くにいる。さて、やれることや準備できることは全てやった後はこれらの手札をどう活かすかだ。そう思いながら一歩一歩歩を進めていると。

 

「ん、見えてきたな城塞都市の門が。おや、門兵がいるね、君に任せたよ新入りくん。まさか、出来ないなんてあり得ないこと言わないよね?」

 

 いちいち、こいつは煽らないと気が済まないのか?俺は煽られたことに苛立ちを覚えながらも答えた。

 

「ええ、わかっていますとも。ま、見ててくださいナ」

 

 そう言いながら俺は門を兵士に近づく。

 

「ん?おい、子供がいるぞ?」

 

「ああ、本当だ。おい、ここは許可証か住民かどうか提示できるものがなきゃ通れないすまないが帰ってくれないか?」

 

 子供を諭すように俺に話しかける2人の兵士。俺の今の格好を見て普通の餓鬼だと判断してるのか?何にせよこれは好都合。俺はそのまま歩き兵士達に近づくき、1人の兵士に触れて自身に『混ぜた』。

 

「は?お、お前!?一体…」

 

 何者だ、と言おうとしていた兵士もまた自身に『混ぜた』。うん、やばいわ。ガークラの兵士。1人につき村人三、四人分の戦力ってどうなってんのよ本当に。

 

「へぇ、便利な権能だな周りを汚さないなんて。今後つゆ払いは君に任せたよ。さてと」

 

 そう言うとレグルスはポケットに入れた手を出した。しかし、

 

「……何のつもりだい?」

 

 俺は咄嗟にそれを止めた。危ない危ない危うく試す場が無くなるところだった。

 

「僕の行動を邪魔するなんて何様のつもりなんだい?それって僕の権利を侵害するってことだ。僕の僕に許されたちっぽけな僕という自我を、私財を、僕から奪おうってことだ。いかに穏健な僕でも許せないことがあることくらい解れよ。これだから餓鬼は嫌いなんだ」

 

 言葉の節々に苛立ちを混ぜながらレグルスは俺を責め立てた。うん、贔屓目に言ってもうざいが対処法は考えてある。

 

「落ち着いてくださいナ、レグルスさん。後輩の晴れ舞台に花を持たせるのもアナタの一つの権利では?」

 

「……確かにそうだね」

 

 ちょろっ、うっわ、クソちょろいわ。御し易いにも程がある。よし、邪魔者から許可も取ったしやってみるか。すると、俺は右手に力を収束させた。すると、

 

「へえ、面白いな。君の権能って、カペラの権能に似てるね」

 

 不服だけど外側は確かに似ている。だけど本質はまるで違うからカペラとは全く別の権能なんだよね、コレ。今の俺の腕は身の丈を何倍も上回るほど異様に長く、黒い毛で覆われて見える腕は太く、爪は恐ろしく鋭い。まるで様々な魔獣を混ぜ合わせたかのような腕を俺は大きく振り被り。鉄のような金属でできた門に思い切り叩きつけた。すると、門は冗談のようにアッサリと壊れ宙を舞った。さぁてと、

 

「都市崩し開始と行きますカ、フヒヒw」




次回、戦闘シーン。
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