「はぁあっ!!せいやっ!!」
けたたましい声が屋敷内の道場から村の外まで響く。その次に聴こえたのは木刀と木刀が激しくぶつかり、鼓膜を破るかのような荒い音に村人達は耳を塞ぎ、道場内の弟子達は目の前の激しい試合に息を飲んでその勝負の行方をまじまじと傍観していた。
ドンッ。二人の男が裸足で木の板を強く踏み込み細かい移動を重ねる。距離は勘で詰め空けしながらお互いの隙を突こうと必死である。
すると長い金髪の男が一気に距離を詰めて怒涛の連撃で相手を防戦一方に縛った。
先程よりも軽い音だが一発でも喰らえば即試合は終わり、敗北となってしまう。だから男は無理な攻撃を仕掛けられない。防戦一方も続ければいつかは当たってしまう。
男は相手の隙を探るもこの金髪からはそれが見て取れない。
そして前から来る大振りな一撃は何とか木刀を横にして受け止めることが出来たが男はここで痛恨のミスを犯してしまう。
目を瞑ってしまったのだ。あろうことか防戦一方、攻められてる時に。怖かったとかそういうのではなく衝撃が生んだ風圧にやられてしまったのだ。
男は驚愕する。居ないのだ。自分と同じくらい高身長の見失う筈のない金髪が目の前から消えていたのだ。
キョロキョロと左右を一瞬の内に確認していると外野から『下だーっ!』と声が荒らげられる。
男の体幹は不安定になり転んでしまう。まだ足元の確認も出来ないまま転んでしまう。足を引っ掛けられたのだ。
そのまま男は転んで地面に手をつくまで僅か時間で金髪の男に木刀で顔面を叩かれ数回転した後に顔から地面へ激突する。後に男は気絶。全治三日の怪我を負う。
金髪の男は気絶した男に一礼を済ませ振り替えると道場の人間達は恐る恐る彼の為に道を開けて頭を下げる。元より勝者への態度はこの様なものだったがここまで冷たいものではなかった。
皆、彼を恐れているのだ。この道場一の強さを誇る男でさえも圧倒する力の持ち主にひれ伏した。
金髪の男は、メイリンは緑に色塗られた色彩のはっきりとしている庭を片目で覗いた。ルミが登っていた枯れ木も今や葉の着物を身に纏い自分を飾り付けている。
暖かい風がメイリンを包み込みながら通りすぎる。
あれから幾年か年は過ぎ、メイリン十四歳の春。此処から彼のハンターになる為の大きな一歩が踏み出された。
▽▽▽▽▽
「この流儀は一方的な攻めの姿勢ではなく、確実に相手の攻撃を受け流して一発一発、強力な反撃を与えていく。たとえ相手がどんなに巨大なモンスターであろうと容易く受け流す。それがこの流儀の真骨頂だ」
「ええ、理解しています師範代。だから私はあの試合で相手に受け流せないような攻撃を繰り返し勝ちを握ったのです」
師範代とメイリンに呼ばれた老人は静かな口調で言葉を放った。
「貴様は儂の教えを短期間で我が物へとして容易く扱っておったな。貴様、何がしたいのだ?」
「……と仰いますと」
「それ程の技術と腕前を持ち合わせて何がしたいのだと訊いておるのだ」
メイリンは少し悩んだが自分の今の実力なら認めてくれると思い言い出すことにした。幼き頃からの夢に踏み出す第一歩だと信じて口を開く。
「ハンターになる為です」
「なあにぃ?」
老人は間抜けな声を出してしまった。さすがのメイリンでもこの様な奇想天外な反応は予想出来ず驚いた表情を出してしまう。
あの威厳と貫禄しか長所のないような老人から発せられる間抜けな声と予想外な反応にメイリンはダブルショックを受けてしまう。
「ハンターになりたいだとぉ!?駄目だ駄目だ!!貴様、流儀を教わりたいなどと言い出して精々、この儂の為に尽くしてくれるんだろうと思ってみれば散々な結果だ!!」
「私は師範代に尽くすなどと一言も申しておりません」
「儂の流儀を習いたいとはそういうことなのだ」
これにはメイリンも声を荒げて反論をしそうになったが唇を噛み締めてぐっと言葉を堪える。今の自分があるのは間違いなく育て上げてくれた師範代だとメイリンも自覚していた。だからこそ不満があり、恩があり、何も言い出せなかったのである。
いつの間にか握りしめていた拳を開けてみれば手のひらには爪の痕がくっきり残っていた。
「少し頭を冷やしてこい。貴様に流儀を教えた以上、この屋敷から出す気などこれっぽっちも無いわ」
メイリンは腹を立てた。口を出さずともその様子を見れば容易く分かる。爪を食い込ませる程強く握り締められた拳、赤黒く滲む唇、下を向きっぱなしの視線。どれも目の前の老人に対してとるべき態度ではなかった。無礼そのものである。
老人はその様子に気付いたようだったがそれをあえて無視したのは一握りの優しさなのか、はたまた反応をしてやらないことでの頑固足る意地を見せたのかは分からぬまま部屋を出ていった。
その後メイリンも一人きりの中、色々と悩み込みある決断をすると障子を開けて縁側へと踏み出した時だったふと横に目をやれば障子に耳を当てて盗み聞きをしている年の離れない少女、ルミが冷や汗をかきながらこちらを見つめているのだ。
「盗み聞きかい?ルミ。師範代にバレたら怒られてしまうよ」
メイリンは怒るわけでもなく堅苦しい言葉を使うわけでもなくルミに話し掛ける。
堅苦しい言葉を使わなくなった理由はルミが嫌だと言ってこういった形で話し掛けてくれと頼まれたからである。
「ごめんなさい、悪気は無かったの。けれどその…どうしても貴方とお祖父様の会話が気になってしまって…」
むしろ彼女の口調の方が堅くなったいや、年相応の礼儀正しい口調になったというべきだろう。
そこそこの地位を持つあの老人の孫娘というのだから幼い時のようなやんちゃな喋り方では相手に無礼というもの。きっと召使いから習わされたのだろう。
「どうするの…?これから。まさか此処に残るなんて言わないよね…?」
「言わないさ」
するとメイリンは周りの様子を伺い誰も居ないことを確認するとルミにだけ覚悟を決めて告白する。
「今夜、屋敷を抜け出す。もちろんちゃんと考えてるさ。大丈夫ヘマはしないさ」
「え……け、けれどその手は見つかればタダじゃ済まないんだよ!?何か他の手を考えて──」
ルミは声を荒げた。知っているのだ彼女のは抜け出せばどのような罰を受けるか知っているのだ。ルミはそんな残酷な仕打ちを受けてほしくない一心で言葉を吐いた。
「チャンスは今夜しかない。楽しいことの無い人生を歩むつもりなんてないさ。無事、抜け出してとことん人生楽しんでやるさ」
ルミは察した。何一つ曇りの無い彼の本心は昔よりも随分、逞しく強くなったと感じさせられた。昔の彼じゃない。いや今の彼と昔の姿を比べるのは違うかと自分を納得させた。
「分かった…けどもし、もしよかったら夜抜け出す時私の部屋に寄ってくれないかな」
メイリンは「分かった」と返すとそのまま縁側を歩いて去った。
▽▽▽▽▽
日は暮れた。
鳥の鳴き声も光が無くなると共に消え去って静寂な夜を迎えていた。それは作戦決行の合図でもあった。
けれどメイリンは屋敷を抜け出す前にルミとの約束通りに彼女の部屋へと向かっていた。
縁側を歩くも何処か別の、異次元を歩いてるような奇妙な感覚に襲われ緊張感が強まる。
誰も歩いていない縁側を歩くのはこれが初めてだったがここまで雰囲気が違うとメイリンも予想はしていなかったが塀の上から入り込んでくる月光のおかげで灯りには困らなかった。
ルミの部屋の前に着くと無礼と知りながらも声を掛けずに障子を開けて中へ入る。中ではルミがずっと正座をしながら待っていてメイリンはもう少し早く来てやればよかったと思いながら申し訳なさそうに声を掛ける。
「すまない、遅れてしまって──「来てくれたのねメイリン。手短にするわ」
まだ喋り掛けてる最中だというのにルミは問答無用でメイリンを押し退けて喋り始めた。余程急いでいるのだろうかとメイリンも喋るのを止めてルミの動向を探る。
ルミ部屋の内装は昔とほとんど変わっておらず強いていうなら机の上には書物が増えたくらいだ。
するとルミは急いだ様子で机の上に置いてある蝋燭を無機質な金色だと暗くても分かるくらいの蝋燭立てに立てて火打ち石と打ち金を器用に扱い火を灯せば持ち手を掴みながら押し入れの方へ寄って、ふすまを開けて何かを探していた。
メイリンが何をしているのだと歩み寄って声を掛けようとしたときルミは畳に蝋燭立てを置いて振り返った。大事そうに真っ黒の刀袋を両手で抱えて。
「それは?」
「刀。倉庫にしまってあった物だけれど刃も欠けてないし丈夫に作られてるから貴方にと思ってくすねておいたの」
「……よくバレなかったね」
メイリンは少し戸惑いながらもルミからしっかりその刀袋ごと受け取るとそれはちゃんと重みがあった。何度か持ったことのある真剣の重みだった。
「取り出してみて。柄に名前が彫られてる」
メイリンは紐をほどいて刀袋に腕を突っ込み柄を握って取り出すと刀袋と変わらない黒の鞘に納められた刀が姿を現す。柄には包帯がぐるぐる巻きされていて、それを一気に切れ端を引っ張って包帯をほどくと柄に刻まれた文字が浮かび上がる。
「
「それがその刀の名前。大切に扱ってね」
「…ありがとう大切にするよ」
メイリンははしゃいで喜ぶ訳ではないものの頬を赤らめて嬉しそうな瞳を揺らしていた。
その後、メイリンは刀袋の肩掛け紐を肩に回して背負うとルミの部屋を後にして行った。
ルミは部屋で彼の身の安全を祈るだけだった。彼にやれることは全てやったと自分を言い聞かせながら蝋燭の火を消した。
部屋を後にしたメイリンは急ぐように縁側を歩くのではなく庭を駆けていた。やはり木の板は音がなってしまう(特にこの屋敷の縁側に使われてる板は老朽化が進んでいて慎重に歩いていてもキィキィ音が鳴るので)から庭を走った方が懸命だった。
今メイリンが向かってる先は昔ルミが登っていた木。あそこならメイリンの三倍近くの塀を跳び越すにはあの木を登って塀へ向かって跳ぶしかなかった。
その時だった。後ろに誰かの気配を感じたのでメイリンは慌てて振り返る。
「昔から逃げ足だけ立派なのは変わらんのう…雑魚…いやそれとも、腰抜け。どう呼べばいい」
「…!師範代…!!」
其処には髭を擦る癖が未だに直っていない老人が木刀を二本両手に持って現れた。メイリンはその立ってるだけで溢れ出す威圧に臆してしまった。
すると老人は一本、木刀をメイリンの足元へ投げ捨てた。当てる訳でもなくてただ突き刺すように地面へ放り捨てた。
メイリンは訳の分からぬまま困惑していると老人は綺麗に整備された砂利の地面を強く蹴ってメイリンの方へと向かってきた。その様子は突風のように荒々しく、立ちはだかる物全てを破壊し尽くすまで止まらない。
「なっ…クソッ!!」
慌ててメイリンは放り捨てられた木刀を拾い上げて両手持ちをして老人の初撃を受けきることには成功したが老人はその年老いた身体からは想像も出来ない身体能力を使って背を低めメイリンが防げない位置からの攻撃をおみまいした。そこは脇腹でった。
「うぐぅっ!?」
絶句になるほどの痛みに襲われ、よろめいてしまったメイリンに老人は彼の頭を掴んでそのまま自分の膝と激突させて追い打ちを掛ける。
メイリンは激突の反動で後ろに飛ばされてしまったが老人は何の疲弊の様子も無くただ笑い顔でメイリンを目で追っていた。
メイリンは塀に壁を合わせると自分の鼻の辺りが熱いことに気が付いて片手で擦ってみると手の甲には血がたっぷりとついていて間違いなく目の前の老人は徹底的に自分を叩きのめす気なのだと思い知らされた。
「やはり……雑魚じゃな」
老人は脚を大きく上げるとそのまま勢いよく地面へ叩き付けて砂利を宙へ舞わせると片手でメイリンの方へ虫を払うように手を左右に振るった。すると砂利は土埃のようにメイリンの方へと向かっていき視界を濁らせ、呼吸を苦しくさせた。
メイリンは木刀を思い切り振るって砂利の土埃をかき消したが木刀を持つ右手の着物の裾が重かった。そして驚かされる。たったの砂利の土埃に苦戦していた、瞬き二回程度の時間の間に目の前から老人は姿を消して今、背を低くして自分の右手の裾を握っているのだ。
そしてもう片方の手でメイリンの胸ぐらを掴みそのまま老人に背負い投げをされる。
「着物で出ていくとは…もしかして召使いに偽装するためか?雑魚め。こうなるとは思わんのかの」
今の衝撃でメイリンの身体の神経が一時的に麻痺して思うようには動かせなかった。その後やって来る痛みにメイリンは絶句する。呻き声が黒の空に掠れて消えていく。
老人は麻痺で動けないままのメイリンの額を鷲掴みにするとそのままフルーツを握り潰すかのように力を入れて腕をぶるんと振るい塀へとメイリンを投げつける。
「がぁっ…!!」
「軽いな…もっと強く踏ん張れんかの…まぁいい」
老人は腰に差してる小刀をメイリンへ投げ渡すと「腹、切れ」と言い渡された。その瞬間メイリンは絶望のどん底へ叩き落とされた気分になった。小刀を持つ手が震えてしまう。
「介錯くらいならしてやってもいいぞ…まぁ真剣じゃなくて木刀だがな…要領はスイカ割りみたいなもんさ」
そう言いながら老人はメイリンの頭を軽く木刀で叩く。精々鳴る音は一瞬で頭からその擬音を忘れてしまうくらいの小さな音だが、間違いなく本気でやられればメイリンの頭はスイカみたいに支離滅裂になるだろう。
メイリンは震えながらも刀身を自分のへそに向けて目を瞑りながら覚悟を決めた。──そうしたかった。きっとそうすれば、これから起こる筈であろう辛い事を経験しなくて済むのだからきっと刺せば楽になれる。
それなのにメイリンは刺そうとは、どうしてもその決断には至れなかった。どうしてもメイリンは楽しみたいのだ、これから先の幸福を人生を。
それに彼は此処を出て生き抜こうという一つの覚悟だけで手一杯で死ぬ覚悟を持つなんて出来そうになかった。
「師範代…いやオヤジ、俺はまだ…死ぬ気はねえぇんだよぉお!!」
叫ぶ。荒ぶる。そし何としても生き抜く為にメイリンは恐怖の鎖を
右足で地面の砂利を宙に舞わして目眩ましを図り老人を怯ませる。そして彼はそのまま老人へと突っ込む。手は後ろでモゾモゾした後、左手に先程の小刀を持って突っ走る。
「分からぬかっ!儂に歯向かっても圧倒的な実力差の前には敵わぬということを!!」
老人は違和感を感じていた。右利きのメイリンが左手に小刀を持つなんて少し変に感じたが血相の変わってるメイリンを見ると“ヤケクソ”で片付けてしまった。
メイリンの見え見えの挙動に老人は合わせるように木刀を振るったが、手応えは一切無かった。
驚いたことにメイリンは一掴みの理性で初撃を横に回避して老人の目と鼻の先まで迫っていた。
「よく避けた!!だが!!」
これ程まで至近距離なら狙わずとも木刀を薙げば確実にメイリンに攻撃を当てられる。荒ぶる風は鬼神のような老人に気圧されて離れていく。それがこの人とは思えぬ力から生まれた衝撃波。当たれば間違いなく木端微塵だがメイリンは臆せず仕掛ける。
後、少し。後少しで木刀は絶対にメイリンの身体に直撃して木端微塵にしていた。けれどもメイリンの意外すぎる行動に老人は躍らされてしまった。
「小刀を…投げたじゃとっ!?」
正真正銘、今老人の目の前をプカプカ浮遊しているのはさっきまでメイリンが握っていた小刀その物。それが今は宙を游いでいる。老人の視線はメイリンよりも小刀に注目していた。何せ今まで一番警戒していた武器を手放された驚きは隠しようがなかった。
「しまった!?メイリンっ!?」
慌てて視線を戻せば目の前には金色の毛が舞っていた。動揺して反応が鈍ってしまうが老人は一瞬にして理解した。これはメイリンの髪の毛だ。あの時後ろに手をやったのは髪を切るためで、その為に使った小刀は囮でこっちが本命。
髪の毛の束の奥にメイリンの右手がうっすら見える。老人は言い放った。
「見事っ!!」
仕返しと言わんばかりに老人の額を掴み地面へ勢いつけて押し倒す。ガンっと鈍い音だけが終わりを奏でて完結する。二人だけの命懸け合った短き、激しい
倒れ伏した老人は黙り込んでいたが我慢していたのか微かに老人から笑い声のようなのが聞こえてくる。
「…………クク、ガッハッハッハ!!あー面白い面白い!!儂の負けじゃ!ほれそこの小刀で儂の首を斬れ!」
メイリンは老人を押し倒したままの姿勢で突き刺さってた小刀を手に取り短い刀身を見つめる。
しばらくするとメイリンは小刀を塀の向こうへと投げ捨てた。
「……殺さないのか」
「アンタは…俺の親父なんだ…たとえどんな仕打ちを受けてきたとしても親を殺す覚悟なんて無いしこれから持つ気もない。それにアンタが拾ってくれなかったら俺はとっくの昔に死んでる」
メイリンは言葉を続ける。
「俺は唯一の親を想う心を捨てる程、堕ちてないさ」
メイリンはその後、例の木を登って塀の向こうへと去っていった。今まで散々荒らしあってた場所は何事も無かったかのように老人は放置しながら屋敷へ戻った。時折、老人の袖口からガチャンガチャンと鋭利な刃物をこぼしながら。
▽▽▽▽▽
メイリンは懐に入っている巾着袋を取り出した。中にはなけなしのお金が入っていて彼がこれから向かう先への予算を引けば全部は消し飛ぶくらいしかないなけなしのお金だった。このお金はメイリンがあの屋敷で修行していたときに遠征という名目で狩っていたモンスターの素材を密かに売って稼いだお金だった。勿論、こんな事が老人にバレたら今日よりも以前に腹を切らされていただろう。
彼はとにかく地図を広げて港のある村に向かうことにした。そこから目的地へ船に乗って移動する。
メイリンの目的地は───
「モガの村…」
独り言を呟いて彼は雲一つない星空を見上げた。
モガの村に着く前には一回タンジアでハンター登録を済ませなければならない。
多分、これから厄介事だらけの生活が待ってるだろう。けれどメイリンは檻の中で縛られた生活を送るよりも遥かに海を飛ぶウミネコのように、木陰を彷徨くスズメのようにモンスター達のように生き抜きたいのだ。
きっとモガの村に着いたら何かが自分を変えてくれる筈だろうと胸を躍らせながら歩みを止めなかった。
しかし心底がっかりする。
「翼があったらなぁ…楽だろうに」
彼は文句をだらだらぼやきながら港のある村を目指して歩いたのだった。
読了ありがとうございます。
今回の話でどうしても話したいことが一つ。メイリンの師範ですが、メイリンに最終的には負けたことになってますが最後のシーンも見てくれたら分かると思うんですが刃物袖から落としてるんですよね。師範に勝ってますけど最初からあの刃物使われてたら普通にメイリンのぼろ負けです。木刀で打ち合ったのはメイリンを試した的な感じです。こういう厳しいけど自由なキャラ書いてみたかった。
ではまた次回。