暖かな眼差し   作:naonao-man

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FF15とFF零式が好きなのでクロスオーバーさせて見ました。クロスオーバーと言っても、零式からはクラサメ隊長しか主に登場しません。主の文才は偏差値40程度しかないので、過度の期待は注意です!!


01

もうすぐ…私の魔力は尽き、私の命の灯火は消え去るだろう…

最後に彼らに伝えたいことがある…

 

聞こえているかは、分からないが…

 

「クラス0応答せよ」

 

「諸君らの魂には、無限の可能性があった。だが、お前たちの選択は決して間違いじゃない…よくやったな…」

 

そう彼らに言い残し、通信を切ると、既に私の魔力は底をついており、後は死ぬだけとなった。

 

「セツナ卿…朱雀にクリスタルの加護あれー!」

最後に思い残すことがあるとするならば…彼らが選んだ行く末を見届けることが出来なかったのは…とても…残念だ…

 

身体から熱が奪われ、自分が死んでいくのを悟ると私の意識は深い眠りについた…

 

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次に私が目を覚ますと、そこには優れた人格者の雰囲気を醸し出す齢20半ばだろうか……その男性を観察していると、私は彼に優しい手つきで身体を持ち上げられた。

そこでようやく私は己の状況を理解した。

どうやら私は赤ん坊になってしまったらしい。

私が存命していた頃と同じくらいの年齢の男に下の世話をされるとは……そう全てを悟った達観した目でいると、ふと、暖かい温もりを感じた。

私の父親と思われる男性に代わって私を抱いたのは、私の母親と思われる女性だった。

私は母の温もりなど当の昔にクリスタルの恩恵によって忘れてしまっていた。

忘れてしまっていたからこそ、この温もりに自然と涙が出てしまう。

この時ばかりは赤ん坊でよかったと心から思った。

 

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それから、六年が経ち、私に一人の弟が出来た。 だが、私の弟が生まれると同時に最愛の母が死んでしまった。

この世界では、死者の記憶を忘れることが出来ない、私は初めて人を喪う悲しみを知った。いや、違う、これまでも沢山の大切な人を私は亡くして来た。私はその哀しみを忘れてしまっていただけだ。 でも、今度は違う。今の私は、この悲しみにちゃんと向き合うことが出来る。そうすることが、私が死んだ人間に出来る最大の弔いだと思うから。

母が命を徹して産んだ、弟へと私は顔を向ける。

母と同じように優しい目をしていて、父親と似た顔立ちをしている。

暖かい目で弟のノクティスを見守っていると、いつの間にか、ノクティスと目が合った。

ノクティスは、こちらを見るとニコッと笑ってキャキャと騒ぎだした。

私は、ノクティスのことを両腕で、優しく抱いて泣かないようにあやした。 その様子を父レギスはどこか悲しそうな目で私たちを見ていたが、その理由を私はまだ知らない。

 

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私が11歳となると、私の人生に転機が訪れた。話していなかったが、私の父レギス・ルシス・チェラムはルシス王国113代国王で私とノクティスはその息子だ。だが、それも今日までだ。

我がルシス王家が厳重に管理している聖石のクリスタルから真の王は私の弟のノクティスだというお告げがあった。それに加え、ルシス王国に二人の王は要らないということで私をルシスから追放しろとお告げがあった。

それからというもの、私の王位継承権は剥奪され、王家を示すルシスの名前も剥奪された。

それから、私は王家の名を捨て、かつての名前のクラサメ・スサヤと名乗るようになった。

それから、一年が経ち、私はルシス王国王都イムソムニアを守護する『王の剣』のレギス直属の特殊部隊に配属されることとなった。

元、ルシス家の王子ということもあり、最初は他の隊員から、普段から温床で過ごしてきた子供だと馬鹿にされることが多々あったが、これでも死ぬ前は、元朱雀四天王の氷剣の死神として名を馳せた男だ。己の実力を示すと自然とそう言った声は次第に減っていった。

ノクティスとは、ルシス王家から名を捨てて以降会うことは、ほとんど無くなってしまった。

最愛の弟と会えなくなってしまったのは、心が痛いがノクティスには、真の王として成長してほしい。、

今、ルシス王国はある国と長年の間、戦争をしている。

その戦争をしている国とは、ニフルハイム帝国。

魔法で発展しているルシス王国とは、対象に、機械文明が発達している国だ。

機械で出来た魔導兵や魔導アーマー、飛空挺などを駆使して周辺の国に対して侵略行為をしかけている。

私が、所属している『王の剣』の隊員のほとんどが帝国に故郷を奪われ、移民となることを余儀されなくなった者が多くおり、帝国に復讐を誓う者も少なくない。

そんな彼らと私は、日々ルシス王国へと、進行の手を休めない帝国を相手に少しでも進行を遅らせるために最前線での防衛戦を余儀なくされている。

『王の剣』の皆は、ルシス王家に代々伝わる力、レイドシフトによって、魔法やシフトといった超常の力を扱うことが出来る。

私にも王家の血が流れているため、人の身に余る超常の力を行使することが出来ている。

私が得意とする魔法はブリザド系の氷雪魔法とそして、己の魔力から作り出した氷剣ヒムロを駆使して帝国のモンスターを退治している。

父レギスの王の力が剣を投げた場所に移動することが出来るようになるシフトだとするならば、私の貸し与える力は『軍神召喚』、この世界の六大伸ではない、契約を交わした召喚獣を一時的に不可視世界からこの世界に呼び、力を借りることが出来る力だ。召喚されたモンスターは、一体で、帝国の兵力をなぎ払う一騎当千といった力を持つ切り札だ。 しかし、そんな力にも当然代償は存在する。この力を使った者は、私を除いて召喚した代償に必ず命を落とす。

王家の血を引く私は、他の生命の命を肩代わりすることでその代償を回避しているに過ぎない。

だから、私以外の人間は三人一組の体制で軍神を召喚する。

一人が召喚するために死亡し、他の二人は死んだ人間を蘇生する担当だ。

いくら召喚のためにバックアップが二人付いているとしても、蘇生は必ず成功するわけではない。そのため、軍神召喚は、己の命をかけた諸刃の刃と言えるだろう。

たとえ、蘇生が成功しても、召喚を行った者は、しばらくの間戦闘には参加できないほどの後遺症が残る。

そのため、私がこの力を使うのを許可するのは、やむを得ない状況の時だけと定めている。

私が戦闘に参加してからは、ルシス王国は少しずつだが、帝国に奪われた領土を取り戻せて来ている。

ルシスに住まう民からも期待の声が大きい。

王の剣の皆も負け気味だった戦争に、勝てそうになってきたため士気が高まってきている。

だが、そんな民の気持ちに対して、国王レギスは保守的だ。

ルシス王国を守る魔法障壁を僅かばかり拡大しただけに過ぎない。

今の父はノクティスを守りたいばかりにルシス王国の民のことが見えていない。 その事に対して、当然民からの不満の声が上がる。

父上は、親としては正しいが、国王としては、二流が良いところだろう、それとも真の王となるノクティスを民を捨て置いてまで守らなければならない理由があると言うのか…その本意は私にはまだわからない。

---------

 

それからはしばらく戦争のない時間を過ごした。帝国はルシス王国の侵攻を一旦諦め、他の地域の侵略を始めたようだ。そのため、私は私と同年代の子供達が受けるような教育を飛び級でこなしながら、コル大佐と言った名高い戦士たちと稽古をつけながら、毎日を過ごしていった。

それから二年が経ち、私の歳が14歳となった頃、ある事件が起きた。

ノクティスが街の郊外であるモンスターに襲われてしまい、命に危険があるほどの重傷を負ってしまった。

その時、レギス国王とその側近が即座に対処したようだが、討伐にまでは至らなかったようだ。

国王は、ノクティスの療養のため、ルシス王家と遠い昔から交流のあるフルーレ家が住むテネブラエへと向かうらしい。

私はノクティス王子の護衛のため、素性を隠して同行することとなった。

私は、弟のノクティス王子がフルーレの才女ルナフレーナ様と戯れているのを、護衛も兼ねて見守っていた。

彼らを暖かい目で見ていると、長髪の黒髪の女性がこちらへと近づいてきた。

 

「もっと近くで、彼らを見ないのですか?」

 

「私の任務は、彼らの護衛であります。今、彼らは、お互いの親睦を深めていることでしょう。私が近づけば、彼らの雰囲気を壊してしまう」

 

「申し遅れました。私、六神の遣い、二十四使の一人、ゲンティアナと申すものでございます。以後お見知りおきを」

 

「そんな大層な方が一兵倅である私に何の用でございますでしょうか?」

 

「お戯れを。貴方のような一般兵がどこにいるのでしょうか?

レギス国王の長男であり、ルシス王家から追放されたクラサメ・ルシス・チェラムであるというのに」

 

「失礼ですが、その名前は当の昔に捨てた名です。今の私はクラサメ・スサヤ。真の王ノクティスを守るために王の剣の一人であります」

 

「貴方がそう思っていたとしても、その身に流れる血はルシス王家であること拒むことはできない」

 

「一体そんなことを聞いて何が目的なのでしょうか?」

 

「私が貴方に聞きたいことはただ一つ、何故真の王ではない貴方が、不可視世界の住人である幻獣の力を行使することが出来るのでしょうか?」

 

「残念ながら、その事については私に答えることが出来ません。

私も気付いたら、このような力を扱うことが出来るようになっていたのです」

 

「本来、その力は神凪である者にしか使えないはずの力。

神凪であったとしても、幻獣の力を制御することは困難なはず、ましてや、その力を他人に貸し与えるなど……そんな存在はこれまでで一人も存在することはなかった」

 

「左様でございますか」

 

「しかし、人間よ。そなたの力は本来であれば、人の身には過ぎ足る力。その力を使い続ければ、いずれはその身が滅びるのが世の理。その事を常に頭の隅にしまっておくことだ」

 

「ありがたい忠告感謝します」

私とゲンティアナ殿と長い間、話しているのが気になったのかルナフレーナ嬢が何事かとこちらへと話しかけてきた。

 

「ゲンティアナ、先ほどからそちらの方と何を話し込んでいるのです?」

 

「これは…ルナフレーナ。特に何もございません。ただ、世間話をしていただけでございます」

 

「そうなのですか?いつもの貴女からは想像がつきませんね」

 

「話し込んでいる内に随分と時間が経過してしまったようです。では、私はこれで失礼します」

そう言うとゲンティアナは、颯爽と部屋から退室してしまった。

部屋に残されたのは、私と弟のノクティスとルナフレーナ様となり、言い様のない気まずい空気が流れる。

 

「私のことなど気になさらず、どうぞ、ノクティス様とお話を続けなさって下さい」

 

「そう言う訳にもいきません。貴方からは何かノクティス様と同じ特別な何かを感じます。失礼を承知で伺いますが、その仮面を外してもらっても構いませんか?」

 

今の私は、ノクティスにバレない為に顔を特別な仮面で覆っている。

このまま押し問答を続けてもいいのだが、目の前のルナフレーナ様に命令とあれば、外す他なくなる。

それから、自分の仮面を外すと私の素顔が顕となる。

その私の顔を見て、驚いたのはノクティスだ。

それも当然だろう。三年前、突如として姿を消した兄が、自分とルナフレーナを守る護衛となって、姿を現したのだから。

 

「兄ちゃん!どこに行ってたんだよ!探したんだぞ!」

ノクティスと離ればなれになる前は、随分と親しくしていたため、急にいなくなった私のことを心配していたのだろう。

 

「ノクティス王子、私は既にあなた様の兄様ではございません。その事は、既にご存知のはずでしょう」

 

「なんだよそれ!お父様も言ってたけど意味わかんないよ!兄ちゃんは兄ちゃんでしょ!僕にも分かるように話してよ!!」

 

「ならノクティス様にも分かるように話しましょう。私は、ルシス王家の名を捨てたのです。全ては、真の王のために…」

 

「それって、僕のせいってこと……?」

 

「そのようなことはありません。私は、己の意思でルシス王家の名を捨てました。ノクティス様が責任を感じられることなどないのです」

 

「それでもっ…!それでもっ…!」

私の言ってることが認めたくないのか、ノクティスが悔しそうに地団駄を踏む。それを見かねてか!ノクティスの隣に居たルナフレーナ様が異を唱えた。

 

「お二方のお話を拝聴させて頂きました。あなた様がノクティス様が仰られたクラサメ様なのですね」

 

「お辞めください、ルナフレーナ様。先ほども言った通り、私は既にルシスの名を捨てた身です。私ごときに、敬称などお付けにならないでください」

 

「たとえ、あなた様がルシスの名を捨てたとしても、ノクティス様のお兄様であることは、不変の事実のことだと思います。先ほどのノクティス様から貴方様のことをとても楽しそうに仰られていました。聞くところ、三年ほどお会いにならなかったんでしょう?なら、今が良い機会ではございませんか。お二方の間に積もる話はいくらでもございましょう。是非二人だけで話されては?」

 

「それを判断する権限は、今の私にはございません。今の私は、ノクティス様とルナフレーナ様のお二方の警護を任命されている身でございますから」

 

「なら、私の命令であれば構いませんよね?」

 

「………」

 

「沈黙は肯定と見なしますよ」

 

「…ルナフレーナ様の命令とあれば、それに従いましょう」

 

「なら私から命令します。ノクティス様と仲直りをしなさってください」

それから私は、普段のかしこまった雰囲気を解き、ルシス王家から追放される前のノクティスの兄として振る舞った。

 

「…久しぶりだな。ノクティス、元気にしてたか?」

 

「あぁ!これでこそ昔の兄さまだ!」

以前のようにノクティスに接すると、ノクティスは嬉しそうな声を上げた。

 

「ノクティス、野菜を食べれるようになったか?お前は小さい頃から好き嫌いが多かったからな。今だと随分と増えているんじゃないか?」

 

「そ、そんなことないし!?今の俺だって、野菜くらい食べれるようになったし!」

 

「ふふっ、ノクティス様はお野菜が嫌いなんですね?可愛らしい所もあるんですね」

 

「ル、ルーナまで!?からかうのは止めてよ!?」

それから、私はノクティスとルナフレーナ様を交えて談笑をして過ごし、久々にはしゃいで疲れたのかノクティスは疲れて眠ってしまった。

部屋には、寝てしまったノクティスの髪を撫でるルナフレーナ様とそれを見守る私だけとなった。

実質、私とルナフレーナ様の二人きりとなったことで、ルナフレーナ様から真剣な質問が飛んできた。

 

「クラサメ様はノクティス様と離れてからはどちらへ?」

 

「私はルシス王家を離れた後、ルシス王家直属の部隊『王の剣』へと配属となりました」

 

「王の剣と言えば、その隊員のほとんどが帝国に故郷を奪われ移民で構成される部隊の名ですよね?まさか、そんな小さい頃から戦闘に参加してらしたのですか?」

 

「その通りです。幸いにも戦うための技術は、身につけていたので、それほど困りはしませんでした」

 

「失礼を承知でお聞きします。ノクティス様を恨んではいないのでしょうか?」

 

「どうして、私が弟のノクティスを恨むことになるのでしょう?」

 

「それは……ノクティス王子が聖石に選ばれる前、ルシス王家の正当な後継者は、クラサメ様、貴方だったはずです。それをノクティス様が選ばれた後、用済みだと言わんばかりにルシス王家から追放されているではありませんか!それを……恨まずにいるなど考えられません」

 

「私は、私のことをルシス王家から追放した父上のことを恨んでなどいない。ましてや、血の繋がった弟のノクティスを恨むなどもっての他だ。遅かれ早かれ、こうした王位継承権は揉めることになっていただろう。私としては、自分などがルシス王家に相応しい人間などと思っていない。だから、こうしてルシスの名を捨てれたのは幸運だった」

 

「王様になりたいとは思わなかったんでしょうか?」

 

「私が?冗談でしょう…私みたいな人間の器では王の器には収まりきりませんよ」

 

「ふふっ、ノクティス様が仰られたように、貴方様はだいぶ変わっていらっしゃるのですね」

 

「ルナフレーナ様」

 

「なんでしょう?」

 

「ノクティスのことをよろしくお願いします」

 

「分かりました。神凪の巫女としてノクティス様のことをこの命をかけて支えることを誓います」

 

それからは、ルナフレーナ様とノクティスが起きるまでの間、他愛ない話をいくらかばかりした。

私はこの平和な時間がいつまでも続けば良いと思っていた。

しかし、それから数日後、テネブラエへとニフルハイム帝国が侵略してきた。

炎が瞬く間に放たれ、綺麗なテネブラエが戦場と化した。

ルシス王家の人間でまともに戦えるのは、私とレギス陛下くらいしかいなかったため、戦えない人間を守りながら戦うのはとても困難なことだった。

私は、レギス陛下とノクティス王子、ルナフレーナ様を守るために敵の殿を勤めることとなった。

 

「すまない、息子よ。後は任せた」

レギス陛下はノクティス王子を守るために敵の手が掛からない場所へとノクティスとルナフレーナを連れて逃げていった。

 

私は、先ほどレギス陛下と対峙していた、グラウカ将軍と合間見える。

全身を黒光りすふ銀色の鎧で覆い込み、並大抵な武装では傷一つつかない強度を誇ることが先ほどの戦闘で見てとられた。

それ以外にも、帝国の魔導兵達が私のことをずらりと囲んでいる。

端からみれば、絶体絶命のピンチだろうが、あいにくだが、敵に囲まれることなど慣れている。

先手必勝とばかりに私を中心とした魔法を放つ。

【ブリザガBOM】

私を中心とした冷気の魔法で広範囲に攻撃する魔法だ。

この攻撃でグラウカ将軍を除いた多くの魔導兵を葬ることができた。

これで、少しでもノクティス達へと追撃を遅らせることが出来る。

こちらの思惑に気付いたのか、相手のグラウカ将軍がこちらへと突貫してきた。

それを私の愛剣、氷剣ヒムロで迎えうつ。

私の氷剣とグラウカ将軍の剣で鍔迫り合いが起こる。

私とグラウカ将軍で鍔迫り合いが起こっている中、フリーとなった左手で魔法を唱える。

【サンダガSHG2】

威力は大きくないが、瞬時に相手まで届き、発動までの隙が短い便利な魔法だ。

不意討ちに近い形で放った雷魔法は、相手が金属性の鎧ということもあり、非常に強力なダメージと与えることとなった。

これには、相手のグラウカ将軍もたまらず膝をついてしまう。

そんな隙を見逃すほど甘い私ではない。すかさず、追撃の魔法を叩き込む。

【レシオブリザガ2】

先ほどの魔法よりも威力が倍以上高い私の得意な冷気魔法を放つ。

秒速45mという凄まじい速さで敵の元へと飛んでいき、敵にヒットすると同時に対象にスリップ、ストップ、凍結といったデバフを同時に付与する。

避けることが出来ず、私の魔法が直撃したグラウカ将軍は動くことも出来ないまま、氷漬けになる。

帝国の将軍がこんなに簡単に呆気なくやられるとは…と思っていると、氷漬けになったグラウカ将軍が氷を砕きながら、私の首元目掛けて斬り込んできたが、そんなこと想定してないはずもない。

事前に唱えていた、自動回避魔法【アボイド】によって、グラウカ将軍の攻撃を難なく回避する。

攻撃が当たらないことを察知したのか、一旦グラウカ将軍が私から距離を取る。

すると、ボイスチェンジャーのような機械音をしたグラウカ将軍が私へと語りかけてきた。

 

「その若さで、その戦闘センス恐れいる。どうだ?ルシス王国など捨てて、我がニフルハイム帝国に来ないだろうか?君を捨てたルシス王国よりも、破格の待遇を君に約束しよう」

 

「抜かせ、貴様のような外道がいる国になどに行きたいなどと死んでも思わない。私を帝国に勧誘するならば、もっとましな人間を連れてこい」

 

「これは…これは…心外な発言だな。真の王などと訳のわからないものにすがり、優秀な息子の君を捨てたレギス王よりかは、私はまともな感性を持っているとは思うがね」

 

「これ以上、貴様と語り合う口などあいにく持ち合わせていない」

 

「そうか…それは残念だ」

 

グラウカ将軍は先ほどよりも、一段と速い速度でこちらへと迫ってきた。

私は、それを冷静に迎撃する。

スピードが上がってパワーも上昇したのか分からないが、剣を打ち合ったときに、先ほど発生した鍔迫り合いが起こらず、一方的に私が吹き飛ばされる形となった。

 

「くっ…」

私は、吹き飛ばされながらも、このチャンスにすかさず追撃を仕掛けてくるグラウカ将軍の攻撃をギリギリでいなしていた。

このままでは、競り負けると判断した私は、魔法による肉体強化を図る。

【ブリザガRF】をグラウカ将軍に放ち、それを防御されるのと同時に【ファイガRF】を放つ。すると、強力な冷気と熱気が衝突し合うことで、周囲に広範囲の蜃気楼が立ち上る。

その隙に乗じて、私は自身にありったけのバフをかける。

オーラ、クイック、トランス、ヘイスト、リジェネ、プロテスの6つのバフがかけ終わった。

立ち上った霧をグラウカ将軍が自身の剣を振り回し、霧を払うと、私の姿が露になった。

私の姿を確認したグラウカ将軍はすかさず攻撃を仕掛けるが、先ほどとうって変わって、途端に攻撃が当たらなくなった。

それもそのはずだろう、私はヘイストによって先ほどの二倍の速度で動いているのだから。

グラウカ将軍が動揺している隙に、グラウカ将軍の懐へと潜り込み、目にも止まらぬ速さで目の前の敵を切りつける。

先ほどは、いくら攻撃をしても、傷一つつかなかったグラウカ将軍の鎧が私のバフによって強化された攻撃によって、ボロボロになっていった。

ボロボロになったいった鎧が崩れると、グラウカ将軍の素顔が露になった。

そこには、信じられない人物の姿があった。

「まさか、グラウカ将軍の正体が貴方だったとは…ドラットー隊長」

 グラウカ将軍の正体は、長年の間、ルシス王国に仕え、レギス国王からも絶大な信頼を受けていた、我らが王の剣を統括するタイタス・ドラットー将軍であった。

「これほどの力とは……私はお前の力を見誤っていたようだ…」

 

「貴方ほどの人格者が何故、ルシス王国を裏切ってまで帝国に仕えたのですか」

 

「何故?そんなもの決まっている!!ルシス王国が18年前の戦争の時に我らが故郷を切り捨てたからに決まっていよう!」

 

「そうなった原因の帝国に付くなど、私には理解できないません」

 

「貴様にも分かるはずだ。助けてくれると思っていた存在に見捨てられる苦しみが!!私たちのように、王都から離れ辺境に住むような人間は当然のように切り捨てられる!王の剣の隊員のほとんどが私のような境遇の人間がほとんどだ、だが、レギス王は移民として受け入れた我らを最前線へと送り、自分たち王都に住まう者共は高みの見物ときた。現に今、守らなければならない民を見捨てて、大切な息子とルナフレーナだけ連れ出して逃げ出しているではないか!」

 

「レギス陛下が戦えない理由を知っている貴方がそれを言うのか! 長年、レギス陛下の元で仕えた貴方なら、もうあの方が帝国からの侵攻を防ぐために魔法障壁を張り続け、十分に戦えないことなど当の昔に知っているでしょう」

 

「貴方のやっていることは、故郷を奪われた腹いせをレギス陛下にぶつけているに過ぎない。過去に囚われ続けて、前を向くことが出来ないままの愚か者だ」

 

「何……?」

 

「貴方が帝国に何を吹き込まれ帝国に付いたが知らないが、ルシス王国を倒した所で、貴方の望む結果になることは決してない」

 

「青二才の貴様に何が分かるぅぅ!!!!」

怒りに満ちたその顔でドラットー将軍は両手で持つ剣を掲げて、こちらへと突進してきた。

それを冷静にかわして、ドラットー将軍の心臓へと氷剣を突き刺す。

「ガフッ…!!故郷の…誇りに…か…けて…」

そう言い残すと、ドラットー将軍は糸が事切れた人形のように前のめりに倒れこんだ。

己の手で殺してしまったドラットー将軍を私は悲しい目で見つめていた。

ドラットー将軍は、私が王の剣に配属された頃、周りからレギス陛下の息子と言うことで、やっかみを受けていた私を一番最初に受け入れてくれた方だった。

誰に対しても優しく厳しく、私から見ても優れた人格者だった。

そんな人を自分の手にかけることになるとは……こんな時くらいは、クリスタルの忘却が無いことが恨めしく思う。

私がその場に立ち尽くしていると、空に雲が立ち上り、奇しくも私の名前と同じように暮雨が降り尽くした。

 




クリスタルの忘却:FF零式では死んだ人間の記憶がクリスタルの恩恵によって忘却します。これまで過ごした人のことは、誰かとその場に居たことは覚えていますが、どんな顔かどんな名前かも思い出すことが出来ません。これは死んだ人間のことに縛られないためのクリスタルの配慮でもあります。
【魔法】
~RF:ライフル 正面に弾を飛ばす
~SHG:ショットガン 前方に拡散しながら広範囲に攻撃する
~ROK:ロケットランチャー 詠唱中に狙いを定めて、弾を撃ち出す
~MIS:ミサイル 対象を追尾する弾を飛ばす
~BOM:ボム 自分の周囲の広範囲を攻撃する
炎系 人形に有効
氷雪系 モンスターに有効
雷系 機械に有効
*この情報は、FF零式によるものです
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