IS語   作:謎人

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感想、質問、誤字脱字等ありましたらお願いします。それでははじまります。


第八話 転校生は男!!

side焔

「おはよう、一夏」

 

「おっす」

 

「ああ、おはよう、焔、刻枼」

 

いつもの面子で食べる朝食。

 

「刻枼、今日昼休みいいか?」

 

「いいけど、どうした?」

 

「昨日、お前の誕生日だったろ。一日遅いが、誕生祝いってことで」

 

「ありがとな」

 

とそこに、

 

「おはよ、焔」

 

「グッモーニングですわ、一夏さん」

 

「おはよう」

 

鈴、セシリア、箒が来た。

 

「三人ともおはよう」

 

「何話してたの」

 

「ああ、昼休みに刻枼の誕生祝いでもしようという話だ」

 

「そうなのですか。おめでとうございます、刻枼さん」

 

「ありがとな。まさか、焔。昨日帰るのが遅かったのは――」

 

「ああ、ホールケーキを作っていた。自信作だ」

 

「階段ケーキじゃないだろうな?」

 

「3段重ねだ。一段目はショート、二段目はフルーツ、三段目はチョコだ」

 

「多すぎでしょ、そしてこだわりすぎ!?」

 

「そうだな」

 

そこで話を打ち切った。なお、箒たちも参加することになった。

 

 

                ☆

 

朝のSHRの前、教室はいつもの喧噪だ。一夏は箒とセシリアに囲まれている。刻枼はのほほんさんとその友達と共に「化物語」の感想で盛り上がっている。俺はと言えば、IS武装のカタログを眺めている。内容は銃火器。いかせん火力が乏しいので、何か装備したいがぱっとは思いつかない。黒鳳の容量も少ないので1武装がせいぜいだ。

 

「諸君、おはよう」

 

っと、もう時間か。

 

「今日から本格的な実戦訓練を開始する。訓練機ではあるがISを使用しての授業となるので各人気を引き締めるように。各人のISスーツが届くまでは学校指定の物を使うので忘れないようにな。忘れた者は代わりに学校指定の水着で訓練を受けてもらう。それも無い者は、まあ下着でも構わんだろう」

 

いや、構うだろう!クラスの大半が心の中で突っ込んだだろう。

 

「では、山田先生、ホームルームを」

 

「は、はい。ええとですね、今日は何と転校生を紹介します!しかも2名です!」

 

「「えええええええっ!?」」

 

普通分散させるものではないかとは思う。ふと、手首のブレスレットを見れば鍍が反応していた。驚いている我をしり目に転校生がはいってきた。

 

「失礼します」

 

「・・・・・・・・・・」

 

ぴたりとざわめきが止まる。そのうちの一人が男子だったからだ。

 

「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不慣れなことも多いかと思いますが、皆さんよろしくお願いします」

 

にこやかな顔でそう告げた。しかし、ニュースになってもよさそうなものを・・・少し探りを入れるかと思いつつ、観察する。が

 

「男子!守ってあげたくなる系の!」

 

「しかもうちのクラス!」

 

「地球に生まれてよかった~~~!」

 

「フフ、夏の薄い本の内容が」

 

って最後誰だ!!同時に一夏と刻枼は思ったはず………刻枼?

 

 

side刻枼

何でかは分からない。今まで女子と話しても、友達関係にはなるがそれ以上はいかないのが常だった。まあ、紫苑婆が生きてた頃は虛刀流の修行で忙しかったからな。初めてだな、一目惚れってやつ………

 

「…花、…は…………惚れても……」

 

……ッ痛。なんだ今の?

 

「どうした、刻枼?」

 

「いや、何でもない」

 

「そうか」

 

焔も何か考えているらしく、あまり突っ込まなかった。外見は銀髪の可愛い子なんだけどな、雰囲気が眼帯もあってか軍人そのものだ。何、俺って軍人萌え?この考えに絶望していると、

 

「………挨拶をしろ、ラウラ」

 

「はい、教官」

 

そう言って

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

それで終わった。山田先生が泣いてるぞ。その子は一夏の方を見るなり、つかつかと近づき平手を

 

「物騒だな」

 

と焔がその手を止めた。

 

 

side焔

「何者だ?」

 

「真庭焔だ。ドイツでは過激な挨拶が常識なのか?」

 

「邪魔だ!!」

 

さて、我に向かって平手を放とうとした瞬間

 

「主、認証」

 

機械的な声が聞こえ、ボーデヴィッヒの左手に大きく反り返った鍔なしの刀が握られていた。やはりか!!鎖も意味がないことを悟り警戒する。

 

「なんだ、これは?」

 

「四季崎記紀の完成形変体刀のうちの一振り、毒刀「鍍」だ。気をつけろよ、そいつは四季崎の刀の中でも最も邪悪な刀だ。自我が食われるぞ」

 

「何を馬鹿な」

 

「ラウラ、忠告は聞いておけ」

 

「教官?」

 

「与太話ではないということだ。そうだろう、真庭」

 

「そうですね、抜刀しなければ問題ない」

 

「そう言う事だ。ラウラ、しまえるか?」

 

「問題ありません」

 

そう言って、なおした。左手の中指に禍々しいデザインの指輪が装着された。が一夏の方を見て

 

「私は認めない。貴様があの人の弟であるなど、認めるものか」

 

と言い捨て席に座った。

 

「あー………ゴホンゴホン!ではHRを終わる。各人はすぐに着替えて第二グラウンドに集合。今日は2組と合同でIS模擬戦闘を行う。解散!」

 

さて、どうしたものかねえ。今は考える時間は無いか。またあとで考えるかと思い、急いで移動することにした。

 

 

 

side一夏

「ああ!転校生発見!」

 

「しかも織斑君達と一緒!」

 

HRが終わって、さっそく各学年の教室から情報先取のための尖兵が駆け出してきている。

 

「ちっ、予想以上に早い」

 

「したかあるまい。煙幕で」

 

「やめろ、この間もそれで怒られたじゃないか」

 

「ならば、胡椒か?」

 

「いつの間に!!」

 

「何にせよ、急げってことだな」

 

「な、なに?なんでみんな騒いでるの?」

 

「そりゃ男子が俺達だけだからだろ」

 

「………?」

 

?なんで「意味がわからない」って顔をするんだ?

 

「いや、普通に珍しいだろ。ISを操縦できる男って、今のところ俺達しかいないんだろ?」

 

「あっ!―――ああ、うん。そうだね」

 

「おかげで俺らは珍獣扱いの待遇だ、急げ、あと12分だ」

 

さて、どうにか群衆に捕まる前に校舎を出ることができた。そして、第二アリーナ更衣室

 

「うわ!時間やばいな!すぐに着替えちまおうぜ」

 

とにかく急げ。そう思い一気に脱いだところで、

 

「わあっ!?」

 

シャルルが叫んだ。

 

「どうした?」

 

「な、何でもないよ」

 

「「お先に一夏」」

 

見ると、焔と刻枼は既に着替えたのか、脱兎のごとく駆け出していた。

 

「ああ、待てお前ら。急ごうぜ、シャルル」

 

「う、うん」

 

 

 

 

「遅い!」

 

第二グラウンドに無事到着とはいかなかった。ああ、鬼が腕を組んで

 

ばしーん

 

「くだらんことを考えている暇があったらとっと列に並べ!」

 

俺とシャルルは一組整列の一番端に並ぶ。

 

「災難だな、一夏」

 

「お前らなぁ……刻枼、調子悪いのか?」

 

「うん、いつも通りだが?」

 

と言って髪をいじくる。分かりやすいな。焔は焔で、目を鋭くしながら、もう一人の転校生ラウラ・ボーデヴィッヒをみて何か考え込んでいる。

 

「焔、やっぱ気になるのか?」

 

「ああ、毒刀『鍍』は真庭にとっても因縁があるからな」

 

「因縁?」

 

「ああ、真庭忍軍末代十二頭領が一人、真庭鳳凰が毒刀「鍍」の所有者だった」

 

「鳳凰?お前の忍び名と同じだな」

 

「ああ。しかし、なにも起きなければいいがな」

 

「末代頭領に何があったんだ?」

 

「一言でいえば、鍍を抜刀して乱心した。わが先祖を切りつけ、真庭の里を壊滅させた」

 

「凄まじいな!!」

 

そこで話を打ち切る。改めて完成形変体刀に戦慄する。そう言えば、変体刀については名前と特徴ぐらいしか知らない。以前、歴史の特集で巌流島の戦い(前篇は宮本武蔵対佐々木小次郎、後編は鑢七花対錆白兵)って番組を見たところ、後編の方があやふやだったような気がする。まずはそこから調べるか、そう思い頭を実習に切り替えた。

 

side刻枼

「では、本日から格闘及び射撃を含む実践訓練を開始する」

 

「はい!」

 

射撃!?まずい、どのくらいまずいかっていうとマジまずい。まあ、なるようになれだ。

 

「今日は戦闘を実演してもらおう。――鳳!オルコット!」

 

戦闘実演か

 

「それで相手はどちらに?わたくしは鈴さんとの勝負でも構いませんが」

 

「ふふん。こっちの台詞。返り討ちよ」

 

「慌てるな馬鹿ども。対戦相手は―」

 

けどやっぱ銃器は無いわ―。マジでどうしよう。

 

「あああああーっ。ど、どいてください~っ!」

 

ぼんやりしていたため反応が遅れたが、体はすぐに反射して、放つ

 

「虛刀流・蒲公英」

 

飛行物体を容赦なく貫く。やべ

 

ドカーン!数メートル離れた壁にぶつかり、それの正体がわかった。

 

「あいたたた、ひどいですよ、鑢君」

 

山田先生だった。

 

「すみません、突然のことだったので手加減できなかったんで」

 

「ゴホン、二人には山田先生と対戦してもらう」

 

大丈夫なのか?

 

 

 

                  ☆

と、さっきまで思っていたが認識を改めよう。山田先生は、2対1にもかかわらず手傷を負わずに二人を倒した。二人の即興のチームプレイの未熟さが目立つが、それを差し引いても強い。

 

「さて、これで諸君にもIS学園教員の実力は理解できただろう。以後は敬意をもって接するように」

 

パンパンと手を叩いて織斑先生が皆の意識を切り替える。グループごとの実習になるようだ。訓練機が打鉄3機、リヴァイヴ3機ということで専用機持ちがグループリーダーを務めることになった。俺はボーデヴィッヒさんの補佐をやるように指示されたが肝心の本人がやる気がないため実質俺が指示を出していた。

 

「おい」

 

ひと段落したところで声をかけられる。

 

「何だ?」

 

「さっきの技はなんだ?」

 

「虛刀流・蒲公英。虛刀流の初歩の技だ」

 

「虛刀流?」

 

「虚しい刀の流れと書いて虛刀流。鑢家代々伝わる無刀の剣法だ」

 

「……剣法?拳法ではなく?」

 

「そのへん突っ込むのはよしてくれ」

 

「興味深いな。暇があったら私と戦え」

 

戦闘狂か?迷ったが頷いた。しかし、改めてみると気がつくこともある。この子には、何と言うか個がない。強気な姿勢も恐らく織斑先生を真似ているだけだろう。まるで、鍍で自分を覆い隠すように。恐らく、毒刀がこの子を主としてみたのはこれが原因かもしれない。願わくば何も起きないように祈るしかないな。

 

side焔

さて、実習も問題なく進んでいる。途中、黄色い声が上がったから何事だと思えば一夏が箒をお姫様だっこをしているではないか。相変わらずだなと思いつつ班員を見れば、期待の眼差しで見ているが、俺の身長は低い方だし、する気もさらさらない。シャルルの班は引き際を誤ったか、千冬さんの直接指導か。グラウンド20週はさすがにきついな。そう思いつつ、実習を進めた。

 

 

 

                   ☆

昼休みの学食。俺達は一つテーブルを使って刻枼の誕生会をした。

 

「おめでとう、刻枼」

 

「ありがとな、焔。にしてもやっぱ多いぞ。このケーキ」

 

「すまんな。ちょっと張り切り過ぎた」

 

「にしてもおいしいわね。焔、あんたまた腕上がった?」

 

「まあな」

 

思えば、真庭家は全体的に甘党だと思う。とくに顕著なのは俺と密兄さんだろう……閑話休題。

 

「俺からはこれ」

 

一夏は刻枼に限定物のスニーカーを贈る。そう言えば、前に欲しがっていたな。

 

「ありがとな。けっこう掛っただろ?」

 

「いや、俺と海と弾の割り勘だからな、気にすんな」

 

こうした具合で誕生会は進んで行った。

 

「真庭君」

 

声をかけてきたのは、シャルルだった。

 

「良かったのかな、僕が同席しても」

 

「構わんよ。ついでと言っては悪いが、お前の歓迎会って意味合いもある。ま、もっとももう一人の方は取り付く島もないがな」

 

それとなく誘ってはみたが、見事に無視された。俺はともかく、刻枼の様子がおかしかったな。まさか……な?

 

「ま、ここで会ったのも何かの縁。長いかどうかは分からないがよろしく頼む」

 

「うん、こっちこそ、よろしくね」

 

にっこりと笑顔を見せる。まあ、悪いやつではなさそうだ。俺も鍍の件で少しばかり気がたっていたかもしれん。

 

「そう言えば真庭君達は何時も放課後にISの特訓してるって聞いたけど、そうなの?」

 

「ああ、今月に学年別トーナメントがあるからな。一夏の奴がむらっ気があり過ぎるからな。その特訓だ」

 

「僕も加わっていいかな?何かお礼したいし、専用機もあるから少しくらいは役に立てると思うんだ」

 

「助かる。よろしく頼む」

 

何はともあれしばらくは様子見か。そう結論付けた。

 

 

 

side一夏

シャルル達が転校してきて4日経った金曜日の放課後。俺達はアリーナで訓練を開始していた。

 

「そう言えば、俺と焔まだ模擬戦してなかったな」

 

「言われてみればそうだな」

 

ISの実習が始まった折り、たまに模擬戦をしているが焔とまだ戦ったことがなかった。

 

「なら、やるか」

 

「望むところだ」

 

アリーナの一画を借りて、焔と対峙する。周りには、箒や刻枼をはじめギャラリーが多数いたがこの際気にしない。

 

「箒、合図頼む」

 

「ああ、いざ尋常に………始め!!」

 

雪片を構え爆縮地で距離を詰める。が、察知されたか上空に飛び棒状手裏剣が襲いかかる。

 

「はぁ!!」

 

それを薙ぎ払いつつ、焔を見れば鬼火を発動そして投げつけた。鬼火を避けるもしくは切り払いながら接近する。焔は棒状手裏剣を一本構える。巻菱指弾の応用か?と思ったが接近する。手裏剣が放たれる。これを弾……ガキン!!何だと!!弾くどころか弾かれた。

それを狙ってか、焔は鉋を構え

 

「報復絶刀!!」

 

side刻枼

「新技か」

 

俺はポツリと漏らした。

 

「新技ですか?」

 

興味深げにセシリアが聞いた。

 

「ああ、あれが焔の新技、鉄甲作用。投擲の威力を9倍いや11倍……10倍だったかな?」

 

「要は、焔さんの投擲の威力が増したといったところですか」

 

「そうだな。だが欠点もある」

 

「溜めですか」

 

「正解」

 

溜めに時間がかかるとぼやいていたな。

 

「さて、一夏はどう出るかな?」

 

side焔

決まった。が一夏は体を捻って直撃を塞いだ。甘いな。

 

「平突き!!」

 

横薙ぎの攻撃を放つ。直撃だったが、後方に逃れる。鉋をしまい、鬼火で追撃する。が、流石に追い込まれたか、動きが機敏になったため当たらない。そうこうするうちに、一夏は雪片を拾い構え、爆進した。溜める時間もないか。観念し、鉋を構える。ガキン、一合、二合と斬り合うが剣術の腕は一夏の方が上手だ。我に勝てる要素は突き技くらいしかない。刹那、一夏の目が浅葱色に変わり、雪片が白く輝く、

 

「雪月花!!」

 

3連撃をどうにか鉋で塞ごうとあがいたが、1撃しか防げなかった。一旦距離をとる。鉋を構え、投擲する。当然一夏は避ける。それでいい。棒状手裏剣を構え、接近する。再び始まる剣戟。数合の後、わざと後方に引く。追撃する一夏。甘い。能力発動「死翔刀」を発動させる。一夏に向かう鉋。気付いたのか、鉋を弾こうとする。再び接近し

 

「断罪円!!」

 

を仕掛ける刹那、一夏は雪片を投げつけた。流石に予想外だ。と避けたところで、一夏は針を構え、

 

「薄刀開眼・弐の舞、剣閃・木枯し!!」

 

剣閃を放った。棒状手裏剣で防ぐがすべて砕かれたうえに大ダメージだ。持ってあと一撃。鉋を寄せて構える。一夏も察したか針を構える。空気が凍る。そして

 

「断罪絶刀!!」

 

「雪月花!!」

 

交差する剣戟。

 

「負けたか」

 

我は膝をついた。僅かに一夏の方が早かったということか。そうつぶやいたと同時に一夏も膝をつく。

 

「か、勝ったのか?」

 

「ああ、お前の勝ちだ」

 

「良くやった、一夏」

 

「お見事ですわ、一夏さん」

 

息つく暇もなく介抱される一夏。役得か。そんな中

 

「負けたわね」

 

「ああ、負けた」

 

鈴が話しかける。

 

「ほら、しゃっきとしなさいよ。あと、これ」

 

そう言って取り出したのは、ポカリ。

 

「わざわざ済まんな」

 

受け取って、飲む。

 

「しかし、あの新技は驚いたぞ、一夏」

 

「ああ、木枯しか。実戦で使うの初めてだったけどうまくいった」

 

初披露であの実力か、我もうかうかはできんな。その次は、セシリアとシャルルの対戦で今日の訓練は終了した

 




次回に真庭道場を書きますので感想お願いします。
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