IS語   作:謎人

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投稿します。


幕間 相生忍者

side焔

さて、切り上げるか。屋上で鉋を振るのをやめ、部屋に戻ろうかと思ったが、

 

「今日は月が綺麗だな」

 

そんな理由で屋上にあった自販でリンゴサイダーを買い、飲む。

 

ああ、本当に月が綺麗だ。

 

「そう思うわないか、仮面の?」

 

後ろには洋装のバイザーをつけた男がいた。

 

「不驚禁(おどろきをきんじえず)、まさか気付かれるとはな」

 

「何者だ?関係者以外は立ち入り禁止だぞ」

 

「不答(こたえず)」

 

「そうか、なら殺るしかないよなぁ!!」

 

棒状手裏剣を投擲する。

 

「甘い」

 

相手も投げ返し相殺する。近接するが、姿を消す。

 

「相生拳法・背弄拳」

 

後ろからの声にぞっとするが技を避ける。相生?まさか

 

「相生忍軍の末裔か」

 

「不否(ひていせず)、もっとも壊滅前に離脱した者の末裔だ」

 

「あんたには恨みは無いが、ここで会ったのも何かの因縁。いくぞ!!」

 

そう言い放ち、棒状手裏剣を構え断罪円を仕掛ける。

 

「相生忍法・生殺し」

 

ガッ、ガッ、ガッ、ガッ、ガッ、ガキ、ガキン

 

剣戟が鳴り響く。まさかこれが、隙を作り、一旦距離をとる。

 

「断罪円の原型か」

 

「不否(ひていせず)」

 

この時我はISを展開して戦うことは考えていなかった。ただこいつを……

 

「いくぞ、仮面野郎」

 

「こい」

 

再び激闘になろうとした瞬間、

 

「そこまでだ!!」

 

いつの間にいたのか、千冬さんが制止をかけた。

我には刻枼が、仮面野郎には上級生だろうか、水色の髪の先輩が手を握った。

 

 

 

 

 

 

                  ☆

「さて、そこの仮面の。素性を明かせ」

 

「答え――

 

「左近、いいわ」

 

「・・・右近左近(うぢかさこん)だ。更識家の執事だ」

 

「更識、どういうことだ?」

 

「どうも何も、学校でできない実家の仕事の報告を逐一ここまで報告させていただけですよ」

 

「はあ、分かった。そういうことは手続きを踏め」

 

「急な仕事もあるんで」

 

「それでもだ」

 

「は~~い」

 

「さて、何でお前たちはあの場で暴れていた?」

 

「そこの仮面が侵入者だと思ったので」

 

「売られた喧嘩を買ったまでだ」

 

一触即発

 

「やめなさい、左近」

 

「落ちつけ、焔てかなんで、喧嘩腰?」

 

「単純明快だ。相生だ」

 

「相生?」

 

「相生忍軍。かつて真庭忍軍と双璧をなした忍軍よ」

 

先輩が答える。

 

「ま、今は更識家の執事だけどね、左近これからは彼との私闘は禁ずるわ」

 

「御意」

 

その後千冬さんから説教を受け解散となったが、

 

「ちょっと待ってくれませんか」

 

二人を呼び止め、部屋の前まで来てもらい、ISコアを持ち出す。思ったとおり、炎刀・銃が反応した。左近が触れると、

 

「主、認証しました」

 

その声と同時に手に自動式拳銃と回転式拳銃が握られていた。

 

「やっぱりな」

 

「あら、よかったの?」

 

「良いも何も真庭家の方針は反応した人が所有者だと決めているんで」

 

「感謝する」

 

「言っておくが相生は嫌いだ。直接的な先祖ではないにしろわが先祖に対する屈辱は忘れはしない」

 

「覚えておこう」

 

そこで別れた。この時、あの先輩に4ヶ月後に色々ひっかきまわされることは予想もしなかった。

 

 

 

 

                 ☆

「で、それで寝不足なわけ?」

 

「ああ」

 

鈴との約束、買い物に付き合っている。

 

「それにしても珍しいわね。焔、あんまし人嫌いしないのに」

 

「まあな。生理的に鶴の次に嫌いなんだ、相生は。先祖が死にかけ、真庭の滅亡間近の原因も相生だ」

 

「そう。あ、あれかわいい」

 

と興味をなくしたか、ウィンドウショッピングに興じる。まあ、たまにはいいかと思いつつ鈴を眺めていた。

 

 

 

午後3時、何か軽い物でもということで@クルーズでパフェを頼む。

 

「ほ、焔。あんた何頼んでんのよ?」

 

「なにって、メテオブラックチョコパフェver3だが」

 

「3!!1,2もあんの?そしてちょっとは節制しなさいよ!!」

 

「最近気がついたんだが、鬼火でカロリー消費できるからな、なんかどうでもよくなってきた」

 

「良くないわ!!まったく、次から気をつけなさいよ」

 

「そうする」

 

黙々とパフェを食べる。と後ろの席から

 

「じゃ、反省会だ。俺ら私設・楽器を弾けるようになりたい同好会(バンド名はまだ決まっていない)のこの前の初ライブ、最初は盛り上がったが最後の方になるとお通夜のようになった。何故だ!!」

 

「思うに、原因は横司のあれのせいだと思うのですが」

 

「なに、俺のどこがいけないって言うんだ、真庭」

 

真庭?

 

「ほら、輝いた~夢をつかむうんだ~のところで、 輝いた~トゥメをつかむうんだ~  なんですか、トゥメって?」

 

「何でもないよ、ただ、感じだして歌ったまでだよ」

 

「そんな変な感じを出さないでください。はっきり言うと不愉快です」

 

「俺もそう思う」

 

「僕も」

 

「なんだよ、みんなして!!俺は真庭のせいだと思うぞ!!」

 

まさか

 

「何を言うのです。私のどこが悪いと言うのですか!!」

 

「ああ、お前一曲目のイントロからいきなり歯で弾き始めたじゃねえか!!」

 

「別にいいじゃないですか」

 

「良くないわ!!それでびっくりして、

ウォ、めをつかむうんだ~ て、歌っちまったよ」

 

「あなたの場合、ちゃんとしてもトゥメになるでしょーが!!」

 

「俺も海のパフォーマンスは良くないと思う」

 

「僕も」

 

「何ですか、みんなして、それにライブが盛り下がるのは私のせいだけじゃありませんよ。弾、あなたにだって責任はありますよ」

 

弾?

 

「なに、どこか悪いって言うんだよ」

 

「盛り上げるためにクラッカー鳴らして、3発中3発が不発だったでしょ。あれでわずかに残っていた盛り上がりも急降下でしたよ」

 

「く、反論できねぇ」

 

「なにやってんのよ。弾、海」

 

鈴が横槍を入れる。

 

「り、鈴!!お前、どうしてここに?」

 

「おや、鈴じゃありませんか。焔からIS学園に転校したと聞いていましたが」

 

「そうよ。ちなみに焔は」

 

「呼んだか」

 

振りかえる。

 

「おや、焔もいましたか。恥ずかしいところを聞かれてしまいましたね」

 

「って誰なんだよ。この二人は?」

 

「うるさいですよ、横司。数馬を見習いなさい。私のいとこと幼馴染ですよ」

 

「よろしく。しかし、聞いたところ呆れるを通り越して、もはやギャグかと思うぞ」

 

「私もそう思うわ。とくにトゥメ」

 

「初対面の娘にまで、駄目だしされた」

 

「ところで、焔と鈴はデートですか?」

 

「な、何言ってんのよ」

 

「買い物に付き合っているだけだ」

 

「あのなぁ、こうやって喫茶店でお茶してる時点で世の中じゃデートってー

 

言い終える前に鈴に口を塞がれる弾。何があった?アイコンタクトで会話をする二人。

終えたのか、鈴が離し、弾は

 

「まあ、あれだ。久しぶりだな。鈴、焔」

 

「そうね」

 

という感じで、雑談となった。その後弾達と別れ、自然公園に向かう。この自然公園の一角には開拓されなかった湖を中心にして市民の憩いの場所となっている。昔から何となくこの場所が好きだったので、今日もやってきた。いつもは一人で来るが、鈴も一緒だと何か新鮮だ。

 

「ねえ、焔」

 

「何だ、鈴?」

 

「あそこにいるのって」

 

ゆびさす方向を見る。そこにはショートカットのかわいい女の子とペンギン帽子をかぶった海の弟、涼がいた。宿題なのか、スケッチブックに何か描いている。

 

「涼だな。よく気がついたな」

 

「あの子ぐらいでしょ。あのペンギン帽子かぶってるの」

 

確かに。あの真希姉デザインのあの帽子は目立つな。涼の近くまで来ると気付いたのか声を上げる。

 

「焔兄さん」

 

「久しぶりだな、涼。元気にしてたか」

 

「は、はい。そ、それとお久しぶりです。鈴音さん」

 

「鈴さんでいいわよ。そっちの子は…彼女?」

 

「と、友達です」

 

と、必死に否定する涼。

 

「そうですか。ただの友達とは私は何か悲しいです」

 

「い、いや。その」

 

わざと肩を落とすショートの子に必死に言い訳する涼。毎度ながら思うのだが何このかわいい生き物。

 

「嘘、嘘。分かってるんだから。あ、紹介遅れましたね。校倉名雪っていいます」

 

にっこり笑う。うん、かわいい。鈴も同様のようだ。

 

その後、雑談に花を咲かせ、夕刻になり、涼達と別れ寮へと帰る道中。

 

「焔兄ちゃ~~ん」

 

「だが、断る」

 

親戚の花梨に会い、ハグされようとしたのを避ける。

 

「相変わらずね、花梨」

 

「それはこっちの台詞だぜい。鈴さんよ。あたしの計算違いだったぜい。まさかそこまで焔兄ちゃんのこと……」

 

花梨が言い終える前にその口を塞ごうとする鈴。

 

「無駄だぜい」

 

と真庭拳法の構えをとる。

 

「上等よ」

 

鈴も何かしらの構えをとる。仕方あるまい。

 

「落ちつけ二人とも」

 

「焔は黙ってて!!」

「兄ちゃんは黙ってるんぜい!!」

 

ほう、ならば

 

「断罪…」

 

「いきなし!!」

「断罪円は勘弁!!」

 

と喧嘩はやめたようだ。名残惜しそうな花梨を見送り、寮へと帰る。途中で鈴と別れ自分の部屋へと行く。すると、

 

「私が優勝したら―――つ、付き合ってもらう!」

 

「はい?」

 

と箒が一夏に告白をしていた。箒は言い終えると脱兎のごとく駆け出した。非常に青春の一ページな光景だが恐らく一夏には通じてはいないだろう。なぜか、恐らくあいつは

どこまで?と言いそうな奴だ。一波乱あるかな。そう思いつつ部屋に戻った。まさか、この告白事件が俺と刻枼を巻き込むとはこの時予想もしてはいなかった。

 




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